雇われ掃除人形417   作:ムメイ

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その45

人形にも一定の権利がある、まぁそう声高に叫んでる連中がいる。

今の鉄血の大騒ぎの一翼を担っているなんていう噂もあるけれど……実際は知らない。

というかそんなワケあったら普通に国家転覆罪で蹂躙されておしまいだと思う。

んで、こういう思想派の連中はどこにでもいる。

ここS09のくっそ荒れ果てた所でもそう、ゴキブリみたくいる。

しかもまぁご丁寧に超過激、武力行使で人形を奪っていく。

 

「キミは人間に操られているだけなんだよ!!どうして分かってくれないんだ!!」

 

主張はこう、これだけならハイハイ、ワロスで済むんだけど……

コイツらの面倒くさい所はって言うと……過去の人種・マイノリティでガーガーうるせぇ事喚いてた連中と同じ。

ノイズメーカーみたく喚き散らしながらあっちこっちでテロるんだよ。

それは管理者があまり居ない現在のS09とかモロにターゲットにされるわけで。

 

「キミッ!ほら、私達ドールズセーフが助けてあげよ、うぶふっ……!なにぼ……!」

「うるせぇんだよ……な?ちょっと黙っててくれねぇか」

 

ちまちま基地施設とかを破壊してくれてた迷惑野郎共がついに人形本体を盗む暴挙に出やがった。

んで、洗脳を解除するっていう名目でマインドマップとかの上書きを敢行する訳で。

当然I.O.P製の頭脳がそれを拒否、自滅処理と場所とかが通知される。

……で、ブチ切れたI.O.Pが私にオーダーを飛ばしてきた。

理解らせてやれって。ただそれだけだけど……要は言葉も何も通じないバカに理解りやすく暴力で教育しろって事でしょ?

ここS09が現状一番最前線になる、対鉄血工造の人形基地になる予定。

そこでんな事横行したらグリフィンの面目丸潰れってぇワケだしね。

適当に喚いては人形に絡んでたバカをストーキングして一人になった所をとっ捕まえた。

実際に捕まえてみるとご丁寧に人形権利団体のタカ派ドールズセーフの構成員だった。

連絡網とかも一部は把握出来た……結構広範囲に展開してるっぽいな。

ただまぁ……なんというか、お粗末だね。イロイロガバガバ。

とっ捕まえても立場理解しないで喚く当たりもオオモノだけど……殴ってもあんまり理解してないな?

 

「ぼぶぼぉっ……!?」

「……自分で黙るか永遠に黙らせられるか、どっちが良い?」

 

コイツ等ぜーってぇ死んでも治らないタイプのバカだと思うんだけど。

護身用にっていつも持ち歩いているMk-23の銃口を向けてようやく黙る……命の危機をチラつかされて従うってマジ動物並。

……本来だったらこーいうのに泣きついてちっとばっかりでも権利をっても思うんだろうけどね。

私、元々が人間の男だった……なんて言ってもだーれも信じるものかよ。

それに……人形として過ごすのにも慣れきってしまった。

今更権利をって言っても……結局ヤる事ぁ変わらないんだから。

 

「どっれどれ……アンタの端末借りるよー……」

 

ま、ハッキングしてあれこれ発掘しきってやろうじゃない。

……なにこれ、ハッキング対策ガバガバ?穴だらけじゃん……ウソでしょ。

 

 

 

 

 

パパパパ……ダンッ!ドゴォォン!!

 

軽快な発砲音と重厚な火薬の炸裂音があちこちから聞こえてくる。

どこから調達してきたのか知らない簡易装甲車と大量のEMP爆弾、そして外殻をぶち壊す無反動砲の数々。

それらで人形たちの詰め所に襲撃を仕掛けてきたのだ。

簡易的とは言え人形が詰めている前線基地に襲撃してくる団体は狂っている程にヤル気に満ちていた。

 

「人形は道具なんかじゃない!!我ら人間と同じく権利を持つ!!奴隷のごとく扱う悪徳企業から解放するぞォ!!」

「「「「オォォオオオーーーーッッ!!!!」」」」

 

ソレもその筈、彼らには大義名分があると信仰している。

これは聖戦、新たなる人類のパートナーでもある人形を解放する戦いだと本気で思っているのだ。

その過程で人形がいくら壊されようが構いやしない。

その身体を回収していくのが目的で、その後は団体の上の人間がなんとかする。

団体内で流布されている言説を盲信して……そのまま突き進む。

対するS09地区維持人形部隊はそれはもう士気は低く、物資も割りとカツカツだ。

潤沢にバカバカとぶっ放す相手に対して遮蔽物に隠れながら忌々し気にお互いの通信網でがなり散らす。

 

「誰か、誰か手榴弾でも持ってないの!?」

「そんなのこの前の襲撃で使い切ったでしょ!」

「ダミー信号途絶!げぇ……相手テクニカルまで持ち出して!!」

「載ってるのM2HMG!!うわ、またダミーが消し飛んだ……」

 

防衛に出ている人形は量産が利く安価な人形ばかり。

往年の名銃と呼ばれたモノも居るが……自律作戦行動では定点防衛が精一杯。

SMGと適合した人形は優れた脚力や煙幕等で翻弄しながら相手をチクチク削るが……

それでも相手にトドメを刺せずに居る、指揮官が指揮していない間は本領発揮出来ないのもあるが……

この部隊に所属する人形に戦闘で明確に殺す行動は避けるように指示がされているのだ。

肉壁代わりに使われるダミーリンクはボコボコと消費されていく。

 

「指揮官に連絡は?」

「したけど増援はあんまり期待できなさそー……」

「あー……じゃあ私達のボディはここでおさらばって感じかなぁ」

 

悲壮感に包まれるのはG&KのコードでいうステンMk-2とスコーピオン。

貴重なARは別な……正面入口の防衛に行っていて火力が無い。

増援は他所からか治安維持に練り歩いている連中を集める他にない。

そも、指揮官とてS09以外のE.L.I.D対策の部隊指揮に集中している様子だった。

 

つまり、その臨時の基地は見捨てられたも同然だった。

 

「どうせぶっ壊されるんだし、ね?」

「だねー……最後にドッカーンとでっかいの……ぉ?」

 

最後にデカく派手にと意気込む二人を襲っていた……銃撃の嵐が止んでいた。

未だに銃声は聞こえるのに……どういう事だ?と二人顔を見合わせてパチパチと目を瞬かせていた。

そろーりと……顔を出せばそこに見えていたのは先程まで狂った様子でコッチに弾丸を浴びせて無力化しようとしていた連中が殺されていた。

.50BMG……そいつらが使っているM2HMGと同じ弾丸が……的確に、無駄なく……

 

 

 

襲撃計画をハックした後一応報告をあげた。

まぁそしたらヘリアンのやろー私に防衛援護を回しやがって……

何を使っても良いって言うから適当に近場の人形用武器庫からM2マシンガンを頂戴して適当にコンカラーで輸送、配置。

襲撃計画、あと自律プログラムでの防衛配置とかから考えて……手薄になりそうな部分で張ってた。

まぁうん、ちょっと遅れたけれど……しっかり銃座を設置して、M2の上にスコープも乗っけてっと……

 

「弾も結構あるんだし出し惜しみしてんじゃねぇよクソボケ臨時指揮官くんよォ……」

 

ゼロインはもう結構適当で良いや……どうせ数発撃った後調整する必要はあるだろうし。

なによりー……今回は何時ものライフルじゃなくてマシンガンだからねぇ。

腰だめは私のデカパイが邪魔してまともに出来やしないけど……銃座ってなれば話は別。

しっかりと弾薬ベルトを装着してっと……

 

「うわー向こうもM2か……フレンドリーファイヤに見せかけられそうだね」

 

投入されてる兵力とか武器とか見てるとすごーいのなんの、マジでテロリストだぜ。

まぁあとは……以外な事に私のボディを発注していた大富豪もコイツらに加担してるって話。

……人形を愛妻にしたいって言うくらいだし、まぁ……?

ま、行き過ぎた主張を押し付けるのは……ご遠慮願おうって事で……

 

「悪く思うなよ……」

 

バタフライ式のトリガーを引く。

中々良い反動……ダミー人形がボコボコにされている所に……私のぶっ放す弾丸が飛来していく。

銃声だって……向こうのデッドコピーのRPGとかで掻き消えるし……いい塩梅じゃない?

 

『救援には間に合ったか?』

「今絶賛ぶっ放してまーす、報告は後でな~……あ"」

 

……あ、振動でブラのホックが……!!

ウソでしょ、はー……そういう弊害もあるかぁ……

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