異世界はブリッツボールとともに。 ~異世界ワッカ~   作:3S曹長

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オレな、この小説書くために「異世界はスマートフォンとともに。」のアニメ見直してんだけどよ…

わりい、やっぱつれぇわ

内容もさることながら、明らかにやる気の感じられない作画が気力を削っていくんですよ。
でも、出来の良いエンディングテーマを支えに頑張ります。


ギルド、そして初依頼。あとブリッツボール。

 ギルドに向かう道中、ワッカは双子の妹リンゼからこの世界のギルドがどの様な施設なのか説明してもらった。

 ギルドとは簡単に言えばギルド登録者に仕事を斡旋(あっせん)する施設である。ギルドには日々、様々な人から依頼が持ち込まれる。依頼の内容も魔獣討伐、採取、調査、護衛、変わったものだと子守など多種多様だ。ギルドはそれらの依頼をギルドに登録している人々に紹介する、登録者は紹介された仕事をこなして依頼人から報酬を貰う。そしてギルドは依頼紹介の仲介料を貰って金を得る、という仕組みである

 

「最高だぜ、魔獣討伐で金がもらえるなんてよ」

 

ワッカのテンションが上がる。ギルドに登録すればこの世界で生活していけそうだ。

 

「オレ、結構強いんだぜぇ?魔獣討伐なんてお茶の子さいさいよ!」

 

「あら、私だって強いのよ?」

 

ワッカに張り合おうとする姉のエルゼを見てリンゼが苦笑いをする。

 

「つーかよ、そんな場所があるなら何でアイツらと()めてたんだ?まさか、アイツらも依頼人じゃ無いだろうな」

 

「違うわよ、アイツらはギルドと無関係」

 

 エルゼが腹立たしそうに言う。

 

「ちょっとしたツテでね。私達前に水晶鹿を倒して角を手に入れたんだけど、欲しいって話が来たからちょうどいいやって。でもダメねー。やっぱりギルドみたいなちゃんとした所から依頼を受けないと」

 

「だから止めようって私は反対したのに…。お姉ちゃん、言うこと聞かないんだから」

 

リンゼがため息をつく。やはりしっかり者なのは妹の方のようだ。

 

「だから私達もこれからギルドに登録しに行くのよ、ワッカと同じ」

 

「なぁるほどなあ」

 

 そんな会話をしている内に、三人は町の中心にあるギルドに到着した。三人はカウンターの受付にギルドに登録する(むね)を伝える。

 

「三名様、登録ですね」

 

「はい」

 

「皆様、ギルド登録は初めてでしょうか。でしたら簡単に登録の説明をさせていただきます」

 

「お願いします」

 

 ワッカ達はギルドの受付からギルドに関するルールー、じゃなくてルールを聞く。

 リンゼから説明された内容の他に、依頼とギルド登録者にはそれぞれランク付けがされており、下級ランクの登録者は上のランクの依頼を引き受けることが出来ないことが分かった。登録者のランクは依頼をこなしていくことで上げられる仕組みになっている。ただし、同行者の半数が上位ランクに達していれば下位ランクの者も上位の仕事を受けられるそうだ。

 他にも、依頼に失敗すれば違約金が発生する、さらに数回依頼に失敗し悪質だと判断されると登録解除のペナルティがある、五年間依頼を一つも受けないでいると登録が失効される、討伐依頼は依頼で指定された地域以外で行うと無効になる…、等々の注意点も説明された。

 

「以上で説明は終わりです。何か分からないことが御座いましたら、係の者にお尋ね下さい」

 

「分かりました」

 

「では、こちらの登録書に必要事項のご記入をお願いします」

 

受付から三人に登録書が手渡される。ワッカはここでつんでしまった。彼はこの世界の文字の読み書きが出来ないからだ。

 

「あの~すんません、オレ…文字の読み書きが出来ないんっすけど…」

 

「そうでしたか。でしたら、お付きの方の代筆でも構いません」

 

ギルド登録が出来ないという最悪の状況は避けられたが、明らかに年下のリンゼに代筆をしてもらうという恥ずかしい思いをすることになってしまった。

 登録書を受け取った受付係は、その上に真っ黒いカードを(かざ)して何やら呪文を(つぶや)く。その後小さなピンを三つ取り出し、それぞれのカードに血を染み込ませるように言う。ワッカ達はピンで指を刺し、カードに血を染み込ませる。すると白い文字が浮かび、これで登録が完了したとのことだ。

 

「このカードには偽装防止と本人確認のために、ご本人様以外が触れていると数十秒で灰色に変色する魔法が付与されております。紛失された場合は(すみ)やかにギルドにお申し出ください。有料になりますがカードを再発行いたします。以上で登録は終了となります。依頼は右手にございます掲示板に張り出されておりますのでご覧下さい」

 

 登録を済ませたワッカ達は掲示板の前に向かう。登録直後の三人のランクは一番下の黒ランクで、受けられる依頼も黒い依頼書のモノだけだ。

 

「どの依頼にしようかしら」

 

「初めての依頼選びってドキドキするね、お姉ちゃん」

 

あれこれ考えながら依頼を選んでいくエルゼとリンゼ。どこか楽しそうな様子の双子を後ろで見ながら、ワッカは不満そうな顔をする。文字が読めない彼は依頼選びに参加できないからだ。

 

「やっぱ読み書きが出来ねえと不便なんだな~。こいつぁ早いとこ何とかしなくちゃな」

 

 そんなことを考えているワッカのもとに二人が近寄ってくる。どうやら良さそうな依頼を見つけたようだ。

 

「この依頼はどうでしょう、ワッカさん。魔獣討伐の依頼ですよ」

 

「東の森で一角狼を5匹討伐、報酬は銅貨18枚。三人で割っても一人6枚だから、ワッカも三泊分のお金が得られるわよ」

 

「おっ、いいじゃねぇかソレ!」

 

ワッカの不機嫌が一瞬で消し飛んだ。

 

「うっし、早速出発すっか!ワッカ選手の活躍、見せてやるぜ!」

 

「ちょっと、あんまり調子に乗らないでよ!私一人で済んじゃうかもしれないんだから!」

 

「お姉ちゃんも調子に乗らないで…」

 

 こうして三人は初めての依頼を引き受け、東の森へと向かった。

 

 

 

 

 

 町を出て二時間ほど歩くと、目的地に到着した。ここで一角狼を5匹倒し、証拠の角を5本ギルドに持ち帰れば依頼達成となる。

 

「そう言えばアンタ、町で武器とか買わなくて良かったの?」

 

エルゼがワッカに問いかける。

 

「武器なら持ってるぜ?ほれ」

 

そう言ってワッカはブリッツボールを二人に見せる。

 

「そのボールが武器…なんですか?」

 

「本当にそんなので魔獣討伐なんて出来るの?」

 

「お、馬鹿にしてんな?なら見せてやる」

 

そう言ってワッカはブリッツボールに魔力を流し込む。たちまちボールは大きさが倍ほどになり刃物(エッジ)が生えてくる。神様特製ブリッツボールの必殺モードだ。

 

「ボールが変化した!?」

 

「さっきの男達は殺すつもりは無かったからな。でも、魔獣討伐ならコイツでいいだろ」

 

 ワッカがそう言った次の瞬間、森の中から何かの音がした。そしてすぐに、音がした方向から黒い影が飛び出し、三人に襲いかかってきた。

 

「おっと、お出ましか」

 

三人は黒い影の攻撃を(かわ)し、その正体を目にした。大型犬ほどの大きさの灰色の狼で、頭から黒くて長い角が生えている。目的の一角狼だ。

 ワッカは早速呪文を唱える。

 

「ライブラ!」

 

ライブラはワッカの世界の白魔法の一種で、敵の情報を知ることが出来る魔法である。初めて遭遇した魔物にはライブラを使う、これがガードの鉄則だ。

 

「突進攻撃に注意。属性耐性無し。状態異常耐性無し。火属性、風属性弱点」

 

ワッカの目に一角狼の情報が見えた。

 

「なあんだ、大したことねぇみたいだな。でも風属性って何だ?」

 

「ワッカさん、今のは何の魔法ですか?」

 

「ちょっと、ぼうっとしてないでよっ!」

 

そう言ってエルゼが先陣を切り、手に装備したガントレットで敵の横っ腹を殴りつける。

 

「はあっ!!」

 

「ギャウン!」

 

地面に叩きつけられた角角狼の悲鳴を聞きつけたのか、同族が次々と森から飛び出してくる。

 

「炎よ来たれ、赤の飛礫、イグニスファイア」

 

妹のリンゼが後ろに下がって呪文を唱えると、一匹の狼が炎に包まれ火だるまになる。彼女の武器は銀のワンドで、魔法が戦闘スタイルのようだ。

 

「はあ~、今のがこの世界の魔法か…」

 

 感心するワッカに一匹が襲いかかる。

 

「おっと、そんなこと言ってる場合じゃねえな」

 

ワッカは敵の攻撃を飛んで避け、攻撃を仕掛ける。

 

(うな)れ!ブリッツボール!!」

 

そう叫んで彼の投げたボールは一角狼に見事命中、刃物(エッジ)が狼の胴を斬りつける。

 

「やるじゃない!」

 

更に回転の加わったボールはワッカの手元に戻ってくる。

 

「あっ、危ない!」

 

リンゼが叫ぶ。刃物(エッジ)が生えたボールがワッカに向かってきているのだから当然の反応だ。しかしワッカは何でも無いかのように刃物(エッジ)が無い部分をキャッチする。

 そして落下しながらもう一匹に向かってボールを投げつけた。今度は刃物(エッジ)の無い部分が当たってしまう。しかしその瞬間、一角狼の体は石へと変化しバラバラに崩れ落ちてしまった。ブリッツボール必殺モードの石化エンチャントが発動したのだ。そしてワッカは再び戻ってきたボールをキャッチし着地した。

 

「す、すごいです…」

 

「確かにすごい…けど、ちょっと待ちなさいよ!」

 

「まだまだこんなもんじゃねぇぞ?とうっ!」

 

言うが早いか、ワッカは目視できる一角狼に次々とボールを当てていく。

 

疾風怒濤(しっぷうどとう)!!」

 

ボールは全弾命中、からの全弾キャッチ。ボールが当たった一角狼は石化し崩れていった。

 

「どうよ!」

 

パパパパパパパーパーパーパッパパーン。ワッカは右手にブリッツボールを抱え、左手を上空に突き上げる。そして左手のサムズアップを胸に向けた。勝利のポーズだ。

 

「だから待ちなさいって言ったじゃない!」

 

 しかしエルゼはお怒りの様子だ。

 

「なあんだ、ゴフマンかあ?」

 

「当たり前じゃない!」

 

エルゼは怒りながらワッカに詰め寄る。

 

「私達はギルドに角を持って帰らないといけないのよ?でもアンタの攻撃じゃ角が残らないじゃない!」

 

「そ、そういやあそうだったああ!」

 

ワッカは自分の失敗に気付き、二人に謝罪する。彼のせいで無駄に一角狼の群れを探すハメになってしまった。

 とは言ってもやはり討伐依頼が出るくらいには群れの数が増えているらしく、標的はすぐに見つかった。

 

「今度は石化させないでよ!」

 

「わーってるって」

 

 ワッカは別の攻撃方法を考える。通常モードでボコボコにする方法も考えたが、ライブラの情報で火属性弱点と出たことを思い出し、あえて魔法で攻撃してみる。

 

「ファイア!」

 

先程のリンゼの攻撃同様、火属性魔法が一角狼の体を焼き尽くす。

 

「アンタ、火属性魔法も使えたのね!」

 

「まあな!」

 

「え?でも魔法が違うような…」

 

「ぼうっとしないのリンゼ!とっとと終わらせるわよ!」

 

 驚くリンゼを尻目に、エルゼとワッカの二人があっという間に一角狼の群れを全滅させた。

 こうして三人の初依頼は無事成功。目的討伐数以上の一角狼を討伐したので、ギルドに提出した残りは持ち帰ることにした。




アニメだとこれで一話終了くらいですかね。エンディングはもちろん「純情エモーショナル(ワッカver CV中井和哉)」でお願いします。
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