S09地区に腰をほぼ落ち着け随分と経った。
逆に404の連中はあっちこっちに飛んでいっていて……いつぞやの私みたく根無し草を続けている。
所属としてはI.O.PとG&Kの非公式部隊……プロダクトは私が買い取ってI.O.Pに返却したから……
公に廉価モデルとして転がるようにはなった……私と同モデルもね。
流石に完全同個体ではないからAIはまた別に組み上げられている……私のパーソナルをベースにしてね。
404も元々蓄積していた戦闘データがあってかなりの手練になっていたし、非合法だからと違法パーツにもポンポン手を出せる。
その分フレームとか基礎コンポーネントに負荷が多大にかかるけど……その分整備をしっかりできるヤツが居れば良い。
その伝手もあるらしく……私にもしれっと紹介してくれた。
暗に私が違法人形だって言ってるもんだけど……まぁ実際そんな所だし……
404は今もどっかで作戦行動してるんだろうなぁ……
「……余計な世話を焼くな、クソババア……反抗期の娘かな?」
ありゃま、私がしれーっと送ってたダミー人形+補給品に気づいた優しい娘が悪態吐いてきやがった。
クソババア呼ばわりは流石に傷つくけど……まぁ、ババア呼びはマシな方と考えとこ。
オカマ扱いだったらメンタルにまた傷が入ってたと思うし。
本気で嫌がる表現は避けてくる辺りがホント……416って優しいよね。
45もそう、皮肉屋だったりのらりくらりと躱す感じあるけど、根本が優しいのよ。
まぁ言うとガチ目のキャットファイトに発展するから言えないけど。
「さてと、まーた鉄血が押し寄せてきてるか……」
私のお仕事は相変わらず、普段はS09の郊外を中心に働く民生人形の皮を被る。
色んな仕事に対応できるマルチな人形として結構重宝されてる。
後はまぁ……私と同じモデル、シェーナタイプってコードが着けられてるモデルは単価が高い上にこのデカパイ。
人気が高いのは風俗店や娼館だね。ある意味私のデジタルタトゥーがあっちこっちに転がるようになった。
……まぁだから私の安泰が確約されているようなものだけどね。
製造数は右肩上がり、パーツだってそうだ。
だから私という特異個体を隠す森になるわけだよ……見つけられっこねぇよ。
で、裏のお仕事も相変わらず……ちょっと割高だけどきっちりと仕事をする狙撃手としての任務。
あとは不祥事をやらかしたヤツの暗殺……後者は結構減ってきてるけどね。
「……近々指揮官が配置されるって言うけど、誰なんだろう」
S09には指揮官が配備される予定がある。
鉄血の侵略地域と隣接していてここは最前線となる。
それでいて結構な拠点もあるから此処を起点に鉄血を押し返して各生産拠点等も奪還していく……つもりだと思う。
にしては展開が遅いから……人材不足という理由の他になにかしらあると思う。
……主に人間の思惑、わるぅい陰謀ってヤツ。
妨害工作はあったと思うけど、まぁそれでもようやくって所かな。
その前にまた鉄血が侵攻してきたのでそのお掃除に私が呼ばれてる。
今回は……正規の連中も作戦に参加してる。
ま、撃ち漏らしとかがあったら火力支援するって契約だけど……
「過保護なくらいが良いでしょ」
手出しさせるつもりは毛頭なかったりする。
今回は車ではなくバイクで行こうかな。
使用するのは私の417、そして今回追加で持っていくのは……
「起きろー、仕事の時間だよ」
何を隠そう、私用にって用意された416ダミーモデル。
そ、416のダミー。胸部は私同等にデカくしてある特別仕様……本人が知ったら絶対キレる。
まぁ……絶対に人前に出さないしコイツにやってもらうのは……
「背後警戒頼むよ、じゃ行こうか」
私の背後警戒っていうだけ、本来私一人で乗る事しか想定してなかったIMX330に無理やり2人乗って……
仕事現場に向かう……さぁて……特別変な事はないはず。
ダミー人形にも簡易的なコミュニケーション機能あっても良いと思うんだよな……
この辺は要望で出しておこうかな……母機との情報交換は無線で出来るけどさぁ……
流石に2人乗りでいくには330のエンジンではきついかも、あと純粋に重くて……
長いことこういう2人乗りが続くならボアアップとか排気系統の改良が必須かなぁ。
とまぁそんな移動の脚の不安はさておいて……お仕事現場にはついた。
416ダミーには簡単な自律行動を取らせてる、双眼鏡で周囲を見渡し音でなにかしら感知したら私に通知。
偵察ドローンの情報では7.62mm弾で十分貫徹可能なターゲットばかり。
仮にそうじゃなかったとしても貫通可能な部位はある、そこを精密射撃したら良いだけの話。
センサー類、関節……どうしても装甲で覆えない場所はある。
7.62mm以上の口径に対応する徹甲弾もあるけど……それはコストが高すぎるので却下されてる。
まぁG&Kで扱うようになればその辺も経費で落ちるようになるかもだけど……
「さって……悪いけど、街には手出しさせないよ」
スコープを覗くまでもない、スナイパー向けのアイカメラにはもう映っている。
装甲板はあまり配していない4脚戦車とそのまわりに展開する鉄血の機械人形達の姿が……
正規の指揮がしっかり入っているらしいけど……S09の防衛人形達にはどよめきがある。
それもそうだろうね、私と同じ7.62mm弾を撃てるのはボルトアクション式……連射性能は無い。
少数……1小隊程度だったらそれでイイと思うわ。
けど……この鉄血の規模は一個中隊+α、とてもじゃないけど手数が足りなくなる。
手数に秀でているアサルトライフルもそこそこ配備されてきているけど……
それでも配備されてるのがStG44にFN FNCにFN F2000と正直火力不足感が否めない。
どうせなら同じく大量生産されている中でも特に火力があるAK-47やG3などを配備したら良いだろうに……
人形本体にいくらか問題を抱えていたとしても……ね。
「ま、私が居るからそんなの関係ないけど……」
距離観測・ゼロイン調整はOK、各戦術リンクの読み取りも開始……
あとはその情報をちょっと拝借しつつ最効率でたったか撃ち殺す。
確実に一撃で撃ち殺していく……そうしないとね……
「弾も勿体ないけど……痛みを感じるなら痛みを感じさせずに殺すのが有情ってものでしょ」
20発入りの弾倉をしっかりと叩き込む、セーフティは解除。
チャージングハンドルを引いて……軽快な音で初発が装填される。
「バイポッド展開するまでもない……」
今回の敵は事前情報通り、ならさっさと照準できるように……フォアグリップで十分だ。
後方警戒からは特に情報もない……とっとと潰していこう。
『指揮官が大丈夫って言っていましたが、これ……ダメそうですわね』
『えぇ~……そんなぁ、痛いからヤなんだけどなぁ』
人形は替えがきく……ここで破壊されてもバックアップから復活はするけどさ。
そんなのは……無駄っていうものでしょ。
弾丸数発のコストと私が頑張るだけで……チャラにできるんだからさ。
誰に知られるわけでもなく、進退窮まった指揮官にそっと告げられる狙撃手。
または……失敗のツケとして資金を徴収される先として噂されるようになった。
G&Kには汚い仕事でも確実にこなしてくれる狙撃人形が居る……
作戦の失敗も多額の罰金でチャラにされるのは……掃除専用の人形が居るから。
裏社会に少々身を置いた人間ならそれに心当たりはあると言う。
「はぁい?ご要件をどうぞ……どのお掃除かゆっくりお話くださいな」
今日もその人形はS09の住居で電話一本受けて……掃除に向かう。
鉄血人形でも、化け物でも……大凡二つ返事で受けてくれる。
S09に新しく指揮官が赴任してもそれは変わらない。
バレるその時まで……ほそぼそと……掃除に暗躍していくことだろう。
一応これで完結って形にはしまして……
ここからは書きたくなったら適当に一話書いてっていう形になるかと
なんならウチのシーナの派遣要請がありましたら是非に……
そちらの部隊の手助けになるかもしれません。
ぶっちゃけエロをバシバシ書いていきたいのでぇ!R18の方が多くなると思う!!!
健全の方をお読みいただいた皆様方、ありがとうございました。