小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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お読みいただきありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです。


第136話 右に暴走ダンプカー、左に暴走列車

 突然だが朝食を食べに食堂に出たらいつの間にか左右にアンジュとマーヤがいる。

 

「ほら、こっちのベーコンもカリカリよ?」

 

 そして何故か俺の前に次から次へと食物が乗っているお皿が置かれていく。

 

「朝から脂っこいものですか? まずはヨーグルトとフルーツのほうが健康的ですよ? あ、兄さん(スバル)はもちろんブルーベリー混ぜますよね?」

 

 何故わかったマーヤ。

 

「でもそれだけだと力が付かないじゃん。 目玉焼きも取り寄せたわよ、イージーオーバー(両面焼き)。」

 

「……」

 

 俺やっぱりこの二人が怖い。

 

「でも義姉さん(アンジュ)、それだけだと栄養が偏ってしまうのでは? 兄さん(スバル)は病み上がりなわけですし。」

 

 「チッ。」

 「若いのに彼女とブラコン持ちかよ。」

 「リア充爆発しろ。」

 

 アンジュとマーヤが“あーだこーだ”と言っていると微かにそのような文句が周りから恨めしそうな視線とともに漂う。

 

 実際はこの二人が『その設定』を徹底的なまでに沿っているだけなのだが、確かに周りから見れば『リア充』なんだろうな。

 

 アンジュは長髪をバッサリ切ったとは言え胸も尻も割とでかくてラクロスをやっていたから引き締めるところは引き締められてルックスだけならA級上位に食い込むだろうし、その気になれば演技(という名の猫かぶり)をずっとしていたからそれなりの『お嬢様』にしか見えない。

 

 短気でたまに後先考えずだが。

 

 それに対してマーヤは太ももまで長い(今は金髪に染めているが)黒髪とおっとりしてそうな顔で清楚な印象を与えながら(アンジュほどではないが)それなりのスタイル保持者。

 

 そして私服でガーターベルトは良いものだ。

 私服でガーターベルトは良いものだ。

 

 大事だから二回言ったぞ?

 

 とまぁ……見た目だけなら完全にドストライクなのだがいかんせん、彼女は『どこか危なっかしい』と呼ぶにはあまりにも生々しいほどの『独断行動に走ったら止まらない暴走列車』のような危うさを時折感じる。

 

 以前の港*1でも『ブリタニア軍は問答無用で悪・即・斬』気味に片っ端から攻撃していた。

 今では『以前に俺に危害が及んだ』ということから、暴走はかなりナリを潜めたように見えるがいつまたどこでその側面が浮上するかわからない。

 

 つまり俺が何を言いたいかというと、俺の左右に座ってなんだか互いに設定にのめりこみ過ぎて競う『婚約者とブラコン』は今の俺には正直に言うと爆発の機会を待っていて荷が重すぎる特大級の地雷がいると言う事だ。

 

 ふとテーブルを見ると選り取り見取りの朝食類の皿がずらりと並べられて胃が最近とは別の意味でキリキリし出したのを感じ取っては、とある一言だけが脳裏に浮かぶ。

 

『チェンジ』、と。

 

 ……

 …

 

 何とか完食してやったぜよ。

 

う……

 

 それでも少し無茶しすぎて変なゲップが出そうになるのを無理やり抑え込みながら。

 

「「ごめんなさい。」」

 

「謝らなくっていいさ。」

 

 俺の様子を見ながら隣を歩きながら申し訳なさそうな声と『ドヨ~ン』としたアンジュたちが謝るが、『チャラ男』の仮面をつけたまま愛想笑いをする俺が声をかけると、二人は顔を向けてくる。

 

「多分、俺のことを()()()の行動だろ? 感謝することはあれど、憎むことはないさ♪」

 

「……」

 

 マーヤの『ポカン顔』、ゲットだぜぇぇぇぇ!

 

 「かゆ?! 鳥肌立つ!」

 

 おい。

 

「はっはっは。」

 

 思わずアンジュの頭を叩きそうになるのをこらえ、笑いで誤魔化しながらセントラル・ハレー・スタジアムで行われる模範試合の予定時間より早く到着し、付近をぶらついていた。

 

 さすがに『歴史的な首都』と呼ばれているペンドラゴンだけあり、イベント前だというのにスタジアムにはすでに俺たちのようにコネを使ってチケットを事前に入手して会場周りのお店などでショッピングなどをして財力や力の誇示をする者たちで混み始めていた。

 

 先日マーヤがいろいろと回ってくれたおかげでスタジアムの構造は大まかに把握でき、当日の準備のために警備体制を強化する設備なども見えたことから『行政特区日本』のような持ち物チェック行われることは把握済み。

 

 つまり今日は割と本気で『自由時間』に近いと言う事だ。

 

「ふぅ~ん……これが最近の流行(ファッション)なのね……

 

 さすがは『元良い所のお嬢様』のアンジュ、ちゃっかりとドレスなどが着飾られている店のウィンドウショッピングをしていらっしゃる。

 

 「最新型の道具入れ……」

 

 そしてこっち(マーヤ)はドレスや装飾品の反対側に上手い具合に設計されたメカニックやDIYモノを売っている店舗を横目で見ている。

 

 そういや今思うとマーヤって割とチグハグだな。

 見た目が『清楚な少女』なのに、洗濯や料理などの家事はダメダメ()()()

 “らしい”というのは、ほかの奴らの話をちょっと聞いていたら“洗濯は全部まとめて入れて洗剤を足してボタンを押すレベル”ということから想像した。

 

 バイクとかは寄せ集め中古品で作れるのに、折り紙が全然ダメな見た目清楚な女性とかどういう様なギャップ萌え相手狙いなの?

 

 いや、それより(現実逃避)も『ノネット』だ。

 

 何故ナイトオブラウンズがセントラル・ハレー・スタジアムに?

 ラウンズは皇帝直属の騎士であり精鋭部隊の筈、いくら新型の『ランスロット・トライアル』を展示品にするためとはいえ、わざわざそんな人材を『運び屋』として使うなんて……

 

 ブルッ!

 

 一瞬だけ『物腰は柔らかく穏やかな性格持ちで人心や正当性を重視しているのは外の皮だけで実際は自らを大国の舵を動かす装置と化した腹黒虚無男』が脳内に浮かび上がりそうになり、思わず身震いをしてしまう。

 

 ミルベル博士の妻は生きているし博士自身もアマルガムに引き抜いたから、『タレイランウィング』のテロ組織は結成されるとしても、遅くはなっているはず。

 

 ………………………………考えすぎか?

 

「あら、なんか可愛いロケットね。」

 

 アンジュよ、なぜドンピシャで『R2』のボロ雑巾君に渡されたハート型ロケットに気が付くのだ?

 

「あら意外ですね。 てっきりパンク系のドクロに目が行くと思っていたのに────」

「────なんか言った()ーヤ?

「いいえ?」

「そういう貴方こそ、さっきから陰k────()()のようなものばかり見ているじゃない。」

「フフフ♪」

「オホホホ♪」

 

 なにこれどういうワケか知らんが助けて────お?

 

「う~ん……迷うにゃ~。」

 

 あそこにおわすのは何やら店の窓をのぞき込んで難しい顔をして立派な臀部持ちのソキアじゃん。

 

「あの……これって視察ですよね?」

「うん、そうだにゃ。」

 

 そして隣にはグリンダ騎士団の新人(の筈)であるマリーカ。

 

 フム……見事な体つきよの~?

 画面や立ち絵よりええのぉ~♡

 あれでナナリーたちより年下の14歳なのだからビックリ────でもないか。

 アヤノも15歳でレイラ(17歳)レベルの破壊力持ちだし。

 

 それとは別に、『何故周りの誰も彼女たちに気が付かない?』という疑問に対して相変わらずというか私服にサングラスに帽子という、名ばかりだけの変装をしているからと追記しよう。

 

 いや……もう……なんというか……

クラーク(眼鏡)ケ〇ト(かけるだけ)』レベルの変装でマリーカはともかく、元KMFリーグスターであるソキアまで誰も気づかないってどれだけだよ。

 

 そしてそんな世界で俺の変装を見破るノネットって……

 

「現場視察というよりは、完全に『散歩』になりかけている気がするのですが────?」

「────マリーたんはキビキビしすぎだにゃー。 それだと持たないよ?」

 

『マリーたん』って……

 いや、いい。 ポジティブに捉えよう。

 予想していた相手とはちょっと違うが、ソキアなら丁度いい。

 

「あの────」

「「────ん?」」

 

 ジーっとブランド装飾店やモデル売り場を見るアンジュとマーヤから離れた俺が声をソキアたちに声をかけると二人はこちらを見てキョトンとした顔を向け、俺は()()()()()を懐から出す。

 

「つかぬ事ですが、もしや“クラッシャー”でしょうか?」

 

「んぇ?!」

 

「“クラッシャー”???」

 

 ソキアは頬から汗を出しながら『何故わかったにゃ?!』と言いたそうな顔を向けてから周りを見まわして、マリーカは無数のハテナマークを頭上から出す。

 

「ええ。 試合に出ては毎回盛大なほどに機体を別の方法で大破させるので。」

 

「え。」

 

 マリーカは目が点になり、更に汗を出すソキアを見る。

 

(今度は)マリーカの『ポカン顔』、ゲットだぜぇぇぇぇ!

 

「とはいえ、ほかの大破する者たちと違って毎度ケガも無く機体から出てくるのは最早『天才』と呼ぶより『芸術』ですね。 (ニコッ)」

 

「う……うにゃはははは! そこまでファンに言われると照れるにゃ~。」

 

「いえいえ。 『引退なされて騎士になる』と発表を聞いたときは不安でしたが、無事な様子で何よりです。 あの、サインを貰えないでしょうか?」

 

「あ、マネージャー……はもうモデルでも選手でもないから必要にゃいか!」

 

 ソキアは俺の出したサイン帳を見てハッとしながら、サイン帳とペンを手に取る。

 よっしゃ、ちゃんと『不審人物』から『一人のファン』という認識に変えられた。

 

「ふんふふ~ん♪」

 

 予期していた『もしや』の出合いの一つで、ソキアに対する第一印象(ファーストインプレッション)はすこぶる良い傾向の様子だな。

 

 「グリンダ騎士団って皇族直属ですよね、アイドルグループなどではなく……」

 

 で、隣のマリーカはブツブツと何か独り言を言っている。

 

 その気持ちはわかるぞ、俺だって初めの方の『オズ』の印象は“映画版オズの魔法使いのノリじゃん”と思ったからな。

 

「「……」」

 

 そして無言の視線が背後からララララらららら

 

「「兄さん/ガレス? その子たちは誰/でしょうか?」」

 

 違うのだ、妹設定のマーヤに婚約者設定のアンジュであるベイベーたちよ。

 

 誤解でござるしこの子たちはグリンダ騎士団の一員で『人間』としてはマシな方でとっつきやすいだけなのだよ。

 

 かなり焦っているので正論を内心で言っているのだよチミタチ。

 

 

 


 

 

 ユーロ・ブリタニア領内にあるベラルーシ最大の都市ミンスクでは、ブリタニアへの徹底抗戦を謳うEU軍鎮圧の任をシュナイゼルに与えられたスザクが一人でG1ベース内のランスロットの隣で報告書を見ていた。

 

「(連日に渡っての追撃で士気の低下は予想以上に酷い。 ユーロ・ブリタニア軍にブリタニア軍のような行軍は荷が重いか。 僕がランスロットで────)」

 

 そんなスザクの背後から、コーヒーが含まれた紙コップを掴んだ手がニュッと出てくる。

 

「レドか────」

「────さすが枢木卿ですね────」

「────ありがとう、頂くよ。」

 

 スザクは『スロップバックス』のロゴが入ったコーヒー(砂糖とミルクありあり)を口に含んで微量のカフェインを摂取するが、レドのジッと自分をまるで値踏みする視線に気まずくなる。

 

 スザクはユーロ・ブリタニアの者たちの前でラウンズに相応しいほどの凄まじい戦果を挙げているが、『イレヴン』ということで孤立していた。

 

 唯一の例外は配下となった『コノエナイツ』なのだが、レドはどこかつかみどころのない印象を与えていた。

 

「……何か、話があるのかな?」

 

「では……今までの戦闘で、枢木卿はナイトオブラウンズとはいえ、絶望的なまでに不利な状況下や戦力差のある戦場を単独で切り抜けています。 ハッキリ言って、『常人なら死んで当たり前』の。 でも、貴方は生き延びています────」

「────それだと、“(スザク)が死んだほうが良かった”みたいに聞こえるけど?」

 

「ッ! す、すみません! そんなつもりでは────!」

「────ごめん、悪質な冗談だったね。」

 

 スザクは報告書から、ずっと酷使しているランスロットを見る。

 

「確かに、ナイトメアに『性能差』があっても『数の戦力差』はそれに勝る。」

 

「それは、ナイトメアのデザインが機動性を重視している為ですよね?」

 

「そう。 だから装甲は歩兵程度の銃器ならば耐えられるが、同じナイトメアや戦車の砲撃は一撃だけでも致命傷になりかねない。 たとえ、ブレイズルミナスがあったとしてもね。」

 

「ですが、枢木卿のように敵機に取り囲まれるような戦い方をするのは────」

「────そうだね、褒められた行動ではない。 でも、僕には……()()()には()()()()()なんだ。」

 

「??? 枢木卿、それは一体────?」

「────枢木卿! シュナイゼル殿下が通信でお呼びです!」

 

「さてと。 今度は、どこになるのかな?」

 

 レドが何か言いかけるが、ナイトメアの格納庫にきたシュネーの声によって遮られてスザクは格納庫を後にする。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 スザク、シュネー、レドたちは各々の機体に乗りナイトメア輸送用VTOLによって、ポーランド近郊に駐屯していたブリタニア軍が『ナイトメアの集団から襲撃を受けている』という報告された場所へと向かっていた。

 

 シュナイゼルの命は単純で、ナイトメア集団の無力化だった。

 

「……」

 

 そんな中、シュネーはあまり浮かない顔をしていた。

 理由としては先日だけでなく、何度か窮地をスザクに救われたことだった。

 

『シュネー、まだ拗ねているのか?』

 

 そこにレドから個人の通信が入って、図星だったことにイラつきを覚える。

 

『枢木卿がいなければ、お前は何回か死んでいるぞ? 命があっただけでもいいじゃないか。』

 

『……命よりも大切なモノだってある。』

 

『“名誉”、か。 オレには理解できないな。 無様でも命あってのものじゃないか、なんで貴族は格好をつけて死────?』

『────理解されなくて結構。 これは私個人の問題なんだ────』

『────ならなおさら気持ちを入れ替えたほうがいい。 問題の考え中に死ぬぞ。』

 

『………………祖国のために死ねるのなら本望だ。』

 

 上記でシュネーとレドが話している間、スザクのランスロットはファクトスフィアを展開して前方で戦闘が起きている場所の情報を得ていた。

 

『シュネー、レド。 敵はユーロ・ブリタニアのナイトメアだ。』

『はぁ?!』

『……』

 

『自分はランスロットで敵の側面を襲い、攪乱する。 二人は敵陣に空いた穴へ突入し、友軍のブリタニア軍が撤退する隙を作ってくれ。 (シンとは違う、ブリタニアから独立を目論んでいた一派か?)』

 

『イエス、マイロード。』

『……(相手は同じブリタニア人……だと?! 私は同胞に刃を向けるというのか?!)』

『シュネー?』

『イエス……マイロード。 (祖国に……ブリタニアに仇為すモノは敵。 敵だ。)』

 

 シュネーはそのまま戦場に突貫していくランスロットを見送り、『好機』と思った瞬間にレド機とともに戦場へと落ちて思考を自動(オート)化する。

 

「(考えるな。 彼らは同胞ではない。 ブリタニアに弓を引いた瞬間、彼らはブリタニア人ではない。 犯罪者(テロリスト)だ!)」

 

 シュネー機はユーロ・ブリタニアのサザーランドを近接用に装備したランスで貫き、流れるように残骸を利用して次の敵を死角から襲うと、オープンチャンネルから通信が入ってくる。

 

『シュネー・へクセンか。』

 

 ガァン!

 

 シュネー機のランスを、別のランスが弾く。

 

『何故私の名を知っている?!』

 

『へクセン家の次期当主が、ナイトオブセブン直属の部下となった話はユーロ・ブリタニアでも有名だ。 それに、君の槍術は()()()()()()()()()()────』

『────昔だと────?』

『────私だ、ヘンリックだ。 ヘンリック・ゲーラーだよ。 新大陸でヘクセン家が開いた夜会パーティ以来だね。』

 

『ヘンリック・ゲーラー』。 ユーロ・ブリタニアの貴族で民衆を第一に考える高潔な考えの家の出で過去にシュネーと会い、祖国の将来を憂えていたヘンリックの話はシュネーに『ブリタニアの貴族』としての自覚を結果的に芽生えさせた。

 

『ヘンリック……何故だ! 貴方は言ったではないか! “国家とは民衆あってのもの”だと! なぜあれほど民衆を思っていたあなたが────!』

『────思っているからこその行動だよ。 武力にものを言わせて戦禍を拡大化する本国のやり方は間違っている。 だからこそ我々は立ち上がった、善人の君にはわからないだろうがこの世界は君の思っているほど綺麗ではない。』

 

 シュネーとヘンリックの、互いを狙うランスの突きやガードからのカウンターは武術大会などで見るようなモノだった。

 

『ヘンリック、投降してください────!』

『────シュネー、何をしている! 機体性能ではお前のほうが上の筈だ────!』

『────本当に、善人過ぎるよ君は。』

 

 シュネーは投降を訴え、レドは決着を付けろと叫び、ヘンリックは残念がるような声を出して()()()()使()()()()()()()()()()アサルトライフルでシュネー機の足を払うと、周りにいつの間にか駆け付けたユーロ・ブリタニア機がシュネーを攻撃する。

 

「う、おおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 命の危機を悟ったシュネーは機体のランスで薙ぎ払うと軽金装甲のサザーランドたちはバラバラになっていく。

 

 とはいえ無茶な動作と負担でランスとシュネー機の両腕は異様な方向に曲がっていた。

 

『さらば、シュネー・へクセン────』

「────しまった?!」

 

 そう背後から冷たく言いかけたヘンリックは、アサルトライフルをシュネー機のコックピットブロックに狙いを定めると、彼の機体がランスロットのMVSによって真っ二つに切り裂かれる。

 

 文字通りに半分に割られたヘンリック機は沈黙化し、シュネーは思わず止めていた息を吐きだして呼吸を再開する。

 

『大丈夫か、シュネー?!』

『……』

『危なかったけれど、君のおかげで別部隊を制圧できた。』

『…………はい…………すみません、枢木卿………………』

 

 シュネーはなるべく割られたヘンリック機のコックピットを見ないようにメインカメラ(頭部)を操作した。

 

「(シュナイゼル殿下は、敢えて敵がユーロ・ブリタニアの機体だと言わなかったんだろうか?)」

 

『踏み絵かな? どうするぅ~? 試されているよぉ~?』

 

 そんなシュネー機の様子を見ていたスザクの脳裏に、以前のヨコスカ港でエリア11を脱出する日本解放戦線の壊滅作戦前のロイドに言われた言葉が浮かび上がった。

 

「(“試されている”、か……ルルーシュ、待っていてくれ。 僕がラウンズのままでいれば、君を……)」

*1
40話




展開を加速させるため頑張ります。 (;´ω`)

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