BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。   作:九頭竜 胆平

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もう助けてあげたーい!(罪悪感)

俺は魚面の虚を殺したあと、すぐさまルキアの方へ駆け寄る。

 

「おいルキア、大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

「うるさいぞ馬鹿者、耳元で騒ぐな。それよりもう一体の虚を「もう殺しておいたよ。」

 

突如、俺の背後から聞き覚えのある声をかけられ、振り返るとそこにいたのはルキアと同じ黒い着物を着た藤丸さんだった。

 

「「藤丸さん!?」」

 

え、なんでこいつが藤丸さんのこと知ってんだ?

 

「おい、一護お前藤丸さんと知り合いだったのか?」

 

「あ、ああ、俺に勉強や武術を教えてくれる近所の知り合いで、お前こそ何で知ってるんだよ。」

 

「藤丸さんは私の恩人であり、死神の中でも屈指の実力者であり、そして…尸魂界から特別な斬魄刀を盗んだ()()()()()()()()()()()()()。」

 

「はあ!?」

 

嘘だろ!?公園で何時も日向ぼっこしてる様な藤丸さんが!?!?小さい子供と遊んだり近所のごみ拾い手伝ったり交通安全のボランティア手伝ったりしてる藤丸さんが!?!?!?

 

「久しぶりルキアちゃん。色々話したいことはあると思うけど、まず回道かけさせてね。『至空華』」

 

ルキアの傷口に白い花が開き、しばらくするとその花びらが散り始め、傷は無くなっていた。

 

「騒ぎもあるし、二人とも聞きたいことだってあるだろう。とりあえずうちに来なさい。」

 

そういうと藤丸さんは夏梨を持ち上げ、アイコンタクトで俺らにも運ぶよう促してから、藤丸さん家まで歩き始めた。

 

 

………

 

 

……

 

 

 

 

「さて、まず何から聞きたい?」

 

「藤丸さんは本当に死神なのか?あと大犯罪者ってどういうことだよ!?」

 

あの藤丸さんが死神だってことも知らなかったし、さらに罪人なんて話を聞いて衝撃を受けた。だけどどうしても信じられなくて俺は藤丸さんに聞いた。そうして帰ってきたのはやけにあっさりとした肯定だった。

 

「うん、そうだよ。ざっくり百年位前かな?死神だったのは。で、ちょっといろいろあったから、お宝盗んで妹を含めた知り合いと一緒にこっちに逃げてきちゃった。」

 

「何故ですか!?なぜあなたほどの死神が、そんなことを!」

 

「ごめんね、ルキアちゃん。それはまだ話せないんだ。いつか話すからその時まで待ってて。」

 

なんか、ルキアの話だと藤丸さんがすごそうな感じがするんだが…

 

「なあルキア、藤丸さんってそんなすごい人だったのか?」

 

「たわけ!いいか、死神は全員護廷十三隊という組織に属している。護廷十三隊はその名の通り十三個の隊で構成されており、一つの隊には約二百強の死神がいる。そして藤丸さんは、二番隊という隊の第三席を務めていた人で、藤丸さんより上の立場は各隊の隊長、副隊長以外いない。」

 

「てことはなにか?藤丸さんの下には200人近く部下がいて、上司は二千六百人以上のうちたった二十六人しかいないってことか?」

 

「まあ、大雑把に言えばそうだ。」

 

藤丸さんの顔を見るが、とてもそんなすごそうな人には見えなかった。

 

「まあ、見えないよねぇ。」

 

「急に心を読んでくんなよ*1。藤丸さんは部下に慕われてたのか?」

 

「部下っていうか、立場上偉いだけの同僚って感じだけど、まあまあ好感度は高かったよ。当時はバリバリ仕事してたから。」

 

仕事?しごと?四五十?

 

「やだなあ、私事を略すなよ「働く方の仕事だよ。」ええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?」

 

「馬鹿者!失礼だろうが!藤丸さんは部下の面倒もよく見て、仕事をさぼる上司を率先して捕まえるような精励恪勤なひとだったんだぞ!」

 

「…ずいぶんと詳しいね。そんなに有名だった?(もしかしてあのこともバレてる?)(汗)」

 

「当時あなたの部下で、弟子でもあった志童四席に話を聞きましたので。」

 

「へえ~志童四席に志童四席!?あいつ四席にいんの!?」

 

「はい。狭間三席、蝸牛七席とも仲が良かったとか。」

 

「狭間さん俺の後任になったのか。灯花ちゃん、そのままの君で居てくれ。」

 

まじで藤丸さんが仕事の話してる?これは…夢?

 

「さて、話もそろそろ終わりにしようか。一護君明日も学校だしね。ルキアちゃん、よかったらうちに泊まる?」

 

「いえ、一護の家に泊まろうと思います。」

 

…今なんつったこいつ?

 

「おいルキア!うちには人を止めるスペースなんてないぞ!」

 

「って言ってるけど?」

 

「…実は、砕蜂隊長から藤丸と男がいないところで会うなと忠告を受けていまして。」

 

「砕蜂ちゃんが言うなら仕方ない。ごめん一護君、泊めてあげてもらってもいいかな?」

 

はあー、藤丸さんに言われちゃあな。

 

「しゃあねえな、…でも肝心の部屋がねえぞ。」

 

「それは私にいい考えがある。」

 

 

………

 

 

……

 

 

 

 

翌日俺は信じられねえものを見た。家族が昨日の事件を記憶置換で消したこと?違う。こいつの説得方法?惜しいが違う。正解は、あの穴だらけの設定で五人中三人がこいつを受け入れてことだ。

 

「どうだ一護!完璧だっただろう!」

 

「うちの中でまともなのは夏梨だけかよ…」

 

まあうちはかかあ天下なので母さんが賛成した時点で夏梨も明確な反抗はしなかったが。

 

「それに今日からうちの学校に来るってどうしてだよ。」

 

「私は昨日貴様にすべての死神の力を奪われてしまったから、尸魂界に帰るすべがないのだ。だから義骸に入り、力の回復を待たなければならない。とはいえ、その間で続ける虚の被害を放っておくわけにもいかん。そこで一護、貴様には私の死神の力が戻るまでの間、死神としての仕事を手伝ってもらう。」

 

?????????????????

 

「何故そんな顔をしているのだ?当たり前だろう。今死神の力を持っているのは貴様なのだから。貴様には断る権利は、「断る!」なに!?」

 

「あんな化け物と戦うのは二度とごめんだ。」

 

「馬鹿な!昨日は見事にやって見せたではないか。」

 

「それは身内が襲われてたからだ。赤の他人のためにはとてもじゃねえが戦えねえ。期待を裏切るようで悪いけどな。」

 

いくらある程度鍛えてるとはいっても化け物と戦うのが怖くないわけじゃない。俺はただの高校生なんだから。

 

「そうか、ならば仕方あるまい。」

 

ルキアはデフォルメされたドクロが描いてある手袋をおもむろにはめ、おいちょっと待て何する気だ!?ぐぇ、

顎を思いっきり殴りつけられ、その拍子に俺は後ろに倒れた。

 

「おい!てめえ急に何を…」

 

そう言いかけたとき視界にあるものが映った。地面に倒れている()()()を俺が見下ろしていた。

 

「お、俺の体~~~~~!!!!」 


最初こんな感じだったっけ。昔は一護君も家族以外はいいやってスタンスだったんだな。結局虚倒して男の子救ってるけど。あんだけ渋ってたくせに早いよ、死神代行やります宣言。でも君にはもっと強くなってもらわなきゃ困るんだ。

 

 

………

 

 

……

 

 

 

 

井上の兄さんの事件やチャドの事件を解決し、夜な夜な虚退治をした後、俺はルキアとともに藤丸さんに呼び出されていた。

 

「何だよこんな時間に、死神関係の話か?」

 

「そうだよ。一護君、ルキアちゃんもだけど、君はまだまだ弱い。だからもっと死神的な技術を鍛えてあげようと思って。」

 

そういうと藤丸さんは、わざわざ義骸に入り木刀を持った。

 

「一護君、今の君の限界と、武の神髄を教えてあげよう。」

 

「おいおい、藤丸さん怪我しちまうぜ。無理だと思ったら遠慮なく止めてくれていいからな!」

 

そういって俺は藤丸さんに斬りかかって行った。


地面には一護が膝をつき、それを藤丸さんが無傷で見下ろしていた。

 

「まだだよ一護君。夜はまだ始まってばかりだ。」

 

藤丸さんが入っているのは、いたって普通の義骸だ。現に藤丸さんは人間と大して変わらない速度で走り、人とほとんど変わらない霊力の全くこもらない拳を一護に振りぬいている。

 

「霊圧を上げて、僕から目を離さないで、足を常に動かすのを意識して、そう、いい調子だ。」

 

一護も倣ってもいないのに瞬歩を使い始め、刀だけでなく拳や蹴りも多用している。

 

「狙いが甘い、技と技の繋ぎも甘い、一護君は常に動き続けられるはずだ。その大きな刀が邪魔なら霊圧を圧縮しろ。刀は君自身から流れる力で大きさを変える。力の流れを止めるんじゃなく、より小さく、固く押し固めるように流せ。」

 

一護の口から洩れるのは乱れた呼吸音だけであるが、剣は徐々に小さくなっていき私でもギリギリ持てるほどの大きさに変化した。

 

斬月のこともあるし、今はこれが限界か。さあ当てれば勝ちだぞ一護君!君の霊圧が凝縮されたその斬魄刀の威力は格段に上がってるだろう!当ててみろ!」

 

木刀はどんどん小さくなっていくが、藤丸さんに焦りは見えずむしろ一護の方が息を切らしている。一護の振るう刀はさらに速く、鋭くなっていくが速度で劣るはずの藤丸さんはそれを当然のごとく側面から蹴り飛ばす。一護は蹴り飛ばされた刀をもう一度向け、今までで最も鋭い切り上げを行う。

 

「(入った!)」

 

一護の表情は勝利への確信を抱いており、その斬撃に堪らず藤丸は義骸から飛び出し浅打で止めた。

 

「お見事。」

 

 

………

 

 

……

 

 

 

 

「どうだい?ルキアちゃんから見て、一護君は。」

 

帰り道、一護を背負った藤丸さんはそんなことを私に投げかける。

 

「おそらく、席官クラス、下手をすれば副隊長格にも匹敵するかと。」

 

「くくく、良いね良いね!ルキアちゃんの目から見てもそう映るのなら俺は間違ってなかったな。」

 

普段は見せないいたずらをした子供のような笑いに、藤丸さんが一護を誰ほど気に入ってるのかが伝わってくる。」

 

「ルキアちゃんは今何席?」

 

「恥ずかしながら、私はいまだに席官にすらなれず…」

 

「そうか、今回の罪もどうなるかわからないし、なかなか厳しい立場にいるね…君がもし望むのであれば、僕が君に霊力を渡すこともできる、君は何を望む?」

 

私が犯した罪を肩代わりできると藤丸さんは言っているのだろう。この人は昔から不思議な人だ。いい人なのか、まったく情が無い人なのか、頭が良いのか悪いのか、飄々としていつも自分を掴ませない。でも、なんだかんだ言って私たちを助けてくれる。今回も、

 

「いえ、私が犯した罪は、私が背負っていきます。あなたに迷惑はかけません。」

 

私たちを助けてくれたあなたを、まつ梨さんを、尸魂界にばらすわけにはいかない。

 

そう、なんて短い言葉をかえした藤丸さんの表情は、なぜか苦しそうに見えた。

*1
顔に書いてあった




作者「いくら藤丸がきれいな女の子が好きと言っても子供の頃から知っていて将来恋次君と結婚が決まっているルキアちゃんには手を出さない。そうだよな、藤丸!」

藤丸「多分、きっと、maybe、possibly」

まつ梨、霞、作者「・・・」
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