小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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始めまして、あるいは他作品を既にご覧になった方たちはどうもです!

初のリクエストと詳しい設定などを頂いて、かなり刺激されて堪え切れなくなり投稿しました!

文才の無さ故に拙い文章など出てくるかもしれませんが、頑張ります!

お読み頂き誠にありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです。 <(_ _)>

誤字報告、誠にありがとうございますschneizelさん!


原作開始前
第01話 日本、燃える


 さて、唐突だが皆さんは『コードギアス』と言う作品をご存じでしょうか?

 

 デビュー作のフルタイトルは『コードギアス 反逆のルルーシュ』と言い、個性的な美男美女が勢ぞろいで登場し、彼らを中心に進んでいくストーリーだ。

 

 学園モノにメカ、神秘や超能力などのさまざまなジャンルを併せ持つ作品だ。

 

 いわゆるパラレルワールドの世界線で、『もしもイギリス帝国が存命し続けて国号も神聖ブリタニア帝国に改号し、アメリカがそのままイギリス帝国のモノで、勢力をそのまま拡大していたら』というモノ。

 

 そんな世界の中、母親を暗殺されて外交の道具として見放された兄妹の内、一人の皇族が復讐を誓い、とある出来事をきっかけに世界規模の反逆を企てる。しかも根本的な動機として、復讐と妹の幸せの為に戦うダークヒーロー的な物語だ。

 

 要するに、受けが幅広い作品だ。

 

 始めはテレビアニメでスタートしたが後に漫画やゲーム、ドラマCD、小説にインターネットラジオまで展開された大ヒット作品だ。

 

 ちなみにタイトルの中に入っている『コード』と『ギアス』は作品内で登場する特殊能力のことを示し、上記での復讐が始まるきっかけとなっている。

 

 ウゥゥゥゥゥ~~~~~!

 

 ボォン! ボォボォォォン!!!

 

 空襲警報のけたたましいサイレンが続く中、遥か遠くの爆発音が遅れて俺の耳に届き、俺を無理やり現実逃避から呼び覚ます。

 

 それでもこれだけは思わせてくれ。

 

 お父さん、お母さん……

 顔も覚えていなくて唐突ですが、日本が現在燃えています。

 

 俺は山からその風景を見ていた。

 

「お母さん、お兄ちゃん……どうなっちゃうの?」

「大丈夫だ、カレン。 ここまで火は届かないはずだ。」

「お兄ちゃんの言う通りよ、カレン。」

 

 そして俺の前には赤髪の兄妹二人と、彼らの母親であるブルネットの女性が今にも泣きそうな妹の方をあやしている光景。

 

「(ついに、始まったか……『第二次太平洋戦争』。)」

 

 時は皇暦2010年8月10日、つまり『コードギアス』という作品の中で神聖ブリタニア帝国が日本帝国に宣戦布告し、侵略を始めた日付。

 

 その光景を、まさか実際(リアル)に見るとは思わなかった。

 

 もうお察ししているかもしれないが、俺はどうやら『コードギアス』の世界に転生してしまった。

 

 ……どうしてこうなった?

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 21世紀、俺は()()()()()使()()()()()()()()()()()に勤めていたしがない社会人。

 

 ()()()()()()()()()

 

 だって気が付けば体の感覚がないわ、宇宙の中をフヨフヨ彷徨っているわでよくわからない空間の中で意識は覚醒し、混乱していた。

 

「(ここは、どこだ?)」

 

 そう()が思うと、ふと違和感を覚えた。

 

 違和感として感じたのは『どこ』という単語に対してではなく、『俺』。

 

「(俺は()()?)」

 

『俺』が『日本生まれ』なのは()()()()()。 

 誰が総理大臣や、町の構造や景色も()()()()()

 最近どこの国が一方的に侵略されたニュースとか、どんなアニメや漫画や映画を見たのかとか。

 

 とかとかとか。

 

 だが『俺自身』の身の回りの事となると、途端に記憶が曖昧に……空白(ブランク)となる。

 

 育った町は?

 学校は?

 友人は?

 同僚は?

 両親や家族の名前や顔などの家族構成は?

『俺』自身の見た目は?

 

 わからない。

 

 何も、思い出せない。

 

 ()()()()()()

 

【思い出せなくて結構。】

 

 その時、少女……少年? 

 とりあえず中性的な声がぼんやりと聞こえてくる。

 

「(誰だ?)」

 

【誰でもない。 人間(ヒト)にとって、“在る”と同時に“無い”存在。 だが“在る”から見えるものには見えるし、聞こえるモノには聞こえる。】

 

 あれか? 宗教で俗にいう『神様』か、世間的には『上位存在』って奴か?

 

【あら? 面白い例えね、嫌いじゃないな。】

 

 ……今、思っていたことを口にしていました? 

 今の『俺』に口があるかどうかは別として。

 

【人間の考えたことを読み取るのは意外と簡単だよ? 私たちにとっては。】

 

 私たち?

 

【まぁ、今は話を進めましょう? 単刀直入に言うわ。 ()()()()()()()()()。】

 

 ああ、なるほど。

『魂だけ』だからフヨフヨしているのか。

 

【……驚かないの?】

 

 驚き過ぎて一周まわって冷静になっているだけだ。 

 実体(身体)の感覚がないのに思考が可能となると……夢の中か、死に間際かの経験か、幽体の三つになる。

 

 それに君の『身体は死んだ』と言ったことで、後者の二択という事を今確信した。

 

【やはり君は面白い。 生命は本能的に“生き(存在し)続けたい”と願う者のはずだったと思ったけど?】

 

 “我思う、故に我在り”だ。 それがどんな形であろうとな。

 

【……………………うん、合格だ! 気に入った! そんな君に素晴らしい選択肢をあげよう! 

 一つは、このまま宇宙の輪廻に引きずられて一体化する。 要するに君の“個”が綺麗さっぱりされてから“全”の一部に吸収(リサイクル)されることだね。】

 

 ……それはご勘弁願いたいな。 せっかく今経験していることを忘れるのは忍びない。

 

【そこで二つ目。 ()()()()()()()()()()()。】

 

 ……………………何だって?

 

【丁度いいところに、ほかの世界に“空き”があってね? そこに君の魂を送り込むのさ。】

 

 それっていわゆる、『神様転生』って奴か?

 

【そうなるね。 そうとくれば、『()()特典』も付けよう!】

 

 おお! なんか知らんがワクワクするな!

 ワクワクする心臓も、胸もない状態だけど。

 

 あ。

 俺って、その世界でも人間か?

 

【そうだね。 ()()だよ。】

 

 性別は? 見た目は? 身体能力は?

 

【そこまで気にする、普通?】

 

 俺にとっては文字通りの死活問題だぞ? 

 神様特典があっても『体が不自由だ』、『盲目』、『死に間際の動物』とかだったら、それらを考慮した上の特典を考えなくちゃいけない。

 

 ああ、あと今覚えている記憶もこのまま継続するのか?

 

【どれだけ聞く気なのさ?!】

 

 うるさい。 

 ゲームやスポーツをスタートする前は可能な限り前情報やマニュアルを頭に叩き込むのが定石。

 始めの町にいるNPC全員にAボタンを連打して全員にあらゆるパターンで話しかけて隠し会話やクエストが無いか確認するタイプだ。

 

 ………………………………多分。

 

【しょうがないなぁ~……君の性別は男! 身体も()()()()高性能! 見た目は“可か不可で言えば可寄り”にするよ! それに記憶を続けさせないつもりだったら全部消してそのまま転生させているよ?! それでいいでしょ?!】

 

 良し。 いいだろう。

 判断材料としては十分だ。

 よくやった。

 

【なんで上から目線口調なのさ?】

 

 それと転生する世界はどんな世界なんだ?

 

【それは転生してからの“お楽しみ”ってやつさ♪】

 

 なるほど……慎重にいかないと駄目なタイプか、これは?

 

【と言っても時間に限りはあるけれどね? 何せ魂だけなんてこれ以上不安定な存在は無いし。 だから早く決めてほしいかな? あ、それと特典は()()()()()だよ? 流石に“全能”とかはダメだけど。】

 

「(……………………………………………………………………………………………………………)」

 

【ってもしもーし? 聞こえてるー? 返事をしてくれるかなー?】

 

 黙れ。

 今は取り込み中なんだ。

 

【うっわ。 また出たよ、上からの目線口調。】

 

『何でもアリ』ということは、逆に転生先の世界も『何でもアリ』の可能性がある。

 

【う~ん……この合理的な思考、いいね!】

 

 俺が悶々と考え込んでいる間に、“自称神”が何か言った気がするが無視

 

【その神の定義も、人間が付けたんだけどね? だから自称じゃないよ?】

 

 ここはどんな特典で行く?

『全能』がダメならば、定番ものの能力系か?

 鑑定や解析系、ESP(エスパー)系、魔法系……それとも純粋な自己強化系で行くか?

 

 だがもしそれ等があまり適用されない、または裏目に出るような世界となるとマズいな。

 

 となると……『Simple is best(シンプルイズベスト)』か。

 

 ……………………………………よし。

 

【お? 決まった?】

 

 ああ。

 

 俺の特典は────

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「坊ちゃま、 分からない所は御座いますか?」

 

「今の所は大丈夫です、先生。」

 

 俺はいま、勉強をしている。

 と言っても前世の記憶を使えば数学や理科などは問題ないのが分かった瞬間、代わりに他の部門とかを家に優先されている。

 

 立ち居振る舞いに交渉術や護身術、乗馬に作法やマナー。

 

 それらをスポンジのように俺は吸収していく度に教師たちからは感心される。

 

 もうこの転生先の身体が優秀のなんの。

 身体だけで、物理的な面はカバーできる予想だ。

 今は体格が小さすぎて、本領を発揮できないが。

 “流石は貴族”ってか?

 

 いや、英才教育のおかげか。

 

 ……教育と言えば一から習っているものがある。

 

 ()()()()()()()()だ。

 

 そう、ブリタニアだ。

 

 神聖ブリタニア帝国だ。

 

 十歳にも満たない、『大丈夫』の答えにスーツを着た男性が感心するような息を小さく吐きだす。

 

 相手は俺に気付かれないように振舞っていたがいかんせん、俺の耳はそれを綺麗に拾いあげては罪悪感を覚えてしまう。

 

 勉強は確かに難しいが、罪悪感を覚えているのはそれの所為ではない。

 

 俺の人生設計に対してだ。

 

 俺が『自称神』に転生させられた先は赤ちゃんスタートだった。

 

 これが出産直後ではなく、物心がつくような生後数か月あたりだった。

 

 それのおかげで俺が『スヴェン・ハンセン』という事も分かった。

 

 名前からすでに日本人ではないことを予想はしていたが……流石に下級貴族の家とは思わなかった。

 

 しかもその貴族が『ブリタニアの貴族』で、まさかの『コードギアスのブリタニア』だったと知ったときと言えば、俺の叫びが自動的に泣き声に変換され、『坊ちゃまが初めて泣きました!』と使用人たちに騒がられてちょっと複雑な気持ちになった。

 

 だってコードギアス、バッタバタと人が割と死ぬんだもん。

 

 俺もその昔に一度か二度見たことがあるからうろ覚えだが、俺の知っているキャラだけでもメインと思われる登場人物は物語が進む度に結構あっさりと死んでいく。

 

 シャーリーとユーフェミアのような身体能力的にほぼ一般人たちはともかく、強者でも結構な数が死んでいる。

 

 疑似的な『時間停止』のギアス持ちのロロ、四聖剣(しせいけん)と呼ばれるほどのいわゆる『四天王』のうち三名が戦死している上に、実質的な『核兵器』が二期の後半あたりで雨霰のようにバカスカ撃ちまくられる。

 

 せめてもの救いがどういうわけか放射能がないことだが、破壊力はご察しの通り健在。

 

 とりあえず、『Hey(ヘイ)! オレ様たち死亡FLAG(フラグ)! コンゴとも家族と親戚たちと共にヨロシク!』とゾロゾロそこかしこにある世界なのだ、『コードギアス』は。

 

 一つの過ちで即死亡フラグが湧き上がるのだ。

 

 そこでだ。

 

 俺ことハンセン家のスヴェンはブリタニア帝国の貴族の嫡男。

 

 ドタバタに巻き込まれる可能性は大いにアリなのだ。

 

 だから俺の目標は第一に生き残る!

 第二に生き残る!

 第三に何が何としても生き残る!

 

 ついでに美少女を妻にしてのんびりと余生を生きるとか……

 

 つまりはだ。

 全力で自己の基礎能力を底上げし、基盤を盤石に整えた上で面倒ごとをマタドールのように、華麗に回避!

 

 これしかない!

 

 え? 『神様から特典もらっただろ』、だと?

 

 それは保険だよ、保険。

 切り札。

 俺としてはそうそう切るつもりのないジョーカーだ。

 

『自称神』があっさりとオーケーを出した時に気付けば良かったが、今思えばあまりにもすんなりと答えが来たことで失念してしまった。

 

 確かに特典はもらったが……今判明しているのは使用の結果だけで、ぶっちゃけるとどんな副作用や後遺症が出るのか分からないものだから、極力使わない方針で行こうと思う。

 

 可能な限りリスクを抑えた試行錯誤はちょくちょくとこれからする予定だが。

 

『原作に介入しないのか』だって?

 

 逆に聞くが、誰が好き好んで自ら地雷原に生身で突貫する?

 

 いるかも知れないが、少なくとも俺は違う。

 

 出来ればだが、ルルーシュたちを悲惨な結果から救ってやりたい気持ちは大いにある。

 

 あるが……命あっての人生だ。

 

 前世でどう俺が死んだかは知らないがせっかくの第二の生、満足したい。

 

 というわけで、『面倒ごとから逃げて、貴族ライフを満喫してはブリタニア帝国崩壊後に隠居するために備え、ついでにそれとなく目立たない程度に活躍する!』

 

 これしかない!

 

 それを決意した俺はとにかく片っ端から未来で助けになるようなモノ全てに手を出した。

 

 あれだ、『手に職』って奴だ。

 

 その結果、『ハンセン家の隠し玉』と呼ばれることになったが……まぁ大丈夫だろ。

 

 あれ? この場合、『神童』とかになる筈なんじゃね?

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