BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。 作:九頭竜 胆平
「そんなんで私が捉えられると思っているぴょん?ほら脇がばがばだぴょん!!」
「(はいひっかかった~減速して必殺技に繋げさせてもらいま~す。)縛道の三十七『吊星(つりぼし)』(ポスッ)おっそい蹴りだなあ、捕まえちゃったよ。さて初日に俺に何してくれたか覚えてるかな?(さんざんまつ梨といちゃついてんの見せつけやがって、殺す。)」
「(いやらしい使い方するぴょん。)ちょっと待つぴょん。それはよくないぴょん。頭が潰れたトマトみたいになっちゃうぴょん。よく考え「竹蜻蛉」ぴょおおおおおおおおおおおおおおん!!!」
92日目49戦21勝26敗2引き分け
もはややつを女とは思わねぇ(最初から女ではない)。あれはサンドバックだ(いまだ負け越している)。あれから仲直りの目途もたたず、ただひたすら斬鬼走拳の訓練に明け暮れているがあと一週間もすれば真央霊術院に入院だ。まあそこで話せば仲直りできるだろ、できるよね?できるといいなあ(願望)。
「はい、今日はこの義骸に入って岩を切ってもらいます。」(大人ほどの大きさの岩)
「あのゴリゴリ霊圧吸われる義骸に入って、尚且つ刀に霊力死ぬほど込めろってことですか?(どこの鱗滝左近次だよ。)」
「わかってるじゃないっすか。じゃ、頑張って斬ってください。」
おいおいあいつまじかよ。俺が持ってんのただの刀だが?まあやれと言われたからにはやるけどさ。
音が響く。鉄と岩がぶつかる音。一心不乱に刀を振る少年の傍らには何本もの刀が入った樽があり、その近くには刀だったものが樽に入ってる本数より多く無残に転がっていた。
その少年は響く痛みに顔をゆがませるでもなく、斬れないことに憤り修羅のごとき形相になるでもなく、苦難に立ち向かう決意に満ちた表情でもなく、ただひたすらに虚無であった。目に光は灯っており、それは岩に向けられている。だが、そこには人間らしさなど欠片もなくまるで機械のように両手で刀を振り下ろしている。
一回一回に魂を込めるがごとく、込めれるありったけの霊圧を込めて、骨にひびが入ろうとも、空腹に腹が鳴ろうとも、滝のような汗で全身が冷やされようとも…
三日後ついに少年は岩をたたき切った。
浦原は真央霊術院に入るまでの一か月間、こちらで藤丸を預かる旨を朱司波家に伝えに行った。伊花はやや迷っていたが、藤丸が決めたのならと何も言わず。征源は修行ならばよかろうと前向きに許可を出した。ただ一人まつ梨だけは顔が曇ったままだった。
「さっ!最近一撃が重いぴょん!こんな短期間に何があったぴょん!?」
「刀振るときの応用で拳に霊圧込める感じがつかめてきたんだ。受けるときも全身の霊圧を一気に上げるんじゃなくて受ける部分に霊力を込めてその部分だけ霊圧を上げればいいんだって、最近気づいたよ。」
「(当たった瞬間どうしてもひるまざる負えないからくらったらそのままつなげられて負けるぴょん!)破道の四『白雷(びゃくらい)』!」
それは一瞬の出来事であった。いつものように霊圧を高めて、『白雷』を受けてから『白雷』で反撃をしようと拳に霊圧を込め殴りかかる。しかし、裏拳に当たった瞬間『白雷』はかき消えた。
『白雷』とは指先から雷を放つ技である。そのため霊圧を一時拳にためるのだが、霊圧を込めた拳全体で『白雷』打つ準備をした。要するにフライングである。そこからは偶然ではなく無意識による産物。ダメージを最小限にしようとした脳が最も有効な霊圧の質にするために導き出した答えは同じ質、量を持った鬼道の逆回転、そんな霊圧を拳にまとい『白雷』を殴りつけたので、お互いの鬼道が対消滅したのである。
それを認識しチャッピーは焦った。妨害がないとなれば相手の攻撃は完璧な挙動でこちらを襲うだろう。そして同じことを思った藤丸は内心ほくそ笑みながら鬼道を相手の太腿に向けて
「破道の四『白雷(びゃくらい)』」
……
…
すかした。
「ぴょん!」(上段蹴り)
「ぐぇ」
「あはっはははっはははは!!!!零番台の鬼道失敗したぴょんねぇ!そんなんでほんとに真央霊術院合格できるぴょん?wwwww」
「うるさいよ(くっそ、ミスったのこっちだからなんも言えねぇ。)」
独学で反鬼相殺という白打・鬼道の頂に手をかけた天才は完全に実力で下回った義骸に死ぬほど煽られていた。
95日目62戦58勝1敗3引き分け
「まつ梨サンは斬術の才能がありそうっすね」
朱司波から聞いた話によると一撃はなかなかの威力があり、三十番台の破道もすでに使えるものがあるようで、三十一番の『赤火砲(しゃっかほう)』は詠唱破棄で使用もできるという。
「もうすでに真央霊術院では特進クラスは確実でしょう。」
まつ梨の実力なら特進クラスでも上位を取り続けることは難しくないだろう。ただ、兄のほうが異常だった。
宮能藤丸、鬼道は七十番台も唱えられるものがあり、五十番台まではすべて詠唱破棄。これだけでもうすでに鬼道衆に入れそうなものだが、白打、歩法も二番隊に入れるほどであり、霊圧は席官並で扱いもうまい。
「藤丸サンは、まさしく天才っすね。」
己と猫しかいない研究室の中、喜助はそう呟かずにはいられなかった。自分の研究成果である戦闘用義骸。決して死神ではないため実際に現世には派遣できないものの戦闘訓練に用いるにはとても有用である。それを差し引いてもたかだか三か月であそこまで白打、鬼道、霊圧の運用の練度を高めることは異常である。
さらに反鬼相殺という技を使ったということは白打の奥義
最初に進めたときには霊圧が大きいだろうという点しか見てなかったが、その少年の真価はそこではなく、死神ですら音を上げるだろう鍛錬を限界以上にこなし、強くなるために涅マユリすら利用しようという意思の強さだろう。現にマユリはその魂胆をわかっていながらも従順に働く下僕をなくすのは惜しいのかたまにお願いを聞いている。並大抵の精神力ではない。マユリのことを少し話したときに見せただからどうしたという顔は喜助ですら驚愕した。あの少年はきっと自分にかかわること以外どうでもいいのだろう。悪人だろうと善人だろうと自分の利になるなら笑顔で歓迎する。どこか自分と似ているようでふと笑みがこぼれた。
「その小僧はおぬしにそこまで言わせるほどか。」
「ええ、きっと気に入りますよ。ヨルイチサン。」
一匹の黒猫はまるで古くからの付き合い用に男としゃべっていた。