小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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楽しんでいただければ幸いです!


第116話 『知らないところで加速する(スバルの)胃痛と(スバルへの)期待』1

 少しだけ時間を巻き戻したいと思う。

 

 聖ミカエル騎士団が阿鼻叫喚の地獄を味わっている間、ユーロ・ブリタニアの政治を司る大貴族会議に、大小と問わない規模の貴族たちが()()招集されていた。

 

 このような招集は異例であり、さらに召集をかけたのはよりにもよってヴェランス大公の幽閉を『閣下のため』と進言したシン・ヒュウガ・シャイングであり、ジュリアスの『箱舟作戦』が発動して、そんな彼とシンがチェスの対戦をし終えた直後だった。

 

「名家とはいえ、シャイング卿自身は養子ではないか……」

「自分がイレブンということを忘れている様子で……」

「我々をこのような状況で招集するなど……」

「不遜極まりない!」

「で、あるな。」

 

 最初は“皇帝が派遣したジュリアスと手を組み、ヴェランス大公に代わるユーロ・ブリタニアの宗主になり替わろうと目論んでいる若輩のイレブン”と噂していたが……

 

 その予想は見事なまでに、シンが次に言う事で覆されることとなる。

 

「大貴族議員の方々にお伝えしなければなりません……神聖ブリタニア帝国の軍師、『ジュリアス・キングスレイ卿』を語る男が、エリア11で『ゼロ』と名乗っていた賊であると判明しました!」

 

 このような宣言に、議会はざわついた。

 

「なんと?!」

「ゼロ?」

「エリア11で暴れていたテロリストという事か!?」

「しかし……処刑されたはずでは!?」

 

 貴族たちが騒ぎ出し、まるで上記の言葉を待っていたかのようにシンがの口を再度開く。

 

「全てはキングスレイと皇帝陛下が企てた偽り! 奴は最初から本国と繋がっていたのです────!」

 

 ここでシンの表情は、薄笑いへと変化する。

 

「────であるので……私が処刑いたしました。」

 

 「「「「「ッ?!」」」」」

 

「待てシャイング卿! 本国への確認もしないでか────?!」

「────その本国に、貴方がたは不満を抱いていたのではないのですか?」

 

 シンの言葉に、召集された貴族たちが全員黙り込む。

 

 何せ本当の事であって、つい先週も定期的な議会では、如何にブリタニアの中核を担う皇帝派の者たちを貴族派にすり替えるかどうかを議論していた。

 

「こ、こ、皇帝に表立って刃向かえば本国との戦争になるぞ! 分かっているのかシャイング卿?!」

 

 だがそんな彼らも、真っ向からブリタニア本国に喧嘩を売るなど考えてはいなかった。

 

「貴方がたは、自分たちが何を仰っているのかご理解しているのでしょうか? 西にはEU! 東にはブリタニア帝国! そしてそんな帝国は我々を陥れようとしたのです! 我々ユーロ・ブリタニアが国として生き残るためには、もはや戦うしかないのです!」

 

 議会の中はまた静まりかえり、誰もが息を潜めていた。

 

「大公は……ヴェランス大公のご意見は?」

 

 ようやく誰かがしゃべったものは、か細い小声に近かった。

 

「……皆様方、もう戦いは既に始まっているのです。 ご覚悟なされるがいい。」

 

 「それが四大騎士団の総意か────?!」

 

 貴族たちはシンの明らかに挑発するような笑みと言葉遣いに煽られ、不安を怒りに変えて彼を罵倒し始めたところに、近くに待機していたジャンがお皿に乗った袋をシンに手渡す。

 

「────残念ながら、私以外の騎士団総帥たちは────」

 

 サッ。

 

「────な────?!」

「────戦いを恐れたのか、はたまた大公閣下のように敵と通じていたのか逃亡を図りました。」

 

 シンが袋を開けると、そこに乗っていたのは老人の────聖ウリエル騎士団の総帥だったレーモンドの生首。

 

「サ、サン・ジル卿……」

 

 貴族たちはそれで悟った。

 

『自分たちに発言権はない』、と。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

 『ヒュウガ様?』

 

 側近のジャンが心配するような声が通信越しに聞こえ、ヴァイスボルフ城に出撃する前の記憶に耽っていたシンの意識は現在へと引き戻される。

 

『……………………ああ。 少し、これからのことを考えていた。』

 

『それは……失礼いたしました。』

 

『いや、いい。 ジャン、ガブリエル騎士団とラファエル騎士団はどうなっている?』

 

 シンはヴェルキンゲトリクスを身に沁みついた操縦技術で半ばオート(自動)で走らせながら、ユーロ・ブリタニアで掌握した大量のリバプール強襲でウリエル騎士団とガブリエル騎士団を壊滅させている間、行方をくらませたゴドフロア(毛深いもみ上げ&眉毛)ファルネーゼ(声がフラガ)の捜索状況を尋ねていた。

 

 

 実はここで原作と少しだけ違う流れができていた。

 如何にどうやってジュリアスや本国の目を盗みヴェランス大公を救出するか、シンを除いた四大騎士団の総帥たちは密会をひらいていた。

 

 ここまでは原作通りである。

 

 ファルネーゼの騎士団は『ほぼ壊滅状態から回復中』という事で、その密会にウリエル騎士団とガブリエル騎士団を使っていたのだが、まさかガブリエル騎士団が保有するリバプールが一斉に暴れだすとはだれも想像していなかった。

 

 騎士団に所属する者たちは強い、それは事実である。

 が、それは作動したナイトメアに乗っていなければせいぜいが『ベテランの歩兵』であり、友軍でしかも(無人機とはいえ)ナイトメアであるリバプールと無人機化されたサザーランドの強襲に対して後手に回った。

 

 聖ウリエル騎士団員や、総帥のレーモンド以外。

 

 彼と彼の部下たちは無人機に頼りすぎになっているユーロ・ブリタニア軍を見て、危機感を感じていた。

 “もしこれらが万が一敵によって無効化などされれば”といった可能性から、ウリエル騎士団はユーロ・ブリタニア内では珍しく『無人機を一切使わない騎士団』となった。

 

 または『硬い頭をした古い時代の老人(ロートル)たち』と陰で呼ばれることも。

 

 だが今回の騒動ではそれが良い方向に転じ、彼らは自分たちの長くない命を費やしてゴドフロアとファルネーゼに後を託して最後の一兵まで戦い、散った。

 

 

『未だに捜索中ですが、時間の問題かと。 ヴィヨン卿とファルネーゼ卿は確かに脅威ですが、騎士団を持たぬ彼らは所詮一人。 我々が掌握したリバプールの数で、無理やりねじ伏せることは可能の筈です。』

 

『そうか……(やはり世界は狂っている。 待っていてくれ皆。 私は、必ず────)────ん?』

 

 シンは森の木々からようやく開けた湖の場所に出てきたが、ここで落ち合う筈の先遣隊がいないことに表情を曇らせていた。

 

『……ジャン、先遣隊との合流地点はここではなかったか?』

 

『確かに、地図では間違いないのですが……少々お待ちください!』

 

 グラックスの頭部が開き、ジャン機が周りを確認するとここでようやく先遣隊が大幅に遅れていることが判明する。

 

『なんだこの遅さは?! ヒュウガ様の指示を────!』

『────ジャン。』

 

 シンのどこか愉快そうでありながら冷たい口調に、ジャンは背筋に氷が入るような錯覚をして口をつぐんだ。

 

『案内してくれ。』

 

『……はい。』

 

 

 ……

 …

 

「なんだ、これは?」

 

 シンとジャンは先遣隊と()()()()部隊の野営地に来ていた。

 

 さて。

 先遣隊とはその呼び名の通り本隊の先を行き、大掛かりな作戦が展開しやすいように土台を用意したり、脅威になるようなものの露払いや調査をする斥候の意味合いも含まれている。

 

 だが現在、シンたちが目にしたのは『先遣隊』と呼ぶより『本隊』だった。

 

 指定されたポイントより離れた場所の地面を平にして急増の滑走路が作られ、ユーロ・ブリタニアでは貴重な輸送機でサザーランドやリバプール、精鋭用のグロースター・ソードマンまで来ていた。

 

 驚愕しつつもジャンが様子を聞きに行くと、マンフレディ時代からの幹部たちである『三剣豪』が先遣隊の被害や状況を聞き、独断で野営地付近を拠点にして本体やナイトメアに破城兵装といった必要物資を送り、動かせる負傷者をペテルブルグに戻していた。

 

「シャイング卿!」

「この辺境にある基地を、なぜ越境までして落とす必要があるのか今一度聞きたい!」

 

『三剣豪』。

 それは、聖ミカエル騎士団前総帥のマンフレディの側近と正式に認定されている強者たち三人のことで、いまだに絶大な人望を有し、唯一シンに異を唱えてもお咎めがなかった者たちである。

 

「……」

 

 三剣豪の罵倒直前ぎりぎりの問い詰めに、シンは先ほどジャンから聞いた、森の中の人間や最先端の技術の裏や盲点などをかいた罠に関して考えていた。

 

 そのどれもが、とても昨日や今日の数日間に備えられるものや、設置できるとは思えない数々の罠や細工を。

 

「(敵の指揮官……にしては感じが違うな。 確かに城の防衛を見る限り優秀だが、この仕掛けは明らかに人間の負の感情を利用する心理への攻撃も含まれている。 まるで────)」

 

 不意に、シンの脳裏をよぎったのはジュリアス────否、『ゼロ』の面影だった。

 

「(いや、それはない。 奴は今クルルギと共に幽閉され、精神状態が不安定のままだ。 今回のようなことを計画したとするならば、『シュバルツバルトのモグラ』(内通者)から事前に動きの報告は来ているはずだ。

 他に候補がいるとすればシュナイゼルだが、奴は例のマリーベルと『グリンダ騎士団』を手駒にしようと注意をそちらに向けていたはず。

 あとはいまだに『行方不明』とされているコーネリアといった可能性もあるが低いだろう……

 となれば────)────フ。」

 

 思わずシンが出した、鼻で笑いようなことに三剣豪が出す空気はさらにピリピリした。

 

 確かにシンは聖ミカエル騎士団のトップと正式に任命されたが、彼らの忠義はあくまでマンフレディとヴェランス大公を対象にしていた。

 

 シンに『部下』として付き合っているのも、聖ミカエル騎士団の体面とマンフレディの遺言を考えたからこその行動である。

 あとは、“いつシンがボロを出すのかが伺いやすいから”という理由もあった。

 

「ああ、すまない。 今のは私の配慮が足りませんでした。 だがこのような惨状を見聞きしてもなお、敵を狙う理由がまだわからないと少々面白おかしく思ってしまいました。」

 

「「「ぬ。」」」

 

「敵はこのような、騎士道を侮辱するような仕掛けを平然とするような輩です。 そのような者たちが、我々ユーロ・ブリタニアが総攻撃をかけているEUの前面に出ていれば被害はさらに広がっているでしょう。 そのような者を即刻排除するために、私はミカエル騎士団を動かしたわけです。」

 

「「「………………」」」

 

 

「「あ?! シャ、シャイング卿!」」

 

 シンは呆気にとられた三剣豪と『さすがヒュウガ様!』とでも言いたいジャンを後にして、重症や怪我の容態が移動によって悪化する危険がある者たちのテントに来ては、ストレスからが目の下にクマと急激に痩せた様子の見張りがびっくりする。

 

 彼らは『見張り』と呼ばれているが、実際は怪我人たちの要望や介護をする者たちの使いッ走りポジションであり、現在『絶対にやりたくない貧乏くじナンバーワン』の任務だった。

 

 四六時中、中から聞こえるうめき声や親しい者の名を弱弱しく口にしながら死んでいく様を聞かされるので無理もないが。

 

「お前たちは下がれ、私だけで充分だ────」

「「────え? あ!」」

 

 そういいながらテントの中に入るとシンが見たのは『怪我人のいる病棟』ではなく『死屍累々』のほうが合っていただろう。

 

う、うぅぅ……

痛い……イタイ……

シャイン、グ卿……

ヒュー……ヒュー……

 

「……ああ、安心してくれ皆────」

 

 どこを見ても、今すぐにでもちゃんとした設備と医師に見せれば『一命を留められるかもしれない』数々の()()たちを前に、シンは腰の剣を抜いた。

 

「────今、助ける。」

 

 

 

 数分ほどが後に、シンは病棟の裏口から出てはそのまま拠点の外にある森の中に一人で歩いていた。

 

 未だに出した剣、白をモチーフにした服装、そして顔には赤い液体(返り血)がべっとりと張り付いていた。

 

『『『『『シン……シン……』』』』』

 

 そんな彼の名を呼ぶ声たちがどこからともなく風に乗って届き、彼の目に赤いギアスの印が独りでに浮かぶ。

 

「消えろ、亡霊ども。 (やはりこの世界は残酷だ。 生者には苦痛しか与えられない……)」

 

 シンは地面からゾンビのように這い出るガイコツや、自分が()()()として使い捨てたり利用した知人たちを、いまだに血が付いた剣で斬り伏せていく。

 

『シン……』

 

 女性の声でシンは今までの歩みを止めて振り返ると、毒殺して肌が青色に変色した亡き母の幻影がいた。

 

『ああ、私のシン────』

「────消えろ、女。 貴様が母親など、認めない。」

 

『ええ、それでも私の代わりにアキトを守ってやって────』

「────父上を裏切って産んだ子をか?」

 

『口ではそういうけれど、いまだに気にかけているのは────』

 「────くどいぞ女!」

 

 シンは自分の足に抱き着いて懇願する母親の幻影を切り裂く。

 

『シン……』

 

 そこで新たに表れたのは、自分の落ちそうな首を片手で支えるマンフレディだった。

 

『シン……我が義弟よ、()()シン……』

 

「マンフレディ卿……」

 

『まだなのか?』

 

「ご心配なさらず、マンフレディ卿。 私は必ずや、約束通りに、この世界からすべての不幸を取り払って見せます。」

 

 シンはもう誰にも見られていないにもかかわらず、薄笑いを浮かべながら夜空を見ていた。

 

 正確には、満月になった月を。

 

「それに、すぐに義母上や義妹はまもなく貴方のもとへ辿り着くでしょう。 フフ……フフフフフフフフフフフフフフ……」

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 同じ夜の景色を、アリス・シャイングは屋敷の庭園から見上げていた。

 

 その一点の曇りもない眼に映っていたのは満天の星でも空に浮かぶ月でもなく、両手で持ち上げていた装飾を施された短剣であった。

 

 それも綺麗な装飾をされている玩具などではなく、人を傷つけられるようなちゃんとした刃がついたそれを、アリス・シャイングはうっとりとした喜びの表情を浮かべながら見ていた。

 

 そしてそんなアリスに、ヒールが独自に出す『カツン、カツン』とした足音が近づくと今度は彼女の実母である、マリア・シャイングが姿を現す。

 

「さぁ……一緒に参りましょう、アリス。」

 

 アリスと同じような短剣を持ちながら。

 

「はい、お母様。」

 

 “貴族の母子が、刃のついた短剣を持ちながら喜んでいる”など、こんな場面を使用人が見れば卒倒するような悪夢でしかない。

 だがどういう訳か使用人の姿が一人も見当たらない。 それどころか、貴族の女性に必ず付き人として居る筈の侍女や警護の者たちでさえもおらず、いつも以上に屋敷の門や出入り口、窓のカギなどがすべて閉まっていて、人気のない屋敷は『陸の孤島』状態になっていた。

 

 明らかにどこからどう見てもおかしい現状に、マリアとアリス・シャイングはまるで気にする様子もなく、アリスは席を立ってから自分と同じ笑みを浮かべていた母を見上げる。

 

 まぁ、これが画面越しだと二人の目には明らかにギアスにかかった者にしか表現できない『赤』で滲んでいるので『視聴者』からは一目瞭然なのだが……『他人』から見れば、狂気の沙汰としか見えない。

 

 母子は向かい合わせに立ちながら、手にした短剣をお互いの心の臓に目掛けて一心不乱に力の限り振るう。

 

 如何に力のない貴族夫人や非力な子供と言えど、迷いのないその動作は鎧も何もガードがされていない皮膚と肉の向こう側にある心臓を貫くには十分すぎた。

 

 狙いを定められた短剣は迷いなく深く刺さったことにより、大量の流血と共にマリアとアリス・シャイングは最後を笑顔で迎えながら倒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドドッ!

 

 その様な幻覚(ヴィジョン)を、マリアとアリス本人たちが見たと勘違いするほどまでお互いの流れるような動作以上に、とある者がどこからか現れては鋭くかつ正確な打撃を当てて、二人を昏倒させながらどや顔────

 

「ふお?! や、柔らかすぎて崩れるるるるるぅぅ?!」

 

 ────否、勝ち誇った『フ、決まった』のどや顔から『ぬぁにぃぃぃ?!』と叫びそうな驚愕の表情に変えて良い胸部装甲のスタイル抜群であるマリアと年相応より発育が良いアリスたちの身体を一人で支えようとしては足取りが不安定になる。

 

 あと地味にだが、背骨に負担をかなりかけていた。

 

「おい! 貴様も手伝わぬか?!」

 

「断る。」

 

 そんなCCは『ニョキ♪』と、どこぞの古いゲームの効果音を出しそうに庭園の床から頭の頭上と目だけを露出させながら彼女のトレードマークとも呼べるジト目で、気を失ったマリアとアリス・シャイングを苦労して支えようとする毒島をどこ吹く風とばかりに見ていた。

 

「そもそも私が若造と交わしたのは『不干渉』寄りの『同盟』であって、『契約』などではない。 ここまで案内したのも、桐原の提案の次いでだ。」

 

「そ、そ、それにしては! よくカタコンベや、城の秘密通路を把握していたな?!」

 

 毒島が『気合だぁぁぁ!』と苦労してようやく気を失ったマリアとアリス・シャイングの体を肩で支えられる体勢になってからCCのいる秘密通路へ振り向くと、彼女が珍しくアンニュイな表情を浮かべていたことに、毒島は何とも言えない違和感が浮かぶ。

 

「……()()、ちょっとな。」

 

「(“昔”とは?) そ、そうか……ではせめて、おじい様の使いで保護した日本人たちはマーヤたちや皆と合流するまでお前と一緒だということだな────」

「────おい、若造のことを忘れているぞ。 というかそもそもお前はどう────ってなんだ、その癇に障る笑みは?」

 

「……いや? 何も? それに彼のことならば、私は心配などしていないさ。」

 

「奴を信頼しているのだな?」

 

「私やおじい様が見込んだ男だからな────!」

「────秘密通路を閉めるぞ────」

 「────私が来るまで待てよお前────?!」

「────ならさっさと来い────」

 「────人を担いでいるのだぞ────?!」

「────そんなこと、私には関係ない。」

 

「……この二人の世話を私と共に見ないのか?」

 

ハァ? なんで私がそんな面倒くs────」

「────スバルに貸しが作れるぞ?」

 

「………………マーヤたちが来るまでなら考えなくもない。」

 

「(まるで素直じゃない猫だな。)」

 

 そう考えながらも口にせず、そのまま毒島はぐったりと気を失ったマリアとアリス・シャイングを抱えてCCの後を追う。




作者:まだまだ続きます。 (汗

スバル:(なんだかoオラの胃がいつも以上にキリキリすっぞ……)

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