雇われ掃除人形417   作:ムメイ

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その24

軍用プロモーションは終わったが私の身体は軍用規格のまま……

私は表向きには廃棄処分となった、人形シーナ及びG&K人形の417は死に絶えた。

今ココに居るのは新規製造された性能試験人形シェーナ、コードネームがSweeper417

まぁよくある名前だけ変えましたってザルな事だよ。

いつも通りにI.O.Pが仕事を斡旋してくれるのかとおもいきや……

しばらくは無職みたいなものだ、まぁそりゃそうだ私はどうあれほぼ違法人形だ。

I.O.P所属って事で隠れ蓑になってるけれどもそう長くはないだろう。

バックストーリーも用意されて後々放逐されるだろうな。

下手に処分しようとしたら逆にぶち殺されるのはよーく分かってらっしゃる。

どこにも所属できないし後ろ盾はほぼ失ったも同然。

となればより一層汚い仕事を引き受けざる得ない状態になるな。

 

「で、ペルシカはどうしてくれるの?」

「んー……リコの事を必死に助けようとしてくれていた恩義はあるからねぇ」

「へぇ、案外すぐ捨てると思ってた。まぁ出来れば仕事といざって時の匿い先になってくれりゃ良いよ」

「仕事に関してはゴタゴタしてるのが片付いたら回せるよ」

 

思えばそうか、G&Kに教えている連絡先等は全く変わってない。

セーフハウスだって他に割れてるわけじゃないから全然くるか。

ただ明確な所属にはならないから後ろ盾にはなりえないか。

 

「偶然君の連絡先を知っているし潜伏先をしっている、ただソレだけになるだろうねぇ」

「ふーん……しばらくは放逐される前のつかの間の休息を味わっておけって?」

「まぁそうなるね」

 

親友というか仕事仲間を失ったのに平然としている……わけでもないか。

さっきからキーパンチをしているが誤字が多いのかバックスペースを叩く回数が多い。

コイツも無理してるんだな……天才とかって言われてるけど結局は人間に変わりない。

だが表に出してないって事は触れては欲しくないんだろうな……

私が回収してきたデータを必死に解読しては噛み砕いている様子だし。

今はそっとしておこうか……あれだけ大暴れしていた鉄血工造が今は不気味に静まり返っているのがまた胸をザワつかせるんだけどね。

外装オプションの尻尾は取り外してって……耳はもう外せないから倒して髪になじませておこう。

 

「何処に行くんだい?」

「散歩、今のうちに人らしい事しておこうって思って」

 

日の下を歩けなくなるのであれば今のうちに謳歌する他ない。

即座に廃棄処分にならなかっただけマシなんだからね。

聞けばあの作戦に参加していた人形のほとんどが廃棄処分なんだし。

生き残ってるのが私、M16、そして416だったらしいけど……416は脱走。

M16曰くUMP45も生きていたらしいが……さてね?

 

 

 

街並みは相変わらず前線や世の中の薄汚い事とは無縁そうに人々が平和を享受している。

いや、貪っていると言って良いかもしれないな。

あっちこっちで戦闘は起きているしバケモノの攻勢というのも強まっているのにね。

 

「あれ、シーナねーちゃん?」

「……リックくん」

 

あてもなく散歩していたらいつぞや話したりした少年、リックくんが遊んでいる公園についていた。

おお仕事を終えた後だし人らしい事はもう出来ないんだよな……

そうなるとこうしてリックくんみたいな子と話すのも残り少ないか。

 

「まーた辛気くせー顔してるな」

「ごめんごめん、イロイロあって」

「愚痴なら聞くよ、ほら吐き出しちゃって楽になろ?」

「……ん、お言葉に甘えようかな」

 

勿論全部は吐けない、けれども掻い摘みながら話して……

本当に話せる部分だけ……大きな仕事に失敗して謹慎処分。

さらには元々外れていた出世街道ってヤツを転がり落ちてもーっとキツイ仕事しかなくなる。

そして……こうして出歩くのも厳しくなるって事を話した。

 

「それにね、リックくん気づいてなかったみたいだけど……私、人形なんだよ?」

「うぇ!?そ、それにしちゃぁあちこち柔らかいし良い匂いするし……」

「あはは、元々そういう人形だからね……人間みたいだった?」

 

オーバー気味なリアクションもあって可愛いと思う。

子供はこれくらい可愛げがあったら良いね……可能性にも満ち溢れている。

というか柔らかいって手を握ったり胸を視覚的に見たくらいだろうに。

匂いに関してはまぁかなり気をかけていたし。

 

「そっか、シーナねーちゃんは人形だったのか……」

「残念だった?」

「人間じゃないのかってのはそーだけど……入ろうって頑張ってる所が人形関係の仕事だから」

「ほうほう?お姉さんにちょいと聞かせてみなさいな」

「距離が近い!」

「いいじゃん、人形なんだから気にすることはないでしょー?」

 

うはーからかうの楽しい♪身体を寄せてワザと胸とか太ももとかを触れさせたらめちゃくちゃ慌ててるの。

今のうちにガンガンからかっちゃえ、それにどうせなら……この子に襲われるくらいが良いのにな。

こういう、襲われて良いって思うヤツに限って襲ってこないんだよね。

 

 

リック君はどうやらG&Kに入社することを目論んでいるみたい。

同じく孤児だった人間が雇入れされているのを何処かで聞きかじったらしい。

指揮官募集とかに潜り込めたら良いねってイロイロ教えて今日はさようならとなった。

 

「そういえばシコルスキー指揮官はどうなったの?」

『指揮能力を買われて今はE.L.I.D対策人形部隊の指揮に入っているよ』

「そ……」

 

昨日の今日ので別な前線に送り出されたっぽいな。

指揮能力をって言っているけれども体の良い左遷とかじゃなかろうか?

 

『……リコの置き土産だろうか……シーナくん、ニュースを見てみると良い』

「ニュース……ん?ぇ?」

『こりゃぁ大変な事になったね』

 

全世界的に展開していた鉄血工造が制御不能に?

生産されて各所に配備されていた機械人形も暴走し始めて人間を殺し始めている。

暴走する様子が配信されていて全世界的に衝撃を与えている。

思い当たる節はまぁ……先日の本社工場襲撃か?

セキュリティが一度作動したけどその後無力化されていたと思うんだが?

仕事に困ることは無さそうだけどこれは大変だな。

鉄血の工場は人間の生活圏の至る所に存在しているし鉄血人形も生活に根付いている物だった。

それが一気に叛逆してきたんだから……

 

「もしかしてだけど私も駆り出される感じ?」

『んー、どうだろうね。グリフィンの人形で対応するだろうから君はそのままで』

「はいはい」

 

遠くでちょうどドッカンと爆発が起きたし銃撃戦の音がした。

I.O.Pのお膝元でまぁ鉄血人形が少ないからこの程度だろうけど……

どーれ、やること無いし野次馬でもしに行くかな。

護身用のMk-23は持ち歩いているしなんとかなるでしょ。

ここを警護しているグリフィンの人形が劣勢になったら銃を奪って加勢してやるなりなんなりね?

 




鉄血が牙を剥きようやくドルフロほんへ時間軸に合わさっていきますよー

でもシーナのやることは変わらない予定です。
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