BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。 作:九頭竜 胆平
なんだ、霊圧上げるのなんて血圧上げるぐらい簡単じゃん!
複数の岩を前にまだあどけなさを残した青年は様々な太刀筋を繰り返す。片手による突き、横へ一閃、両手で切り上げなど。岩には明確な太刀筋が付き、青年の持つ刀は刃こぼれ一つ起こさない。たった一か月。されど一か月我武者羅に剣を振り続けた少年は基礎をつかみただ一つのことに打ち込むことで精神的に大きく成長を遂げる。具体的にはまつ梨禁を平然とこなせるようになったのである。精神が成長した少年は青年へと至り強さにはより拍車がかかていた。
「明日から真央霊術院に入院するから、これで最後だ。よろしくチャッピー。」
いつも斬術の修行で使っている義骸に入り、藤丸は最後の戦闘訓練を始めようとする。まつ梨禁ができるようになってから藤丸のチャッピーに対する思いは感謝だけとなり、この戦闘訓練はとても楽しいものになっていた。それに対してチャッピーは、
「もうよろしくしなくてもいいぐらい強いぴょん。かわいいかわいい義魂丸をいたぶるのはやめるぴょん。」
普通に嫌だった。
そもそも、戦闘訓練を楽しみ始めたころとは、斬術の訓練で戦闘能力が飛躍的に上昇したころである。つまりチャッピーからは自分をぼこぼこにするタイミングでひどくワクワクしているドS野郎にしか見えないのである(なお義骸のため「どんだけぼこぼこにしても直るしいいか。」と言いはなち、破道の五十四『廃炎(はいえん)』を使ったりもした。貫禄の弩畜生である。)。しばらくたって彼が修練用義骸を着て戦闘訓練をしたときは最初はぼこぼこにできたのに次第に反撃が多くなり最終的に義骸を着ててもぼこぼこにされるようになった。ついでに義骸を着てぼこぼこにされてるときも笑みを絶やさなかったので、チャッピー視点は
なおそれでも縛りが足りないといい、涅マユリに作らせた、霊力を吸う襟巻をつけていることをチャッピーはまだ知らない。
最終日(125日目)69戦68勝0敗1引き分け
気持ちよく出発させないためにチャッピーは死ぬ気で引き分けに持ち込んだ。
…………
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いくら弱体化アイテム付けているとはいえ3戦も引き分けに持ち込むとかマジか。やっぱチャッピーすげぇわ、作った浦原さんと涅さんも。チャッピーが相手じゃなかったらきっとここまで強くなれなかった(確信)。まじでありがとうチャッピー。ホントに感謝してる。
「藤丸サン、なんか霊圧が爆発的に増加してません?なにがどうなったらそうなるんですか?」
霊圧を鍛える方法は一般的に死にかけるのが最も効率がいいといわれている。
「≪
魄睡と鎖結という霊力器系の臓器が存在する。この二つは霊力を作り出す器官と作った霊力を送り出す器官である。
この男、霊圧を低いように見せかけて隙をつけないかな、という考えで鎖結全体を霊圧で包み込むように全方位から圧をかけたのである。その結果しばらくした後に、絶叫を上げながら穴という穴から水分を垂れ流すほどの激痛に襲われて気づいたら霊圧が上がっていたのである。鎖結に圧力をかけると霊圧が増幅すると考えた。すごく痛いから人には教えないようにしようと藤丸は心に誓った。
ちなみに鎖結に圧力をかけると霊圧が上がるわけではないので、端的に説明された浦原は何が起こったのか理解できなかった。
そう。別に鎖結に圧力をかけても霊圧が上がるわけではない。当たり前である。鎖結とはポンプの役割を果たすものであって、作り出す器官ではないのだから。藤丸は誤解している。鎖結や魄睡はこの方法で鍛えるのは不可能である。
ならばなぜ霊力が増加したのか、理由は単純明快。死にかけたからである。
まず鎖結に全方位から圧力をかけるということは心臓に弁をすることと同じである。つまりやり続ければ鎖結は破裂しそのまま死神の道は断たれる(霊力を扱えず普通の霊になるため)。だが藤丸は浦原との修練で多量の霊力を一気に運用して霊圧を上げるということを斬術と戦闘訓練でただひたすらに行っていたため、鎖結が人より強靭だったことで事なきを得た。問題はこの後、多量のせき止められた霊力が流れ出したことにある。
Q.普通のホースに消防車のノズルをつけて全力で発射するとどうなるでしょう。
A.削れる、破ける、破裂する。
自分の許容量以上の霊力が一瞬で藤丸の体をズタボロにした。これが激痛の正体であり、生命の危機である。
つまり下手すれば死んでいたのをたまたま運がよかったために生き残りそのまま生き残ったというだけのことだった。しかしこの男にとって気が狂いそうな痛みなど、まつ梨が自分を心配しないようになる(仲直りする)ためならばへでもない(根本的にすべて間違っている)。直後は霊力を操るだけで痛みが強くなったため、痛いということは危ないことという馬鹿でも知っている理論で奇跡的に死を回避。
時間をおいての二回目は痛みを少なくしようとしてあえなく失敗する。(そもそも本人は圧力をかけることで痛みが発生すると思い込んでいるが、耐えきれなくなった霊力が流れることで激痛が走るため、痛みとかける圧力に関係はない。)数十回やって痛みを少なくするのは無理だと(死の淵を反復横跳びしている。)悟ったころには完全に痛みに慣れてしまっていた。なお現在は耐えられる痛みは危なくないという馬鹿の理論の元、当然のごとく死にかけている。
ちなみに魂魄が弱いと自身の霊圧に耐え切れず死ぬものもいるため藤丸はひたすらに運がよかった。
「宮能藤丸、ただ今帰りました。」
そんなこんなで修行から帰ってきた藤丸は久しぶりの我が家に帰ってきた。久しぶりの我が家はとても落ち着く香りで、たった1か月だというのになぜか泣いてしまいそうになる。そんなことを思っていると、元気のよい足音が聞こえる。
「お帰り藤丸!」
まつ梨は久しぶりに会った兄に対して勢いよく抱き着いた。最後にあった時は冷たい態度をとってしまったが、兄に追いつけなくともその隣で支えてやればいいという結論に至ったまつ梨はたゆまぬ努力で成長していた。
ふわふわの髪の毛、柔らかい膨らみかけの胸、信じられないくらい心地いい温かい陽だまりのような匂い。
帰ってきた直後で感極まっている兄に対し大量の情報を
藤丸は泣きながら心肺停止した。
鎖結を心臓にたとえるのは天才曇らせ職人リスペクトでやりたかったが、血液にたとえた場合血圧が上がった時に起こるのは血管の破損ではなく心不全であるため、私の設定だとできなかった。