【ライトニング・サムライ】~転生者はダンジョンで英雄になりたい~   作:独身冒険者

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またまた遅くなりました

ソードオラトリア新刊
学区が出てくるとのことで、これまたどんな感じかちょっと確認したかったので(-_-;)

やっぱり、もう一人のLv.7【ナイト・オブ・ナイト】も気になるじゃないですか。なんとも意外な人でしたが……

なんとか今後の展開に大きく影響が出る感じではないので、更新速度を戻していけるように頑張りたいと思います!


秩序が齎す無秩序

 

 

 帰りたい。

 

 

「いい加減ふざけないでくれないかしらぁ。私達はぁちゃんとギルドから許可を貰ってぇ商売しているのだけどぉ?」

 

「それが汚らわしいと言っているのだ! 身体を売って資金を得るなど……!」

 

「タダで身体を売れって言うのぉ?」

 

「違う! そもそも身体を売るような商売をするなと言っているのだ!!」

 

「じゃあ私達アマゾネスに場所関係なくぅ好き勝手に男を漁れって事ぉ? 身体を売らないとぉ借金を返せない奴隷とかもぉ身を滅ぼせって事ぉ?」

 

「何故そうなるのだ!?」

 

 【イシュタル・ファミリア】団長のヴェヘラさんと【テミス・ファミリア】副団長のジィルが言い合いを繰り広げている。

 

 ……うん、やっぱりこうなったなぁ。

 

 俺はエーディルの横で腕を組みながら立ち、ジト目を向けていたのであった。

 

 

 

 

 今回の進行役はシャクティさんだった。

 フィンさんとリヴェリアさんもその横に入るが、あまり乗り気ではなさそうな雰囲気。

 

 そして……ミアさん達【フレイヤ・ファミリア】、ドタキャン。

 

 ずるい! ずるいぞ!! 俺もドタキャンしたかった!!

 

 ちなみにギルド長のロイマンは冷や汗全開で顔を顰めている。

 多分【フレイヤ・ファミリア】がいない事とエーディルの事が気になってるんだと思う。

 

 【テミス・ファミリア】が暴走する可能性をちゃんと理解しているみたいだな。

 

 なんだかんだで有能なんだよな、あの豚さんも。

 

 エーディルの事は……滅茶苦茶チラ見して緊張してる。

 まぁ……元奴隷とはいえ、ハイエルフの血筋で、元女王で――ロイマンより年上だからね。これまでみたいに強気に出辛いのかもしれんな。知ったこっちゃないが。

 

 話を戻して。

 

 シャクティさんから促され、ジャンヌさんが簡単に自己紹介する。

 

「この度はこのような場を設けて頂き、誠に感謝致します。ラムニシア聖護騎士団、通称【テミス・ファミリア】団長ジャンヌ・ダールと申します。この度、僭越ながら世界平和の一助となるため、この地に遅参致しました。まだまだ若輩で未熟な身ではありますが、このオラリオの平定のため、それに繋がる世界の平定のため、皆様と共に戦う栄誉をお許し頂きたく思います」

 

 と、正に聖女然とした態度と言葉に、フィンさんやリヴェリアさん、他の派閥の方々も感心というか「あれ? いい子そうじゃん」みたいな顔を浮かべていた。

 

 あぁ、これ。各主神から『テミスのところはお堅い』みたいなこと言われてたんだろうな。

 

 でも残念でしたね! 奴らのお堅さはこれからだと思うのだよ!

 

 そんな俺の思いを汲み取ってくれたかのように、奴が胸を張って前に出てきた。  

 

「ラムニシア聖護騎士団副団長ジィル・ドルェイである! 『法』と『審判』を司るテミス神の眷属として、オラリオと世界に秩序を齎す為に尽力させて頂く!」

 

 と、思いっきり見下している目で言い放った。言葉はまだ丁寧だけど。

 

 そして、それを見抜けないオラリオの派閥代表達なわけはなく、ジャンヌさんで上がっていた株が一瞬で暴落しているのを俺は感じ取った。

 だって、俺もそうだからな。

 

「……無駄に傲慢な者が傍に着くのは褒められたものではないな」

 

 傍に座っているエーディルが小さく独り言のように呟いた。

 うん、同感です。

 

「ラムニシアならともかく、ここではLv.2なんて珍しくないから威張ってもなぁ」

 

 この会議室にいる8割はお前より上だぞ?

 

「うむ。そこらがまだ理解出来ておらぬ辺り、程度が知れると言うものよ。まぁ、あの小娘の方はしかと理解出来ておるようだがの」

 

 そうだけど……抑えきれそうにないよなぁ。

 

「では、改めてあの事件からの闇派閥の動きと、それに合わせた今後の警戒態勢について話していきたいと思う」

 

 シャクティさんの言葉に、俺はとりあえず意識からジャンヌさん達を退ける。

 

「あの大規模襲撃後も奴らの襲撃は続いているが、出てくるのは小物で局地的小規模襲撃ばかり。幹部格やLv.3以上と思われる戦闘員は一切確認されていない」

 

「また何とも不気味だな……また何か企んでるとか掴んでないのか?」

 

「残念ながら今のところは。あの事件から手に入れた情報の裏付け作業が大変でさ。ぶっちゃけ手が足りないかな」

 

 リディスさんが肩を竦めて苦笑する。

 

 あの事件で偽情報を掴まされた事で【ヘルメス・ファミリア】は、手にした情報の精査する手間を増やしたが、そのせいで情報を集める人手が半分近くに減ったらしい。

 特に重要そうな情報となると、何度も確認するため時間もかかってしまっている。

 

 こればっかりは俺達じゃ手伝えないからな。頑張ってくれ。

 

「ありがたいことに【ロキ・ファミリア】や【ガネーシャ・ファミリア】、【デメテル・ファミリア】に【イシュタル・ファミリア】にも手伝って貰ってるけど、それでもうちの主神含めて特に引っかかる情報は今のところないかな~」

 

「前回の大規模襲撃で【ネイコス・ファミリア】を壊滅させたとはいえ、まだまだ闇派閥の主力は残っているはずよね? ここで手を緩める理由はなに?」

 

 フィンさんに視線を向けながら首を傾げる【デメテル・ファミリア】の団長さん。

 

「恐らくは戦術の練り直し中なのだろうね。ヴァレッタからすれば【ネイコス・ファミリア】主力の壊滅は少なからず想定外だったんだろう。特に例の幻術使いと団長はね」

 

「幻術使いはこれまでもヴァレッタや他派閥の作戦にとって重宝されていたはずだ。それを喪った以上、連中の活動はそれなりに制限が出てきているだろうからな」

 

 確かにあれだけの幻術だ。

 罠だけでなく、拠点を隠すのにも便利だったろうし。使いどころはかなりあったはずだ。

 

 それが無くなったのは大きいのは間違いない。

 

「もうしばらくはこの状態が続くと、僕は睨んでいる。少なくとも……【テミス・ファミリア】の戦力分析を終えるまでは、ね」

 

 ……なるほど。

 外から来た中規模派閥は確かに無視できないか。

 

 フィンさんはジャンヌさん達に顔を向け、

 

「恐らく今後は【テミス・ファミリア】を標的として色々と小競り合いを仕掛けてくる可能性が高い。本拠周辺はもちろん、ダンジョン探索中も警戒を怠らないでくれ。以前、ダンジョン内でも襲われた派閥があるからね」

 

「ご助言感謝致します」

 

「ダンジョン内に闇派閥が侵入する手段と経路はどうなっている?」

 

 座ったままだが深く頭を下げるジャンヌさんの横で、ジィルが顔を顰めて不躾に訊ねてきた。 

 

 しかし、その疑問も当然の事。

 フィンさんは特に機嫌を害した様子もなく首を横に振る。

 

「残念ながら何も判明していないのが現状だ」

 

「何故調査しない?」

 

「したさ。しかし、それらしき痕跡は何も見つからなかった。地図と異なる通路は18階層以上では昨日まで見つかっていない」

 

「では、入り口に検問を敷けばよいではないか」

 

「誰が管理するんだい?」

 

「……なに?」 

 

 フィンさんの問いに理解が及ばないジィル。

 だから、そんなこと言えたんだろうけどな。

 

「悪派閥かどうかを確認するという事は、背中を晒して施錠(ロック)されたステイタスを仲間でもない他者、しかも他派閥の者に見せるという事だけど……誰が受け入れるんだい? 自身のステイタスをバラすなんて全てを曝け出すに等しい真似を、冒険者が認めるわけがない。いくらギルドであっても、それは完全に干渉出来る範囲を超えている」

 

 フィンさんの言葉にロイマンは不服気に顔を歪めながらも小さく頷いていた。

 まぁ、犯罪を犯したわけでもないのに、そこまでギルドに口出しされたら下手したらギルドに対して抗争を仕掛けるファミリアも出てくるかもしれない。

 

 それにギルド職員が冒険者のステイタスを確認するのは危険すぎるだろ。

 結局冒険者がギルド職員を護衛する必要があり、人手が足りなくなる。

 

「確認するのはファミリアのエンブレムだけだ。ステイタスは『神聖文字(ヒエログリフ)』だから読める者などいないのだからな」

 

「私は読めるが?」

 

「余も読めるな」

 

 ジィルの言葉を速攻で覆した白黒ハイエルフ様達。

 

「エルフであれば読める者は少なくない。魔導士やギルド職員でも学区などで学んでいる者も多い」

 

「まぁ、そもそも普段ステイタスを施錠しているのを、その場だけ解除することなど出来ぬであろうがな。再び施錠するには主神の神力が必要ぞ。各派閥の主神をダンジョンの入り口に集結させるのは、流石に現実的ではなかろうよ」

 

「仮にそうなった場合、護衛の数が足らないな。街の防衛数を減らすのは現状不可能と言わざるを得ない」

 

「ぐっ……」

 

 シャクティさんにまで否定的意見を出されて、何も言い返せないジィル。

 

 まぁ、誰が考えてもダンジョンでの検閲はあり得ないだろう。

 

「で、では何か証明書のようなものを発行すれば……!」

 

「闇派閥の工作員はあらゆる場所にいる可能性がある。【ネイコス・ファミリア】のように一部の団員をギルド所属にさせていれば判別はほぼ不可能だ」

 

 だよね。

 ぶっちゃけ現状闇派閥を見分けるのは不可能に近い。

 まぁ、誰か神がダンジョンの入り口に立って、『お前は闇派閥か?』と問いかければ嘘かどうか分かるけどさ。でも、そんなの誰がやりたがるって話……アストレア様とかはやりそうだなぁ。でも、これはやる神やらない神でファミリア同士の不平不満が溜まりかねないから無しだな。

 

 まぁ、結局現状ダンジョンで取り締まるのは現実的じゃないってことだ。

 

 もし検閲をした場合、【ロキ・ファミリア】や【フレイヤ・ファミリア】が出しゃばるのはかなりまずい。

 中堅以下の派閥に所属する冒険者においてロキ派閥とフレイヤ派閥は、実力で捻じ伏せてくる目の上のたん瘤だ。

 ダンジョンに入る際にまで口出されたら、いつか爆発しそう。俺もやだもん。

 

「では、ダンジョン内での巡回はどうなのだ!?」

 

「いやいやいや、それは探索してれば誰でも周りを気にするじゃない」

 

 今度はアリーゼがツッコんだ。

 それにライラさんも呆れた顔で頷き、 

 

「巡回以前に探索中はモンスターや他の冒険者は顔見知りでもなきゃ警戒対象だろうがよ」

  

「命懸けの状況で周囲を警戒しない間抜けが冒険者など続けられるわけがないからね」

 

 フィンさんが珍しく中々に辛辣な言い方をする。

 まぁ、ここで気を使っても意味はないよね。

 

 そんな感じで『それは無理』『あれも無理』とどんどんジィルの提案を否定していく一同。

 

 もう諦めなって……そんな簡単に解決策出てきたら、誰も苦労してないんだからさ。

 

 それでも引くに引けなくなったジィルが次に標的を向けたのが『資金源』だった。

 つまり商業系や生産系ファミリアの活動の裏に闇派閥がいないのかって疑い始めたんだ。

 

 で、まぁ奴が狙いたくなるのは――【イシュタル・ファミリア】だよな。

 

 娼館ってのはどの時代どの世界でも不純や不正の温床や隠れ蓑扱いされるからな。

 仕方がない事ではあるし、繋がってないとも思わないけど、ここで疑うことに意味はない。

 

 だって闇派閥はオラリオを潰そうとしてるんだから。

 

 そうなればアマゾネスが大多数を占める【イシュタル・ファミリア】だって困るわけで。

 ……まぁ、原作では思いっきり闇派閥の残党と手を組んでるんだけどさ。

 

 それでも神イシュタルはオラリオを滅ぼしたかったわけじゃない。【フレイヤ・ファミリア】に勝ちたくて手段を選ばなかっただけだからな。

 

 歓楽街は興味ない人からすれば不健全かもしれんが、神や冒険者からすればかなり重要な発散場だ。

 オラリオの住人としても、夜道とかで襲われるくらいなら娼婦相手に発散してもらった方が全然良いだろう。そして、娼婦達は強くて金を持ってるかもしれない冒険者に買われるかもしれないんだから、損はあまりないんだろうな。詳しくは知らんが。

 それに【イシュタル・ファミリア】がアマゾネスの大多数を眷属にしている。戦闘娼婦(バーベラ)と呼ばれるアマゾネス達は娼婦としても身体を売り、冒険者としてのステイタスで気に入った男に襲い掛かる。

 

 それをまだ歓楽街という『庭』に留めているんだから、その存在意義はかなり大きい。

 

 だから、そこを弄ろうとするのは絶対に各所から顰蹙を買う。

 すでにその代表と言い争っているけど。

 

「これでも私達はぁ孤児院に出資したりぃ、ダンジョンで死んじゃった冒険者の子供の借金を肩代わりしてあげたりしてるんだけどぉ?」

 

「その代わり娼館で身体を売らせるのだろう!?」

 

「本人が望めばねぇ。嫌ならぁ歓楽街に出入りする商会の丁稚だったりぃ、娼館の料理番だったりさせてるわよぉ? もちろん、身体が育ってれば娼婦した方が早く借金を返せるけどぉ」

 

「だが、この前の事件のように違法な奴隷を扱っている場合はどうする!?」

 

「それはちゃんと調査してぇ摘発に協力したでしょぉ? 私達だってぇギルド傘下ではあるんだからぁ」

 

 いい加減止めてくれんかね、フィンさんかジャンヌさん。

 

 今回は何のために集まったんだよ……もう、俺達がここにいる理由が分からん。

 これはドタキャンが正解だったな。申し訳ないが、参加した意義はこれまでのところ全くない。最初の報告くらいじゃね?

 

「……なぁ、エーディル」

 

「うむ、そうであるな。これ以上は時間の無駄であろう」

 

「だよなぁ。はぁ……ちょっと嫌だけど、行くか」

 

「うむ」

 

 俺の言葉にエーディルが椅子から立ち上がる。

 

 それにフィンさんやシャクティさん達、言い争っていたジィル達も視線を向けて来た。

 

「すみませんが、俺達はここで失礼します。これ以上はいる意味がないようなので」

 

 ロイマンやジィルは顔を顰めるが、フィンさんとシャクティさん達は『だよね……』って表情を浮かべた。

 

「待て、【迅雷童子】。まだ本題に入っておらん」

 

「今後の巡回等の話であれば、俺達からは特に言うことはない。正直現状維持以外に出来る事なんてあまりないし、無理に変えても負担が大きくなるだけだ。少なくとも、うちのファミリアはこれ以上負担を担う余裕も余力もない。【スセリ・ファミリア】はこれまで通りの巡回に参加するまでに留めさせてもらう」

 

「ぐっ……! そ、そんな都合のいい――」

 

「ペナルティを出すなら出せばいい。ただし――その時は【スセリ・ファミリア】は今後派閥会合に参加せず、好きにやらせてもらう」

 

 別に闇派閥を倒すのに、ギルドの巡回に参加する必要はない。

 俺が意見を出した案ではあるが、それに俺はともかく、ファミリアが従うかどうかは別問題だ。

 

 正直、これ以上ダンジョンに行く頻度を落としたくない。

 

 俺達はまだまだ成長しないといけないのだから。

 

 そもそもフィンさんと結んだ協定は情報共有だ。別にギルド主催の会合に参加する必要はない。

 

 俺とエーディルは盛大に顔を顰めるロイマンを無視して、負担をかけるシャクティさんに目礼だけして会議室を去る。

 

 なんか後ろからジィルと思われる男の怒鳴り声が聞こえたが、もう無視だ無視。

 俺はもう【テミス・ファミリア】とは当分関わらんことに決めたよ。

 

「これは当分【テミス・ファミリア】は荒れるな」

 

「だろうな。いくら何でも意地になって周りに喧嘩を売り過ぎた。もう少し時間をかけ、オラリオを知り、顔見知りを増やしておけば話は変わったやもしれんが……あれでは同志を募るのは難しかろうな」

 

 だろうなぁ。

 志は悪くないし、いずれは対策を練る必要はあるんだろうけど。今はあまりにも人材も資材も足りない。無理に推し進めたところで効果は薄く、逆に不満が溜まるのは早いだろう。

 

 無理矢理押し付ける秩序は無秩序と変わらない。

 

 そもそもこのオラリオは国主制じゃない。

 多くの団体が繋がり合い、削り合い、助け合い、譲り合って、街を成している。

 

 一つの主張を押し通すにはかなりの『力』がいる。

 

 実力、権力、財力、魅力。

 

 それをどれか一つ、または複数を兼ね備えた上で、その力を示さないといけない。

 

 残念ながら【テミス・ファミリア】はまだ何も示せていない。

 そんな状態では誰も耳を傾けないだろう。

 

「とりあえず、俺達は俺達の事に集中だ。生き残るだけの力を身に着けないと、いつ【テミス・ファミリア】のような状況に陥るかわからない」

 

 意地を通す力も、誰かを護る力も、俺達にはまだまだ足りないのだから。

 

  

______________________

簡単キャラプロフィール!(前回焦って忘れてた)

 

・ミュリネ

 

所属:【スセリ・ファミリア】

 

種族:アマゾネス

 

職種:冒険者

 

到達階層:未挑戦

 

武器:なし

 

所持金:5000ヴァリス(財布管理:梓)

 

 

 

好きなもの:おいしいごはん、ねる、ボス(フロル)、あずさ

 

苦手なもの:かみさま、おおかみのひと、くさいもの

 

嫌いなもの:ほん、せまいところ、いじめてくるやつ

 

 

 

《装備》

なし

 

 

 

 獣染みた元奴隷のアマゾネス。

 

 父親は不明。母親はミュリネを出産してすぐ、旅の道中の山奥でモンスターに襲われて命を落とし、赤ん坊だったミュリネはギリギリのところで、襲われた場所近くに住んでいた虎人族の里の者達に保護された。

 その後数年間、虎人族達と共に暮らし、他の子供達と同じように育てられた。

 

 その里はあまり他の町村と交流がなかったため、文明はひどく原始的だった。そのため、教育も最低限も最低限で読み書きは村長とその側近くらいしか習わず、他の者や子供達は狩りや森での生き方など技術面のことばかりだった。

 アマゾネスであったミュリネはその身体能力で虎人族にも引けを取ることなく、その生活にあっという間に馴染むことが出来たのだった。これが獣染みた性格の原因である。 

 戦い方に関しても虎人族も武器を使う者もいたが、動物や人間相手であれば素手(というか爪や牙)で戦うことも多く、これまたアマゾネスのミュリネには馴染みやすいものだった。

 

 しかし、ミュリネが12歳になった頃に周辺諸国で戦争が起き、帰る場所を失くし盗賊に落ちぶれた元兵士達に【怪物進呈】を仕掛けられて里が襲われ、運良く生き残ったミュリネや女子供は捕らえられてしまった。

 ミュリネは捕まった後も暴れ続けたが、流石に拘束を解ける力はなく、奴隷商へと売られてしまった。

 

 そのまま暴れては転売、暴れては転売を繰り返し、【イシュタル・ファミリア】への貢物としてオラリオへと密入国された。

 その一週間後に、フロル達の摘発により救出された。

 

 梓の言葉通り、常に隙あらば暴れまわっていたミュリネはその時瀕死の重傷であり、意識が朦朧としていた。その時、強い光が視界を覆い、なけなしの力で視線を向けると、雷光を纏いムカツク商人をぶん殴っていたフロルの姿が朧げに視え、それが梓同様『神』―とてつもなく強くて凄い―のような人と思ったのであった。

 それが強く記憶に残り、フロルの元に行きたいと強く想うようになる。

 

 年齢14歳(本人は知らない)、身長153C。

 

 フロル、梓は大好き。正重、ハルハは好き。スセリ、ツァオ、エーディルは嫌いではないけど怖いから苦手。他は普通。

 

 他派閥ではアーディが好き。シャクティも苦手。意外とガネーシャは好きな部類。

 多分、春姫やベルなどの穏やかで優しい人、椿やガレスなどの豪快な人物が好き。

 

 これまで真面な教育をされずに生きてきたので、いきなり色々と教えられて凄く戸惑っている。

 でも、オラリオの美味しいものは大好きで、目にするもののほとんどが初めて見るものばかりでとても刺激的な日々でもある。

 

 ちなみに先祖は【闘国(テラスキュラ)】出身。

 

 




多分ミュリネはファルガーさんにも懐きます笑
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