雇われ掃除人形417   作:ムメイ

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その34

なんだかんだ不運の中でも悪運を発揮して生きて帰って来るんだよね。

捕まって尋問と称して色々された挙げ句実験体にされそうになったけど……なーんとか生きて帰ってこれた。

代償は私の精神性と性癖、E.L.I.Dにぶち犯されてトラウマになってるのに……

その上で更にぶち犯されて妊娠、出産を短期間に経験したから……と思うけどね?

データを回収したし危惧していた他の拠点へのデータ転送とかは無かった。

ただあの爆弾で劣化コピーっていうのが驚愕だよ。

もっと技術を持ったヤツがどっかに居てテロリストに流していたって言う事だし。

 

「うーん……これは致命的なメンタルダメージだねぇ」

「……あぁやっぱり?」

「いくらか修正したけど……本当ならリセットしたいくらいだねぇ」

「もういいよ、異常性癖を抱えてるのは珍しくないし……躯体の方は?」

「びっくりするほど絶好調だよ、新品同様」

「そりゃ良かった……ココの設計者は?」

「トラッキング不能な外部の人間だったよ」

 

今はI.O.Pの16Lab、ペルシカの所で検査してもらった所。

予想通りというか残当……パーソナルというか人格データだね。

マインドマップなんても言うけどそこが非常に強いストレスで歪んでいた。

異常な発情なんかは取り除く事が出来たけど性的嗜好なんかはもう修正不可。

マスターデータである私の本来のデータがなけりゃ無理。

でもそれはWW3で焼き払われていると思われる。

……もっともあっても私がそれで修正するのを拒むよ。

女として生きていく事を決めた私を否定する事になる、ならこの異常性癖を抱えていく。

それに……簡単に修正、リセットなんて出来たら人間であった私には違和感だよ。

生死感だって人間のままなんだし、余計にストレスかかりそうだ。

さて、E.L.I.Dを孕んだりしたので人工性器……ひいては妊娠可能とした機構を設計した下手人をとっちめようと思った。

しかし蓋を開けてみれば開発部署は知らぬ、設計者は外部の人間。

つまりI.O.Pとしては何のノウハウも無いけれどテストしたいが為に私に乗っけた……

コピーも出来てない……下ろすのも……もったいないし。

 

「一応フェールセーフでソフトリミッターを設けたよ」

「……人間と認識した相手が居る間は排卵されない、ね」

「人間をぽこじゃかと孕んだら大問題だからね、可能な物を搭載しているのも割と問題だけど」

「検査データは?」

「勿論廃棄済みだよ、安心するといい」

 

実験段階の卵子製造機構では宝くじが当選するような天文学的な確率だと試算されていた。

バケモノ相手に調整されたのでも20%……猫みたいな受精確率がかなり高いの相手で試算してそれ。

コーラップスの影響をモロに受けたヤツが相手なんていうのは想定されてなかった。

なのに……蓋を開けてみれば猫もビックリな受精確率している。

 

「……なにか変なのインストールされてるけど、コレは?」

「それかい?キミが助けようとしたリコ……鉄血の要人を覚えてるかな」

「んまぁ……」

「そのリコ設計のプログラムだよ、特に性能の良い人形に搭載してくれってメモがあってね」

「さいで……セクサドールに搭載するのはどうなんだか」

「性能は最高峰なのは事実だし」

 

何だこりゃ、鉄血製のインテリジェンスパックの上位互換ってところか。

向こうの戦術ネットワークへのアクセスや工場の掌握等出来る……うへ、すげぇ……

すげぇけどコレを私に載せてどうするんだか?

というかこのプログラム結構リソース食うな……

 

「さて、私はキミが持ち帰ったデータの解析やら新規制作のエリート人形の調整に戻るよ」

「ちょいまち、私の報酬はどうした。タダ働きなんてのは許さねーぞ」

「しっかりとキミの二輪車は回収してるから、さっさとスラムに戻るといいよ」

「……まぁ良いよ、それで今回は飲む。また依頼がありゃ呼べよクソ女」

「はいはい、ハメ潰されて奴隷落ちしてなければ呼ぶよ」

 

いけ好かねー、まぁ私の相棒IMX330が戻ってきてるなら良い。

金も少額ながらに入っていたし検査代とかと相殺と思えばいいや。

帰ったら装備のメンテもして……イロイロと試したりしたいしね……

まぁ長居する理由も無いしとっ捕まる可能性も出てくるし……さっさと拠点に戻るか。

 

 

ってオイ、土まみれじゃねーか!!軽く土払うくらいしてくれよ。

 

 

 

 

 

さっさと違法人形は街を離れて監視の目とかが無い裏道を通っていくに限る。

コンテナも何もない状態だと本当に身軽でバイクを転がしている心地よさが凝縮される。

裏道は勿論の事舗装なんてされちゃいない……デッコボコ道だからオフ車の楽しみ満載よ。

ぅぅん……この振動で若干感じてる辺り身体、ヤバイかも。

んー……サスが若干ヘタって来てるかなー……ギシギシ言う。

私の身体もIMXもイロイロガタが出てきてるねー……壊れてる方向性はぜんっぜん違うけど。

……あれ、コイツガスどうだ……最後に給油したのは何時だった?

こーいうオフ車あるあるだけどメーターの最小化……ひいてはハンドリングの軽さを求めた結果だけど。

燃料計が無くて燃料警告灯があるだけってパターンなんだよね。

私の相棒、IMX330もそうでうっかりしてるとガス欠やらかすんだよね。

ログが一部欠損してるから燃料入れた履歴が怪しいな。

経路データから最寄りの街……うーん、関所をなんとかパス出来そうなトコを探すか。

まぁ関所も色仕掛けができれば……そっか、そういう手で押し通ればイイんだよね。

最寄りはー……おっと?

 

「ぅぉーっと……こりゃ山賊に遭ったかなー」

 

道端に落っこちていたのは思いっきり頭をぶっ飛ばされた死体。

ウジが湧いていてもう相当な時間ほったらかしにされてるな。

回りを見てもそれっぽい相手は居ない……けれど、警戒はしなくちゃいけないね。

うーむ、同じアウトロー相手だし縊り殺しても良いけど。

メリットないし襲われたらその時考えよ。

最寄りの街までは大凡30kmと言った所か……警告灯がついても平気そうだな。

まぁ街でガソリン入手出来なかったら最悪なんだけどね。

 

「うげ、マジで点灯したし……こうなったら大丈夫って分かってても焦るんだよねー」

 

ウダウダ言ってられないね。吹かしすぎず、回転数を抑えて行こう。

なんて言ったって、今の私Mk-23しか無いんだしー。

バケモノが出てきたら無抵抗にヤってもらうしか無くなっちゃうし……

遭って発情したらどうなることかー……

 

 

 

 

関所もほぼスルーで街に入れてしまった。

目をパチパチさせながらガソスタを探して給油したけれど……IMXが少食で助かった。

たったの2Lしか無くてそれで売り切れ、どういうこったよと問い詰めると寄った街……

どうにもこうにも鉄血人形と山賊のダブルパンチもらって補給路が途絶えてるらしい。

ガソリンが売られていたのがラッキーって所だね……

 

「それで、その山賊の出現地域は?」

「もうこの辺り全体さ、キミも出られるとは思わないな」

「ふーん……その山賊みかじめ料とか巻き上げてこない?」

「あぁ……女と食料を巻き上げに来る……キミ、まさかと思うけど」

「んー?ヒマだしそーいうのなら慣れちゃった方が都合が良いし……まぁ私にとっても都合が良いの」

 

仕事として恩を売れるしー……ハメハメされるならそれはそれで良いかな。

ハニートラップの成功率っていうのもあげれるし♥

ハメて貰ったほうが私には得が多いんだよね……ふふ。

さてと、お仕事の話をしにココの長にでも会いに行こうか。

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