【ライトニング・サムライ】~転生者はダンジョンで英雄になりたい~   作:独身冒険者

22 / 68
連投ラスト

とりあえず今日はここでストップ


抗争の後始末

 【ネイコス・ファミリア】との抗争から一夜明け。

 

 治療を終えた俺達はいつも通りの朝を迎えていた。

 

 とりあえず、帰ってからスセリ様とも話して、俺達は仕掛けられた側と言えるから罰金くらいなら払おうという話で纏まった。

 

 ぶっちゃけ俺達はポーションくらいしか被害はない。

 まぁ、後は武具くらいだけど、これはダンジョンに行けば絶対に消耗するものなのでそこまで文句を言うのは無理があるだろう。

 

 ちなみにステイタス更新をしたが、やはりアワランは【ランクアップ】していなかった。

 

 恐らくは少し前のハルハと同じ理由なのだろう。

 ディーチはLv.2としては弱い方の実力だったらしい。故にLv.1の上位であるアワランとそこまで大きな差がなかったということなんだろうな。

 

 

 

フロル・ベルム

Lv.2

 

力 :G 218 → G 227

耐久:H 169 → H 175

器用:H 151 → H 159

敏捷:G 237 → G 253

魔力:H 185 → H 199

狩人:I

 

《魔法》 

【パナギア・ケルヴノス】

・付与魔法

・雷属性

・詠唱式【鳴神を此処に】

 

【】

 

《スキル》

(【輪廻巡礼】)

(・アビリティ上限を一段階上げる。)

(・経験値高補正)

 

疾風迅雷(ミョルニル・ゴスペル)

・『麻痺』に対する高耐性。

・雷属性に対する耐久力強化。

・被雷時に『力』と『敏捷』のアビリティ高補正。

 

 

クスノ・正重・村正

Lv.1

 

力 :C 673 → C 677

耐久:C 669 → C 671

器用:B 734 → B 743

敏捷:D 527 → D 530

魔力:I 0

 

《魔法》

【】

 

《スキル》

獅子吼豪(キングハウル)

・周囲アビリティ値一定以下の対象を威圧。

・『力』と『耐久』の高補正。

・一定範囲内の対象の獣人族の全アビリティ高補正。

・威圧・補正効果はLv.に依存。

 

 

ハルハ・ザール

Lv.2

 

力 :H 102 → H 110

耐久:I 63  → I 72

器用:I 52  → I 57

敏捷:I 99  → H 103

魔力:I 42  → I 48

拳打:I

 

《魔法》

【スリエル・ファルチェ】

・攻撃魔法 

・風属性

・詠唱式【今宵も鎌が死を喰らう。舞え、血潮の紅華(はな)。散れ、闘争の火花(はな)。高潔なる魂を汚し、悪辣たる罪を洗い流せ。堕落せし(ともがら)を想い、赫き月を血涙(なみだ)で満たせ】

 

《スキル》

【】

 

 

ディムル・オディナ

Lv.1

 

力 :I 79 → I 99 

耐久:I 48 → I 62

器用:H 102 → H 123

敏捷:I 99 → H 109

魔力:H 187 → G 201 

 

《魔法》

【ガ・ボウ】

・呪詛付与魔法

・Lv.および『器用』『魔力』アビリティ数値を魔法威力に換算。潜在値含む。

・発動に槍必須

・詠唱式【其が傷は汝の常。我が忠義は永遠の矛】

 

【ガ・ジャルグ】

・対魔力投槍魔法

・発動回数は一行使のみ

・詠唱式【穿て、紅薔薇。茨を以って敵の誇りを討て】

 

【】

 

《スキル》

妖精騎心(フェアリー・シュヴァリエ)

・槍装備時、発展アビリティ『槍士』の一時発現。

・『魔力』の高補正。

・補正効果はLv.に依存。

 

 

アワラン・バタル

Lv.1

 

力 :B 756 → B 771

耐久:A 823 → A 849

器用:E 417 → E 423

敏捷:C 651 → C 662

魔力:E 439 → E 448

 

《魔法》

【マース・カブダ】

・硬化魔法

・Lv.および全アビリティ数値を魔法効果に加算。潜在値を含む。

・詠唱式【闘志は折れず、拳は折れず、膝は折れず。我が体躯(からだ)は傷を知らず、我が(こころ)は痛みを知らず。故に我は不屈也】

 

【】

 

《スキル》

闘魂気炎(スパルタクス)

・体温上昇と共に『耐久』が上昇する。

 

 

 

 俺達はギルドの沙汰が出るまで、いつも通り組手をすることにした。

 昨日本拠に攻め込んだ3人は、物足りなさを埋めたり、鬱憤を晴らしたり、更なる成長を目指したりと様々な理由で燃えていた。

 

 もちろん、俺はハルハとアワランの相手。ディムルの相手はスセリ様が務めていた。

 

 昼前まで続け、スセリ様が飯の準備をしようと言ったことで終了する。

 

 汗を拭って水を飲んでいると、【ガネーシャ・ファミリア】の人がギルドからの書状を届けに来た。

 

 スセリ様と一緒に中を確認すると、今日の昼過ぎにギルドに来るようにとのことだった。

 

「これはスセリ様と俺だけでいいんですかね?」

 

「それでよいじゃろ。全員で行くのも不用心じゃしの」

 

 ということで、俺とスセリ様の2人で向かうことになった。

 まぁ、【ネイコス・ファミリア】と仲が良かったファミリアが来るかもしれないからな。

 

 当分は警戒に警戒するくらいでいいだろう。

 

 俺達は昼食を食べて、午後はハルハ達は思い思いに過ごすことになった。もちろん、本拠から出ないようにではあるが。

 

 そして、俺とスセリ様はギルド本部へと赴いた。

 

「あ、お待ちしておりました。神スセリヒメ、ベルム氏。こちらへどうぞ」

 

 スーナさんが応対に出てきて、個室へと案内される。

 

 周囲から視線を感じる。まぁ、流石に噂はもう出回ってるんだろうな。

 

 俺達はスーナさんの対面に座り、スーナさんは書類の束をテーブルに置いて頭を下げた。

 

「わざわざご足労頂き、ありがとうございます」

 

「なに、今回は妾達も少々派手に暴れたからの。仕方あるまいて」

 

 スセリ様は肩を竦める。

 

「今回の抗争ですが、【スセリ・ファミリア】には特に罰則、罰金はありません」

 

「え?」

 

「貴団からの報告があったことで我々も迅速に対応出来、被害も両ファミリア内で収まったからですね」

 

「【ガネーシャ・ファミリア】への依頼料とかはどうなんですか?」

 

「それは【ネイコス・ファミリア】から徴収することになりました。今回の抗争のきっかけはあちらですし、それに調査の結果【ネイコス・ファミリア】は闇派閥と繋がりがあることが判明しました」

 

「ふむ……やはりの」

 

 闇派閥と繋がってたのか……。

 ってか、スセリ様は気づいてたんですか?

 

「言うたじゃろ? ネイコスはどちらかと言えば邪神に属する事物を司る神じゃとな。まぁ、どこまで闇派閥に協力しておったかは知らんが、繋がりがあるくらいは予想しておったの」

 

 まぁ、準闇派閥って言われてたしな。

 

 だが、スーナさんは僅かに猫耳を伏せて、

 

「……申し訳ありません。闇派閥との繋がりが判明したのは団員達のみでして……神ネイコスの方は何も証拠は得られておりません」

 

「……ほぉう。奴の眷属が勝手にしておった、と?」

 

「本人達は、そう申しております……」

 

「つまり……神ネイコスは無罪であると?」

 

「いえ、流石に眷属がそう訴えていたとしても、ファミリアである以上主神の管理責任は発生します。ギルド傘下であった以上、処罰は絶対です」

 

 スーナさんは顔を鋭くして、力強く言い放つ。

 

 腕を組んでいるスセリ様はそれに頷いて、目を細める。

 

「つまり、ネイコスはこのオラリオから追放……というところかの?」

 

「はい。証拠がない以上、流石に天界送還までは無理でしょう。追放処分が下される予定です」

 

「……まぁ、それが限界かのぅ。問題は……オラリオの外におる闇派閥と合流される恐れがあることか……。じゃが、現状そこまで手を割く余裕もないか」

 

「……はい」

 

 確かに今のオラリオに外まで目を張れる余裕はないか……。

 だが、追放するだけでもオラリオにちょっかいは出し辛くなるか。

 

 とりあえず、今回の抗争についてはこれで決着とするしかない。

 

 ……やれやれ、また闇派閥に喧嘩を売ったことになるのか。

 

「はぁ……」

 

「くくくっ! まぁ、オラリオにおる限り、闇派閥の阿呆共とは潰し合うことになるんじゃ。気にするだけ無駄じゃ無駄」

 

「……そうなんですけどね」 

 

 少しでも闇派閥の勢力を削れただけマシとするか……。

 

 ギルドを後にした俺達は、のんびりと街を歩くことにした。

 

「ふむ……ヒロと2人っきりというのも久しぶりかの?」

 

「いやいや……毎晩2人で寝てるじゃないですか……」

 

「じゃが、今やそれくらいじゃろう?」

 

「まぁ……起きた後は皆がいますからね」

 

「賑やかにはなったが、それはそれで寂しいもんじゃなぁ」

 

 そりゃ少し前に比べたらスセリ様と2人で過ごす時間は格段に減った。

 団員も一気に増えたしね。

 

 こればっかりは仕方がないことだろう。

 

「明日からはまたダンジョンに行けるようですし、ハルハ達も喜ぶと思いますよ」

 

「まぁの。もう少し育てば、15階層辺りも許可してやるとしよう。大分昨日の戦いがそれぞれに不満じゃったようじゃしの」

 

「正重とアワランの【ランクアップ】が悩ましい所ですね。昨日以上の戦いとなると、中々出会えるものでもないですし」

 

「そうじゃなぁ。また抗争をするわけにもいかぬし。上位のモンスターと戦わせるのものぅ」

 

「……ダンジョンに泊まり掛けで遠征でもしてみましょうか……。14階層辺りをメインに。いつかはやらないといけないですしね」

 

「むぅ~……しょうがないのぅ。ダンジョンでの野宿する練習をせねばいかんのは事実じゃしなぁ」

 

 中層以降はそう簡単に日帰りで行き来できるわけがない。

 18階層の安全地帯で、必ず一泊はすることになるだろう。

 

 だが18階層を越えれば、安全地帯などしばらくない。

 なので、どこかで必ずダンジョン内で野宿する必要があるのだ。

 

 だから、まだすぐに引き返すことが出来る範囲で、練習するのは当然のことだ。

 

 特に今は闇派閥の脅威もある。

 

 警戒しながらも体を休めることに慣れていかないといけない。

 

 暴れたいアワラン達からすれば、もってこいの探索ではあるだろう。

 もちろん連日で止まるわけもないし、毎回ってわけにもいかないけど。

 

「毛布に食料となると、流石に正重の負担が大きいのぅ」

 

「そうですね……。今の面子を考えると、ディムルにもサポーターを担ってもらわないといけませんね。もちろん、俺やアワランと交代しながらですが」

 

「相変わらずサポーター問題が付きまとうの~」

 

 全くだな……。

 そして、結論も相変わらず変わらない。

 

 ホント……リリルカを引き入れたベルは幸運だよな。

 

「仕方ない……。少々妾の伝手を頼るとしようかの」

 

「伝手?」

 

「お前も知っておるじゃろうが、サポーターを担う冒険者は大抵3つのパターンがある」

 

「新人、能力不足、そして……四肢欠損や加齢によって戦えなくなった者、ですよね」

 

「うむ。じゃが、妾達にはサポーターをさせる余裕があるほど新人がおらん。じゃからと言って、能力不足の者を連れていくのは不安じゃ。ならば、妾達が探すべきは3つ目じゃな」

 

「なるほど。確かにそれならば自衛も出来るし、冒険者を理解してくれているのでやりやすいですね」

 

「それにLv.3程度の者を探せば、中層についても色々とアドバイスしてくれるじゃろうな。探す価値はあるじゃろうて。ちゃんと分け前を払えば、文句は出まいて」

 

「でも、そんな都合よく見つかりますかね? 俺達に着いてきてくれるなら、自分のファミリアのサポーターしません?」

 

「そのファミリア次第じゃろうて。まぁ、見つからんと思っておく方がいいじゃろな」

 

 だろうなぁ。

 

 そう言う人って、かなり大きいファミリアじゃなければいないんじゃないか?

 もしくはファミリア内で除け者にされているような人か。

 

 どっちにしろ他のファミリアの人だと、色々としがらみも出来そうだな。……テルリアさんみたいに亡くなったりしたら大変だしな。

 

 本拠に戻った俺達は、皆にギルドでの話を報告して、泊まり込みでの探索について相談した。

 

「いいじゃねぇか!! いつも物足りなかったんだ!!」

 

「まぁ、これからを考えたら一度やっとくべきかねぇ」

 

「俺、問題ない」

 

「私はやはり少々不安ですが……これもまた成長する糧としなければなりませんね。やりましょう!」

 

 と、全員がやる気だった。

 だが、そうなるとやはりサポーター問題が出てくることも話し、スセリ様が動いてくれることを伝えた。

 

 なので、それまでは今まで通りの探索を行い、到達階層を更新したいと話した。

 

 それにもちろん文句は出ず、明日から早速ダンジョンに挑もうということで纏まったのだった。

 

…………

………

……

 

 翌日。

 俺達は早速ダンジョンへと潜っていた。

 

 泊まりはしないが、いつもより早い時間に入って滞在時間を長くしてみた。

 これでまだ余裕があるならば、今度は地上に戻る時間を遅くする予定だ。

 

 1時間ごとにサポーター役を交代で行うことで、全員が戦い、全員が負担を担う。

 

 昼時を迎え、モンスターを殲滅したルームで休息を取る。

 

「ディムル、大丈夫か?」

 

「はい、大丈夫です。戦闘には支障ありません」

 

「戦闘には、か」

 

「はい……やはり『力』が低い私がサポーターを担うと露骨に進行速度が遅れますから……」

 

「こればっかりはしょうがないさ。そんなことで責めてたら、他のサポーターなんて雇えなくなる」

 

「そうだねぇ。やっぱりあと1人、サポーターが欲しいところだね」

 

「だな。今の荷物を分け合えば、正重も荷物背負ったままでもそれなりに戦えるしな」

 

「うむ」

 

「でも、人数分の食糧に水、最低限の毛布と考えると……もう1人の方にもかなりの負担を強いるか……」

 

「こればっかりはどうしようもないさね。サポーターを増やしたところでその分食料とかも増えるんだからさ」

 

「そうだな……」

 

 【ロキ・ファミリア】の遠征とかどれだけサポーターいるんだろうな?

 天幕とか持ち運んでいた記憶があるけど……。

 

「……こういう時にアドバイザーを頼るべきなんだろうな」

 

「アドバイザー? ギルドの職員がなってくれるって奴か? 登録の時に訊かれたな、俺も」

 

「私も訊かれましたね。【スセリ・ファミリア】に入ると決まったら、何も言われなくなりましたが」

 

「ふぅん……俺に着いてるからか?」

 

「いやぁ、メンドクサイだけだよ。奴らはあんまり冒険者に近づきたくないからね」

 

「は? なんでだ?」

 

「死んじまうからさ。どんなに丁寧に、親身に教えても、コロッとダンジョンで死ぬ。けど、毎日のように登録に来る馬鹿共がいる。いちいち気にかけてられないってのがギルド職員を長く続けるコツなんだろうねぇ」

 

「なるほどなぁ」

 

「フロルは流石にガキンチョ過ぎるからね。団長とは言え、ギルドが何もしないってのも問題なんだろうさ」

 

「あ~……」

 

 登録自体渋ってたからなぁ。

 確かに今は闇派閥のせいもあって、冒険者の死者は多いって話だし。

 

 ギルド職員からすれば、最初から親身にならない方が精神的に楽なんだろう。

 これは責めるようなことじゃないよなぁ。それでも訪ねたら丁寧に応対してくれるんだしさ。

 

 原作のエイナ・チュールのような職員が珍しいんだ。

 

 まぁ、ここでギルド職員の話をしてもしょうがない。

 

「さて、後半戦も頑張ろうか」

 

「おう!!」

 

「うむ」

 

「アタシがサポーター役か……。眠くなりそうだねぇ」

 

「モンスターを見れば、目が覚めるでしょう? ハルハ殿は」

 

「大鎌投げる時は言えよ!? この前、掠ったんだからな!」

 

「はいはい」

 

 そして、俺達は探索を再開したのだった。   

 

 




みんな強いね……

次回からまた仲間が集まります(まだ来んの?)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。