楽しんで頂ければ幸いです!
グリンダ騎士団の面々と別れの挨拶を済ました
「なぁカレン?」
「何?」
「気の所為か、『至れり尽くせり』のような気がするんだが?」
『気の所為』と俺は言うが、実際そうとしか思えん。
こう……『今欲しがっているモノが先回りに準備されている』といった現象を想像して見てくれ。
それが一日中続いてみろ。
『お、こりゃ楽でいいな』から『何これ不気味やねんけど』に変わるのは意外とそう時間はかからなくなるぞ?
「ん~……なんだかんだ言って、『スバルは怪我人だから』かな?」
「……そう言うモノか。」
「そう言うモノだよ。 左腕、折っているんでしょ? 鎮痛剤とか飲んでいても、えっと……“根本的な治療”にはならないでしょ?」
確かに。
でも果たして“そういうモノ”だろうか?
グリンダ騎士団側はマリーベルなんて上っ面だけのニコニコ顔じゃなくて、見た目と同じようなふんわりとした微笑ましい笑顔になっているし、トトなんかは泣き疲れたのか目が『3』のマークになっていたし、オルドリンはチラチラと何故か俺をみるし、ソキアはそんなオルドリンを見て俺の肩を叩いて意味深な“やるねぇ~”って声をかけながらニヤニヤするし、レオンハルトはそんなオルドリンを見てマリーカに質問しても、マリーカは乾いた笑いを出すし、ティンクは…………………………
ティンクは原作同様にただニコニコしていて、何を考えているのか全く分からなかった。
ちなみにシュバルツァー将軍からは同類の感じがしたから、俺の愛用している胃薬を渡し────
で、ピースマーク側と言えば今まで簀巻き状態だったクララをオルフェウスに丸投g────
『縛られた上に布団に包まれた簀巻き状態から縄抜け』って……
クララはどこぞのサル殴りさん作の怪盗三世か何かか?
コーネリアはギアス嚮団を探し出すと言って渋るダールトンに“ではその子たちの様な犠牲者が更に出てもいいというのだな、グラストンナイツが泣くぞ”って言いくるめていたし、彼女の旅に同行するってオルフェウスが言い出した途端にクララも賛同する意思を示してネーハと(特に)ミス・エックスから抗議の声が上がって更にはオルドリンの『うわぁ……私のお兄ちゃんって……』と言う小声とオイアグロの『
と言うか、オイアグロの言い方から察するにオルフェウスのフラグ建築士スキルは父親譲りで『父親は(多分
……………………………………………………もうこれ以上はカンガエナイヨウニシヨウ。
ウン、ソウシヨウ。
まぁ『ものは考えよう』という事で、考える方面を
無駄に洗練された無駄の無い無駄な衛士ky────ゲフンゲフン。
ちょっと深呼吸だ。
スー、ハー。 スー、ハー。
まさかC.C.細胞の真相が『漆黒の蓮夜のクリストファー・チェンバレン由来だ』とか、予想していたより『オズ』への込み入った介入とか、エデンバイタル教団……………………………………とか
「「………………………………」」
グランベリーが次第に加速して(ピースマーク由来の情報から得た)紅巾党の残党が逃げたと思われる遺跡へ移動するのを見送っていたからか、スバルとカレンは静かなままだった。
う~ん、そよ風に揺られるカレンのツンツンヘアーが何だかお米の
「ねぇ、スバル?」
と思いきや、カレンが話しかけてきて沈黙はいとも簡単に破られた。
「なんだ?」
「ひょっとして、シュタットフェルト家に
「ッ。」
カレンの言い方は、スバルにとって胸にジ~ンと感慨深く来るものだった。
「(“帰る”、か……)」
何せ原作で見た限り、彼女にとってシュタットフェルト家は『ウザくて情けない母』、『嫌悪感しか湧いてこない義母』、『周りに
そして
「(何もかもが手遅れ&空回り気味状態だったカレンが……シュタットフェルト家を、『帰る場所』と呼ぶだなんて……泣けそう……アカン、涙腺が! いかん! 泣くな俺! 引き締まれ、俺の表情筋&涙腺筋ッッッ!!!!)」
「(うわ、昴の顔……なんかメッチャ無理している? ううん、これは『我慢』しているのかな?)」
「お前の質問への答えだが、一度は
「そ、そっか! (“帰る”って……“帰る”って今、昴は言ったよね?!)」
「(なんだかカレン……『嬉しそう』? 『ドキドキ』? やっぱりシュタットフェルト家が恋しいのか?) それが、何か?」
「その……帰ったら、お母さん
「(ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?! あの、あのカレンが! あのカレンが、『配慮』というか『遠慮』ヲをヲをヲ────?!)」
ドッ!
「────ごふぉ?! カ、カレン……今の肘打ちは何だ?」
「なんかモヤっと来たから。」
「でもその……いいのか?」
「良いの。」
「……………………じゃあ帰ったらジョナサン様や留美さんに言っておこう。」
「ん! よろしい!」
「(おおお……貴重な『ムッフーどや顔と胸張り』。 カレンの胸が種オープニング並みに揺れる揺れる────♪)」
ドッ!
「────ぶっqざwxせcdrvftbgyんふmj?!」
そんなポーカーフェイスを張ったスバルの顔面にカレンの拳が低い音と共に直撃し、彼は気を失ってしまう。
「あ?! どどどどどうしよう……いつもみたいに手が出ちゃった……」
……
…
そこからあれよあれよトントン拍子にスバルは中華連邦の辺境、人工島の沖合、中華連邦、エリア11とめくるめく国境をスバルは超えていった。
「(人工島の開拓も結構進んでいるみたいでよかったよかった♪ 桐原のじいさん頑張っているな~……まぁ、色々と聞かれたときは呆気に取られそうだったけれど。)」
スバルが思い浮かべたのは桐原からの通信で産業、経済、税制農業政策、軍備、外交などに関しての事だった。
『何を?』と思いながらも、思わず
『農業』や『経済』に『税制』と、スバルなりに『それとなく同学年の学生でも習っていて思い浮かべられる』レベルのことを話したつもりなのだが、彼の誤算は
意図的にか、あるいは別の理由でもあるのか、コードギアスの世界に将棋やチェスなどの盤上遊戯はもちろん、格闘や対戦ゲームも存在するが箱庭や『国の建造』に類する
スバルはこのことに気付いてもおかしくないのだが、幸か不幸か一般的に家庭用テレビゲームに興味を示す期間とされる時は既に扇グループ────いや、もっと時を遡らせるとナオトグループでの行動やカレンのフォローに彼女と自分の学生(そしてスバル自身の世話係)としての設定や体面に時間を費やしていた所為でそれどころではなかった。
「(いや~、久しぶりにシ〇シ〇ィとかを思い出すな~。)」
「嬉しそうですね、スバル様。」
「……そうだな。 (せっかく現実逃避していたのに、こいつの声で一気に引き戻されてしまった。)」
水路を移動していた船の甲板に立っていた彼の近くには、“一緒にs────戻る”と言ってスバルに同行するマーヤがいた。
「(そういや、アマルガム内で俺以外にブリタニアに見られても平気な奴ってマーヤぐらいだっけ。 俺と同じで変装していたし、素顔は見られていない。)」
実はスバル、R2スタート前にエリア11に戻ってアッシュフォード学園の下見調査をするつもりで『帰る』とカレンに言ったのだが、どこからかそれがアマルガムメンバーたちに伝わり、『誰が表の世界に出ても問題ない』という議論相談となった。
ブリタニアの諜報員や情報部に素顔を見られていない者たちが候補として挙げられ、そこでスバル同様に素顔を相手側に見せていないマーヤが選ばれた。
「(……確かに? ほとんどの場合『裏方』に徹していたし、髪型を変えたり染めたりメガネをかけたりした『変装』をマーヤはしていたし。 前世の基準ではそれは『変装』じゃなくて『イメチェン』だけど……)」
尚それらが果たして『変装』と呼べるかどうかスバルは一瞬疑ったが、『どこからどう見ても本人に見える他人の空似で通ってしまうコードギアスの世界だから』と片付けた。
「(ユーフェミアの『
「(こんな時でも何かをお考えになられているのですね……もしやこのようなことを想定されて、黒の騎士団を前もってエリア11に潜入させたのかしら?)」
尚、『オズ』時の襲撃に備えて国境の検問が厳しくなる前にアッシュフォード学園にアマルガムを潜入させるとき、“ついでに”と原作より生き残りが多かった黒の騎士団員の幹部たちも一緒に付けただけである。
「(これ、気を紛らわしながら考える顔だよね?)」
更にスバルとマーヤの二人の近くには、スバル手製の変装をしたロングブロンドポニテに少々大人っぽい化粧をしたカレンが少しふくれっ面気味にコーヒー(牛乳入り)を飲みながら、端で静かに読書をしていたレイラに横目で見る。
カレンとレイラの目が合い、彼女はにっこりとした笑顔をカレンに送り返す。
「(はぁ~……気の所為と思いたいけれど、この男女比率ってどうなの?)」
そこに“コードギアスだからドンマイ(汗)”とツッコみを入れる人はいないので敢えてここで記入したいと思う。
あ、ありのままの出来事を
『カレンとマーヤたちと別れてから懐かしく感じるシュタットフェルト家の屋敷に帰ってきたら見慣れない使用人たちが増えていてお辞儀されながら“おかえりなさいませ”と言われて戸惑う俺はドナドナされながら個室に連れていかれて身なりをパパッと整えられてまたもドナドナされた先に居たのは少々顔色を悪くしながらも生き生きとしたジョナサン様とブリタニア本国の使者がいる応接室だった』。
いやもう、何が何だか俺もよく……眩暈がするよ。
使者とジョナサン様は世間話を続けていき、俺は相槌を打っていると────
「それにしても、ご友人の
────急に話題を使者が俺に振ってきた。
「弟────?」
「────ええ、何でも足が不自由でしたが最近歩けるようになったと医療業界で少しニュースになりましたが。 確か、『ロロ』という────」
「────ああ。 あの話ですか、ネーハ・シャンカールのモノと酷似していますね────」
チリチリチリチリチリ。
使者の話が進んでいくとジョナサン様も会話に加わり、俺の首のうなじ辺りにチリチリとした感覚を感じる。
これは……『値踏み』? いや、『観察』か?
どちらにしても『ロロ』という名前を出している時点で、確実にR2で出てきた機密情報局かあるいはギアス嚮団の関係者。
なら、『乗る』しかないな。
「────そうですか? それは良かったです。 彼の兄も長らく悩んでいましたので、弟の不自由さが解消されたのならば友人としてホッとします。」
「……でしょう?」
使者のスンとしていた表情が愛想笑いへと変わり、アッシュフォード学園に関する雑談が続く。
そしてチラホラと『ロロ・ランペルージ=ルルーシュの弟』という話題が出てくる度にうなじ辺りがチリチリとし始めて俺は相槌を半ば自動で行いながら考え込むと、とある仮説に行きつく。
このチリチリした感覚は『視線』とか生ぬるいモノだけじゃないし、感じ出すタイミングとかを考えると……『ギアス』だろうか?
一期後にシャルルが演説に便乗してギアスを使って学園の生徒たちからナナリーに関する記憶をロロに変えた描写が『オズSIDE:オルドリン』にあったが、本国とかその時に居なかった生徒たちにはこうしてギアス嚮団を使って辻褄を合わせていたのか。
『そんなギアス能力者、居たか?』という疑問もなくはないが……この世界には嚮団のほかにエデンバイタル教団があった。
つまり、『
『なら原作ではシャルルが生徒たちに一人一人ギアスをかけたのか?』という別の疑問が浮かぶが……多分、『アーカーシャの剣』を使ったんじゃないか?
『アーカーシャの剣』は『ラグナレクの接続』に使う思考干渉システムで、シャルルのギアスは『記憶の改竄』。
さらに彼はR2後編辺りでは既に『達成人』────つまり自然強化&暴走したギアスのコントロール化に成功している。
そうと来れば、R2のアニメ冒頭に感じた歪さと違和感が幾分か軽減される。
それに……遠隔でネットワークに接続している携帯のデータも多分、閲覧してナナリーなどに関する情報も消去されているだろう。
そう言う事を危惧して、俺の使う端末は全て独立したシステムになっている。
……知らない間に
ギアスが俺に(多分?)通用しなくて良かったよ────ってそういやトトで検証すれば良かったな、彼女のは『記憶が薄れて忘れる』系の奴だし……
「────では、私はこれで。 お時間を取らせて申し訳ない────」
「────いえいえ、こちらこそ
っと、ボーっとしている間に雑談とお互いの周辺を探る会話が終わったようだな。
「では────」
「────いえ。 君はここに、私がエスコートをさせていただきます故。」
久しぶりに『優男』の仮面と従者見習いの態度に専念し、ブリタニアの使者を応接間から広い玄関へとエスコートするモーションに入ると別の執事────リアルミドルグレーの中年だ。
うわぁ、コードギアスの世界でもいるんだ。
ちょっと感動……ん?
“君はここに”って執事さんは言ったよな?
ブリタニアの使者がエスコートされていき、俺とジョナサン様だけが部屋に残されてから数分後に疲れた様子の彼が口を開ける。
「……こうして君と二人きりで話すのは久しぶりだね。」
「ええ、全くですね。 それに元気で何よりです、ジョナサン様。」
「それも、君のおかげだよ。 ありがとう。」
そう言いながら、ジョナサン様は頭を下げ────え゛。
「あ、頭を御上げください────!」
「────君のおかげでこの家と使用人たちはブラックリベリオン時に助かったと
うわぁ……留美さん、話しちゃったの?
って、話すか普通。
「君でもそんな表情をするんだね?」
あ、アカン。 『優男』の維持ガががガガガががが。
「とまぁ、感謝はこれぐらいにして実は君に話す事があってね?」
あ、なんだかいつものジョナサン様に戻った。
俺も『優男』に戻ろう。
「君が長らく学園を留守にしていることは、対外的には『ブラックリベリオン後に行方不明となったカレンを探していた』という事にしている。」
この言い方、留美さんから夜な夜な屋敷からカレンと共に抜け出していたのを聞いて────いや……
さっきの言い方から察するに、ブラックリベリオン時の対策から俺の関係性と、多分他の使用人たちから“よく家を留守にしている”とも聞いている筈。
ジョナサン様が、良識のあるブリタニア人でよかった。
「……ありがとうございます。」
「感謝は要らないよ、事実なのだから。 ただまぁ、学園にそろそろ戻った方がいいと思うがね。 何しろブラックリベリオンの事があったとはいえ、『新学期がそろそろ始まる』という通告をルーベn────学園の理事長の孫が直々に来て伝えたぐらいだからね。」
“理事長の孫”……もしかしてミレイか?
というかジョナサン様、今名前呼びをしなかったか?
ま、いいか。 学園に学生として戻ればいいだけだし。
「そう言えば、久しぶりに見たが……綺麗な女性になったね、ルーベンのお孫さん。」
……んんんんんん?
ジョナサン様が急に小声になったかと思えば、疲れた様子の俺を見ながら手をワキワキとし始める。
「こう……
……………………………………はい?
「あの……ジョナサン様? 疲れていませんか?」
「……まぁ、このところハッスr────ゴホン! 連日で作業をしていたからな。」
今『ハッスル』って言わなかったか、ジョナサン様?
「スヴェン君?」
……………………………………ハッ?!
ま、まさか?!
い、いやジョナサン様に限ってはないと思いたいが……わ、話題の転換をしよう。
「そう言えば、ここに来る間に家の者たちが随分と変わっていましたがどこの者たちでしょうか?」
「おお! よくぞ聞いてくれた 実は────!」
おはぎちゃん:もうちょっと空白期間の話が続くよ♪ ヽ(。´・ω・`。)ノ