小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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楽しんで頂ければ幸いです!


第157話 どうでも良いMEブーストの略

「もう何なのよオズったら……『打ち合わせの場所を指定したのに来ない』なんてらしくないわ。」

 

「紅茶、飲むか?」

 

「いただくわ────あら、氷を入れるなんて紅茶に対しての冒涜では?」

 

「ならホットを入れるか?」

 

「これで良いわ……あ、美味しい。

 

 フハハハハ、(現在休業中の)『従者見習い』を舐めるなよ。

 

 迷彩天幕の下でぷんすかと怒るミス・エックスに新たなアイスティー(紅茶)(スバル)が入れると、彼女はそれを一気に飲み干してからブツブツと独り言を言い出す。

 

 うーん……この仕草を見ると、何時も見せる『妖艶な大人の女性』ムーヴが嘘のように思える。

 

 多分、『仮面()』なんだろうけども────

 

「────オズらしくないな。」

 

「そうなんですか?」

 

 そこに腕を組んで一息ついていたガナバティが珍しく意見を出し、彼の隣にいたネーハ(右足の整備中)が相槌を打つ。

 

「ああ。 アイツ(オズ)は一見不愛想だが、実はかなりの他人思い……と、オレも思っていたんだがな。 なんだか最近は『らしくない』。」

 

「はぁ……」

 

 あれ? この時期のネーハって、オズ(オルフェウス)とまだそれほど知り合っていないのか?

『オズ』だと確か、香港のブリタニア軍駐留軍基地を強襲してから、ネーハやガナバティたちと合流してからエリア11の爆弾調査をしていなかったっけ?

 

 後方の件は依頼主(ラクシャータ)がキャンセルしている様子だが、香港の方はそのまま受けて……あれ?

 

 どこかごちゃごちゃしていない?

 

 

 

 尚、スバルが上記で思っているように原作の『オズ』でオルフェウスはピースマークからの依頼を受けている途中でネーハと会い、ブリタニアに追われている彼女の保護と護衛をした時期がある。

 

 それは変わらなかったが、相方のズィーを巻き込んで逃亡中にコーネリアたちとの出会いによって流れはかなり変わっていた。

 確かにネーハとオルフェウスは出会ったが、一足早く復讐相手の手がかりと協力者と出会ったことにオルフェウスは『復讐鬼』と化し、彼は香港の依頼を却下していた。

 

『依頼はさほど重要ではない』とのことから、ミス・エックスは依頼を別のものに頼んだ。

 

 だが『滅多にブリタニアの勢力外に出てこないブリタニア宰相(シュナイゼル)の暗殺』という絶好のチャンスとこれ以上とない重要度の依頼を却下するとなると、如何にオルフェウスが変わっているか分かるだろう。

 

 そもそもオルフェウスが受ける任務は確かに反ブリタニアの物が多いが、彼は何も『ブリタニアを憎んでいる』と言う訳ではない。

 

『民が“恩恵者(現状)”よりも“破壊者(変わりの風)”に対して称賛を惜しまない限り、戦争は野心家の副産物として生じてしまう物事』と理解していた彼だからこそ、反ブリタニアの任務を受けていた。

 

 だがそんな『ビジネス精神』を持つ彼でもスバルの依頼で長年蓋をしていた気持ちが蘇ったこととコーネリアたちとのより早い合流の所為で『復讐の機会』という甘味を前に、我慢は出来なかった様子である。

 

 スバルは知る由もないが。

 

 

 

「オズはどこか前から危なっかしかったが……最近のヤツは異常、まるで東洋の『鬼』だ。」

 

 う~ん……ガナバティにここまで言わせるとなると、いよいよ『オズ』の流れが崩壊していると考えた方が良いか。

 

「『鬼』、ねぇ……まるでユーロ・ブリタニアを騒がせていた『幽鬼(レヴナント)』みたいね。」

 

 ちょっと待てミス・エックス。

 『幽鬼』とはなんぞや?

 俺はそんな奴知らんぞ? *1

 ……ちょっと聞いてみようか。

 

「『ハンニバルの亡霊』の事か?」

 

「あら、ユーロ・ブリタニアでも一部しか知らない事をよく知っているわね?」

 

 まぁ……『ハンニバルの亡霊』はwZERO部隊の事だからな。

 

「ああ、情報網には()()()()()()()。」

 

 “原作知識です”とは言えないのでこれで濁そう。

 

「……フゥ~ン?」

 

 今の間はなんだミス・エックス?

 ちょっち怖いでヤンス。

 

「う~ん……まぁ、いいか。 『幽鬼』ってのは噂じゃ『まるで怨念にとり憑かれているような戦い方』をするナイトメアの事よ。」

 

 ……ええっと?

 つまりはどういうことだってばよ?

 俺の気持ちを察したのか、ミス・エックスは言葉を続けた。

 

「それだけじゃ漠然としかわからないだろうけれど、『幽鬼』の話には続きがあってね? 『敵意を感知しているかのようには動いて先回りする』という尾ひれも付いているの。」

 

 なにその新人類的(ニュー〇イプ)な話?

 世界が違うやんけ。

 

「そうか、情報ありがとう。 その、『幽鬼』とはブリタニアの兵士の事か?」

 

 もしかしてスザクかな?

白い悪魔(ランスロット)』だけに。

 

「どうかな? この噂の出所、ユーロ・ブリタニアの騎士団の間で流れているから……」

 

 という事は四大騎士団?

 だがそのうち三つは壊滅していて、ムウ────じゃなかった、ロア────じゃないや、ファルネーゼの聖ラファエル騎士団だけがまとまった戦力を残している筈だ。

 

 もしかして、『ナルヴァ作戦』で原作でも大活躍したアキトの事か?

 

 アイツが『幽鬼』って……まぁ、確かにシンの『ギアス』にかかっていたから『何かにとり憑かれている』わな。

 

 全く違和感が無い訳じゃないが、やっぱりコードギアスの住人からもアキトはバケモノか。

 

 くわばらくわばら。

 

「あ、スバル────」

「────戻ったか。」

 

 そう思っていると、周りの見張りをしていたアンジュが天幕の中に入って来ては羽織っていたフードを取り、神根島の頃からも伸ばす気なのか肩までのセミロングの乱れていた髪を手で整える。

 

『やっぱロングが似合うな』と思えるほどに俺は少々余裕が出てきたっぽい。

 

「ええ、それでその……見つけたのだけれど」

 

 アンジュは少々気まずくなりながらもボソリと何かを言いながら目を逸らす。

 

「見つけた? 何を?」

 

「その……ナイトメアの戦闘後の様な痕跡を。」

 

 前言撤回。

 余裕がゴリゴリと削られていくでゴザル。

 

「それで……」

 

 こっち見んなアンジュ。

 猛烈に嫌な予感がするぜよ。

 

「パーツの中に……G()X()0()1()っぽいのがあって……

 

 キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ

 

 次第に小さくなっていくアンジュの声音は裏腹に、俺の胃の痛みが増していくのを直に感じる。

 

 

 


 

 

 グリンダ騎士団のグランベリーは先日、リア・ファルとの遭遇時に被弾した機関部の応急処置を行う為に着陸してその間、周りの警戒をブラッドフォードとサザーランド・アイにさせていた。

 

「姫様、いま……なんと?」

 

 グランベリーの会議室内にいたシュバルツァー将軍はそう言いながら、驚愕の顔をしながらテーブルの向かいに座っていたマリーベルを見る。

 

「ええ。 ですから『()()()()()()()()()()』、と。」

 

 マリーベルの言葉に、シュバルツァー将軍は肝を冷やした。

 何せ彼女が言ったことはグリンダ騎士団のスポンサー、ブリタニア帝国宰相のシュナイゼルに先日の所属不明艦の報告を控える────つまりは『情報の共有を遅らせる』と口にした。

 

 マリーベルは確かに皇女だがそれはあくまで体制であり、現に彼女の皇位継承権は皇女内では最下位の88番目。

 

「姫様……よろしいのですか?」

 

「ええ。 お兄様は多忙の筈ですので、()()()()()をさせるのもどうかと。」

 

「そう姫様は仰りますが……」

 

「あら? 私のお目付け役である将軍がそう具申するという事は『こちら側』と考えても良いのでしょうか?」

 

「……」

 

 マリーベルの愛想笑いと上記の言葉を前に、シュバルツァー将軍は口をつぐむ。

 

「最初から分かっていることですよ、将軍? マルディーニ卿にも言いましたが、お兄様にとって私も駒の一つ……とはいえ、わざわざ弱みになるようなことを報告すれば騎士団の立場も下がります。 それは、将軍にとっても都合が悪いのでは?」

 

「(まさか……姫様の人材はわざと?!)」

 

 彼は確かに監視と報告をさせる為にシュナイゼルが送り込んだ人材であるが、こうも長く共にしていると多少は情が移る。

 

 彼は怪我の所為で一時現役から身を退いたが妻との間に子供は恵まれず、かといって他の家のように妾を取る気もなかったのでグリンダ騎士団の騎士は彼にとって『世間知らずで世話のかかる孫たち』の様な感じだった。

 

「紅巾党など、所詮は中華連邦に対して軍事力を見せつけるネタと恩を売る行為。 ですのであの艦の所属を明らかにしてからでも遅くはないでしょう? 我々の功績にも繋がりますし、何よりその艦が万が一中華連邦、あるいはEUのものだとすれば今後のお兄様の為────引いては判断材料として十分になりますかと……それに……」

 

「(ん?)」

 

 シュバルツァー将軍は、マリーベルの雰囲気が少々変わったことに違和感を持つが声を出さずにただマリーベルが言を並べ終えるのを待つ。

 

「あの艦の装備はテロ活動などをするにはうってつけのモノ、それにシュタイナー卿(レオンハルト)の言ったこともあります。 “相手は元シュタイナー・コンツェルンの主任だった”と────ッ。」

 

 マリーベルは言葉を続けていると、ズキズキとする鈍痛を頭に感じては目頭を押さえたい衝動を我慢する。

 

「あれがブリタニアの脅威となりえるのならば我々グリンダ騎士団は鋼鉄の箒でそれを薙ぎ払い、あるいは芽を根絶やしにするだけです。 先の戦闘では後れを取りましたが、同じ手は通用しません。 よろしいですね、将軍?」

 

「……イエス、ユアハイネス。」

 

 レオンハルト経由でミルベル博士の言った言葉を考えようとしていたマリーベルは頭痛が収まるまで愛想笑いを維持した。

 

 

 

「……」

 

 その間、オルドリンはグランベリーの食堂でボーっとしてスクリーンに広がる中華連邦の土地を見ながらレオンハルトから聞いたミルベル博士の言葉を思い返しては自分の考えを整理していった。

 

『今のブリタニア帝国は一部の者が支配している民衆に意思を押し付け、他者を平然と弾圧することで反感を買いすぎている。』

 

「(確かに帝国は一部の人が動かしているし、軍事にも力を入れている。 だけどそれは一時の処置であって、エリアが平定さえすれば問題はない。 問題なのはテロの様なやり方で訴えようとする過激派よ。)」

 

『グリンダ騎士団は、そんな帝国の火種を消火しているだけだ。』

 

「(だとしても、さっきの一時だけ。 いずれはその火種も消えるわ。)」

 

『過ちを犯す前に、その“力の行動後”を見極めてから振るいたまえ。 今の帝国が示す方針では、君たちグリンダ騎士団の行動で救った命よりいずれは殺す命の数が多くなり、いずれ限界が来る。 そして帝国内は、敷かれたレールに乗ったままでは変えられない。』

 

「…………………………」

 

 ミルベル博士のこの言葉にだけ、オルドリンは答えが出せなかった。

 

 何故なら彼の言い方だと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と聞こえるからだ。

 

「(いいえ、それ以前に “力の使い方を間違える前に考えろ”なんて……まるで民衆にいつかその力が向けられるみたいじゃない。)」

 

 上記の考えはオルドリンだけでなく、ミルベル博士から聞いたレオンハルト本人やソキアたちも似たようなモノを思い浮かべていた。

 

 

 ……

 …

 

 

 コーネリアはむしゃくしゃしながら独房の天井をベッドの上から見上げていた。

 

 もう察しているかもしれないが、コーネリアたちはエデンバイタル教団との戦闘に敗れて()()()()にされていた。

 

 本来ならマッドが言ったように秘密保持の為、部外者は例外なく口封じをされるはずなのだがコーネリアたちがGX01に対して善戦したこともあったのか戦闘は膠着状態となっていた。

 

 最終的には()()()が。

 

「(なんだったのだ、あれは!)」

 

 否。

『敵の援軍らしき残影がセンサーに映ったと思ったら()()()()()()()()()()()()()()()』などという状況を、果たして『敗れた』と呼ぶべきだろうか?

 

「(ふざけるな! 馬鹿げている! あれでは『戦略』も『戦術』も意味を成さないではないか!)」

 

 そう思いながらコーネリアは不貞腐れ、イラつきが増していく。

 

「(あれがもし、ギアスとやらの類ならばこれ以上厄介な事ない。 それを受け入れれば『常識』を覆され────ん?)」

 

 ここにコーネリアはハッとしたような顔をして、座り上がる。

 

「(『常識を覆す』……もしや……いやまさかな────)」

『────気分はどうですか? コーネリア・リ・ブリタニア皇女殿下?』

 

「お茶の一つも貰えないので最悪だな。」

 

 独房のスピーカーから少年の声が出るとコーネリアはすかさず嫌味をほぼ条件反射的に言い放つ。

 

「“生かした敵に食物を与えず極限状態を待つ”様な尋問とは、かなり古風なやり方だと思うがな。」

 

『尋問? 人聞きが悪いな、私のおかげで今の貴方は生きているようなものだ────』

「────ならば姿を見せたらどうだ? そうすれば礼を言ってやらないこともないぞ?」

 

 コーネリアはベッドから立ち上がっては毅然とした態度で独房の一角にあるマジックミラーの、更に向こう側にいると思われる声の持ち主がいると思われる者の前に立つ。

 

「…………………………(せめて敵の顔ぐらい見なければ気がすまない。 それに、今は少しでも情報が欲しいところだ。)」

 

『フム……そう貴方が強く申すのなら、そうしようか────』

 

 ────ヴン。

 

 コーネリアが予測していたように耳に来るようなデジタル音と共に、マジックミラーだった壁がガラスのように透き通っていく

 

「………………………………は?」

 

 次第にコーネリアの表情は仏頂面から困惑、更に疑心から呆気へと変わっていくと彼女は思わずガラスから後ずさる。

 

 「バカ、な────」

『────どうしましたか、皇女殿下?』

 

 「そんな、ことが……」

 

 コーネリアがガラスの向こう側に見たのは────

 

『おや? どうかなさいましたか、皇女殿下? いえ……この場合は敢えてお呼びしたほうがよろしいでしょうか? ()()と。』

 

 ────幼いころに、人質としてエリア11と呼ばれる前の旧日本に送られた兄妹の片割れであるルルーシュに似た少年が立っていた。

 

「ルルーシュ……なのか?」

 

『……フム。 そこまで私と()()は似ていますかね?』

 

 ルルーシュに似た少年は顎に手を付いてはそう答える。

 

「“兄上”、だと────?」

『────いかにも。 驚くことは何もない、双子など太古から忌み嫌われる存在だ。 特に帝国内でしかも皇子ともくれば“不吉な存在”とされている。 本来の教えなら片方は殺されているが実際、私は出家させられているだけでなく()()()()()もあるがこうやって生きている。』

 

「……饒舌だな。 私を殺すつもりなのか?」

 

『上はそのつもりのようだが、私自身の本意は別にある。』

 

「???」

 

『む?』

 

 ルルーシュに似た少年はポケットから無線機の様なものを出して、耳を預ける。

 

『時間が来たようだ。 事が終わった後に、もう一度来るとしよう────』

「────私の名を知っていたようだが、自らは名乗らずに行くのか?」

 

 少年はにっこりとした笑顔をコーネリアに向けてから踵を返すところで、彼女がそう声をかける。

 

『これは失敬。 あまりの事で失念していた、私は────』

 

 

 


 

 

「ガナバティ、どうかしら?」

 

「う~む……見たこともある既製品もあれば、全く見当のつかないパーツもある。」

 

 どうしてこうなった。

 

『戦闘跡』、そして『GX01のパーツ』と聞いた(スバル)非常に逃げたかったその場を離れたかったが『オルフェウスの痕跡が~』と騒ぐミス・エックスにガナバティたちにドナドナ気味に連れてこられてしまった。

 

「白炎に使われている物もある────」

「────ならオズがここで襲撃に会った可能性はグンと上がるわね。 『彼が負けた』だなんて考えにくいけれど────」

「────そこまでの操縦の腕なの? その『オズ』っての?」

 

 トレーラーの中から出ては歩いている俺の耳にアンジュの問いが届く。

 

「当然! グラスゴーでサザーランドを数機相手にして勝っているのだから! ね、ネーハ?」

 

「え、ええ……」

 

 そしてミス・エックスに話題を振られて同意をするネーハ。

 そういやSIDE:オルフェウスでそんなこともあったような気が……

 

 うわ、本当に記憶がどんどんと曖昧になってきたぞ。

 もう殆んど頼りに出来ないな────え? 『何のほほんとしているんだ』だって?

 

 現実逃避ぐらいさせてくれ!

 出ないと胃が────

 

 キリキリキリキリキリキリキリキリ。

 

 ────ウッ。

 

 深呼吸! 呼吸を整えるのじゃぁぁぁぁぁ!

 コーホー。 コーホー。

 ダースベ〇ダーならぬ波〇の呼吸方法で気を紛らす~♪

 

 ん? なんか光ったような気が────

 

 ザザ、ザザー。

 

『────スヴェンさん、聞こえますか?!』

 

 おおおっと、無線機からユーフェミアの声が────え。 ナンデ?

 

 いや、理由はどうでも良いが、焦っているのは確かだ。

 

「どうした? 何があった────?」

『────よかった、近くにいるんですね! 今、攻撃を受けています!』

 

 ぬぅわにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?!

 

『レイラさんたちは今手が離せなくて、私が連絡を────』

「────敵は────?」

『────アリスちゃんたちが“GX01だ”と伝えてって────』

 

 オーマイガッ。

 

「────情報を送ってくれ。 今ナイトメアに接続する。」

 

 俺は冷静さを装いながらそう言い、トレーラー内のヴィンセントに騎乗し起動させると接続した無線機を通して艦の情報が送られてくる。

 

 傍受される可能性が無い訳でもないが、悠長にしている時間がない可能性もある。

 

『仲間が襲われている、行ってくる。』

 

 起動したヴィンセントでトレーラーの偽装カバーを無理やり突き破ってはびっくりしているミス・エックスたちに上記の言葉を外部スピーカーに通して告げてから『あの』ポーズをする。

 

『ランスロット出撃ポーズ』と言っても過言ではないアレだ。

 

ME(マグネトーエンジン)ブースト、点火。」

 

 意味はないがアニメで見聞きしたスザクのセリフをそのまま口にし、操縦桿のボタンを操作するとランスロットタイプのヴィンセント内にあるサクラダイトが干渉されてヴィンセントが一気に前進する。

 

 ちなみに俺もヴィンセントを強奪無断拝借をしてから調べるまで知らなかったが『MEブースト』はどうやら『()グネトー()ンジンブースト』の略でサクラダイトに物理的な干渉をし、高電圧の交流電気を発電させて通常以上の爆発的な内燃機関に近い出力を生み出すものらしい。

 

 身も蓋もない言い方と仕組みだと『ナイトラス・オキサイド・システム(NOS)』だ。

 

 MEブーストをかけたことで一気に加速した機体内で、『アポロンの馬車』に乗った時と同じようにGが身体を襲い、席に体が押し付けられると同時に鋭い痛みが走っては思わず機体の加速を止めたくなる衝動が生まれる。

 

 だが止まる訳にはいかない。

 

『相手がGX01』となると、恐らくはイレギュラーズ……あるいはその部隊が傘下になっている組織自体が絡んでいるかもしれない可能性が出てくる。

 

 コードギアスの作品の中でも敵対したらかなり厄介な組織に部類する、『ナイトメア・オブ・ナナリー』の世界では『ギアス嚮団』に相当する組織の『エデンバイタル教団』かも知れない。

 

 そんな思いに至った俺の背筋を冷たい氷柱の様な感覚が伝い、緊張によって生み出された力強い心拍音が耳朶に来た。

*1
*注*一度シンがスバルをそう呼んでいますがスバルはテンパっていたので全く身に覚えが無いです。




『何故』と問えれば『故に』と答えられる。
人が言の葉を得た有史以来、問いに見合う答えなぞ千変万化。
理解がされずとも己の答えを信じて突き進む者同士がぶつかる時こそ『戦』と人は呼ぶ。

次回予告:
『エデンバイタル教団』

果てしない鉄と鉄の弾きあいに散る火花。
現れる刹那の影にこそ真実が潜むのか?
これも立派な『問い』である。





次回予告、久しぶりに出ました。 (;´▽`)ゞ

それと気の抜けたサブタイトルで『騙された!』と思った人は果たして何人いただろうか…… (; ̄ー ̄川 アセアセ
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