楽しんで頂ければ幸いです!
サブタイ通り、展開続きます。 m(;_ _ )mアセアセ
「────。」
『クリストファー』の右から来る手を避けるために機体を後方に避けさせてすかさずブースターで前進する前に俺とカレンは息を止めて体の形を保つ。
ドゥ!
「ゴアァァァァァ!!!」
飛び越えざまにパイルバンカーの杭を奴の腕に打ち込み、昆虫標本などで見るような固定化を試みるが『クリストファー』の肉が厚すぎて貫通までには至らなかったようで空中にいる俺たちに『ずつき』────じゃなくて『丸かじり』を食らわせようとしてきて、奴の頭がドアップされていく。
野郎のドアップはノーサンキューだ。
と言う訳で『でんこうせっか』で避けるとしよう。
スラスターを作動すると胸部にある開閉式のカバーが開いて中にあったバーニアが噴射し、機体がまたも方向転換する際にGが身体を襲う。
「グッ?!」
喉と鼻の奥から来る何かを俺は無意識に飲み込み、次の一手────『腕がダメなら手の固定』に動き出す。
『安直なネーミングやな?!』の類は、ただいま受け取っておりませんのでご了承。
さて。
何故このデカい奴の固定を狙っているかと言うと『クリストファー・チェンバレン』が『漆黒の連夜』通りの設定だと仮定すると、奴は確かナイト・オブ・ワンになったことでずっと比べられて嫉妬した弟により、無理やり今の様な『理性を失った異形の巨人』となった上に『
どこぞの『オバケ』や『怪物』や『天使』と俺も思わないことも無いが、今はどうでも良い。
俺が言いたいのは、『目の前のこいつは不死身ではない』という事だ。
ただ、チマチマとダメージを与えても効果は無いどころかこっちが消耗するだけで、現にさっきの杭もいつの間にかクリストファーの腕から抜かれて落ちている。
『漆黒の連夜』でも、『理性を失った』と言われている割に本能は健在の様子で『クリストファー』は主人公(というかタイトルネーム)である連夜が繰り出す攻撃────『生命力の操作』を警戒して、連夜や彼の仲間のリーチ外から巨体を生かした攻撃を続けていた。
結局最後は『撃墜』ではなく、『忠誠心に訴えた説得』という形でクリストファーとの対面は収まった……ような気がする。
つまり勝敗は決まらなかったが、それはあくまで『KMFが無い時代』────兵器の発達がまだ個人レベルだった頃の話だ。
輻射波動なら、クリストファーを原子レベルで崩壊させることが出来るがロングレンジでは表面上にしか届かない恐れがあるし、警戒されかねない。
警戒されてこの場所から逃がしたら、
ならば動きを封じて、C.C.細胞の素という事ならそれ等の無力化が出来る俺がここぞとばかりのデカいカウンターを至近距離で入れるまで……
という考えの元で動いている。
『クリストファー』が近くの岩を手に取っては機体目掛けて投げ、俺はそれを避けては地中で見た、目(が合った場所)をリニアライフルで撃つ。
このようなやり取りをし始めて数分と感じられる時間の中で、奴の動きに慣れてきたのか段々と『クリストファー』の繰り出す攻撃の軌道が幻覚のようにブレて、前もって見えるような気がする。
これはきっとあれだ。
訓練したアスリートや武闘家、命の危機に瀕する事故に合う直前の人などの脳が活性化する『極限状態』というヤツだ。
俺の身体はさも当然かのように(あるいは自然に)、目に見えている
相変わらず先ほどから身体中をクモがはい回るような感覚はあるが、機体と相手の動きにさえ集中すれば問題はない。
ただ、決め手を食らわせる
輻射波動の悪い点だな、『リーチの限界』ってのは。
それだから一期でも右腕が少し伸びるギミックが内蔵されていたわけだし────そうだ!
同じ紅蓮型なら、アレもある筈だ!
シュボ!
操縦桿を操作して、俺はそれらしき項目を見つけては作動すると試作型蒼天の各部から煙が────チャフスモークがモクモクと出てきて辺り一面が青い霧に包まれていく中でメインカメラを通常の物から変えると、さっきまでノイズが混じっていたモニターにクッキリと地形と『クリストファー』が浮かび上がる。
これで奴の視覚をある程度封じられるだろう。
あるかどうかは分からないが、やって損はない────
ブゥゥゥン!
────おおっと。
やっぱり駄目だった。
というか急に周りの岩を砕いて散弾のように投げているから更に事態悪化。
と言う訳で明後日の方向に飛ぶものは無視。
逆に周りに迷惑を掛けそうなヤツは撃ち落としてクリストファーに偽の位置をわざと教えつつ被害が拡大するのを防ぐ。
ここは俺とお前だけの問題だろう?
他人を巻き込むな。
「(なに。 これ。)」
カレンは息をすることを忘れてただ身体に力を入れて意識を維持し、スバルの変態的な変則的な機動に目を回しそうになりながら瞼を何とか開けながら上記の言葉を内心では思っていた。
上や下、左右に前後の方角に動く感覚が抜けないまま次々と重力の反動と吐き気がカレンを襲う。
それほどまでにスバルの操縦は
「(この動きに……何これ?
────極度の方向転換で血の循環が悪くなったのか、あるいは本当に目を回しながらも『見よう』と無理をした限界の所為か、カレンには
「(でもこれだけ動き回っているのって、要するに『スバルにも余裕がない』ってことだよね?!)」
……
…
クリストファー、そして試作型蒼天の周りがチャフスモークで包まれていく間、リア・ファルはレーダーでギリギリ捉えられるグランベリーを警戒しながらも部隊のKMFの回収と、
「逃げるの?」
「逃げるにしても、戦うにしても……艦の状態が不十分であればどちらも行えません。」
レイラは現状、迷っていた。
グリンダ騎士団、そしてギアス嚮団……と想定していた場所に別の組織。
片方だけならばグリンダ騎士団と比べて実行部隊と人員に欠けるアマルガム側にもまだやりようはあったが、同時に対応するのは流石に困難である。
元々『ギアス嚮団の拠点索敵』だった筈が、こうも入り組んだ状況に進展するとは思わなかった上にまさかその別組織が保有していた戦力の反撃でアマルガム側のナイトメア部隊の半数ほどが戦闘続行不可能な状態に陥るとは予測もしていなかった。
「主砲が再度撃てるまで、どのぐらいかかりますかラクシャータさん?」
「んー……アンタにも軽~く
「(それではあの巨体を倒すことは……このままでは、『逃げる』にしても『戦う』ことにしても犠牲が出てしまう。 どうすれば────?)」
『────よぉ、レイラ! ここで“
「────アシュレイさん?」
レイラのコンソール画面に、リア・ファル内に戻ってきて元気いっぱいの犬アシュレイが映る。
「私に会いたい? (このような場所で────?)」
『────おう────!』
『────ちょっと代わりなさい────』
『────おわ?! お前いつの間に────?!』
『────どうだっていいでしょうが────!』
「────あ。」
アシュレイ側がゴソゴソとして画面内に無理やり姿を現したのはアンジュだったことに、レイラは『何故?』と一瞬思ってからハッとする。
「(そう言えば、アンジュさんたちはシュバールさんと共に行動を────)」
『────もしもし?! あのデカい怪物は何?! スヴェンはあの紅蓮っぽいのに乗っているの?! なんで急に寒くなったりするわけ?! この人たちユーロ・ブリタニアの騎士服着ているけれど何がどうなっているの?!』
アンジュの凄まじい肺活量にアシュレイは耳鳴りに苦しみながら、『なんでフランツたちはこんなうるさい女を乗せたトレーラーを保護したんだ?』と思っていたそうな。
勿論、『(ユーロ・ブリタニアの)騎士であるからには人を助けるのに理由はいらない!』と返ってくる答えが安易に想像できるとしても。
「えっと……敵です、それとあの紅蓮タイプの中には動きからして恐らくシュバールさん────」
『────ならさっきの“バーン”としたヤツでもう一回“ドカン”と撃ちなさいよ! 当てれば一発でしょ?!』
「…………えっと……再度発射するためのエナジーの再充填に時間がかかります。」
“語彙力ゥ”と密かに思いながらもレイラは思わず思っていたことをそのまま口にする。
『再充填?』
「ええ、本艦の主砲は少々特別でして────」
『────そういう難しいことはよく分からないから遮るようでゴメンだけれど、要するに動力源不足ってことよね?』
「まぁ……そうなります。」
『その船の機関室って、
「???」
「あー、そうだけれど? なんでかしら?」
コードギアスの世界では『動力=サクラダイト』と言った常識をアンジュに問われたレイラは思わずハテナマークを頭上に浮かばせて言葉を失くし、彼女の代わりにラクシャータが疑問形で答えては逆に問い返しをする。
『
ガサガサガサガサ。
『オイちょっと待てこら女ぁぁ! おいレイラ、アイツ誰だよ?!』
「えっと……シュバールさんの知り合いです?」
『あー、納得。』
敢えて『どこが?』と聞き返さないレイラだった。
……
…
カッ、カッ、カッ、カッ!
リア・ファルの中へとほぼ無理やりトレーラーごと避難
「だぁぁぁぁ! 暑い!」
『さっきまで凍っていた』、『冷気がまだとどまっている』とは言え全力疾走していたアンジュの体温は上がっていき、彼女は羽織っていたジャケットを脱ぎ捨てる。
「何か考えがあるのですか?」
「……………………かもね。」
そんなアンジュをほぼ同じ速度で後を追いながらも汗一つ浮かばせていないマーヤが平然としたまま聞くが、アンジュは苦虫を噛み潰したような気まずい顔を浮かべて濁した返事をする。
……
…
「(元とはいえ、『ナイト・オブ・ワンは伊達じゃない』という事か。)」
スバルはあれから何度も手を替えては接近を試みていたがことごとく『クリストファー』はその一つ一つに対して即座に対策し、まるで勘を取り戻したかのように徐々に動きにキレが増していく。
それとは別に、とある時期を境に彼は自分の身体中を何かがはい回るような感覚の正体に目星をつけていた。
それは『常識』や『理性』から来るものではなく、生物としてもっと根本的な本能から来ていると呼ぶことしかできない『
「(ああ、なるほど。)」
この考えに至ったスバルは不思議な納得に一つの疑問が消えて、少しだけ心がスッキリした。
「(だから原作で『オズたち』は────)」
────ドゴッ!
そうスバルが考えている内にクリストファーの足元の地面が急に緩み、地面の中からまるで氷を装甲のように纏ったヴィンセントとガニメデ・コンセプトに白炎……をメインに、月下やサザーランドにグロースター・ソードマンなどのパーツや兵装を無理やりくっつけたような機体たちが出てくる。
「(あのガニメデはアリス? それに白炎っぽいのはオルフェウスか? という事は、地下都市で俺らが地上に打ち出された後にロロ(仮)機とアリス機が遭遇したところで、オルフェウスが脱走した……ってところか?)」
……
…
少しだけ時間を巻き戻すと、一連の流れはスバルの思っていたようなモノだった。
更に付け加えると、気分が悪くなったアリスは『クリストファー』が動き出したことでガニメデ・コンセプトに乗り込んだところで天井に開いた穴から轟音が鳴ったと思えば今度は身体中に激痛が走り、そのまま気を失った。
普通なら『敵地』の中でそんなことをすればかなり悪い展開にしか発展しないのが相場なのだが、幸運にも独房から脱走を試みて、見張りがいないどころか人気の代わりに様子のおかしいナイトメアや、3メートル弱の『人型巨人』としか思えない生物が地上を目指してる様子などという混乱した状況の中でオルフェウス、ズィー、コーネリア、ダールトンは二手二組に分かれ、アリスはコーネリアとダールトンに発見されていた。
もし彼女を見つけたのがオルフェウス組だったら色々とこじれていたのかもしれないが、コーネリアたちだったのでナイトメアの無断拝借保護だけで済み、オルフェウスたちは大破した自分たちの機体を無断拝借見つけたガニメデ・コンセプトでパーツの移植を行い、地下都市から脱出を試みた。
そんな矢先に様子がおかしかったサザーランド達はオルフェウスたちの機体を見つけては鬼気迫る様子で攻撃してくるようになり、脱出をメインの目標としていた彼らは戦闘を避けながらも地上を目指していく。その過程でアリスは目を覚まして状況をダールトンから聞いてはロロ(仮)機のヴィンセントと遭遇したことで、まだ痛みが走るにもかかわらず『ザ・スピード』を展開した。
ロロ(仮)の能力とヴィンセントが脅威な上に切羽詰まった状況下で、アリスは正常な判断を下せる状態では無かったこともあってヤケクソ気味で対応していたのを、コーネリアは
かなり掻い摘んだ先の話が、スバルがクリストファーの突っ張りを食らって地上に出た後に、地下都市で起こった一連の出来事だった。
……
…
「ゴアアアアアァァァァァ!」
試作型蒼天、闇鍋白炎、闇鍋兵装のガニメデ・コンセプトの三機が加わったことで『クリストファー』は追い詰められる……
「く……あぁぁぁ! (あの
ここにロロ(仮)機や地中から出てきた黒いサザーランド達が
ロロ(仮)は自分の身体の自由が奪われることに恐怖を持ったが、それ以上に
「(先ほどの不適合者たちの姿がない事はどうでも良いが、なんだこの訳の分からない高揚感は?! もしや、先ほどマッドが言っていた『捕獲せよ』と関係があるのか?!)」
混沌化したこの局面は、更なるカオス化することとなる。
……
…
『どういうことなのマリー?!』
グランベリーの中で、オルドリンは珍しく怒鳴り声の一歩手前まで声を荒げさせながら通信モニターの向こう側にいるマリーベルに言葉を返していた。
『言った通りよオズ。 私たちは救難信号の元であると思われるブリタニアの施設の援護に回ります────』
『────だからってあの怪物を無視する訳にはいかないでしょう?! あれをあのまま野放しにしたら────!』
『────見たところ、あの謎の艦とは敵対関係。 ならばこの隙にブリタニアの者たちの保護をし、双方が弱ったところをまとめて鎮圧すれば私たちの犠牲を最小限に抑えられます。 それに……』
マリーベルは一瞬迷うような仕草を見せた。
救難信号に含まれた情報で、
『……マリー────?』
『────いいえ、なんでもありません。 ここはやはりブリタニアの救難信号元の施設に取り残されている者たちの保護に向かってください。』
だが
『……マリー。』
『何かしら、オズ?』
『さっきの怪物がグランベリーに向けて攻撃をしてきたの、あの紅蓮タイプが撃ち落としてくれたのを覚えている?』
『ええ。』
『それと気のせいだけれどあの紅蓮タイプの動き……マリーと共闘したヴィンセントに似ていると思わないかしら?』
『それが?』
『……マリー。 私から見れば“怪物は暴走していて、あの敵艦と称されている者たちと紅蓮タイプに乗っている者たちは怪物の被害を抑え込もうと行動している”としか見えないわ。』
『ブリタニアの者たちの安否が────』
『────あのまま見殺しにするの? 命は命なのよ、マリー! そこに格差なんて無いはずよ!』
オルドリンの言葉を聞き、マリーベルはずっと無視しようとしていた頭痛の痛みが増していくのを感じて思わず瞬きをする。
『……私たちが……いえ、私たちが取るべき行動は────』
『────私にとって、命に格差は……優劣はない。 それに私たちには恩がある筈。 ならば! それを返した後で正々堂々と挑めばいいだけの事ではないの?! 弱ったところを狙うような、卑怯な手を使わなければならないほどにマリーは私たちの実力が信頼できないの────?!』
『────ッ! オルドリン・ジヴォン────!』
『────
『『『イエス、マイロード!』』』
「あやつら! 姫様の方針を無視しおって!」
グランベリーからランスロット・グレイル、ゼットランド、ブラッドフォード、サザーランド・アイの四機が発艦する景色にブリッジに戻ったシュバルツァー将軍は諦め染みた怒りを露わにした。
「訳の分からぬ状況に感情を優先して、身を投じるなど! 軍規違反どころでは────!」
「────う?!」
とうとう頭痛が酷くなったマリーベルは思わずよろけてしまい、身を近くの手すりに預けると大粒の汗が額から噴き出す。
「姫様?!」
シュバルツァー将軍はそんなマリーベルのうめき声と様子を見て焦り、まるで風邪を引いたかのように熱を持ったマリーベルの身体を支える。
「オルドリン、どうして……どうしてブリタニアの方針を蔑ろに……ブリタニアの……ブリタニアは……ブリタニアが……」
「???」
ブツブツと何かをつぶやくマリーベルにシュバルツァー将軍は声をかけるが、彼に気付いた様子もなくマリーベルは突然立ち上がってはブリッジから出ていく。
「姫様、どこへ────?」
「────私はランスロット・トライアルで出撃し、救難信号の元へ行きます。 将軍は艦の直掩にあたりなさい! (こんな時こそ、秩序が必要なのに! 許さない……許さない!)」
「し、しかし────!」
「────これは皇族としての命令です、将軍! (勝手に力を使わせる為に、貴方を筆頭騎士にさせたわけじゃない! 何故私の言うとおりにしないの、オズ!?)」
そんなマリーベルを、オペレーターのトトは横目で静かに追っていた。
後書きEXTRA-
VV:かくして役者はそろった。
???:観えないというのに、かなりの自信だね?
VV:どの様な展開になっても、僕に繋がる訳じゃないしね。
???:……