楽しんで頂ければ、幸いです。 (⌒_⌒;
第181話 イベントからは逃げられない!
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とある少女の視点
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『とある夢を見ている』。
かなりありきたりなセリフだが、『夢』と『現実』の区別はなんだろうか?
『認識』を基準だとどちらも脳が見せているモノだとすれば、もしかしたら私は
一人の人間にしては長すぎる、数えきれないほどの夜を重ねては朝を迎え、転々と住む場所を動くことをするまでは『異端』と夢の住人たちによって数々の死に方を経験した。
ようやく放浪者になって世界を旅する間に、『コード』という不老不死の
『ギアス』とは大きな力を得る代償として、その人にとって『かけがえのない物』を掠め取っていく。
それで狂う人を何人も……
本当に何人も見てきた。
……………………今何故か本当にふと思ったが、『蓮夜』と言う少年は少し違ったな。
彼はダッシュと言う半端物によって、私のギアスの洗礼が『発症のカギ』となる
それどころか『生きる』ことを止めなかった結果、生きた。
シャルルも、マリアンヌも、ヴィクトルも、呪いを力として世界を変えようとして私とも志を一時は同じにしたが結果的に一人の暴走で袂を分かたざるを得なかった。
そんな彼らは
その線で行くと、あの二人の子供である坊やもたった一人の妹を生かせるために力を欲したな。
彼は自分の起こす戦いにより、多くの人々を巻き込んで次第に世界を巻きこんでその結果、『愛する者の敵を取る為』や『友の為に』と言う理由で戦いが戦いを呼ぼうとも。
そう考えれば、皆は……『
私は……どうだろう?
私は────
……
…
「トウキョウ租界管轄、こちら2のD4機。 間もなく空域に入ります、聞こえますか?」
隣から来る声に目を覚まし、窓の外を見るとはるか遠い地上は『ボロボロの廃墟』という名の砂漠の中にオアシスの様な『開拓されていく租界』の景色が目に入る。
『こちらトウキョウ租界管轄、飛行目的は広報宣伝で間違いないか?』
「変更なし。 滞空時間も申告どおりの時間を予定。」
『了解……レーダーで確認、上空飛行を許可する。』
「対応、感謝します。」
隣に居る金髪の少女が通信を切り、ホッとした息を吐き出す。
『レイラ』…………なんだっけ?
取り敢えず、『かつて私がまだギアス嚮団に居た頃でいつものように気ままな散歩に出た先の森の中にある湖で飢餓状態だった少女』だ。
長すぎるからもう『レイラ』と呼ぼう。
それにしてもどういう道を辿れば、あの時気ままに助けた少女とまた出会うのだろうか?
そう言えばマオもだな。
この間は……『エデンナントカ』というのは知らないが、『クリストファー・チェンバレン』という懐かしい名も話に出てきた。
こんなに昔のことが頻繁に次々と夢や現実に出てくるなんて、今まではなかった。
それに坊やにも驚いたが……あの若造の事だ。
坊やはとやかく私のことを
「────??? どうしたのです、C.C.さん?」
どうやら思っていたより長く考えに耽っていたようだ。
これも『夢の一部』と思えばいいか。
「いや、なんでもない。」
そう何時もの調子に戻りつつある意識でハッキリと返し、枕代わりにしていたぬいぐるみたちを抱いて窓の外を見る。
マーヤがアッシュフォード学園から見上げていた『とある気球』の中で、トウキョウ租界管轄と音声のみの通信でやり取りをしていた、歩兵用の強化スーツ(ラビエ親子製)を軍服のインナーのように着込んだレイラは隣で座りながら『家族のチーズ君』たちを抱いていたC.C.に素っ気ない返事をされても彼女を見続けていた。
「(……………………………………そういえば
「いえその……本当にどこかで、C.C.さんを以前に見たような気がして……」
「そうか? “会っていた”としても、そこまで曖昧なモノなら“会っていない”のと同然ではないか?」
「その……すみません。」
「そこで普通謝るか?」
「はい???」
ハテナマークを浮かべる生真面目なレイラからC.C.は気まずく面白くなさそうな表情のまま視線を後ろに移すと黒の騎士団仕様の月下、無頼、そして月下に似た別の機体が数機ずつあった。
彼女は知る由もないが、原作ではこの時点で黒の騎士団は死に体で大した戦力も残っておらず、文字通りの『最後の賭け』に出てゼロ(であるルルーシュ)の奪還を卜部と数十人の団員で試みていた。
その虚しく、重い空気のまま「別れの杯」を飲む姿はかつての日本軍が特攻に出撃する前のモノだった。
だがここには卜部だけでなく原作ではブリタニアに捕まっていた仙波や朝比奈、更にはブラックリベリオンでほぼ無意味な死を遂げた井上や吉田もいる上にどんよりとした空気どころかやる気に満ちていた皆の姿があり、明確な作戦の方針を練っていた。
「それにしても良いのか、お前?」
「何がです、C.C.さん?」
「……………………(なんだか年寄り臭いから)さん付けは止せ。 私が聞きたいのは、“黒の騎士団でもないお前がここに居て良いのか?”、という事だ。」
「今回の
「なるほどな……ちなみにその『既に潜入している』とは、あの女みたいな小僧たちと黒髪のヤツらの事か?」
「後は
「ブフ?! しゅ、シュバールだと……ジュースみたいで、良いあだ名だ。 (なるほど、アイツが言っていた『シュバール』とは若造の事だったのか。)」
「えっと……『あだ名』などではなく、
「────いや、その言い方が若造の癇に障りそうだ。 (マオや
ヴヴヴヴヴ。 ヴヴヴヴヴ。
C.C.のポケットから振動音が響くと、彼女は携帯を取りだして送られてきたメッセージを確認する。
「……よし、取り敢えずフェーズワンは無事に成功したようだ。」
「なら、気球を予定通りにバベルタワー方面へ向かわせます。」
…………
………
……
…
トウキョウ租界の、ルルーシュが今日も違法なギャンブルで儲ける筈だった会場前に人だかり出来ていたことに疑問を持っていたルルーシュが周りの人たちに何事かと聞いたところ────
「────『大会が急遽キャンセルされた』?」
「ああ。 何だか
「警察もか?」
「ほらこの頃、放火魔事件が結構続いているだろ? 同一人物と見ているらしい。」
「(放火魔事件……このところ、裏カジノを集中的に狙っているのは逆恨みだろうか? だとしても、俺が寄ったカジノだという事は偶然か? それとも────)」
「────兄さん、もう戻った方が良いんじゃない?」
「(ロロも『警察に事情聴取をされたらヤバイ』と感じているか。 ならそうだな。 今日はもうやめに────)」
ルルーシュは憂鬱な表情で口を開けるとふと、上空に浮かぶ気球が目に入る。
ゆったりとした動きをする気球は『建設中でも、バベルタワーはオープン!』と高らかに宣伝をしていた。
「兄さん────?」
「────ちょっと遠出になるけれど、今日はバベルタワーに行ってみようか?」
「ッ?!」
「学生でも、金さえあればカジノは大歓迎するだろうさ────ってどうした、ロロ? そんな顔をして?」
「う、ううん……でも良いの? 租界の外縁部だよ?」
「あそこなら、建設中とはいえ大きい施設だし治安もそこそこいい筈だ。 最悪、デパートもあるから気晴らしになる。」
「兄さんが、それでいいなら……ちょっと天気予報を見るね? この間みたいな大雨は嫌だから。」
「ああ、助かるよロロ。」
ロロはハート形のロケットが付いた携帯を取り出しては、
『ヴァルハラ作戦の予測バベルタワーにて発生。 7号プランに基づいたスタンバイを要請する』、と。
このメッセージをロロが送ると一斉にトウキョウ租界中の機密情報局の者たちに通達されると彼らは早々に一応の礼儀として事が起きた直後に作戦地方の管理局────つまりは政庁────にいつでも『機密情報局の作戦が決行中』という報告が出せるような準備も行い始める。
「(ロロには感謝している。 俺の我儘に付き合ってくれるし、何より必要以上に制止の言葉をかけない……自分でも知っている、こんなことを学生の俺がやったって何の意味も……)」
そんなことが裏で起こっていると知らないルルーシュは、ロロが運転するリヴァルのバイクのサイドカーでやるせないイラつきを感じたまま『大企業や貴族によって完成されたブリタニア帝国の社会の中でどう無難に生きられるか』を暇つぶしに再び思考を巡らせる。
……
…
ほぼ同時期、中華連邦の総領事館から『大宦官が着任の挨拶に来る』という通信を受けたトウキョウ租界の政庁は慌ただしかった。
理由は単純に『来るタイミングが通信の数時間後』という、外交的には殆んど『無礼』に値する中華連邦に対して租界の駐屯兵の8割を呼び寄せて武力による威圧を与えながらも歓迎する準備を並行に行う為だった。
「私は好きではないね、こういうのは。」
まるで蜂の巣をつついたような政庁の様子を、クロヴィスが自室の窓から見下ろしながらボソリと上記の言葉を口にする。
「殿下────」
「────分かっている、ギルフォード。 今の私は総督でも何でもないが、礼儀も何もない中華連邦の突然な訪問にここまで慌てなくとも……」
「いえ、私が言いたかったのは“これから自分はカラレス総督のお供をするのでライラ皇女殿下の安否や外の様子で現実逃避をしないでください”という事でしたが────」
「────ング────」
「────次いでに言いますとライラ皇女殿下からすでにこのようなことを言う許可は既に得ております────」
「────グ……」
クロヴィスはズバズバとした指摘をされ、いくつものメタな矢がぐさりと突き刺さっていく。
…………
………
……
…
「(ハァ~……バニーはええの~♡)」
バベルタワーの中にあるカジノがあるフロアの裏部屋に髪を金髪に染めてディーラー制服を身に纏ったスヴェンがマジックミラー越しにバニーカジノの様子を見ていた。
「あ、
「ええ、まぁ。 そのような情報は入って来ていませんが、他の女性の従業員たちに“警戒を怠るな”と言ってもらえますでしょうか?」
「ええ、いつもありがとう。」
「いえいえ、こちらこそ。」
スヴェンはまたも『ガレス』と言う偽名を使い、カジノでバイトをしていた。
着ている服装から察せる様に、カジノに雇われた一人のディーラーとして。
そして裏社会の有力者たちの間で流行っている、名誉ブリタニア人やナンバーズの女性を対象にした『兎狩り』と称される遊び────と片付けるにはあまりにも悪質な、文字通りの『
スヴェンは(少々の彼自身に下心がありながらも)アニメのR2で見た『兎狩り』が、決してルルーシュに負かされたチェス名人一人の遊びではない事を知って『どうにかできないか?』と考えた末が『情報網を使って出来るだけ被害を抑える』ことだった。
一応暗黙の了解は『同意の上』となってはいるが、何らかの代償さえその『狩り場』を仕切っている組織に払えば『身請け』と言う形で交渉は成立してしまう。
身請けする相手が
「(いや、まぁ……うん、ちょっとと言うかかなりダークな内容だったよ。)」
元々は『いつか訪れるルルーシュの奪還に潜入するカレンの為』だったが『ついでに』という事でスヴェンはこのようなことをし始めた。
『同情の気持ちが無かった』といえばウソになるが。
ガチャ。
そんなことを考えながら目の保養を楽しんでいたスヴェンのいる裏部屋のドアが開く音がする。
「えっと……着替えましたけれど────」
「────あら、サイズピッタリじゃない────!」
「(────ん? 何だか聞き覚えのあるような遠慮する声────)────ほ?!」
スヴェンがマジックミラーの硝子に反射された人物を見ては素っ頓狂な息を吐き出してしまい、ゆっくりと振り返りと黒髪に薄い茶色の目とご立派なスタイルをした新人バニーを見る。
「(バニー
「………………ひゃわ?! ほ、ほんとにいた。」
そして金髪に髪を染めたスヴェンを見たアヤノは最初『誰こいつ?』と言う表情から、次第に目が見開かれていく。
「??? 新人とガレスって知り合い? もしかして恋人とかぁ~?♪」
「「単なる知り合いだ/よ!」」
「ちょっとこっちに来い────!」
「────わわわわ────?!」
「────ごゆっくり~♪」
スヴェンとアヤノがカジノの裏部屋から壁の端に出るドアを出ていくとすれ違うように、アヤノが入ってきたドアから新たな人がおずおずとしながら裏部屋の中へと入ってくる。
「あ、あれ?」
「あら、そっちも着替えたのね。 ピンクが似合っているわ~♪」
「さっきの子は?」
「ガレス君と知り合いらしくてね────ああ、ガレス君はね凄腕ディーラーで────」
「────(なんだかミレイさんに似ている。)」
髪を降ろし、おっとりしたバニーの衣装に着替えた
「あ、えっと……シュバ────?」
「────ここではガレスと名乗っている。」
「そ、そう。」
「どうしてここにいる?」
俺は『優男』から『ポーカーフェイス』に戻ってしまったことに『あ、しもた』と思いながらも周りはスロットや賭博などの娯楽を楽しんでいるガヤガヤとした声や音によって多少の話ならいけると思いながらアヤノに問う。
ちなみに彼女の体を俺ので隠すような体勢であるので、はたからすれば『壁ドン状態』。
つまりそれとなくじっくりと見えるという事だ♪
バニーアヤノって、ええのぉ~♡
出るとこはボンと出て、引き締まるところはキュッとなって、腰のくびれもムオッホホホホホホホホホホホホホホホ♡
それにとても15歳とは思えない長身だけれど、俺もかなり高い方だからノープロブレ────いや問題アリやがな。
何故ここに?
「なぜここにいる?」
もうぶっちゃけよう。
「え? えっと、避難を依頼したでしょ? “ならば数人各フロアに前もって潜入させる必要がありますね”ってレイラが────」
────どういうことなの、そ
あー、『ポーカーフェイスの維持に慣れていて良かった』とこれほど思ったことはない。
冷や汗は流石に出ているが、内心の『なんじゃそりゃああああああああ?!』とエドヴァルド・ムンク氏の『叫び』のような表情は表に出していない。
ともかく今は冷静に慌てよう。
「そうか……だがなぜ従業員の、それもバニーなのだ?」
「あー、あの緑髪の人が────」
────C.C.、珍しく
「そうか。 他の奴らは?」
「他の皆も違うフロアにいるよ? アキトは、ほらあそこのバーテン。」
アヤノの視線を辿っていくと────
「……………………」
────何故か目だけは笑っていないアキトがにっこりとした笑顔を向ける。
正直ちょっと怖い────って今はそれどころじゃない。
「そうか。 その……バニーではなく、別の物に着替えたほうがいいと思うぞ?」
「え?」
「アキトと同じバーテンなどはどうだ?」
「……シュ────じゃなかった。 ガレスがそう言うのなら着替えてくる。」
アヤノが裏部屋に戻り、俺はホッとしながらアキトを見ると彼が意味不明なサムズアップを返し、俺は手を振る。
いや本当に意味が分からん────
「────ガレス君、あちらのルーレットの者と変わってくれるか?」
「あ、はい。 今すぐ行きます。」
横からフロアの支配人の指示に従いながら、『なんでアヤノとアキトがいる?』と思っているとふと、彼女がさっき口にした単語が思い当たる。
“避難を依頼した”と、アヤノは確かに言っていた。
という事は────
「「「「「────ワァァァァ!!!」」」」」
『さぁさぁ、本日注目の兄弟対決のコングが鳴りました! 生き残るのは果たして兄か弟か!何とこの兄弟、多少の武術に心得があるらしくこちらの試合は10ラウンドを予定されております!』
ドアの向こう側が一層騒がしくなり、カジノのスピーカーからアナウンスが流れ、周りのブリタニア人たちから上がる熱気とは裏腹に、俺自身はスゥーっと血の気が引いていくと同時に寒気が走っていく。
このアナウンス、確かR2の一話目でルルーシュがバベルタワーに────
「「…………………………」」
────Oh。
ピンクをメインにした色を持つウサギの耳を模ったヘアバンド。
ストレートに降ろされたショートの赤い髪に青い目と健康的な美肌。
蝶ネクタイにカフスにハイレグ気味のスーツの内部がコルセットの様な『ワイヤーボーン』と呼ばれている芯材でポロリを防ぎつつ、パッドで圧迫されるも逆にその立派なたわわサイズと形を主張する双山。
ピンと姿勢が正されるようなハイヒールに、脚線美を包むタイツ。
手にはシャンパングラスを載せた銀のプレート────うん、もうここらへんで現実逃避をやめようか、俺?
バニーカレンだ。
バニーカレンだ。(大事な事なので二回。)
バニーカレンが居る。
ポカンとして『なんでここに?!』と訴えるような顔のバニーカレンが居る。
逆に俺が知りてぇよ。
どないしてこうなった?
そう考えている間、ルーレットの球に入れる力加減を間違えてしまう。
「大穴を当てたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ヒャッハァァァ!!!!」
危うし俺の精神と時間の狭間に漂う意識、誰か助けて。
ただいま土壇場ハプニングで物理効かない
いや、操作ミスだから普通に混乱でいいのか?
久しぶりに他の人の視点を出しました!
そして久しぶりにテンパるスヴェンでした…… (;´・ω・)
『アヤノのバニースーツの色』ですか?
黒です♪ (♪´ω`)