少々長めですが、楽しんで頂ければ幸いです!
「……………………」
『ユーリア・メル・ブリタニア』、そう俺が呼んだミス・エックスは身動ぎせずにただ俺を平然と見返していた。
「何の事かしら?」
困惑しながらも、ミス・エックスは言を並べる。
傍からすれば彼女の表情やボディランゲージに口調や声のトーン、その全てや仕草の一つ一つが自然なモノで
否、
俺も長年ポーカーフェイスや演技を徹底しているからこそ感じ取れた極僅かな『違和感』がなければ、見逃していただろう。
前にも言ったと思うが、『ミス・エックス』は原作オズでも身元も年齢も経歴も不明の反ブリタニア組織ピースマークの仲介屋でしかもピースマークに所属する理由も分からない完全な
前世でも『ミス・エックス=ユーリア説』があったが、『彼女がマリーベルの妹であるユーリア・メル・ブリタニアだ』と仮定すると全てのつじつまが上手い具合に合ってしまうのだ。
原作では、そういったモノが仄めかされている。
例えばオズO2で記憶喪失になっていたオルドリンが『ミス・エックスの容姿が誰かに似ている』と言いながらぼんやりと思い浮かべたマリーベルの面影。
そんなオルドリンの『なんで下級生の制服で潜入しているの?』に対してミス・エックスが暴露した『私はオルドリン(たち)よりも年下だから』。
これは『ミス・エックスの嘘』とも言えなくもないが、この時点でオルドリンは完全に記憶喪失で年相応の少女の様な情報しかなく、ミス・エックスがその場限りの嘘をつく必要性が全くない。
次は部分的にカットされて明確にされてはいないが、ゼロレクイエムの共犯者となったマリーベルに勝負を挑むため死地へと赴くオルフェウスに、ミス・エックスは自分の想いと正体を打ち明けた直後にオルフェウスは無言ながらも悲しそうな表情を浮かべていた。
この時のオルフェウスはオルドリンを失ったグリンダ騎士団の代わりでマリーベルの筆頭騎士を務めた時期があり、暴走していた彼のギアスは文字通り『マリーベルの癒し』に使われていたのでマリーベルの事情もある程度は把握していた。
それと最後に……オズO2のエピローグ────つまりはゼロレクイエム後の世界でルルーシュに東部の『圧政』と『ラスボス役』を任されて亡くなったマリーベルの墓らしきモニュメントの前でミス・エックスは喪服に身を包みながら佇んでいた描写があった。
確かに『遺体が見つからず、同じく行方不明者でありミス・エックスの想い人オルフェウスの墓でもあったから』という説もあるが……それにしても
もし彼女に、『人目に付かれてはいけない理由がある』とすれば?
確かにここまで並べた全ては状況証拠であって、確証のあるモノではないのは認めよう。
だがこの世界に転生し、直に見てきたこともあるし、何より前世で俺個人が『え~? その説、本当か~?』と思ってやったことも関係ある。
髪色は全く違うしスタイルも『メカクレ』なのでミス・エックスの雰囲気はマリーベルと全く違うのだが、悪ふざけで設定集の中に描かれている二人の横顔ラフスケッチを合わせたら見事に一致したのがかなりのショックだった……のは
何より、ピースマーク内で彼女の立ち位置とウィザードが常に彼女の居場所を把握していたり、近くにいたことが更に俺の仮説の信憑性に裏付けをしてくれた。
ウィザードはオイアグロで、オイアグロはジヴォン家の当主であると同時に『プルートーンの団長』。
『団長』と言っても、明らかにV.V.からは信用されていないしプルートーン内でも浮いていた存在……だが、少なくともオイアグロには『団長の才能か素質があった』という事になってV.V.が目に付ける場所に置く理由があるほど。
そして彼は、ジヴォン家内では母親のオリヴィアに次いでオルドリンと非常に仲が良かった。
なら彼女の親友であるマリーベルを知っていてもおかしくはないし、(また飛躍するが)社交会などでマリーベルの妹と母親のことを知っていても全くおかしくはなくなる。
さて……今までの事柄を全てかみ合わせての『もしも』ばかりだが……
『もしも』何らかの理由でマリーベル、母のフローラ、そして妹のユーリアが
優しくて不器用なオイアグロの事だと勿論、マリーベルたちを助けようとして動くだろう。
だが『もしも』彼が到着した頃には爆発が既に起きて、『もしも』何らかの理由でユーリアしか救えなかったとしたら?
それに明確な描写はされていないがルルーシュの時を考えると、マリーベルがシャルルと謁見したのはテロ事件の直ぐ後の筈で、幼い彼女がシャルルに斬りかかろうとしてシャルルのギアスを掛けられたのも同じ日の描写もあった。
ならオイアグロは重症、あるいはすぐに動かせないユーリアをマリーベルに会わせる機会がないまま、『テロ事件はオルドリンの所為』と記憶が変わったマリーベルと再会して困惑しながらも『ああ、幼いマリーベルは自己防衛の為にそう思いこむことをしたのだな』と自己納得してもおかしくない。
そしてその後すぐに彼はプルートーンの『オルドリン抹消』を知ってオルドリンを守るために、実の姉であるオリヴィアとジヴォン家の虐殺を行ってV.V.と『オルドリンの安否』を取引にプルートーン団長として座を承った。
色々省いているが、それでもここで問題は生じただろう。
『これでオルドリンの無事はプルートーンとして動くことで確保できたが、死んだはずのユーリアはどうやって守れる?』、と。
答えは割と簡単だ。
このまま『個人』で守れないのなら『組織』を作ればいい。
オイアグロは投資家でもあるし、顔は広い。
そんな彼が組織にとって必要不可欠である『スポンサー』をしてなおかつその組織が『反ブリタニア趣向持ち』ならばより好都合だ。
『木を森に隠す』という奴で、これならば『ミス・エックス』という存在に色々と説明が付く。
今にして思えば、髪の色も『テロ事件の後遺症』かも知れない────そうだ!
未だに俺を見るミス・エックスに対し、俺は両手を上げてまるでカメラマンが構図の確認をするかのように指でカメラフレームの枠を作る。
「骨格は変えていないようですね、
「ッ。」
俺の言葉にミス・エックスは今度こそ反応して目を一瞬だけ逸らしたことで、俺は手応えを感じた。
『髪色はテロ事件で変わった』と思えば、確かにそうかもしれない。
だがここで、もう一つ『もしも』を思い浮かべてしまった。
『もしも母フローラが長女であるマリーベルではなくユーリアの事を構っていた理由が“病弱” だったとしたら?』、という『もしも』だ。
当時のマリーベルは10歳で、割と自己中心的な我儘なガキ子供だ。
『妹は病弱だ』なんて説明、されていても理解出来ないのは火を見るより明らかだしそれ以前に『母の注意を引くための嘘』という風に感じて『納得』はしないだろう。
マリーベルたちは皇族、この世界では皇帝の次に身分が高くて『期待』や『妬み』や『蹴落とすべきライバル』などのあらゆる感情や打算と陰謀の対象だ。
よって皇位継承権が高い最長年者の子供に、母親は全身全霊でブリタニア貴族の弱肉強食に勝ち進んで皇帝になる様に育て上げるのがセオリー。
それはコーネリアとユーフェミア、少し違うがルルーシュとナナリー、またも違うがキャスタールとパラックスたちの扱われ方と育ちを見ても結構明白だ。
ならマリーベルの母フローラは、何故長女に『全然かまってもらえない』とまで思わせるほど彼女と接していなかった?
確かにマリーベルはかなり才能がある。
頭脳はルルーシュの考えに追いつけるほどで、KMF操縦技術はスザクと同じ『オールS』という異例。
『ブリタニア版シ~ンク~』だが当時は10歳、とてもだが放置自立させられるような歳ではない。
さぁここで今までの情報と事情と仮説をよ~くコネてコネてコネまくって練りこむと、つまりはこうだ:
1、 生まれたときから(あるいは後天的か知らないが)ユーリアは病弱
2、 このことが周りや他の皇族に極力知れ渡らないようにフローラが極秘に付きっきりの看病をしだす
3、 マリーベルが嫉妬して、とある日に見知らぬ少年を離宮に通してテロ事件が起きる
4、 フローラは死亡し、ユーリアは重症ながらもオイアグロに保護されて更なる追撃から守るために表向きはフローラと同様に死亡(扱い)
5、 『マリーベル、シャルルと謁見して乱心事件』と並行してオイアグロが『オルドリン抹消』を知り、阻止するために止む無くジヴォン家をほぼ根絶やしにするがオルドリンに事後を見られて憎悪の対象となる
6、 上記の流れのまま、マリーベルの記憶が改竄されている事を知ったオイアグロは彼女とオルドリンが住める場所を秘密裏に確保すると同時に、ユーリアの身の安全も確保できるようにピースマークのスポンサーとなって居場所を作る
7、 ユーリアはこの事態を理解しながら自分の病弱体質を克服するため医学を勉強し、医師免許を持つまでに成長する
8、 プルートーン由来で平民の家に捨てられた筈のオルフェウス・ジヴォンがギアス嚮団にいたことをオイアグロは知り、彼とエウリアの逃亡先がバレてプルートーンはオイアグロ以外動員される
9、 オイアグロはオルフェウスを助けるためにも駆けつけるが時すでに遅し
10、 放心し、廃人一歩手前のオルフェウスを救う為かつ
a. ジヴォン家頭領の座を決闘で簒奪し、我が物とした『オイアグロ・ジヴォン』
b. プルートーン団長としてブリタニア帝国を闇から支える『オイアグロ』
c. 反ブリタニア組織のスポンサーにして幹部の『ウィザード』
それに、もしこの仮説が正しいのなら『何故オイアグロはオズO2でマリーベルに全てをぶっちゃけなかった?』となるが……
実はその時、マリーベルの方から『母の愛を横取りしたユーリアを疎んでいた』と先に暴露されてしまっている筈だ。
そんなマリーベルに『実はユーリア生きているよ~てへぺろ~☆』ってオイアグロは言えないし、何よりその時のマリーベルは調子が悪いのを無理やり抑え込んだままで精神と心は狂乱の一歩手前だった。
そんな彼女に『追い打ち』に似た言葉を掛ければどうなるか分からなかっただろうから、敢えて何も告げずに協力したのだろうな。
……こう考えると、オイアグロは相当苦労したんだな~。
………………本当に不器用だな、ジヴォン家は!
『開き直り』? そうともいうが、取り敢えずミス・エックスが動揺したのならここで一気に畳みかける!
久しぶりの『優男』と『従者見習い』の仮面!
装・着!
「貴方たちは覚えていないかもしれません。 ですが
「貴方………まさか………」
ミス・エックス────いや、『ユーリア(多分)』の顔が俺の言葉にハッとするかのようになり、徐々に目は見開いていく。
多分、彼女はこう思っているだろうよ。
『まさかお前、離宮の見習いか何かだったのか?』、と。
計画通り。
「覚えがなくとも、無理はございません。 当時は今よりはるかに幼かった上に数ある者たちの中の一人でしたから。 それに、あの事件当時は別用で離宮を離れていたので難を逃れましたが訳も分からないまま日本に身一つで送られてそれっきりでしたので実質的な『島流し』……いえ、あの後に
「「……………………」」
フハハハハハ!
どうだ、この演技力ぅぅぅ?!
そしてぇぇぇぇ!
『幼いころに身一つで日本に送られてきた』という真実はぁぁぁぁぁ?!
ハーハッハッハッハッハッハッ!!!
……『なんだか急にDI〇っぽいな』だと?
大きな嘘をつくときはそれなりに真実も入れればより現実味が重なるんだよ!
っと、まだまだこのままいくぞぉ~?
「そしてマリーベル様は現在、貴方とフローラ様の身に起きたことを『ご自分の所為だ』と思い出したらしく、塞ぎ込んでいます。 このままでは危うい状態になるかも知れません。 ですのでユーリア様、どうか……どうかマリーベル様の元へ行ってはくれませんでしょうか?」
はいここで頭を~、下~げ~る~。
“炎をあ~げよ”────じゃなかった。 “頭をさ~げよう~”♪
“ファイブ〇ン”♪
「「…………………………」」
『これで俺の仮説が間違っていて盛大に滑っていたら』なんて思わないように、ただ『合っていてくれ!』と願いながら俺は頭を下げてただ静かな時間が過ぎ去っていくのを感じる。
「「…………………………」」
オイアグロでもユーリア(多分)でも良いからどっちかアクション起こす、か何か言ってくれ。
気まずい無言の沈黙時間は堪える。
「………………ウィザード、何か言う事はないかしら?」
「強いて言うのならば、“こ奴は私の正体を知っていました”とだけ。」
「ハァ~……よりにもよって、こういう巡り合わせで
「その……心中お察しします────」
「────何せオイアグロにあそこまで動揺させるなんて、通常じゃ考えられないわ────」
「────ング────」
「────えっと、
いよっしゃー!
俺は自分の仮説が通ったことに内心、ルンルン気分になりながら頭を上げると観念したかのようなミス・エックス────ユーリアと項垂れながら仮面を外したオイアグロを見る。
「貴方、やるわね?」
「殿下ほどではないです。」
「ミス・エックスよ……私の事、他の誰かに言った?」
「いいえ。」
「……………………あと、いつから気付いたの?」
「ふと思ったのは、ガナバディと共に会った時からですが……確信に変わったのはつい先ほどの仕草です。」
ユーリアは腕を組みながら『してやられた!』と、まるで苦虫を噛みつぶしたような顔で空を見上げる。
「あー……一本取られたわね。 良いわ、
「ありがとうございます────」
「────だけど私、今のピースマークのエージェントとしての生活を気に入っているから皇族には戻らないしこのまま死んだままになるわよ?」
「私も
俺は本心を口にしながらルンルン気分のまま、平然として振る舞いの演技を維持する。
う~ん、今にでも歌って踊りたい気分だ♪
最高にハイってヤツだぁぁぁぁぁフハハハハハ!
「そ。 オイアグロ、『ウィザード』として付いて来てくださる?」
「勿論です。」
「んじゃ。」
「ええ、またあとで。」
「また会う機会があったらね。」
通り様にユーリアはひらひらと手を振り、
「────ああ、それとコーネリアお姉様に言ってくれる? “変装のつもりなら化粧を取った上に髪型も変えた方が良い”って?」
ん?
今のコーネリアはR2時で見るような『ほぼドすっぴん状態』だぞ?
…………………………あ゛。
そう言えばコーネリアって確か今、『正式には喪に服して表舞台から身を引いているが噂では行方不明』だったんだ!
リア・ファルに向けてBボタンダーッシュ!
シャカシャカシャカシャカシャカ、ビョイーン。
リアルでもストックアイテムの『パ〇〇タの羽根』が在ったらいいのにな~……って、なんだか前にも言ったような気がする。
ま、このままリア・ファルに向かう……と見せかけてグルっと遠回りにグランベリーに乗り込む。
何故かと言うと、思い出したがあっちには
そして予測通りなら、『ユーリアとマリーベル』の接触で動くはずだ。
『マリー? オズよ、ドアを開けて話をしましょう?』
グランベリーの中でマリーベル用の個室のドアは中からロックをかけられ誰も入ることが出来ない様にされ、暗い部屋の中はかなり荒れていた。
家具は壊れ、花瓶や壺に鏡などは割れていた。
「……」
部屋を荒らした張本人と思われるマリーベルは毛布にくるまってただ震えながら、自分の精神を蝕む怨念や亡霊たちに怯えていた。
『オルドリンではなく、自分の我儘の所為で家族を失った』というショックは大きく、最初はオルドリンに助けを求めようとグランベリーに駆け込んだが、今までずっと家族を失った原因をそのオルドリンにした罪悪感からマリーベルはランスロット・トライアルから降りては自室に籠って悶々と様々な感情に苛まれていた。
今までずっとテロを憎み、
そんな彼女の中をもしマオが読み取ったとすれば、原作でシャーリーが『父親の仇ゼロ=想い人のルルーシュ』と知ったような、『うわ、この女の頭の中ぐちゃぐちゃだ!』と言っていただろう。
ただし、今のマリーベルは高い思考能力が悪い形で無意識を通し、自分自身を責めていた。
『オルドリンに頼りたい、けれど今まで何でも受け入れていたオルドリンに甘えて数々の仕打ちや試練などを背負わせていた』、等々。
『ねぇ、そこどいてくれる?』
『あ、貴方は誰────?!』
『────ユキヤ。 邪魔だからそこどいてよ……うわ、このOSって穴だらけ♪』
ピピ♪ プシュー。
ドアの外から聞こえてくる声にマリーベルは反応せず、ただ熱を出しながら荒い息をして汗まみれのままドアの方向を見ると、ロックが解除される電子音と共に開くドアを目撃してビックリする。
「ふぅ~ん……アンタ、もしかしてアッチの艦にいたハッカー? 思ったよりやるわね?」
「そういう君はこっちのだよね? 思っていたより拍子抜けだったよ♪」
「おおお、似た者同士なの~♪」
「「どこが────?」」
「────ありがとう、ちょっと話してくるわね?」
グランベリーのエリス、そしてリア・ファルのユキヤの間に走る火花を無視したエリシアの言葉に、即座にツッコミを入れる二人を通って部屋にミス・エックスが入る。
「んじゃあ、リョウ達と一緒に人払いをしようねぇ~────」
「────ちょちょちょちょちょっと?! わたしはマリーの筆頭騎士よ?! どこの誰ともわからない、見知らぬ人物と二人きりにさせるなんて────」
「────はいはいはいはい、シュバールさんが来れなくなった代わりのボクたちに反論しな~い────」
「────ちょっと押さないで────?!」
────プシュー、ガチャ。
「「……………………………………………………」」
ドアが閉まると部屋の中では、入ってきたミス・エックスとマリーベルがお互いを見て無言のままの静かな時間が続く。
「………………カーテン、開けていいかしら?」
先に沈黙を破ったのはミス・エックスで、彼女はマリーベルの答えを聞かずに日光を遮断していたカーテンを開くと薄暗い部屋の中に光が入り込み、ミス・エックスとベッドの上で無気力気味だったマリーベルを包む。
「………………………………ぇ?」
ミス・エックスの様子をよりよく見られるようになると、少し前まで錯乱(というか乱心)しながら叫んでカラカラになっていたマリーベルの喉からは呆気ない息が出る。
マリーベルはヨロヨロと、錯乱中に酷使した所為でギシギシとくる痛みや筋肉痛で訴える身体を無理やり動かしてミス・エックスに近付く。
「………………少し、話をしませ────?」
────ドッ!
「……ッ……ッ……ッ……ごめ……さい……ご……んなさ……ごめん……い……」
「うん……うん……マリーお姉さま…………」
ミス・エックスに近寄っていた勢いをそのままに、マリーベルはただ彼女を抱擁して顔をミス・エックスの肩に埋めながら涙を流し、次第にただただひたすらに謝る言葉を出してミス・エックスは子供をあやすかのようにマリーベルの背中を撫でて優しい声をかけ、彼女自身も涙を流す。
暗くて荒れた部屋の中に、窓から入り込む優しい日光が泣く少女二人を静かに照らしたのだった。
後書きEXTRA:
???:この時の……『スバル』? は知らないだろう。 巨大なフラグ(地雷)を自ら踏んだことを。 『エデンバイタル教団の闇』? そう言えばそんなモノもあったね。