異世界はブリッツボールとともに。 ~異世界ワッカ~   作:3S曹長

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 前回に続いて当作品と関係ない「白猫プロジェクト」の話になって申し訳ないのですが、「白猫テニス」ってまだ続いてたんですね。
 私も3年ほど前までは遊んでたんですが、対人戦ゲームのくせにインフレが酷くてアンインストールしてしまったんですよね。まだ遊んでる人がいるんだなぁ…。
 そんな白猫テニスですが、現在「異世界かるてっと」とコラボしているようです。「異世界かるてっと」の4作品からそれぞれ代表キャラ1人がガチャに…って、何で「オーバーロード」の代表キャラがアルベドなんだよ?アインズはどうなってんだアインズは!!まさか、コロプラ社員もアルベドじゃないだろうな?

 というかそもそも、なんで「オーバーロード」のヒロインの名前がアルベドなんだよ?まさか、丸山くがね先生もアルベドじゃないだろうな?


脅威襲来、そして武器紛失。あとブリッツボール。

 ガルン隊長の言っていたとおり、ラングレーの町を抜けた先にはどこまでも森が広がっていた。森の中には魔獣がたくさん生息しているとのことだが、人里に降りてくることはあまり無いらしい。

 森の中を進んでいるワッカ達にとっては魔獣が脅威であることに変わりはないのだが、ワッカの契約獣であるビャクティスは獣の王である。ビャクティスがいる限り、獣タイプの敵が襲ってくることは無いようだ。最も虫など獣以外の敵が襲ってくることは避けられないので、幾度か戦闘を強いられることにはなったのだが。

 

「日暮れまでにエルドの村に着くのは難しそうですね」

 

 太陽が大分落ちてきた頃、オリガ大使が皆に伝えた。エルドの村は今進んでいる森を抜けた先にある村の名前であって、決して黄金郷では無い。

 無理をして夜の森を進むのは危険が大きいし、真夜中に到着しても村人達にとっては迷惑だろう。村への到着は明日にして、一行は日が落ちきる前に野営を敷くことにした。夜になると、焚き火以外の明かりが無くなり、森の中は漆黒の闇に包まれる。以前のように盗賊に襲われることが無いとも限らないため、ワッカ達が食事をしている最中も、ベルファスト及びミスミド両国の護衛兵士達が交代で焚き火の周りを警戒していた。

 

「じゃ、ちょっくら行ってくらぁ。ビャクティス、ユミナとリンゼを頼むぜ」

 

『御意』

 

 ワッカは(おもむろ)に立ち上がり、馬車の中に入っていった。そして車内で「ゲート」を開く。

 

「エルゼ、八重、時間だぁ」

 

彼が開いた「ゲート」は王都の屋敷に繋がっていた。

 

「あ、もう時間?」

 

「せわしないでござるな。まだ髪が乾いてないでござるよ」

 

「お前らなぁ、あの中から抜け出してることがバレたら大変だろ?さっさと支度するべし!」

 

「「はぁ~い」」

 

お気づきの通り、エルゼと八重はワッカに頼んで「ゲート」を開いて貰い、屋敷に戻って風呂に入っていたのである。ワッカが「ゲート」を使えることはミスミドの人達には知らせていないし、そもそも他の皆が危険な森にいる中で2人だけ安全な屋敷に戻っていること自体、不義理でしか無い。(ゆえ)に、怪しまれないための時間厳守は当然のことであった。

 3人は「ゲート」を抜けて皆のいる場所へと戻っていった。しかしワッカが留守にしている間に、森中が何やら騒がしくなっていた。あちこちから動物たちの鳴き声が聞こえてくる。何か異常が起こっているのは明白だった。

 

「おい!何かあったのか?」

 

「わかりません、急に動物たちが騒ぎ出して…」

 

 ユミナがそう答えていると、急な突風が吹き出した。

 

「上だ!」

 

ミスミドの護衛兵が声をあげる。ワッカが頭上を見上げると、翼の生えた何か巨大な影が上空を通り過ぎていくのが確認できた。

 

「何だぁ、ありゃ?」

 

「竜…!どうしてこんな所に!?」

 

「どういうこったよ!?」

 

震えた声を発するオリガ大使にワッカが問いかける。

 

「竜…ドラゴンは普段、ミスミドの中央にある聖域で暮らしています。聖域は彼らのテリトリーとなっているため、誰も立ち寄りません。また竜達も、侵入者がいない限りは聖域から出て暴れるようなことは通常、ありません」

 

「じゃあもしかして、その聖域ってのに侵入者が現われてイタズラでもしたってことか?」

 

「いえ、そうとも限りません。何年かに一度、若い竜が己の力を誇示せんと人里に降りて暴れることがあるのです。あの竜も恐らくは…」

 

「気まぐれな散歩、なんてこたぁ…ねえよな?」

 

「それは無いでしょう。あの竜が跳んでいった方角にはエルドの村があります。そこで暴れて力を示すつもりなのでしょう…」

 

 事態は深刻だ。だが一行の目的はあくまで、オリガ大使を無事にミスミドの王都へ送り届けることなのだ。もしも彼女の身に何かが起これば国際問題に発展しかねない。村一つが焼け野原になることが分かっていたとしても、軽々に動くことは出来なかった。

 ()()()()()()()

 

「エルゼ、八重、やりたいことは済んだな?」

 

「ええ」

 

「応」

 

「リンゼ、お前の分は明日だ。生きて帰るぞ」

 

「はい」

 

「な!?もしかして、竜を倒しに行くつもりか!?」

 

ガルンが戸惑いながらワッカに問いかける。

 

「ああ。オレらはギルドの依頼でここにいるんだ。何かあってもオレらの失敗で済む」

 

「ムチャだ!竜は国の兵士100人で何とか退(しりぞ)くことが出来る相手、そんな少人数ではとても…」

 

「言ってもダメですよ」

 

ガルンの言葉を(さえぎ)ったのはユミナだった。

 

「ワッカさんはこういう時、黙って見過ごすことの出来ない(ひと)ですから」

 

「その通りだ」

 

ワッカも彼女の言葉に同意する。

 

「つーわけで、ユミナはここに残るんだ」

 

「…え?」

 

 ワッカの突然の言葉に一瞬固まるユミナだったが、すぐに反論する。

 

「どうしてですか!?私もワッカさんと行きます!」

 

「ユミナ!!」

 

ワッカはユミナの名を叫ぶと一瞬だけリオンに顔を向け、すぐに彼女の方に向き直る。

 

「オレの言いたいこと、分かるな?」

 

 説き伏せるように言葉を(つむ)ぐ。ユミナはベルファスト王国の王女なのだ。(おおやけ)にはされていないが、彼女もまた護衛対象の1人なのだった。

 

「分かってます!でも…」

 

「シルバーウルフ、呼べんだろ」

 

「は、はい…」

 

「ビャクティスを連れて行くからな。パニックになった森の魔獣が皆を襲うかもしれねぇ。お前が護ってやんだ」

 

「………」

 

なおも不満そうなユミナにワッカは笑顔で語りかける。

 

「ユミナ、すぐに迎えに行く。そこで待っていてくれ」

 

「…もう、しょうがないですね!」

 

 ユミナは諦めた。言ってもダメだ、と先程自分で言ったばかりである。それにワッカは色々と考えた上で自分をココに残す判断をし、その上で役目まで与えてくれたのだ。これ以上自分の想いを押し通そうとするのは、迷惑以外の何物でも無いと理解したのである。

 

「絶対、戻ってきて下さいね。約束ですよ」

 

「ああ、絶対戻る。約束だ」

 

ユミナと約束をし、立ち上がるワッカにガルンが声をかける。

 

「本当に、行くつもりなのだな…」

 

「ま、心配すんな。こう見えてもオレぁ、あれくらいのドラゴンなんて何度も倒したことのあるプロなんだぜ?」

 

ユウナのガード時代を思い出しつつ、ワッカは答える。そして彼はリオンに近寄り、肩を叩いた。

 

「ユミナのこと、頼んだぜ」

 

「はっ!お気を付けて、ワッカ殿!!」

 

「おう!行ってくるぜ!!」

 

そう言ってワッカはエルゼ、リンゼ、八重、ビャクティスを連れてエルドの村への道を駆けだしていった。

 一行の姿が見えなくなったところで、ビャクティスが本来の姿に戻る。

 

「少し待ってろ。良さげな場所に着いたら『ゲート』を繋ぐからな」

 

そう言って近くの木に目印を付け、ワッカはビャクティスの背に乗った。

 

「飛ばせ!ビャクティス!」

 

『お任せを!!』

 

ワッカの命を受け、ビャクティスがもの凄いスピードで道を駆けていく。

 数分も経たない内に、彼らはエルドの村を一望出来る崖に到着する。ここから飛び降りれば村は目と鼻の先である。しかし村の上空には黒い竜が飛来しており、口から吐き出した炎で村を焼き払っていた。

 

「『ゲート』!」

 

四の五の言っている暇は無い。ワッカは「ゲート」を繋ぎ、エルゼ、リンゼ、八重の3人を呼び寄せる。

 

「ライブラ!」

 

そしてすぐさま「ライブラ」で、黒竜の情報を得る。

 

「表面の(うろこ)は非常に硬く、口から炎を吐く。火属性完全耐性。水属性弱点。睡眠、石化完全耐性。他状態異常強耐性」

 

「リンゼ、火属性魔法は効かねえらしい。攻撃するなら水属性だ」

 

「分かりました」

 

「とりあえず、これ以上好きにはさせねえぞ?」

 

 そう言ってワッカは力を溜める。彼の側に現われたリールが回り始める。

 

白色

 

白色

 

白色

 

ブリッツボールに「ブリザド」の力が宿る。ワッカのオーバードライブ技「エレメントリール」だ。(ドラゴン)には氷が効く。みんな知ってるね。

 

(うな)れ、ブリッツボール!」

 

 ワッカは黒竜に向けてブリッツボールを蹴りつけた。刃物(エッジ)の生えたボールが「ブリザド」の力を発しながら黒竜に向かっていく。

 しかしもう少しで当たるという所で、ワッカの奇襲が黒竜に気付かれてしまった。黒竜は飛んでブリッツボールを(かわ)そうと試みた。結果として、刃物(エッジ)は黒竜の脇腹に中途半端に突き刺さり、黒竜にとってはダメージ無しとは行かず、ワッカにとっては大ダメージとはならない、双方にとって中途半端な結果となってしまった。

 

「ちっ、そう簡単にはいかねえか…」

 

 悔しがるワッカだったが、ここで彼にとって予想だにしない出来事が発生する。

 なんと、黒竜が己の体に突き刺さっていたブリッツボールを抜き取り、それをワッカとは逆方向に放り投げてしまったのだ。

 

「な、なんだってええ!!」

 

これはワッカにとっても経験したことの無い出来事だった。まさか自分の武器であるブリッツボールを紛失してしまうとは。

 

「ど、どうすんのよ!ワッカ!」

 

エルゼが問いかける。

 

「く、くそぉ…。探そうにもこんなに暗くちゃ…、つーか、探してる暇なんか無えよなコレ…」

 

『主よ、ここは私にお任せ下さい』

 

 呆然とするワッカにビャクティスが声をかける。

 

「なんかあんのか、ビャクティス?」

 

『はい、私ならあのボールを探すことが出来ます。以前、主からは何か高位の力を感じるとお伝えしましたね?同じモノを、あのボールからも感じ取ることが出来るのです』

 

確かに契約したとき、ビャクティスがそのようなことを言っていた。「高位の力」というのは、ワッカを異世界に転生させた神の力のことで間違いないだろう。そしてあのブリッツボールは神からの贈り物である。ならばビャクティスがあのボールを探すことが出来てもおかしくは無い。

 

「そうか!助かるぜ、ビャクティス!」

 

『お任せを』

 

「だがビャクティスがボールを探している間、オレ達も手をこまねいてるわけにはいかねえ。そこでだ、今から作戦を伝えるぞ」

 

 そう言ってワッカは3人と1匹に対し、作戦を伝えるのだった。




 ユミナがお留守番なのは原作通りです(なりゆきは結構違っているのですが)。決してイジワルしたわけじゃ無いよ。

 ブリッツボールを無くすなんて、FFXではありえないことですが、当作品ではリアルな戦闘描写を追求した結果、まあこういうこともあるだろうということで書きました。
 この前代未聞のピンチをワッカは乗り越えることが出来るのか、次回をお楽しみに。
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