BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。 作:九頭竜 胆平
今朝の集会で虚の姿どころか、気配すら観測できないことが明かされた。場合によっては非常招集の可能性もあり、各隊員は斬魄刀の携帯を常に義務づけられた。俺は、きっとまだ破面に勝てない。どうすれば、どうすればまつ梨を、征源様を、伊花様を守れるのだろう。
そんなことを考えてても強くなれないし、とりあえず今日はもう開き直ってさらに原作キャラに会いに行くことにした。多分もう俺ら物語の中に組み込まれてるでしょ。
「おう、オメーら、やっと来たか。さっさと行くぞ。」
うひょー!志波家楽しみだなぁ!空鶴さんがエッチくて好きなんだよね。(欲望全開)
「俺の家はいるだけで強くなれるからな。」
「どんな家ですかそれ。」
「一言でいえば弱肉強食の館。」
「(おかしい、さっきまで楽しみだったのに急に不安になってきた。)」「(そんな家聞いたことないわ。)」
「あれ、ここだったはずなんだがな…?」
ついたのはただの原っぱだった。何にもないけど。
「道を間違えたんじゃないですか。」
「いや、そんなはずはない。」
でも実際、家ないじゃん。
「おやおや、どなたかと思えば志波家の!」
「よお、久しぶりだな。いきなり妙なこと聞くが、俺んちここだったよな?」
なにをばかな、実際ないんだからそんなわけ「空鶴様と岩鷲様なら、ずいぶん前に引っ越されましたが?」あるえぇぇぇぇぇぇぇ!?
「なに!?あのバカ!また連絡しねえで引っ越したのか!」
おい!どういうことだってばよ!いくらほぼ没落といっても五大貴族だぞ!当主に無許可で家を引っ越してるっておかしいだろ!しかも初犯じゃないのかよぉぉぉぉぉ!!!
「しかたねぇ、探しに行くぞ!」
はぁ!?
「探しに行くって当てもないのにですか!?」
「いや無理でしょ!?一地区だけでも家探しなんて不可能に近いのに、流魂街には320地区あるんですよ!?」
「それが兄貴の意地だ!ついてこい!」
「「は、はい!」」
夕方、俺たちは黄昏れていた。
「「……」」
俺と海燕先輩の顔は疲労が隠せていない。刑軍の訓練をしてる俺についてこれるなんて海燕先輩すげえわ。しかし
「み、見つかり、ませんでしたね、結局…」
まつ梨が死にかけだ。可哀想に。今日は抱っこで帰るか。
「…な、修行になるって言ったろ。」
「確かに…」
まつ梨、騙されてるぞ。今回の原因は海燕先輩だ。
………
……
…
昨日散々走り回った俺たちだが、今日もまた懲りずに流魂街に来ていた。
「ふんふんふーん。」
まつ梨は昨日死にかけだったのに、今朝は早起きしてわざわざギン君と乱菊ちゃんのためにお弁当を作っていた。それは決して悪いことではないのだが、
「うーん、いいのかなぁ…」
「なぁに?あたしがお弁当作ったことに不満でもあるの?」
伊花様が乗り移っている!?いや、言うんだ藤丸!おまえならできる!
「確かに俺と伊花様監修でやったからあんまりミスはないと思うけど、塩と砂糖間違えて使ったのが何品かあったよね?」
「違うよ、料理はマネするだけじゃダメなの!伊花様の味は伊花様のもので、藤丸のものは藤丸のもの!あたしの味じゃないの!」
創作料理もおいしければいいけどなぁ。おれはどうやら好きな奴の料理で舌が馬鹿にならないタイプらしく、普通に甘すぎた。
「さて、お味はいかが?」
さて、どうやってまつ梨が傷つかないようにしようか?
「んまーい!お弁と最高!」
んぇあ?奇跡起きた!?
「よっしゃ!」
「ギン君、正直なところどう?」
「せやなあ、こないな不思議なもん、食べたことあらへん。」
「だよね…」
こっそり俺が作ったのと交換しておくか。
「うまい!ちょーうまい!前のもおいしかったけど、今度のほうが甘いし!」
「でしょ?あたしもいい甘みが出てると思ったのよ!」
「まつ梨ちゃん天才!」「乱菊ちゃん美食家!」
「うわぁ…」
最悪が噛み合ってしまった。
「せやけど、たくさん作ってきてくれてうれしいわ。ほんまおおきに。」
「お礼なんていいよ。よろこんでもらえたなら、それでいい。」
「ねぇ、ギン。死神って…いいね。」
「せやな。」
「おなかいっぱい食べられるのよ?」
「せやなぁ。」
「ギン、ちゃんと聞いてる?」
「せやな…」
「バカ…もういい、あたし寝る。」
「…おやすみ。」
………
……
…
そう、よろこんでもらえたなら、それでいいんだけど。
「良かったのかなぁ?まつ梨の料理で…」
「二人にも好評だったし、シロちゃんめ、びっくりさせてやるんだから。」
一人しか好評じゃなかっただろ。おかしいな、こんなふうに育てた覚えはないし、何よりしたが馬鹿にならないように、いろんな食材を様々な料理にできるだけ工夫して出してたし、伊花様の料理でこんなふうに味覚が育つとも思えないんだけど。
「びっくりするだろうね。(甘すぎて)」
「こんにちはー!」「こんにちは。」
「ようこそ、藤丸さん、まつ梨さん。」
「何しに来たんだ?」
「決まってるでしょ。約束のものを、持ってきたのよ。」
「わあ~!お弁当だ!おいしそう!」
「お前、本当に持ってきたのか…」
「もちろん!あたしは約束はちゃんと守るのよ!」
「万が一(99パーセント)、口に合わなかったときのためにもう一つ作ってきたからダメだったら俺に渡してね?」
「藤丸!大丈夫だって!」
「わーい!いただきます!」
そういって動き始めた箸は、二人同時に一口目で止まった。
「「……」」
でしょうね、一発目が貧困街の乱菊ちゃんとギン君だったからああだっただけでこれが正規の反応だ。
「二人とも、口に合わなかったよね、ごめん。こっち食べて。」
俺はそう言って二人の弁当をもらい、俺の作った弁当を渡した。
「藤丸!まだ一口しか食べてないでしょ!」
「ごめんまつ梨。まつりが作った弁当食べたくなったんだ。二人には俺の弁当上げるから勘弁してくれ。」
俺はそう言いながらまつ梨の弁当を勢いよく掻っ込む。まつ梨はうれしそうな顔をしているが二人は信じられないものを見るかのように目を見開いた。
「うん。まつ梨の弁当はやっぱりほかの人には甘すぎるんじゃないかな?少し砂糖を減らしてみたら?」
「うーん、でも…」
二人は恐る恐るといったように弁当を口に入れる。
「おいしい!」「うめえ。」
二人はこちらは口にあったようでおいしそうに食べ始めた。
「やっぱり藤丸にはまだかなわないのかなぁ。」
「え!これ藤丸さんが作ったんですか!?」
「そうだよ。流魂街では毎日まつ梨に料理を作ってたからね。中華、洋食、和食、なんでもござれだ。」
「私、洋食作ってみたいです!何か教えてくれませんか?」
そうだな、オムライスとか簡単でちょうどいいか。
「藤丸ってすげえんだな。」
「藤丸は昔からすごかったよ。私たちの生まれは西流魂街76地区だけど、そこの人たちを束ねて、自警団って組織を作って、藤丸がそこの王様みたいになったんだ。」
シロちゃんは驚いたようで、目を白黒させている。
「真央霊術院にいたときも大虚っていうすごい敵から私たちを助けるために、一人で十二体も相手をして生き残った。だから、私も追いつかなきゃいけない。」
「大変だな。おまえも。」
私たちは料理をしている二人を見ながらそんな話をしていた。