【ライトニング・サムライ】~転生者はダンジョンで英雄になりたい~   作:独身冒険者

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明日いよいよフィアナ騎士団第二部ですね!

ところで、原作キャラを登場させると意外と皆さんから若い、まだLv低いのかと反響があるので、簡単にここで原作キャラ達の本編現在の年齢を纏めてみました。

本編現在:原作から約12年前

ベル・クラネル:約2歳
アイズ・ヴァレンシュタイン:約4歳
ヴェルフ・クロッゾ:約5歳
リリルカ・アーデ:約3歳
ヤマト・命:約4歳
サンジョウノ・春姫:約4歳

フィン・ディムナ:約30歳
リヴェリア・リヨス・アールブ:やグボヘア!?
ガレス・ランドロック:約44歳
ベート・ローガ:約10歳
レフィーヤ・ウィリディス:約3歳

オッタル:約20歳←これが一番の驚き
アレン:約13歳
アーニャ:約10歳

リュー・リオン:約9歳
アイシャ・ベルカ:約9歳
アスフィ・アル・アンドロメダ:約10歳

エイナ・チュール:約7歳

椿・コルブランド:約26歳
シャクティ・ヴァルマ:約26歳

アーディ・ヴァルマ:約10歳
アリーゼ・ローヴェル:約11歳

って感じ……そりゃまだ皆本編には出て来ないし、ステイタスも低いよねっていう。

オッタル20歳……?(-_-;) 若くね? 
そして、アレンは18歳くらいでLv.6になったことになる……十分アイズにも負けない天才じゃない?

フロルはエイナちゃん辺りが同級生になりますね。


銀疾 (アレン)vs 紫迅(フロル)

 さて翌日。

 

 早速俺達はダンジョンに潜って18階層を目指す。

 

 正重とドットムさんは野営道具を背負ってくれている。

 

「へぇ、【アストレア・ファミリア】は【ガネーシャ・ファミリア】と手を組んだって訳か」

 

「らしいな。まぁ、手が欲しいのは事実だしよ。ガネーシャがあそこの主神なら絶対信頼出来るって言ってたから、シャクティも許可したんだろ」

 

「スセリヒメ様も、神アストレアが信頼出来なければ他に信頼出来る神など存在しないって言っておられましたしね」

 

 正義と秩序の神だもんね。

 神ガネーシャとは相性はいいだろう。……お似合いではないけれど。

 

「アーディからすりゃあ同年代の奴と共闘するのはいい刺激になるだろうよ。少し前までは坊主くらいだったからな」

 

「俺は刺激強過ぎるみたいですからねぇ……」

 

「お前っていうか、このファミリアがな。フレイヤのとこ以外であそこまでダンジョン外で暴れてるとこなんざねぇんだぞ?」 

 

「あそこと一緒にされてもなぁ……」

 

 【フレイヤ・ファミリア】が強い理由は、本拠で行われている団員同士の殺し合いにも等しい闘争だ。

 団員全員が己を欲してくれた至宝の女神の寵愛を欲するべく、己こそが傍に立つべきだと知らしめるために仲間であるはずの団員達を蹴落とすために戦っている……らしい。

 

 噂では本当に死ぬ瀬戸際まで傷つけられることなど珍しくなく、エリクサーが恐ろしい速度で消費され、毎日1人は医療系ファミリアに団員が運び込まれるそうだ。

 

 ……オラリオでポーションとかが切迫してる理由、それじゃね?

 

 しかし、だからこそ【フレイヤ・ファミリア】の団員達の実力や練度は高く、成長も早いらしい。だが、せっかく育っても【猛者】に追いつこうとして無茶して、ダンジョンで早死にしちゃうらしいが……。

 

「うちは主神が『このファミリアはフロル(団長)のため』って公言してるからねぇ。あそこみたいに殺し合ったところで寵愛なんて貰えるわけないってのが分かる分マシさね。まぁ、アタシはそんな気は最初からないけどさ」

 

「アワラン殿だけですからね」

 

「へん! だからって殺すわけねぇだろうが!」

 

「分かってるよ」

 

 そんな人をスセリ様がいつまでもファミリアに置いとかないだろう。

 

「それにスセリヒメ様は『栄光は生き延びて己自身に捧げよ』ともおっしゃっておりますからな。己が為に自身を高めることこそ、我らが主神が喜ばれることでありましょう」

 

 それはそれでプレッシャーなんですけどね。

 

 アワランにはぶっちゃけステイタスで勝ててる要素が強いので、いつか追い抜かれそうではある。

 というか、最近組手が結構きつくなってきてるんだよな……。

 

 いやまぁ、一対一はまだ勝ってる。でも多対一では半々になってきてる。

 スセリ様との鍛錬もレベル上がってきてるし……頑張らないとな。

 

 そして、一気に17階層まで下りる。

 

 まだゴライアスは大丈夫のはず。

 もしかしたら、帰りに再出現する可能性があるけど、その時はその時でリヴィラの街の戦いに参加させて頂こうという話になった。雑魚専門になるだろうけどさ。

 

 嘆きの大壁がある大広間を占拠していたのは、ミノタウロスの群れだった。

 

 これはこれで厄介だなぁ。

 

「俺、ハルハ、正重が出る。リリッシュは詠唱開始。アワラン達は正重のスキルで奴らの動きが鈍った後、4人で一匹ずつ確実に倒せ!」

 

「オヤジ! 斧寄こせ!」

 

「ほれよ!」

 

 一気に指示を出すと同時に駆け出し、一番近いミノタウロスの胴体を居合で一閃する。

 俺の出す指示を予測していたであろうハルハも、好戦的な笑みを浮かべてほぼ同時に飛び出し、鎖大鎌で首を一撃で刎ね飛ばし、そのまま一回転して投擲する。

 正重はミノタウロスの咆哮(ハウル)の前に、咆哮(スキル)でミノタウロスの群れを威圧する。

 

 ミノタウロス達が十八番をやり返されて動きが鈍ったところで、ドットムさんから斧を受け取ったアワラン達も飛び出し、正重のスキルで強化されたツァオが突撃盾(シールドバッシュ)を叩き込み、体勢を崩したところにディムルが長槍で膝を一刺しし、アワランが2人を跳び越えてミノタウロスの眉間に斧を叩き込んで倒す。

 

 その隙にツァオが次のミノタウロスに詰め寄り、身を屈めながら右脚を振って足払いを繰り出して仰向けに転ばしたところに、巴が大刀を振り被りながら斬りかかり、がら空きの胴体に振り下ろして倒す。

 

 俺やハルハはミノタウロス達を攪乱するように動き回りながら首を狙って斬り倒し、正重がアワラン達のフォローにいつでも回れる位置で《砕牙》を薙いで2体纏めて倒す。

 

 そして、リリッシュの詠唱が終わる頃に合わせて下がり、魔法が放たれる。

 

「【デゼルト・ビブリョテカ】」

 

 砂嵐が一瞬で大広間を埋め尽くし、ミノタウロスの群れを呑み込んだ。

 

 ……使える場面は限られるけど、やっぱ撃てば強いなぁ。

 魔法が治まると、ミノタウロスは一匹も残っていなかった。

 

 そして……やっぱり魔石も砂に埋もれていた。

 

「……何体くらい残ってたっけ?」

 

「20体はいたかねぇ」

 

「……これが面倒なんだよなぁ」

 

「そう思ってよ」

 

 ドットムさんが背負ってる籠からある物を取り出した。

 

 それは――粗目のザルだった。

 

 どじょう掬いとかで見る形。でも、粗目だから振れば砂が落ちて魔石だけが残るって感じか。

 

 やだ……! 素晴らしい……!

 

「使ってみろ」

 

 4つほど受け取り、俺、アワラン、正重、巴でザッザッと魔石掬いをしてみる。

 

 おお! 取れる取れる! こりゃ楽……か?

 

 まぁ、砂を手で搔き分けるよりはずっとマシか。

 

 ちなみにこの砂はしばらくしたらダンジョンに吸収される。地上では掃除しなきゃダメだけど。

 

「この砂って他の冒険者からどう思われるんだろうな?」

 

「そりゃあ邪魔でしかないだろうさ。動きにくいし、踏み込み辛いからねぇ」

 

「そう言われてもどうしようもない」

 

「分かっておりますよ」

 

「気にすんな。中層じゃあ道が崩れてることだってある。この程度で足を掬われるような奴は、その程度ってこった」

 

 だといいですけどね。

 まぁ、そんなこと気にしてたら戦えなくなるから、実際どうしようもないけどさ。

 

 とりあえず、まだモンスターが出る前に18階層にさっさと下りる。

 

 まだ魔石もドロップアイテムも余裕があるので、このまま19階層に挑もうかと話しながら、草原に出たところで、目の前から3つの人影が近づいてきた。

 

 先頭を歩くのは恰幅が良く、見上げるほどの巨身のドワーフの女性。

 その後ろには……黒髪で目つきの悪い猫人少年―アレン・フローメルと、茶髪で緊張した顔もちのこれまた猫人の少女。

 

 俺は女性2人に見覚えがあった。

 

 間違いない。『豊穣の女主人』のミア・グランドとアーニャだ。

 やっぱりまだ【フレイヤ・ファミリア】にいたのか。

 

 あと数年もすれば、ファミリアを抜けて店を開く、あのリューや【ロキ・ファミリア】の面々ですら怒らせないように気を付けていた肝っ玉女将。

 

 アーニャの方は原作やアニメでは明るい感じの性格だったけど、今はどこか怯えたようにオドオドしてるな。……アレンのせいか?

 

「んん? アンタら……」

 

「テメェは……」

 

 ミア…さんは俺達に気付いて片眉を上げ、アレンは俺を見て眉間に皺を寄せる。アーニャは2人が足を止めたことにどこかオドオドしてる。

 アレンやアーニャ、ミアさんは何やら樽やバックパックを抱え背負っていた。

 

 っていうか、ミアさんの冒険者姿、違和感バリバリだけど滅茶苦茶圧迫感あるな。

 ……この人、オッタルやフィンさん達より強くないか?

 

「ミアじゃねぇか。こんなところで珍しいな」

 

「ドットム? なんだい、アンタがこの坊主共とつるんでるって噂はホントだったのかい」 

  

「まぁな。で、あんまダンジョンに潜らねぇお前がどうしてここにいるんだよ?」

 

「食料や酒の調達だよ。あそこの街にゃ時折珍しいもんが出回るからね」

 

 あ、ファミリア所属中でも料理はしているようだ。

 

「それにしても……」

 

 ミアさんは俺を見下ろして、何やら複雑そうに眉を顰める。

 

 そして、俺は……思い出した。

 

 まだ赤ん坊の頃、何度か両親を訪ねてきた人が――ミアさんだったんだ。

 

「……これも因果って奴なのかねぇ」

 

「……俺が何か?」

 

 流石に「来てましたよね?」なんて訊けないので、少しわざとらしいかもしれないが首を傾げて訊ねる。

 ミアさんはすぐに首を横に振り、

 

「なんでもないよ。大層な噂の割に随分とちっこいと思ってね。ちゃんと食ってんのかい?」

 

「食べてますよ。うちの主神様は俺の栄養管理をしっかり考えてくれているので」

 

「あん? 主神? 神が料理を作ってんのかい?」

 

「ええ、まぁ」

 

 呆れられたが、作りたがっているんだから仕方がない。

 

 すると、アレンが露骨に舌打ちして、

 

「仕える主神に世話されるたぁ情けねぇガキだぜ」

 

 と、いきなり貶して来た。

 ……まぁ、原作やアニメでも口悪かったしなぁ。

 

「普通はそうなんだろうけど、主神がしたいって言うんだからいちいち否定することもないだろ。別に悪いことでも無し。それに、俺からすれば拾われた時から、団員もいない時からだから今更だな」

 

「……舐めた口利いてんじゃねぇぞ、クソガキ」

 

「俺は別に舐めてない。言われたことに答えただけだ」

 

「それが舐めてるっつってんだよ……! 身の程を知りやがれ」

 

「少なくとも、お前に知る必要はない」

 

「……ほざきやがったな。ミノタウロス如きに殺されかかってた雑魚風情が!」

 

 アレンは額に青筋を浮かべて、殺気を噴き出しながら背負ってたバックパックを放り投げ、槍を抜く。

 

 俺は肩幅に脚を広げて、僅かに左足を下げる。

 

 一触即発となった俺とアレンに、ミアさんとドットムさんは顔を顰めてため息を吐くも止めない。

 ハルハ達も闘気を纏って武器を握る手に力が入り、拳を構える。アーニャは未だにオロオロしてる。

 

「皆は手を出すな。俺だけで十分だ」

 

「――死ね」

 

 手出し無用と告げた瞬間、目を見開いたアレンが猛スピードで飛び出し、槍を突き出しながら1秒もかからずに俺へと迫る。

 

 

 ――視える。

 

 

 俺も目を見開いて、アレンをまっすぐ見据える。

 

 

 ――動ける。

 

 

 俺の心臓目掛けて迫る銀の槍を半身になって躱し、左手で槍の柄を、右手でアレンの右前腕を掴んで、一本背負いの体勢に入る。

 

 僅かにアレンの身体が浮いた瞬間、槍を引いていた左手を放して背後に向かって肘打ちを繰り出して、アレンの左脇に叩きこむ。

 

「がっ――」

 

 呻き声が聞こえたが、俺はそのままアレンを背負い投げて、17階層へと上がる洞穴の上の岩壁へと叩きつける。

 

「がはっ!!」

 

 頭を下にして背中から激突したアレンは岩壁を砕く。

 

 俺は追撃はせずに、後ろに跳び下がってハルハ達から離れる。

 

「へぇ……」

 

 ミアさんは腕を組んで口角を上げる。

 

 何とか体勢を立て直して着地するアレンから目を離さず、俺は再び左足を下げて居合の構えを取る。

 

 以前は追いつけない程速いと感じていたが、どうやら『怪物の宴』でギリギリだったことでそう感じただけで、まだ『都市最速』と謳われる程の速さは得ていないようだ。

 まぁ、Lv.2なんだから当然だろうし、それでもかなり速い方だとは思う。

 

 でも速さに関してなら、俺だって負けてない。

 

 あれから能力値(アビリティ)も上がっている。

 

 そして、俺のランクアップ前の『敏捷』最終能力値は――SS。

 

 過信じゃない。驕りでもない。油断でもない。勝てるとかじゃない。

 

 

 未来の第一級冒険者と――戦える。

 

 

 そう、確信してる。

 

「このっ――クソガキがああ!!」

 

 アレンは猛って目を血走らせながら、更にスピードを上げて突撃してくる。

 

「ふううぅぅ――」 

 

 俺は息を鋭く吹き、僅かに腰を屈めて右足を踏み込む。

 

 

ッッギイィン!!

 

 

 同時に抜刀し、全力の居合をもって、すでに目の前に迫っている銀の槍を打ち払う。

 

「――っ!?」

 

 アレンは驚きに目を見開き、槍を握る右腕が振られて僅かにバランスを崩す。

 

「――【鳴神を此処に】」

 

 魔法を発動して雷を纏う。

 

 直後、俺は刀を手放し――アレンの右頬に左拳を叩き込んだ。

 

「ッッ!?!?」

 

「頭に血が上り過ぎたな」

 

 そう告げてやるとほぼ同時に、顔と胴体に5発の拳と蹴り(落雷)を浴びせる。

 

 最後は鳩尾に右前蹴りを放って、後ろに吹き飛ばす。

 

「ガッッッ!?」 

 

 アレンは防ぐことも出来ずにくの字に吹き飛び、地面を転がって洞穴の前でうつ伏せに止まる。

 起き上がろうとしているが、俺の雷撃で体が麻痺してるからまだ起き上がれないはずだ。

 

 魔法を解除し、刀を拾って収める。

 

「ふぅ~……」

 

 息を吐いて身体から力を抜く。

 

 流石にこれ以上はダメだな。どちらかが死ぬまで止まれなくなる。

 

「行こう、皆。手合わせは終わった」

 

 俺の言葉にハルハ達は頷いて歩き出す。

 

「やれやれ……自分だけ遊ぶとかズルくないかい?」

 

「しかも、自分で【フレイヤ・ファミリア】には手を出すなとか言っときながらよ」

 

「ですが、あれは向こうが先に売ってきた喧嘩ですぞ?」

 

「でも、団長も挑発していた」

 

「まぁ……スセリヒメ様の献身を馬鹿にされたようなものですからね」

 

「あそこで引いてたら、それはそれで今後ずっと馬鹿にされたと思う」

 

「そういうこったな。だからまぁ、文句を言う気はねぇが……帰ったら美味いもん奢れよ、坊主」

 

「了解」

 

 巨大樹に向けて移動しようとした俺達だが、

 

「――ま、待ちやが、れ……!」

 

 振り返ると、アレンが痺れで震えながら体を起こそうとしていた。

 瞳だけはこっちを向いており、射殺さんとばかりに殺気を籠めている。

 

 やっぱり、あの程度じゃすぐに起き上がるか。流石だな。

 

 でも流石にこれ以上戦う気はないん――

 

 

「いい加減にしなアホンダラ!!」

 

 

 ドゴン!!! と、怒声と轟音が響き、一瞬地面が揺れた。

 

 アレンは後頭部から煙を上げて地面に倒れ伏してピクリとも動かず、ミアさんが煙が上がる右拳を顔の前に掲げていた。

 どう見ても、ミアさんの拳骨が炸裂したんだが……。

 

 ……動き、全く見えなかった。

 

 目を離したはずはない。でも、気付いたらアレンはもう殴られてた。ちょっと怖くて体震える。

 

 てか……アレンさん生きてる?

 

「に、兄様……」

 

 アーニャが目尻に涙を浮かべて震えながら、まだピクリともしないアレンに声をかける。

 

 ミアさんは無造作にアレンの襟足を掴んで背中に担ぎ、アレンが投げ捨てたバックパックをもう一方の腕で脇に担ぐ。

 

「ったく……負けは素直に認めな、みっともない」

 

 そうボヤいたミアさんは、俺達の方を振り返り、

 

「安心しな、今回はこのバカ猫が悪い。問題にする気はないよ。この程度でいちいち抗争してたら面倒ったらないからね」

 

 助かります。

 

「この落とし前はいつかさせてもらうよ。アタシの料理でもたらふく食わせてやるから、それはそれで覚悟しとくんだね」

 

 どんな落とし前ですか!?

 

「じゃ、死ぬんじゃないよ、ヒヨッコ共。それとしっかり飯食いなよ、坊主! じゃないと背が伸びないからねぇ!!」

 

 カラカラと笑いながら、17階層へと上がっていくミアさん(とアレン)。その後をアーニャが慌てて追いかけて行き、あっという間に見えなくなった。

 

「……なんか、凄い人でしたね」

 

「あの方は【フレイヤ・ファミリア】の幹部なのですかな?」

 

「団長だよ。ミア・グランド。ドワーフで二つ名は【小巨人(デミ・ユミル)】。ぶっちゃけ、今のオラリオ最強と言ってもいいだろうな」

 

「ア、アイツが……!? 【猛者】よりも強ぇのか!?」

 

「今はどうか知らねぇが、団長名乗ってんだからそうなんだろうよ。あそこは派閥内で殺し合うくらいだ。腕っぷしがねぇと上には立てねぇし、言う事聞かねぇからな」

 

 リュー達が怖がるくらいだもんな。

 

「まぁ、アイツは【フレイヤ・ファミリア】の中でも異端だな。主神に心酔してるわけでもねぇし、忠誠を誓ってる訳でもねぇ。むしろ主神が起こす騒動に心底面倒臭そうにしてやがったな」

 

「それは何とやら……というか、あの方は某と同族なのが驚きなのですが……」

 

 そうだよね。ドワーフって基本背が低いよね。でもあの人180Cはあったよ?

 ドットムさんは遠い目をしながら、

 

「信じらんねぇだろうがな……昔は普通にちっこくて、滅茶苦茶美人だったんだぜ?」

 

「嘘だろそりゃ」

 

「大マジだよ。………本当にな」

 

 この感じ……ドットムさん、昔惚れてたな?

 

「それがいつの間にやら()()だよ。強さだけ際立っちまってまぁ……」

 

 キラリとドットムさんの目尻に涙が……!

 

「そ、それにしても! 先程の猫人の少年は魔法を使ったわけでもないのに、凄い速さでしたね!」

 

 ディムルが空気を読んで、話題を変える。

 

 ハルハ達も流石に失恋を揶揄う気はないようで、その話に乗ってきた。

 

「フロルは簡単にいなしてたけどねぇ……アタシじゃ視えても動けなかっただろうね」

 

「俺はまずほとんど視えなかったぜ……」

 

「うむ」

 

「無理無理」

 

「フロル殿の魔法を見慣れている某達でさえ残像を追うのでやっとでしたな」

 

「スキルなんだろうけど、それでもLv.2であの速さは脅威だよな……。頭に血が上ってなかったら、勝てなかったと思う」

 

 直線的な動きで動きが読みやすかったのが幸いだった。

 多分次はこうはいかないだろうな~。

 

「ま、当分は気を付けるんだな。ありゃあしつけぇ質だぜ? 坊主からすりゃあいい競争相手かもしれねぇがな」

 

 復活したドットムさんが呆れながら忠告してくれた。

 

 ですよね。

 

「多分、ありゃあ最近【フレイヤ・ファミリア】で新進気鋭って噂の【女神の戦車(ヴァナ・フレイヤ)】だな。新進気鋭同士、いい刺激になんな」

 

 あんな刺激嬉しくない。

 まぁ、冒険者の競争相手って言えば、あんな感じなのかもしれないけどさ。

 

 やれやれ……【フレイヤ・ファミリア】とも因縁が出来ちゃったなぁ。

 

 

 負ける気は、ないけどさ。

 

 

______________________

簡単キャラプロフィール!

 

・リリッシュ・ヘイズ

 

所属:【スセリ・ファミリア】(元【学区】所属)

 

種族:小人族

 

職業:冒険者

 

到達階層:18階層

 

武器:杖

 

所持金:28790ヴァリス

 

 

好きなもの:未知、本、探求、魔法

 

苦手なもの:運動、長時間睡眠

 

嫌いなもの:脳筋、学ぼうとしない馬鹿、読書を邪魔する奴

 

 

装備

《ウィオラ・ロッド》

・短杖

・【学区】の恩師より卒業時に授かった 価格不明

・小人族に合わせた杖のため軽い。打撃や防御には一切向いていない

・杖の先端に菫色の魔法石が組み込まれている

・流石に正重は魔法石の調整などは出来ないため、専門の店に頼んでいる。そのため、滅茶苦茶金がかかる

 

 

 

 【学区】よりやって来た魔導士志望の小人族。

 子供の頃より底知れぬ探求心を抱き、【学区】の門を叩いた。きっかけはもちろん英雄譚。『古代』と『神時代』の違いや『何故モンスターは生まれたのか』『何故ダンジョンは生まれたのか』など様々な疑問が彼女を刺激した。

 

 【学区】においても冒険者、魔導士志望の小人族は馬鹿にされる対象であったが、リリッシュは全て無視。我関せずを貫き、ひたすら勉学と修行と探求に身を費やす。

 それが【学区】にいる神の興味を引き、恩恵を授かった。その後は神の恩恵すらも研究対象に含めて、自分のステイタスや能力値の上がり方なども体当たりで調べていた。

 

 身長114cm、16歳。

 

 出身は小人族の小さな村。ちなみに【勇者】フィン・ディムナ出身村の隣村。

 

 『女神フィアナ』については子供の頃から研究対象でしかなく、信仰も崇拝もしていない。小人族の誇りや一族の復興などは欠片も興味はない。

 なのでフィンのことは表向き敬意は払うも、内心どうでもいいと思っている。

 

 【スセリ・ファミリア】で唯一の魔導士(候補―まだ『魔導』アビリティないから)であるが、向上心に関しては探求に関わることであれば他の面々にも負けない。なので、これからのダンジョン探索などで置いて行かれないように並行詠唱や回避行動の訓練を続けている。

 

 ちなみにフロルを筆頭に全員が研究対象。特に能力値の上昇が異常なフロル。

 

 【アストレア・ファミリア】のライラとは知識を求める者同士としては仲が良いが、それ以外では地味に仲が悪い。

 

 多分前世は『フィアナ騎士団』の関係者だけど、騎士団所属はしていなかった人。

 【エランの森】で子供達や住人に色々と知識を教えていたり、時折世界中を旅する賢者的な人。

 

 




というわけで、アレン君はフロルのライバルキャラになりました!
【ロキ・ファミリア】はこの辺りの年代はすっぽりと抜けてるんですよね(-_-;)

極東方面の古代の英雄譚ってないんですかね?
ダンメモでは『一千童子』って英雄譚が出てましたけど、命達の前世とか出てほしいですよね。

あと、タグにクロスオーバーを追加しました。これはあくまで魔法名や二つ名などでキャラクターが被る可能性があると思ったからです。あとはキャラクターのイメージとかもですね。
基本的にそのまま流用させてもらう気はありません
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