雇われ掃除人形417   作:ムメイ

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その25

街で勃発した鉄血製人形の大反乱。

それはもうスゴイ騒ぎになっていた、主に安価な警備員として購入されていた物が大暴れしている。

逃げ遅れたのか、それとも鉄血人形の暴走はここじゃ起こらないと高をくくっていたか……

私が到着した頃にはあちこち死体が転がっている始末だった。

既にI.O.Pお抱えの戦術人形部隊が鎮圧に向かっているけれども単純な物量が多いのか手こずってるっぽいな。

 

『なんで君がそこに居るのかな』

「休日の使い方くらい自由だろ?」

 

のんびりと休日も過ごせないからね、ささっと黙らせて最後の休日を満喫するんだよ。

Mk-23のマグはたったの1個だけ、まぁ護身用だしな。

まぁ武器に関してはそこらに転がってる活動停止したダミーから取ればよかろう。

ペルシカのツッコミは無視してささっとドンパチやりあってる所へ向かう。

おーおー逃げ惑う人たちが悲鳴をあげながら通り過ぎていく。

 

「お、お前人形か!?は、はやくあの鉄屑共を始末しろォ!!」

「……はいはい、とっとと逃げてママのおっぱいしゃぶりながら漏らしてろ」

 

オフィス仕事していたと思われるおっさんからご命令を受けましたわ。

ほほほ、まぁ見事にズボンの股が濡れていたし臭うしで粗相をやらかしてますわね。

シッシッと手で追いやりながらMk-23をレッグホルスターから引き抜いてスライドを引く。

小気味よい音と共に初弾が装填される。

正直これで無力化しようと思ったら遭遇後一発で頭を狙う必要がある。

そもそもコイツは対人戦闘が主眼に置かれている。

警備人形となるとボディアーマーを着込んでいたり……そもそも装甲を有している事が多い。

ココ周辺の警備会社が購入していた鉄血人形はモロに後者。

幸いなのはガチガチな装甲人形を採用してないことか。

そんなのが来たらハンドガンじゃ太刀打ちできないしな。

 

「あー、こういう時ハミングバードがあればな」

 

人でごった返しているはずの大通りは死体、ジャンクになった人形の山。

うーん、腐っても鉄血人形、大量生産品でもかなり性能がよろしいみたいだ。

ダミー人形が結構転がってるな……勿論の事機関停止している。

戦場はもうちょっと奥だな……被弾痕からして相当な数が暴れてそうだ。

戦術ネットワークも構築されてるっぽいけど……今は様子見。

周囲警戒しながら進むのも経験の内だな、こういうシチュエーションは無かったことだ。

 

「おーおーやってるやってる……戦況は~……あー、若干押され気味か」

 

展開していたのは機動力に富んでいるサブマシンガンとハンドガンの人形がほとんど。

足止め役をやってる感じだな、となると本隊はまだ到着していないって所か。

なるほど、だから転がってる武器に火力があるやつ無かったんだ。

Mk-23の有効射程は短いけれども射撃精度はよろしい部類。

ドカンドカンと鳴っていた爆発音は手榴弾の爆発音だったか。

ただそれも有限だしねぇ……さてと、横合いから撃ち殺してやりましょうか。

大通りにいくつかバリケードを作りながらやりあってるな。

ただ大群で迫り来る鉄血人形……あの型はガードか。

大盾を担いでいる人気モデルの1つ、そいつがぞろぞろと来ている。

AIは単純ながら性能は良い方で実直な任務遂行能力が売りだったっけか。

盾で護りながら詰め寄り銃剣付きショットガンで無力化する戦闘コンセプトだったっけか。

それにマッチした群体戦法を取ってるな……こりゃー厄介。

ただ単純作戦しか取れないみたいだな。コストケチってAIを安価なモデルにしたな。

大通りを迂回する小脇に入ってっと……手薄も手薄。

ただまぁ1つ難点があるとするならば……簡易的に築き上げられたバリケードが邪魔だな。

 

「ほっ……と」

 

まぁ飛び越えられなくはない。バランスは大きく崩れて踏ん張る必要あるけど。

勿論の事大暴れする胸はポロリと全体で空気を吸う事に。

慣れたものでささっとブラにだけでも収め直して……っと。

押し切られる前にささっとこの路地を抜けよう。

 

 

 

横合いから数発浴びせてやると慌てて後退し始めた。

囲まれていると悟るとさっさと後退する、良い判断だ。

行動不能になったガードは捨て置いてね……冷酷だけど理に適っている。

行動不能にさせたプロセスは3つ、まずは初弾でカメラを潰す。

次弾で肩を撃ち抜いて盾か武器を落とさせる。ラストで膝関節を撃ち抜いて締め。

勿論外すのは論外コレで無力化出来るのは現状8体まで。

ソレ以降はどっかに転がっている武器を拾うしかない。

9発撃ち込んで引かなかったら不味かったけどね、追いかけっこの始まりになってたよ。

 

「動かないでください!!って貴女は……?」

「はーい、横槍いれたタダの野次馬人形でーす。撃たないで欲しいでーす」

 

まぁ当然相手が引いたら前線を押し上げるわけで。

そうすると展開していたSMGやHG部隊に見つかるわけですわ。

見事にすんごいアンティーク揃い、PPSh-41にMP40、ステン、PPKにM1895とまぁ……

WW2時代のドアンティークだよ、WW2以前じゃないだけまだマシと言えるけどさ。

銃口向けられたら両手上げて撃たないでアピール。

一応識別として割り振られているI.O.Pのシリアルナンバーとかも開示して……

 

「猫の手も借りたいくらいですから……お手伝いをお願いしてもいいですか?」

「見たところ身軽そうには見えませんが……偵察が主任務のHG人形ですか?」

「ん?私はセミオートライフルの人形だよー、オフだってのにこんな騒ぎだったからねー」

 

手持ちの武器が武器だったし精度も良かったからかな?

HG人形と間違われたけど否定して……

 

「壊れたダミーの銃、貸してくれる?」

「それは構いませんけど……扱えるんですか?」

「へーきへーき、FCSの補正にリソース食われるけど」

「そうじゃなくて……その胸で構えられます?」

「見るからに構えられ無さそうなのじゃが……」

 

総ツッコミを受けてしまったのはまぁ私の体格故の事だな。

試しに取り回しが良いハズのMP40を貸してもらって構えてみる。

 

むにゅぅ

 

おーっとこれは新たな難点だな……思えば小脇に抱えてぶっ放す銃は扱ったこと無かったな。

ものの見事に胸が邪魔して撃つとかじゃないな……

 

「お客様の中に.45をお使いのHGやSMGはいらっしゃいますか?」

「……多分居ない」

 

じゃあしょうがねぇ、と思ったが……私のMk-23に使う.45ACPを使うヤツが居無さそう。

他の人形もものの見事に9ミリパラとかでマッチしない。

 

「帰って良い?」

「ダメですわぁ、言ったでしょ?猫の手も借りたいくらいなの」

 

しょうが無いからとPPShを借りて作戦行動に……参加することに。

ちょいと重いけれども

 

「重くないですよぉ!!」

 

……まぁ私の417よりはマシだろ。

というか表情に出てたか?的確にツッコまれた。

 

 

まぁ参加してもすぐにAR部隊がやってきて鎮圧したんだけどね?

しかしまぁ、今回ので私の基本的な扱いっていうのがはっきりしたかも。

私という人形は情報漏洩や軍へのリークを避けるために作戦行動を共にした人形から存在が消される。

明確な後ろ盾にはならないけれどもI.O.PとG&Kは引き続きパイプを持ってくれている。

基本的にはソロで動きながら……私は私で仕事を取ってきてって感じか。

鉄血人形の鎮圧任務なんてのはどこもかしこも出てくるだろうしな。

 

『とりあえず君はまたセーフハウスからあっちこっちに出ていってもらうよ』

「はいはい……」

 

まぁ、狙撃で飯が食えるなら善しとしよう。




ちょっと更新止まります。
一週間程ですけど……
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