バベルタワーの異変直前、カラレスはエリア11にある中華連邦の総領事館で総領事を務める大宦官の『
「ようこそ、エリア11へ。」
「大層な出迎えですな?」
政庁の滑走路は『警護』と言う名目で必要以上のサザーランドと歩兵が待ち構えており、『その威圧を物ともしていない』
「ゼロは死んだと聞いていましたが?」
「いえいえ、中華連邦の方々に我がブリタニアを理解して頂くにはこのような景色が早いかと思いまして。」
「存外、ブリタニアは直裁的な手を使うのですね────」
「────ホッホ。
「失礼しました。 (なるほど。)」
カラレスと
実はスバルのメモを見た後の毒島から『大宦官に関しての動向』を桐原は頼まれ、それとなく二人は連絡を取り合っていた。
無論、暗号や隠語を使ったやり取りなので中華連邦に居る『黒の騎士団の監視役』達にはさっぱりだったが少数の人間────特に
「(我々の到来を旧日本のご老人────いや、黒の騎士団は利用するつもりか。)」
ズズゥゥン……
そしてバベルタワーから明らかに異様な音がすると租界内の空域がバタバタしている様子に、
ちなみにこの後、考えに耽っていた
この後カラレスに『バベルタワーを占拠したテロリストの対応に機密情報局が援軍の要請をしている』という報告が入り、ギルフォードが出撃することを提案するが中華料理に使われる調味料を理由にカラレスは『総督自らが士気向上の為に出るべき』と押し通した。
実際はアッシュフォード学園の占拠とマリーベルの誘拐未遂から
…………
………
……
…
「はぁ~……ルルったらロロまで悪事に引き込もうとしているのかな?」
距離と音の反響の所為か、バベルタワーの出来事を『またも租界内で工事している』と思っていたアッシュフォード学園の本校で屋上庭園を生徒会メンバーたちと共に造っていたシャーリーがそうボヤく。
「“悪事”って、なんです~?」
『生徒会メンバー』と上記で記入したが、そこには勿論『準生徒会』の者たちも入っており軍手と麦わら帽子をしたライラがハテナマークを頭上に浮かべる。
「あー、うん……ルルーシュが時々、放課後外出するでしょライブラちゃん? あれってギャンブルしに行っているのよ。」
「……なるほどです! 鬼畜なのです!」
「「「「………………………………」」」」
ライブラの口にした言葉に、その場にいた生徒会のメンバーたちは複雑な表情を浮かべながら固まるが、最初に回復したのは中身オッサンのミレイだった。
「(なんだかちょっとズレているような気がするけれど……まぁ、いっか!) そういうシャーリーってば、本当はルルーシュの事が心配なんでしょ?」
「ふぇ?! ちちち違います~!」
「………………」
「どうしたです、マーヤ先輩?」
「ああ、なんでもないのよライブラちゃん。」
麦わら帽子と軍手を使って作業をしていたマーヤはジッと見ていたバベルタワーの方向から視線を外し、ニッコリとした笑みをライラに返してから中断していた土のセッティングを再開する。
「(マーヤって意外と腕力あるのな……もしかして、シャーリーと同じ体育タイプ?)」
そしてリヴァルは淡々と力仕事をこなすマーヤを見て、そう静かに思っていたそうな。
…………
………
……
…
記憶を取り戻したルルーシュの動きは早く、自分の身の周りと今の状況をマオ(女)から簡単に聞いていると自分たちのいる場所にまで来たC.C.の操るゼロ仕様の無頼の手に、マオ(女)と共に乗りながら答え合わせをしていた。
「あの男、皇帝にギアスを与えたのはお前かC.C.?」
「違う。」
「ナナリーはどこにいる?」
「一応、未確認だが新大陸に居る……
「“らしい”? お前にしては歯切れが悪いな────?」
「────私や黒の騎士団が直接、情報を得たわけじゃないからな。」
「……なら咲世子はどうした?」
「ディートハルトに雇われていたみたいで、ブラックリベリオン時は彼や神楽耶たちと共に中華連邦へ逃げた。 彼女はお前がゼロだと知らないからナナリーの傍から離れていたし、重要性が分からなかったのだろう。」
「……そうか────」
『────C.C.、そこを左です。』
C.C.は通信から来るレイラの声に従うと、バベルタワーの警備室らしき場所へとたどり着く。
「(……どうやら、俺の知らない間にかなりのことが進められている様子だな────)」
『────ゼロ、黒の騎士団の四聖剣さんたちの周波数に繋げますので、彼らの指揮をお願いします。』
「君はいいのか?」
『私はあくまで助言を可能の限りしたまでです。 それに、噂で聞く貴方ほどの方ならばいくつかの作戦を既に立てている筈です。』
「(この女の判断力に、相手を読む能力……有能だな。) そうか。」
「じゃあボクはもう戻るねぇー!」
「C.C.はそいつを送った後、3階に向かってくれ。」
「やはり何か考えがあるのか?」
「まぁな。 ついでに何人か黒の騎士団で爆発物の扱いに長けているやつを連れていけ。」
警備室に残されたルルーシュは端末を通信機に繋げると新たな通信が入る。
『ゼロ、貴方に関することが書かれた手帳を見つけたので鹵獲したナイトメアと共にそちらに一人送りました。 まもなく着く頃だと思います。』
「うん? それは────?」
────キュイィィィン!
ガチャ。
展開されたランドスピナーが出す特有の音がルルーシュのいる警備室の外で止まり、ドアが開かれる。
「(ん? 誰────)────↑ほぁぁぁ?!」
開かれた警備室のドアへ、ルルーシュが何気なく視線を移すと彼の口から変な声が出てしまう。
「あ、アリス?! 何故、君がここに────?!」
「────はい、これ。」
アリスがルルーシュに手渡したのは、現場に出てきていた機密情報局の部隊長が持っていた日記手帳の様な物だった。
「あ、ああ……」
「外に敵のサザーランドも置いていくから。」
「「………………………………………………」」
『ちょっとアリス~? 外で待っているんだけれど~?』
「じゃ、じゃあ! 私は! 他のやることが! ある! から!」
予想もしていない知人との再会をしたルルーシュはどの様な声をかければいいのか迷い、気まずい空気が二人の間に流れるがダルクの通信でアリスはハッとしてギクシャクしながら回れ右をして逃げる退室する。
「(何故彼女がここに? いや待てよ……今思えば、行政特区で彼女らしき人影を見た*1のはやはり間違いでは……いや、今はこの状況を打破するのが先決だ。) こちらゼロだ。」
『え?!』
『ゼ、ゼロの生声……』
『まさか本当に学生だったとはな────』
『────ちょっと待て卜部! 知っていたのか?!』
『うん? まぁな────』
『────卜部さん、相変わらずそういうところは抜けていますね?』
『え?』
「仙波、朝比奈、卜部。 戸惑う気持ちは分からなくもないが、このままだと敵の駐留軍が包囲に留まることをやめて一気に押し寄せる可能性がある。 指示に従えば切り抜けられる。」
ルルーシュは警備室のコンピューターを操作してタワーの構造把握と、通信機を繋げたことで黒の騎士団の配置と敵の情報が指示された地図を元に的確な指示をし出すと形勢は瞬く間に逆転していった。
平常運転に戻りつつあるルルーシュはようやくここで違和感を内心で思い浮かべる。
「(待てよ? 俺の兄弟姉妹に、『ロロ』とかいう弟はいなかった筈だ。 奴は一体────?)」
『P4は階段を封鎖。 R5は左30度にパイルバンカーを射出。 N1、そこから50メートルの天井に向けてリニアライフルを発射────』
やっぱルルーシュってスゲェ!
ちなみにこの機体は以前に俺がヴァイスボルフ城の防衛戦用に作り、聖ミカエル騎士団との戦いで大破させてしまった『村正一式』(長かったから通称『激震』)をアンナたちが回収して解析し、独自に作ったらしい。
つまり『アレクサンダに小型化した武装と装甲を付けた』感じだ。
……取り敢えず“コレってば要するに某15Jの『陽炎』だよなぁ?!”とツッコませてくれ。
流石にBRS────というか男性用パイロットスーツ────は間に合わなかったので通常のラビエ親子の強化スーツに手動操縦だが、かなりいけるなこれは。
ゴツゴツとした装甲は薄いものに変わっている所為で当然耐久性は低くなっているが、機動力で言えば以前の激震以上だし何より俺がやった『木星帰りの男のように
ちなみに俺はバベルタワー内の作戦地区の端を遠回りに移動しながら、出来るだけ毒島等がいるはずの
建前上は『合流』だが、理由は単純に『退却』。
だって俺、バベルタワーに居たくないもん。
せっかくこのイベントをどっしりと外か学園から構えながらのほほんと見る予定だったのにガッツリ関わってしまっているがな。
とはいえ、『ルルーシュやカレンの事が気にならない』と言えば嘘になるが────え゛。
い、今角を曲がったところで目の前にいるヤツって────
ダダダダダダダダダダ!
────ちょ?!
俺の弾丸をよけた?!
はや?!
スラッシュハーケンのメッサーモ-ド?!
キィン!!
ライフルがぶった切られ────ちょ?!
ヒュン!!
も────?!
────ガキン!
きゃあああああ?!
超接近戦ッ?!?!
キィン!!
いやああああああ?!
「さて……そろそろカラレス総督の出番かな?」
ルルーシュはバベルタワー内の仲間が次々と撃墜されて臆したブリタニア軍が徐々に退いていくのを見て、外部を映したカメラでG1ベースと数々のKMF用VTOL輸送機が近づいてきている景色に視線を移す。
「順調みたいね、ゼロ────」
警備室の椅子に座っていたルルーシュは背後へと首を回し、ディーラーの上着を羽織りながら自分の右肩を押さえるカレンに振り返る。
「────ううん、ルルーシュ。」
「カレン? 21階に行けと言ったはずだが? それとも何だ? ゼロがルルーシュと知って、落胆したか?」
「一つだけ聞かせてほしいの、神根島の事で。」
「なんだ、スザクの事か?」
「それもだけれど……あの時、私を撃った奴を見た?」
「君を?」
想像より落ち着いたカレンに対してビックリしながらも、ルルーシュは神根島のことを出来るだけ思い出す。
「(カレンを撃った奴、か……確かにあの遺跡のドアを潜り抜けるところでカレンが表れて、俺とスザクが睨み合って────)」
『────ッ?! やめろ!』
気が付けばルルーシュは自分がスザクに無理やり地面に伏せられて拘束されたと思えば、スザクが息を素早く呑んでそう叫んでいたことを思い出す。*2
そして辛うじて地面に伏せられながらもルルーシュはスザクの見ていた方向を右目で見て、暗い遺跡内でルルーシュは見たような気がした。
「(そう言えば、カレンが撃たれたという事はあの場に俺とスザクとカレンだけでなく、4人目の別の誰かが……)」
コードギアスの世界でも、珍しい
「(あれは……スヴェンだったのか? だがなぜだ? カレンを撃つ理由など────)」
「────どうなの、ルルーシュ?」
「……確かに、神根島でお前を撃った奴が別にいた。 だが生憎、スザクに伏せられていたから見えなかった。」
「そう。」
「(『嘘』は言っていないが、何も不確かで『見たかもしれない』などというあやふやな情報で混乱させることもない────)」
「────ルルーシュ。 貴方は……ゼロは黒の騎士団で何を成そうとしたの?」
カレンは拳銃を背後から取り出し、それを手に取っていた。
「怒っているのか? だとしても、『ゼロに付きたい』と思ったのは皆の自由意志────」
「────アンタのギアスの事、聞いたわ。 『他人を思い通りに命令できる』のでしょ?」
「……」
「答えて。 それを黒の騎士団に……私や皆に使った上で何をしようとしたの?」
カレンの問いにルルーシュは黙り込むと、彼女は再度問いを投げた。
原作の彼はここで、色々なことがルルーシュの知らないところで進み、誰が果たして自分の敵や味方なのかわからない状態だった故に言葉を濁した。
だが────
「君にギアスを使ったのは力を得て間もなかった頃だ。 君がシンジュクに居たかどうか聞いた後、ヘマをして“シンジュクの事は誰にも話すな”と言った時だよ。 覚えているかい?」
────ルルーシュは原作ほど濁さずに、本音に近い答えを返した。
「………………そう。」
「黒の騎士団は……強いて言うのなら“タイムカプセルを埋めるときのスヴェンが口にした願いに似たものをかなえるための手段”、かな?」
「かなり饒舌ね?」
「まぁな。 君(たち)にはそれぐらいは話しても良いと思っただけだ。」
「……彼のとは、違うんだね。」
「そうなるな。」
ルルーシュはこれ見よがしに平然と座ったまま、拳銃を握るカレンの視線を返す。
『ゼロ! ブリタニア軍の増援が来た!』
『すごい数だ。』
「ふむ。 マルカル司令、そちらの作戦の進み具合はどうだ?」
ルルーシュは通信の周波数をアマルガムの物へと変える。
『こちらは順調です。 恐らく、貴方が考える策までには間に合います。』
「そうか。 そちらに爆発物の取り扱いに慣れている奴がいれば3階に送ってくれ。」
『ブリタニアの進行は始まりましたか?』
「ああ、上空と地下から同時に攻め込んできているな。」
『では本作戦、
「(この女……やる。) そう言う事だ。 君の送る奴に最終チェックを行ってもらうが、かまわないか?」
……
…
「(こちらを試すような言い方と、このタイミング……やはりゼロの作戦は、『バベルタワーの転倒』で間違いないわね。)」
レイラはアレクサンダ・スカイアイ改に乗りながらその日、バベルタワーに居合わせた客や従業員などを避難時にアマルガムの者たちが誘導したバスたちを見る。
簡単に言うと、スバルからゼロ奪還時に起きるであろう『バベルタワー事変』の避難を、ゼロが取ると思われる作戦に便乗するつもりだった。
普通に避難をすればブリタニア軍に保護される前に機密情報局に皆殺しにされてしまう恐れがあるのでレイラはドローンなどを使って彼らを一気に制圧を試みたが少々時間がかかってしまい、ブリタニア軍による包囲が完了してしまったことで無事に民間人を逃がせる状況ではなくなってしまった。
否、ブリタニア人
何せカラレスは『テロに関連した疑いがある』というだけでナンバーズだけでなく、名誉ブリタニア人でさえも処刑している。
このまま放せば文字通り、
そこでレイラが毒島たちに頼んだのは、『転倒したバベルタワー内を進んで通じた先の中華連邦の領事館を経由した避難』だった。
これならばブリタニア人、非ブリタニア人に関係なく無事に避難させることが出来る。
ただしこれを成立させるためには『中華連邦の大宦官が在任中』であることと、『バベルタワーを橋として黒の騎士団が利用する』が前提となる。
何せ、レイラたちに依頼したスバルは『極力アマルガムの関与を世界に知らせたくない』という条件を付けていた。
そしてこの条件に沿う為、レイラはアマルガム側を『黒の騎士団』と偽らせて行動させていた。
余談で機密情報局
「(後は、こちらに向かっている
レイラは一息入れながら、通信をスバルに送るが音沙汰がないことに眉毛を『ハの字』に変える。
「サエコ────」
『────どうしたレイラ? 例の“体感停止”とやらを仕留めたか?』
「いえ、そちらはまだ捜索中なのですが……シュバールさんからの返答が────」
『────レイラか?!』
「ッ?!」
ようやくスバルから返事が来るが、いつもより高い音量と彼の焦り具合から尋常じゃない事態に彼が巻き込まれていることを物語らせていた。
「シュバールさん、どこですか?! そちらにサエコやドローンを向かわせ────!」
『────ダメだ!
「────それはどう────?」
『────
地獄の鬼ごっこの逆襲! (;・∀・)ノ