【ライトニング・サムライ】~転生者はダンジョンで英雄になりたい~   作:独身冒険者

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リヴィラの街

 リヴィラの街に到着した俺達は、意地悪い笑みを浮かべるドットムさんに嫌な予感を感じながらも街に足を踏み込んだ。

 

 街中は賑わっており、遠くでは怒号と野次の声が聴こえる。

 どうやら闇派閥が上で暴れてても、ここはあんまり変わらないみたいだなぁ。

 

 俺達は観光がてら街中に練り歩きながら、露店に並べられた商品を見る。

 

 今見ているのは冒険者には見えない草臥れた服装の犬人(シアンスロープ)の店だけど……。

 

「はぁ? なんだいこりゃ? ただの体力回復薬(ポーション)が2000ヴァリス?」

 

「おいおい……こっちの解毒薬は5000ヴァリスだぞ……」

 

 相場の数倍かよ……。

 隣のドワーフの武具屋では、正重が手にしたナイフを呆然と見下ろし、

 

「これが……20000ヴァリス……」

 

 俺も横からナイフをよく見てみるが……うん、俺が最初に使ってた脇差と大差ないな。元は良かったんだろうけど、ちょっと刃毀れしてるし、手入れも微妙だな。

 

「こっちの盾……割れてるのに、40000ヴァリス」

 

 ツァオも顔を顰めて、置かれている盾を見て呟く。

 ……うん。こっちの盾も一部亀裂が入っているな。ミノタウロスに殴られたら一発で割れちゃいそうだなぁ……。

 

「これが本当に売れるんですか……?」

 

「おいおい酷ぇこと言ってくれんじゃねぇかよ。テメェら、どこのファミリアだ?」

 

「【スセリ・ファミリア】」

 

 リリッシュの名乗りに、ドワーフの男は目を丸くする。

 

「【スセリ・ファミリア】……!? 今、新進気鋭って噂の……世界記録童子(レコードホルダー)……!」

 

 あらヤダ有名。俺達ってそこまで有名になってるのね。

 

「どうも。悪いな、うちは鍛冶師がいるから武器にはちょっとうるさくてさ」

 

「……最近ランクアップしたっつぅ獅子人の鍛冶師か。……ちっ、なら商売の邪魔だ。さっさと帰んな」

 

 俺達は露店を後にし、他の店を見回ってみる。

 だが、やはりそのほとんどが法外な値段ばかりだった。

 

「なぁ、あんな高いもんばっかでどうやって買うんだ? わざわざダンジョンに潜るのにそんな大金持って来ねぇだろ?」

 

「ここで金を払う方法は3つ。まずは普通に払う。けどこれは、今お前さんが言った通り、限界がある。冒険に数万、数十万ヴァリスの金貨なんざ邪魔なだけだかんな」

 

 だよね。魔石ですらサポーターとかいなきゃ限界があるのに、そこにヴァリス金貨なんて邪魔なだけだ。

 

「2つ目はここで魔石やドロップアイテムを換金することだ」

 

「ここで、ですか? ギルドもないのに?」

 

「おう、ここの元締めや商店で換金してもらうことが出来る。が、出来るだけでギルドの換金と同額とは限らねぇ。まず半値になると思っとけ」

 

「はぁ!? 半分!?」

 

「お前な、ここに来れて住んでる連中に、ここより上のモンスターの魔石やドロップアイテムなんて価値があると思うか?」

 

 まぁ、その気になれば自分で狩れるもんな。……その気になれば、だが。

 でも、地上に帰る時に嫌でも狩ることになるのか。だったら、やっぱり微妙かもしれない。

 

「まぁ、下の階層のでも安く買い叩かれるがな。ここで魔石やドロップアイテムを換金する時は、しょぼいのだけにしとけよ。希少なモン程安く買われちまうぞ。で、奴らは換金した魔石やドロップアイテムをギルドで換金して、儲けるって訳だな」

 

「凄いところですなぁ……」

 

「まぁ、等価交換じゃあ儲けられねぇからな。商人とおんなじさ。安く仕入れて高く売るってな」

 

 確かにそうだけど、別に正式な商店でもないのに、それが何十年何百年も回るって凄いよなぁ。

 

「3つ目は?」

 

「後払いだ。ファミリアのエンブレムと名前、金額を羊皮紙に記載して証文にする。んで、店の奴が地上に戻った時に、ファミリアの本拠に顔を出して金を払って貰うって寸法だな」

 

「……それって偽証する人は……いませんか」

 

「したところでバレるからな。ここに来れる連中なんざごまんといるが、大抵が上級冒険者だ。二つ名持ちなんざ、調べりゃすぐに分かるし、んなことしてバレたら抗争まっしぐらだ。そんな事まではここの連中も望んじゃいねぇ。下手したら自分だって巻き込まれちまうからな」

 

 ここに来れないファミリアと偽っても金なんて持ってないだろうし、ここに来れる奴らなら抗争になったら負ける可能性もある。格下のファミリアなら可能性があるが……リヴィラを敵に回すリスクは負い辛いだろう。

 

 リヴィラを出禁にでもなったら、探索や遠征がかなり辛いものになる。それこそ大派閥でもなければ、リヴィラを無視して魔石やドロップアイテムを換金もせずに抱えたまま下に潜るなんてリスクがデカすぎる。赤字覚悟でもここで換金する方が生存率が高まるのは馬鹿でも分かる。でも、出禁になってしまったら、それも出来ない。

 

 うん……考えると、思ったよりここの存在意義と利用価値デッッカイな!

 

 そりゃギルドもシャクティさん達も、ここを容認してるわけだ。

 でも、闇派閥のような無法地帯になっても困る。だから適度に取り締まり、引き締める。

 

「でも、誰がここを管理している?」

 

「一応顔役がいてな。腐っても冒険者の街だ。基本は腕っぷしの強ェ奴がなってるな。さっきの露店出してる連中を場合によっては取り締まらなきゃいけねぇし、モンスターがここを襲ってきたり、ゴライアス討伐の指揮もしなきゃいけねぇからよ」

 

「【ロキ・ファミリア】とか【フレイヤ・ファミリア】の冒険者じゃないの?」

 

「違ぇな。女神狂(フレイヤ)の連中はこんなとこ運営する暇があったら、主神の機嫌取りたい連中だ。で、道化(ロキ)んところは【勇者】がそんな質じゃねぇ。最強派閥の片割れがここの顔役になるなんざ、余計な火種になりかねねぇからな。そこまで幅を利かせる事はしねぇだろ。群衆(儂ら)も同じ理由で、ここの上には立たねぇ。ここは派閥が必要以上に顔を利かせちゃいけねぇんだよ。あくまで基本冒険者個人で動き、関わる。それがルールだ」

 

 なるほど。そう言えばソードオラトリアでも、顔役の冒険者はフィンさん達に対等に話してたな。フィンさん達も可能な限り、リヴィラのやり方に口を出さないようにしてた感じもあった。

 確かにここを派閥が牛耳れば、争いの種しか生まないよなぁ。権力振り回しても、他の場所に街を造られたら意味がなくなるし。

 そんな面倒なこと、フィンさんはしないだろう。それこそ闇派閥に利用されかねない。

 だからこそ、闇派閥もあまりここには手を出さないのだろう。

 

「ここの連中全員と仲良くしろとは言わねぇが、まぁ顔が利く場所は数カ所見つけておくんだな。じゃねぇと毎回ぼったくられるぞ」

 

「それは勘弁だなぁ」

 

「俺、殴る自信があるぞ」

 

「別に殴り合いしてもいいが勝てよ? 負けるとずっと足元見られるからな」

 

「うげ……」

 

「私やリリッシュ殿は気を付けねばいけませんね」

 

「死活問題」

 

「まぁ、ディムル嬢ちゃんやリリッシュ嬢ちゃんだけでここに来るこたねぇとは思うが、Lv.3になるまでは1人で来るのは避けるんだな」

 

 ですよね。

 俺は子供で舐められやすいし、ハルハ以外はLv.1だったり、この手の相手には慣れてないってのもある。

 しばらくはある程度諦めて利用するしかないな。

 

「ここには宿もあるが、結局冒険者が運営してるからかなり高い。かといって外で野営するにはお前らのステイタスじゃまだモンスターやら追剥やらに狙われて厳しいだろうから、金で安心を買うか、金を惜しんで命張るかだな」

 

「流石に前者で……と言いたいけど」

 

「この人数だと、多分今集めた魔石とドロップアイテムじゃ足りねぇぞ」

 

 だろうなぁ……。

 はぁ……悩ましいところだ。うち、借金あるからなぁ……。

 

「今日は泊まる予定にもしてないし、もう少しこの街と周りの森とかを見たら帰ろうか」

 

「うむ」

 

「それがよろしいですな」

 

「異存なし」

 

「だねぇ」

 

 俺達はとりあえずどんな店や宿があるかを確認することにし、その後は周囲の森などを散策することに決めた。泉とか果物がどこら辺にあるのかとか覚えておいて損はないからな。

 

 そして、半分を過ぎた辺りで、

 

「おお? んだぁ? 見ねぇ顔共じゃねぇか」

 

 木造の店舗からガタイのいいヒューマンの男性冒険者が出てきた。

 頬や額に傷跡があり、まさしく荒くれ者代表って感じの男。

 

 その後ろにもそこそこガタイのいい青年が立っていた。

 

「ん? ……ガキに、獅子人? まさかお前ら……って! てめぇ、ドットム!?」

 

 男はドットムさんを見て、一歩後ずさる。

 

「安心しな、ラムード。今日は別に取り締まりとかじゃなく、こいつらのお守りだ」

 

「お守りぃ? なんだってガネーシャんとこのお前が、【迅雷童子】共のお守りなんざしてやがる」

 

 ラムードって言うのか。

 まぁ、普通はそう思うよな。

 

「主神達が仲良くてな。まぁ、サポーター兼アドバイザーってこった」

 

「……それだけそいつらに目ェかけてるってことか」

 

「儂らはな」

 

「フン……まぁ、【スセリ・ファミリア】のことは俺様も耳にしてるがよ。お前が目をかける程の連中か?」

 

 値踏みの視線を向けられるが、そんなものは今更なので俺はもちろん、他の皆もたじろぐことはない。

 

 するとラムードさんの後ろにいた青年が、鼻を鳴らして前に出てきて、俺に近づいてきた。 

 

「ふん! こんなガキがLv.2になったところで大したことねぇよ、兄貴」

 

 青年は俺に腕を伸ばしてきて、

 

「オラ坊主、ここはお前みてぇなガキが来るとこじゃねぇんだよ。とっとと帰ん――」

 

 俺は掴みかかろうとしてきた青年の前腕を掴み、その腕を捻る。

 

 まさか反撃されると思っていなかったのか、青年は瞠目して痛みに顔を歪めた。

 

「いでででででッ!? は、放しやがれ!」

 

 ……なんか思ったより弱いな。

 

 言われた通りに俺は腕を放してやり、青年は数歩後退るも、すぐに顔を真っ赤にしてまた殴りかかってきた。

 

「こ、このクソガキがあ!!」

 

「ボールス! やめろ!!」

 

 ラムードさんの制止も聞かず、俺の顔面目掛けて拳を振り抜く青年。

 

 ――遅いし、大振りで雑だ。

 

 俺はすり足で半身になりながら青年の懐に潜り、突き出された腕を両手で掴み、一気に体を捻って上半身を前に倒し――青年を背負い投げた。

 

 青年が浮き上がった瞬間に手を放したので、青年は大きく宙を舞って建物を飛び越えた。

 

「なああああああ!?」

 

 青年は驚愕の声を上げながら向こう側に消えていき……ドガアアァン!! と屋根か壁を突き破って墜落した。

 

 俺はその音を聞きながらドットムさんに顔を向け、ドットムさんは少し呆れながらも問題ないと頷いた。

 

「あれは手を出したあのバカが悪い」

 

 ですよね。

 

「おい、ラムード。あのバカはお前さんの派閥のもんか?」

 

「いや、ちげぇよ。けどまぁ……懐かれちまってな。面倒見てんだよ」

 

「人の事言えねぇじゃねぇか」

 

「うっせぇな!」

 

 それにしてもボールスってどっかで聞いたことあるな。どこだっけ?

 

「ったく……あんなんで俺様の後を継ごうとか先が思いやられるぜ……」

 

「ほぅ……あの坊主、リヴィラの頭になる気なのか?」

 

「らしいぜ。本人的には鍛冶師になりたかったらしいが、才能がなかったようでよ。だから、ドロップアイテムとか武具に目がねぇんだ。そういう意味じゃあ、俺様の店を継がせてもいいかもしれねぇが……良くも悪くも冒険者らしいのがなぁ」

 

 あぁ、思い出した。

 ボールスって原作でのリヴィラの顔役だった男の名前だ。アニメでは眼帯してたはずだけど……まだこの時はしてないんだな。

 

「まぁ、ちょっとはいい薬になっただろ。で、【スセリ・ファミリア】共。俺様はラムード・デンバー。この街の顔役で、ここで買取所をやってる」

 

「ちなみにLv.3だぜ」

 

 やっぱりそれくらいじゃないと、ここじゃダメなのか。

   

「いいか? 別に今くれぇの喧嘩だったら何も言う気はねぇ。だが、相手を再起不能にしたり、殺しは許さねぇ。そこさえ守れば、後は当事者の問題だ。まぁ、やり過ぎて街の連中から大量に苦情が来たら別だけどな」

 

「分かった」

 

 敬語ではなくタメ口で答える。

 なんか雰囲気的に敬語じゃない方が良い気がするんだよな。

 

 ラムードさんは特に文句を言う事もなく、ボールスが飛んで行った方へと歩き去って行った。

 俺達もまた絡まれない内にその場を後にする。

 

「いきなり次期顔役に喧嘩売られて、また見事に放り投げたねぇ」

 

「叩きつけるよりはダメージないと思うんだがな……」

 

「落ちた店の店主にぶん殴られてなけりゃいいけどな」

 

 ……どうしよう。ドットムさんの言葉に反論出来ません。

 ごめんよ、ボールス(いつの間にか呼び捨て)。今度なんか奢…れないかな。ここ高そうだし。

 

 リヴィラの街を後にして、俺達は森を散策する。

 18階層特有の果物もあった。

 

 瓢箪の形をした果物、赤漿果(ゴードベリー)

 熟し具合によって味が変わるらしい。熟していなければ酸っぱく、熟していれば甘く、熟し過ぎれば苦みが出る。苦みが強くなると酒のような酸味になり、酒が飲めない時にはこれで誤魔化すそうだ。

 

 もう一つは琥珀色の綿花のような果物、雲菓子(ハニークラウド)

 これは……滅茶苦茶あっっまい果物だった。

 

 食べたけど……俺は無理だった。

 

 ディムル、巴、ツァオ、リリッシュは問題なかったようだけど、他の面々は無理。

 

 いやこれは流石に甘すぎる。

 

 ハルハ達は今赤漿果で口直しをしている。俺は水です。

 流石にまた甘さで誤魔化すのは嫌だったし、未熟な赤漿果がなかったので酸っぱいのはない。酒の苦みで誤魔化すのは「ガキが覚えんのは早ぇよ」ってドットムさんに止められました。

 

 でもそうなると、私、ここで食べられる果物なくなっちゃうんですが。

 

「なら、しっかりと食料を確保しとくこったな」

 

 ですよね。

 はぁ……本当にダンジョン探索って大変で、金がかかるなぁ。前世で読んだライトノベルの世界で、当たり前のように『アイテムボックス』とか使えるようになってるのちょっとムカついてきたわ。

 しかも俺TUEEEでハーレムだと? ざけんなよ!? こっちは恋愛する余裕もなく、強くなるのに必死だわバカタレ!!

 

「おいフロル、なに急に殺気立ってんだよ?」

 

「なんでもない。無能な自分が恨めしいだけです」

 

「はぁ?」

 

「俺らに喧嘩売ってんのか世界記録童子(レコードホルダー)

 

「マジゴメン」

 

 マジゴメン。

 

 

_______________________

簡単キャラプロフィール!

 

・ディムル・オディナ

 

所属:【スセリ・ファミリア】

 

種族:エルフ

 

職業:冒険者

 

到達階層:18階層

 

武器:双槍、双短剣、細剣

 

所持金:120000ヴァリス

 

 

好きなもの:植物、英雄譚、鍛錬

 

苦手なもの:脂っこい肉、貌を褒められること

 

嫌いなもの:軟派者、卑怯者、悪

 

 

装備

《麗凛・双樹》

・長槍と短槍

・正重作 価格580000ヴァリス(ヘファイストス談)

・少量の精練金属(ミスリル)、超硬金属、エルフの里から輸入された『老聖樹の太枝』を使った二振りの槍

・頑丈でよくしなり、エルフの魔力を通しやすいようにと造られた渾身の二作。片手で扱いやすく、されど両手でも扱えるように絶妙な重さとバランスで造られている。長槍は赤く、短槍は黄色い

 

 

《涼諷・双羽》

・二振りの短剣

・正重作 価格520000ヴァリス(ヘファイストス談)

・超硬金属、軽量金属で鍛造された二振りの短剣

・麗凛に合わせて赤と黄の短剣。あくまで副武器だが、ダンジョンでもそれなりに活躍している。状況に合わせて長槍と赤い短剣、短槍と黄色い短剣、と組み合わせで戦う事もある

 

 

 オラリオより遠き『名も知られていない深き森の隠れ里』出身。

 祖父が元近衛騎士で、祖母が元王女。父が里の守護隊隊長、母は一般人だが祖先が高名な魔導士。駆け落ちして今の森で暮らし始め、その後に祖父母を慕っていた者達や連帯責任で里を追い出された親族達もやってきて隠れ里が造られた。

 オディナ家は古代の時代より続く『近衛騎士と言えばオディナ』と謂われる程のエルフの中でも滅茶苦茶由緒ある家系。そのため、駆け落ちした時のエルフ達の怒りと失望は大きく、『不忠の一族』として広まってしまった。

 

 ディムルは生まれも育ちも隠れ里で、祖父母、祖父母の活躍やオディナ家の歴史を知る者達から武術や知識を教わり、かつての栄光を何度も聞かされてきた。

 自分達が罪人である自覚があるためか、エルフに多く見られる潔癖で高慢さはなく、ディムルも性格は生真面目であるものの、他種族への偏見や潔癖性は引き継がなかった。

 

 代々近衛騎士だったためか王族との婚姻も数回あり、元々オディナ家にはハイエルフの血も交じっている。そのため、オディナ家の者は代々ハイエルフにも匹敵する美形が多く、『輝く貌の騎士』とも呼ばれていた。

 そこにハイエルフの祖母の血も混ざれば、間違いなくその子孫も美形になるのは当然であるのだが、それによる弊害をディムルは里を出て、ようやく理解し思い知った。

 

 オラリオに着くまで奴隷商、人攫い、嫉妬深い女神、女好きな男神など、数え切れないほど襲われ、勧誘された。

 よく逃げ切って人間不信にならなかったものだとスセリヒメやフロル達が思う程、地味に苛烈な旅をしてきている。

 

 駆け落ち、追放されたとはいえ、リヴェリアの血縁、つまりハイエルフの血統なのだが、流石にディムルも血を誇れるわけもないと理解しており、リヴェリアも他のエルフ達の感情を慮り、口にすることは出来なかった。

 

 20歳で、身長は166C。

 

 【スセリ・ファミリア】のことは、自分の素性を知りながらも特別扱いする事もなく、自分の容姿に言及してくる事もなく、自分と同じく武の高みを目指しているので、居心地が良いと思っている。

 

 フロルの事はもはや年下とは思っておらず、普通に1人の男性、1人の武人として尊敬している。

 

 正々堂々を信条とはしているが、モンスターや闇派閥、そして他派閥との抗争において、『それが貫ける程強くはない』と理解しており、鍛えてくれた祖父達からも『騎士道とは清廉であることではない。たとえ悪名と泥に塗れようとも主を護り、勝利と命を捧げる事を言うのだ』と教えられている。

 

 

 




どんな人にも過去はある。
ボールスさんは流石にポッと出な存在には出来ませんでしたね。何だかんだ、原作や外伝にもちゃっかりとそれなりに出て来るキャラですし
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