休日もトラブルに巻き込まれてフイにしちゃった私。
まぁ元気にしてますよー、今日は汚いお掃除の中でも比較的に胃に優しいお掃除のお仕事だ。
近隣の農業組合からのご依頼、コレは私の表向きのお仕事だ。
害獣駆除のお時間です、数日前に仕留めた鹿っぽい何か、アイツが大量発生しているらしい。
デュアルヘッド鹿というべきか、その食生活も鹿そのもの。
草だったら何でも食い散らかしてしまう害獣そのもの。
花も何もかも、その頭が届く範囲であれば食い散らかす。
その被害は農作物にも出ていて根菜類の葉、豆類……まぁその被害は多い。
放射能で変異したせいなのか繁殖力も高くてぽこじゃか出てくる。
天敵も多いけれどもその天敵をもってしても数の調整が追いつかない。
自然のバランスは大きく崩れて久しい、だから狩猟者が必要になっている。
私みたいな戦術人形で狩猟をしているのは少ないけどね。
仕事にしているのは更に少ない、大体は趣味としての鳥獣狩だ。
「んまーなんて大雑把なエリア指定……」
狩猟してくれと頼まれた数は20頭、雌を中心に射殺してくれとの事。
雌の肉は柔らかく風味もマイルドな傾向があり食肉としても人気がある。
あと純粋に産む母数を減らそうって事だね。
雄だけだったらナニしようにも母胎が居ないんだから増えようが無い。
ところが雌だけだったら突然変異を起こしてナニが生えてくる可能性とか……
あとはナニ型の寄生生物がいてだねぇ……勝手に増えていく可能性があるんだ。
正直1人で20も狩れっていうの無茶振りなんだけどさー……他に居ないからね。
一応その指定エリアの大体の獣の生息範囲、活動範囲も頭には入っている。
本来は猟銃を使うべきだけど……あくまで駆除が主目標なのでミリタリーグレードのHK417を使っちゃう。
ミスって逃げられた時もささっとリカバリー射撃が出来るのがASSTされた銃の良い所。
逆に絶対ミスれないテロリスト処理とかはWA2000を使用したりする。
……ミスったこと無いけどさ。
「20頭くらいなら一週間コースか、繁殖具合からしてもトントンだと思うけどねぇ」
狩猟自体は張り込めば数日で終わらせられる自信ある。
けれどもホラ、私美少女。狩猟者である以前に女の子なわけです。
泣く子も黙って見つめる美少女が何日間も水浴びしないで汚れっぱなしとかどうですー?
うっかり見られたりしたら私がショックで寝込む。
という訳できっちり戻って水浴びとかしたいわけです。
一応近場に狩猟者の休憩小屋とかあるんですけどー……水とか確保されてませんよ?
立ち寄るのが私くらいなんだから整備もろくにされてないんだしー……
この前とか野盗が入っていて襲われたりもしたんだ、やだよあの小屋。
「という訳でアクセサリーも組み替えてっと……楽出来るから良いよ」
対人戦闘ではないのでレーザー照射でバレる事はない。
活動時間帯も夜中で相手は夜目が効かない間こっちは暗視装置を使える。
別の追加オプションを装備したら熱線映像にも切り替えられるっていうね。
こっちはそういうアドバンテージがあるわけで……
対人狙撃では封印を余儀なくされるレーザーポインタに赤外線ライト等が使用できる。
ピカティニーレールにくっつく赤外線照射装置にレーザーポインタ、ライトの複合ユニット。
そしてスコープも夜間暗視対応の物、レーザー測距が標準装備の物だ。
アンダーにはグリポッドを装着……まぁバイポッドとフォアグリップでも良いんだけどね。
すっきりとさせたいからって理由だけでくっつけてる。
サプレッサーも取り付けて……うん、ヨシ。
「さて、一日3頭ペースで狩れば良いし……のんびりと行こうか」
他にも狩猟用の道具をコンテナに詰めてバイクに積載。
ギリーマントで隠れながらじーっと待つ狩猟の始まり始まりってね。
狩猟ポイントに到着すると先ず真っ先にするのは自分のニオイ消し。
その後設営してからガン待ちの構え。私2人くらいならすっぽり覆えるギリーマントだからね。
椅子に武器に小道具くらいなら全然隠せる。
設営時、風下に立てればいいけど風上にいる場合もある。
そうなった場合自分の匂いで気取られて逃げられる場合が多々ある。
誘引用の道具とかもあるけどそれは使うと肉食獣をおびき寄せる事にもつながる。
無用な狩猟は避けるべき、特に鹿を潰してくれる肉食獣は極力避けたい。
そういう理由があるからニオイは消しておきたいの。
(まぁ避けたい理由はそれだけじゃないけど……)
変異した後の肉食獣の大半は雄、雄の個体は揃ってある特性が報告されてる……
まぁその特性こそが人形の狩猟就労率の低さにも直結してる。
よっぽど自信がないとやってられないからね。
それかよっぽどの物好きとかでない限りは……なにかの拍子にね、アクシデントが……
消臭スプレーで体臭を消してギリーマントを被る。
バイクはそこそこ離して止めている。どうせスグには来ない。
平気で何時間と待つハメなるんだから……のんびりしている間に臭いは霧散する。
(休息場はココのハズ……古い足跡も視認しているから間違いない)
地面に組み立てた超ロースタイルのチェアに腰掛けて狩猟道具の暗視双眼鏡を覗き続ける。
あとは耳に入ってくる自然の音にまぎれて鹿の群れが来ないかを探る。
運が良ければスグにでも来るし……運が悪けりゃ延々と来ないで日が昇る。
狩猟も時の運な所があるからノルマクリア出来るかどうか……
(最悪なのは肉食獣が来た時だなぁ……殺せないワケじゃないけど)
肉食獣は総じてタフ、狩り殺すなら7.62じゃなくて.338ラプアマグナムが欲しい。
贅沢言えば.50BMGが欲しいくらいにはメチャクチャタフ。
頭蓋骨に命中させても数分は生きているしその間追っかけ回してくる。
足を撃ってもへっちゃら、爆発物でぶっ飛ばしてもよろめく位で普通に追っかけてくる。
過去3度遭遇して追っかけ回されたけど生きた心地しないからやりたくない。
持ち込み弾丸全消費は免れないし収益減は確定事項になっちゃうね。
赤字にはならないように報酬設定してるから助かってるんだよね。
(お、きたきた……幸先良いねー……それじゃ、害獣処理の開始)
双眼鏡に移った双頭、間違いなく鹿だ。
まるまる肥えていてこりゃー……農作物食い荒らしたな。
腹にも子供を拵えてると見える、最優先で潰さないとね。
他にも3頭、うーん……積載可能なのはギリ3頭まで、1頭は野ざらしで放置で良いかな。
傍らに置いていた417を担いで、構えて……銃口とレーザーユニットを出す。
レーザー照射、後はそれぞれヘッドをブチ抜くだけ。
サプレッサーで極力小さく減衰した音が8連続して鳴る。
遅れてカランカランと排莢された薬莢が鳴る。
「おやすみ、自然に還るんだよ」
さて、コイツらを持ち帰って解体作業かぁ……何キロの食肉になるかなぁ。
というか買い手つくかなぁ……つかなかったら燻製にして私で消費するっきゃないんだけど。
倒れ伏した4頭の小さな群れの死体……バイクに積載して走るにしてもそうとうヨタヨタするな。
積載出来なくはないけどサスとかエンジンの負担がなぁ……
「帰ったらメンテかなぁ……」
もうちょっと大きいビークルも検討して良いかも。
4輪バギーとかそういうの良いと思うんだよね。
一匹ズルズル引きずりながらそんな事を考えて……積み込み、今日の狩猟ノルマは達成。
さっさと帰ったのだった。
狩猟巻
肉食獣を避けた理由?
そりゃ勿論R18な事でございます。