小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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楽しんで頂ければ幸いです!


第187話 それぞれの見方

「アッハッハッハ! あれが噂のゼロか!」

 

 ブリタニア本国の最高戦力であるラウンズが定期報告も兼ねた、よほどの用が無ければ何ヶ月に一度集まる集会場で、ルキアーノは先日のゼロを愉快そうに語らう。

 

「最高だ! 奴は分かっている! 国に必要なのは愛国者とその国の在り方に不満を持つ反徒共の争いだ!」

 

 「はた迷惑。」

 

 そんなルキアーノを『ウザ』と訴えるかのような言葉をジト目と共にアーニャが送る。

 

「そうか? ゼロは起爆剤だ!」

 

「そっちじゃない。」

 

「あ?」

 

「言葉をわきまえよ、ブラッドリー卿。」

 

「……あー、ゼロ討伐には対テロ専門の組織を持つ英雄皇女殿下が向けられるんじゃないかな?」

 

 現ラウンズ最強のビスマルクの言葉にルキアーノは肩をすくませ、ジノはギスギスし出した場の雰囲気を変えようとした。

 

「グリンダ騎士団。」

 

「そうそれ! ナイスだアーニャ!」

 

「……トリスタンだけにトリ(頭)。」

 

「え?」

 

「コホン……因縁浅からぬ相手だけに、枢木卿が向けられるという噂も耳にしました。 その所為で、彼がここに居ないとのことも。」

 

「相変わらずクルシェフスキー卿は耳が早いね!」

 

「……グリンダ……いや、大グリンダ騎士団はエリア24の平定中。 それに急激な拡大を成したマリーベル様を危険視するような声が他の皇族内から出ている。 『彼女をテロ討伐に』、は低いね。」

 

 どこか面白くない表情に、先ほどのルキアーノのように肩をすくませるノネットの言葉にルキアーノがニヤニヤし出す。

 

「兇状もちだもんな、英雄皇女様は。」

 

「不敬罪。」

 

「褒めているつもりなんだが?」

 

 ピロン♪

 

「記録。」

 

 「オイバカヤメロ、ブログに乗せるなよ?!」

 

 ピロン♪

 

 オイィィィィィィ?!」

 

 この後、兎……と呼ぶには獰猛すぎる小動物っぽい何かを全力で狩ろうとする獅子のようなアーニャとルキアーノのやり取りをビスマルクがルキアーノ、そして遅く来たドロテアがアーニャを捕まえて無理やり止めたそうな。

 

 ……

 …

 

「……………………」

 

 ゼロが『合衆国日本』の宣言した翌日、中華連邦の領事館の一部でカレンはベッドに寝転がりながらラッコのぬいぐるみを宙に押し投げては重力に引かれて落ちるそれを再び手にするという行動をボーっとしながら続けていた。

 

 彼女はレイラや毒島から聞いた話のほとんどを理解できなかったことにモヤモヤした気持ちになっていた────

 

「アイツ、大丈夫かな?」

 

 ────訳ではなく、逆にスバルのことを心配していた。

 

「(レイラや毒島さんたちから見ると、アイツ()がまるで一人で何もかも全部できちゃうような感じに話しているような……)」

 

 確かに第三者からすればスバルは博識で行動力もあり、それでこそ『超人』と見えなくもないだろう。

 

「(だけどなぁ……)」

 

 そう思いながらカレンが脳内に浮かべたのは、今日の話でようやく繋がった『リア・ファル』で見た孤児らしき子供たちとエデンバイタル教団、スバルが斬殺したブリタニアの研究員たちらしき()()

 

 そして────

 

「(────あの時の昴、すごく悲しそうで寂しい様な……近くにいるはずなのに、遠くにいるような感じだった。)」

 

 ポス。

 

「……私にできることはないかな?」

 

 ここでカレンはぬいぐるみのキャッチボールを止めて、ベッドの上に寝転がる。

 

「やっぱりいつも通りの振る舞いで、支えるとかかな?」

 

 そう尋ねてもぬいぐるみが応えるわけもなく、カレンは兄のナオトが居なくなった頃から何かと自分の相談などに乗るスバルを思い浮かべる。

 

「(だって独りは……やっぱり寂しいよね?)」

 

 ……

 …

 

 カレンが上記のように一人で悶々と考えている間、同じ領事館内の一角にある別の個室で下着姿の毒島は緑と白色、つぶらな瞳と小さな手足が目立つすくすく〇澤モドキ(角ナシ)のぬいぐるみ────『おはぎちゃん』(毒島命名)を枕代わりにしていた。

 

「(うーむ、やはり今日話し合ってみたがスバルは相変わらず凄い。 憶測だがこうも意見が揃うとな……この様子だとメモの事も()()()残したという可能性も……)」

 

 何を思ったのか、そこで彼女はおはぎちゃんのお腹に値する部分に顔を埋めて盛大にしなやかな足をバタつかせた。

 

 ぬああああああ! 昔から知っているだけに凄すぎる! 幼い頃におじいちゃんに泣きついたのが恥ずかしくもいい思い出になるとは想像もしていなかったぁぁぁぁぁぁぁ! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 力一杯に叫んでいたので、もしおはぎちゃんが生き物であったのなら確実に涙目になりながらキューキューとした鳴き声に手足をバタバタさせていただろう。

 

 「いったい! いったいどれだけ先を見ているのだ彼はぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 このような夜を過ごしている所為でいつの間にかぬいぐるみの洗濯に毒島が慣れているのはきっと気のせいだろう。 ウン。

 

 ……

 …

 

「うーむむむ……」

「ゼロが学生だったことにも驚きだけれど、まさか……えっと……そっちのグループの名前は何だっけ?」

「アマアマガムだ、朝比奈。」

「アマルガムです、卜部さん。」

 

 パイロットスーツからEUの軍服に着替えたレイラは朝比奈、卜部、そして仙波の、実質的に現在の黒の騎士団で発言力(と人望)がゼロに次いで大きい三人と現状と今後の事を話し合っていた。

 

 普通ならここに毒島も加わるのだが────

 

「なかなかに愉快な名前だな、四聖剣の卜部?」

 

 ────その代わりなのか、『ゼロ役』を終えて私服に着替えたエルが居た。

 

「コーヒー、ミルクだけでいいのか? 味噌もあるぞ?」

「醤油ですよ、卜部さん。」

 

「……………………なんだそのチョイスは?」

 

「ま、まぁ……人の好みはそれぞれですから。」

 

 エルのヒクつく表情にレイラが卜部と朝比奈の味音痴をぎごちなく弁解する。

 

「気にするな、卜部と朝比奈が()()なだけだ。 それで、今の状況をそちら(アマルガム)はどう見るのだ?」

 

「表面上、ブリタニアとのにらみ合いは中華連邦側の大宦官が現在の……人ならば少しの間は持つでしょう。 脱出ルートも確保しておりますので、いざとなればエリア11から逃げることも可能でしょう。」

 

「ワシが聞きたいのは、“ブリタニアがどう出るか”の予測だ。」

 

 他の者たちのコーヒーと違って紅茶をレイラはすすり、手を顎に付けて考え込むような仕草をする。

 

「……カラレス総督が重傷で動けない今、総督代行を仕切っているギルフォード卿ならば、短期決戦を目指した手段で出られると思います。」

 

「短期決戦?」

 

「ええ。」

 

「その根拠は?」

 

「今まで得た情報によると、ギルフォード卿は非常に有能で『帝国の先槍』の異名を持つ騎士道精神に溢れている戦士です。 彼ならば、ゼロの演説による脅威に気が付いている筈です。」

 

「ブリタニアが植民地としている領地に突然国が宣言されたのだ。 さぞや内心、慌てているだろうな。」

 

「それだけでないですエルさん。 ゼロは未だかつてないほどに反ブリタニア活動が可能であることを証明しています。 時間が経つにつれ、ゼロの元に現ブリタニアに不満を持っている人々は雪崩込むでしょう。 現に、租界の外には既に大勢の旧日本人たちが殺到しています。」

 

「なるほど……ブリタニアからすればゼロはすぐにでも潰しておきたい存在だという事はわかった。 先ほど言った『手段』に目星はついてあるのか?」

 

「……捕らえられている黒の騎士団員たちを人質に公開処刑の宣言などですね。」

 

「それは……いや、相手はブラックリベリオンで藤堂さんの一騎打ちに応じるような奴だ。」

 

「それに奴は行方不明となっているコーネリアの部下だ、政治的な意味合いでも捕虜を条件にしてゼロをあぶりだす可能性はあるだろう。」

 

「それとここにいる皆さんに()()()があるのです。 ゼロの正体に関してあの藤堂鏡志朗にも黙ってもらいたいのです。 前回は状況が状況だけに仕方のないこととはいえ、正体を知られるのはゼロの意思によるものではありませんでした。 それに正体が広がればゼロの立場だけでなく、我々アマルガムも動きにくくなります。」

 

「………………お願いはしていいが、我々がそれを守るという保証は────」

「────そうだな。 保証はお前たちの首だけでいいだろう。」

 

 仙波の挑発的な言葉をエルが遮ると四聖剣の三人は部屋の温度が下がった様な錯覚を感じ、気が付くと向かい側に座っていたはずのエルは椅子ごと彼らの背後に回っていた。

 

 その目にもとまらぬ速さと不気味さに卜部たちは文字通り肝を冷やしたそうな。

 

「(う、うーむ……少々やり過ぎた感じはありますが、効果的なのは認めなくてはいけませんね。)」

 

 対するレイラも内心ヒヤッとしながらも頭を抱えたい気分だった。

 確かにこのようなためにエルが同席することを頼んだのは彼女自身であるが、レイラもまさかエルが本気の殺気を飛ばしながら脅すとは思っていなかった。

 

「(それにしても、『建国』ですか……)」

 

 レイラはそう思いながら天井を見上げた。

 

「……あ。 そういえばラクシャータさんたちが人を送ったそうですが?」

 

 レイラは肌寒くなったその場の空気をよくするために、話題を変えた。

 

「ッ。 あ、ああ。 黒の騎士団に入団したい奴らがどんどん来るから、中華連邦から何人か来るらしい。」

 

「本当なら、僕たちだけで足りるのだけれど……」

 

「???」

 

 卜部と朝比奈が歯切れの悪い言い方をしたことに、レイラはハテナマークを頭上に浮かべる。

 

「あー……ラクシャータ曰く、我々に『入団者の基準』を任せると軍事に傾き過ぎるらしい。」

 

「……………………ああ、なるほどです。」

 

 レイラは自分たちwZERO部隊が加わるまでのアマルガムを思い浮かべながら仙波に同意した。

 

「あと、話に聞いたのですが送られてくる人たちの中にインド軍区の技術者がいると聞いたのですが────?」

「────ああ。 旧日本人とインドのハーフの事か。 かなり優秀だと聞いたぞ?」

 

「なぜそのような方が────?」

「────“人工島の事で手いっぱいだから無理”、だと。」

 

 今までアマルガムと同行しすぎた所為で、以前から黒の騎士団に頼まれたが大幅に遅れている依頼やほったらかし途中段階で開発が止まったモノなどをwZERO部隊のアンナたちという助手たちを無理やり借りた得て再開したので、インド軍区から送られてくる新人の世話どころではなかった。

 

 ちなみにラクシャータに送られてくる人材は一癖も二癖もある者たちばかりだったのが決定的だった。

 

『体のいい厄介払い』?

 そうともいう。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「バベルタワーの事件以降、ルルーシュ・ランペルージに特段の変化は見られません。」

「偽装した監視役も47────いや。 監視役48名による睡眠時間以外の行動でルルーシュと行方不明のカルタゴ隊を結びつける情報は上がっておりません。」

 

 バベルタワー事件から数日間ほどが過ぎ、アッシュフォード学園の地下にある機密情報局の拠点でエージェントたちは報告を照らし合わせていた。

 

「そうか────」

「────本当にルルーシュがゼロとして復活したならば、わざわざ学園に戻ってくるのはナンセンスです。」

 

 機密情報局の会話に、携帯電話についていたロケットを弄っていたロロが口をはさんできたことに機情の者たちはギロリとした視線を送り、場は一気にギスギスとした空気に包まられたことにヴィレッタはため息を出しそうになる。

 

「ほかに、奇妙な出来事はないか? 些細な事でもいい。」

 

「……あ。 いや、でも……」

 

 機密情報局でも若手に一人の男性が口を開けては口ごもってしまう。

 

「なんだ?」

 

「あ、その……直接的な関係があるかどうかわかりませんが数日前、トウキョウ湾にて()()死体が発見されています。」

 

 「ぷっ。」

 「なんだそれは?」

 「これだから若い新人は……」

 

 若い男性の言葉に他の者たちは笑いを堪えたり、鼻で笑うようなことをすると若いエージェントは萎縮してしまう。

 

「話を、続けろ。」

 

 だが逆にヴィレッタは先ほどの憂鬱そうな表情から、真剣なモノに変わった。

 

「あ……っと、発見された死体は変死を遂げており、警察の鑑識報告によると死後数日間は経っていて、かなりの拷問をかけられた後にわざとトウキョウ湾に捨てられたそうです。 指紋を取る部位や歯が抜かれていたのでDNA調査では“キング”と名乗っていた、租界マフィアの幹部と一致して────」

「────キング────?」

「────確かルルーシュがチェスで────」

「────それのどこが『妙』なのだ?」

 

 しびれを切らした機情の同僚がイラつきを隠そうともせずに問う。

 

「えっと……その“キング”とやらの胸に、刃物か何かで旧日本語の言葉がえぐられて────」

 

 若い男性は携帯電話でそのニュースが記入されているサイトを調べ、画像を出すとケガが全く見当たらない変死体の胸に浮き出ていた『Divine punishment for Pigs(豚への天誅)』を見せる。

 

「うぇ。」

「なんでこんな……」

 

「(これは……)」

 

 いやな顔をする者たちをヴィレッタは無視して、彼女は警察の報告や鑑識の画像などをよく見る。

 

 一見すると雑に見える、()()()()()()などを。

 

「(もしかして、スバルさんなの────?)」

『────ふえっくし!』

 

 丁度その時、くしゃみがモニター画面から出る。

 

『どうしたスヴェン? 風邪か?』

『いえ、ちょうど鼻がムズムズしただけです。 それに風邪など子供の頃以来ですよ。』

 

「チ」

「学生は気楽でいいな。」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 ルルーシュはバベルタワーからの間、不自然なことをせずにそれとなく会話などで情報収集を行っていた。

 

 それから得た情報は以下の通りである:

 

 1. 監視データの送信先はアッシュフォード学園の地下

 2. 学生や以前からの教師たちの記憶から『ナナリー・ランペルージ』という学生は『ロロ・ランペルージ』に変えられている

 3. 常に自分に視線が向けられている

 

「(その上、画像データも改竄されているな。)」

 

 ルルーシュはクラブハウスに置いてあるパソコンのマウスをクリックしながら次々と写真を閲覧していく。

 

 ナナリーがいた筈の写真は巧妙に手が加えられ、あたかも最初から写真がそうだったとしか思えないほど違和感のない様に彼女の姿は消されていた。

 

 それどころか無表情なロロが代わりに所々居た。

 

「(そしてC.C.の言った、『ナナリーが新大陸にいるらしい』────ん?)」

 

 そしてルルーシュは違和感を持った。

 

 その違和感とは、()()()()()を境にずっと無表情だったロロの表情が柔らかいモノへと変わっていたことだった。

 

「(この変化……日付けは……いや、まさかな。)」

 

「どうしたの、兄さん?」

 

「(おっと。) いや、どれだけ会長がイベント好きか再確認していただけさ。 留年しててっきり落ち込むのかと思っていたら例年以上に次々とイベントを始めたからさ?」

 

「ふーん……よく包囲網の中から()()()()()ね?」

 

「何言っているんだよ? それを言うなら“どうやってテロリストから逃げたか”、だろ? 建設中のエリアに非常通路があったんだ。 お前に連絡しようとしたんだけれど、電波が届かなくてさ? (言葉で引っ掛けるつもりか? 幼稚だな。)」

 

 チャリ。

 

「(あれは……)」

 

 内心であざ笑うルルーシュの耳に金属のチェーンが擦れる音にロロが握っている携帯電話に付けられたハート形のロケットが目に付くとルルーシュの胸がざわつく。

 

「(そのロケットは俺がプレゼントとして、10月25日の誕生日に渡した────いや、以前からナナリーの為に予約を入れておいた物……) ロロ、そのロケットさ? よく考えたら男性に送る物じゃなかったな────」

「────え────?」

「────だから、返し────」

 「────だ、ダメだよ!」

 

 ルルーシュがロケットを手に取ろうとした瞬間、さっきまで仮面みたいなロロの表情が酷く動揺したものへと変わる。

 

 「こ、これは兄さんに貰った! だから僕のなんだ!」

 

 ガッシリと携帯電話とロケットをロロは両手で力強く握りながら、幼い子供がおもちゃを取り上げようとする親に対してするような主張にルルーシュは面食らう。

 

「あ、ああ? 分かったよ。」

 

 そうルルーシュが声をかけた瞬間、ロロの強張っていた顔は明らかに緩む。

 

「(何なのだ一体……そこまで嫌がるとは……いや、演技だと思えば大したものだがもしやこいつ……)」

 

 そう疑心暗鬼になっていたルルーシュと相対していたロロ自身、なぜ急に内心ヒヤッとしたのか分からず困惑していた。

 

 

 


 

 

 やぁ、俺スバル。 スヴェン。 もしくはシュバール。

 

「スヴェンせんぱーい!」

 

 現在コードギアスの世界に転生(多分)してから最大の危機。

 

 「最近のライブラさん、スヴェンの周りに居ることが多いわね?」

 「やっぱりそう思う?」

 「ロロの足が治ってからだよね?」

 

 え? なに? 何なのこの状況?

 俺、何かライラ(ライブラ)にした?

 何で事あるごとに、接触しようとしているの?

 

「せんぱーい!」

 

 いや、だからロロが居ない時でも同じだって!

 機密情報局の目があるから!

 

 だから頼むから付け回すのやめてくれよ~。

 泣いちゃうゾ~?

 

 「ねぇニュース見た?」

 「見た見た! 黒の騎士団のことでしょ?」

 

 ん?

 

 ドシッ!

 

「へぶ?!」

 

 急に俺が立ち止まった所為で後を追っていたライラが背中に衝突して変な声を出すが……それよりも今聞いた話が本当だとすると────

 

『────聞こえるか、ゼロよ?! 私はコーネリア・リ・ブリタニア皇女が騎士、ギルバート・G・P・ギルフォードである!』

 

 携帯を取り出してビグロブ(サーチエンジン)で検索するとすぐに検索結果が画面上に流れ、ヒョコっとライラが背後から頭を出してそれを見る。

 

「あ、ギルギルマンです。」

 

 ……………………『ギルギルマン』って別作品の『AUO』なの?

『取り敢えず武器を放出すればええやないか』のゴリ押し金ぴか?

 中の人は魔獣ヤ〇ンだぞ?

 ドモ〇ならまだしも────

 

『────明日15時より、国家反逆罪を犯した特一級犯罪者の処刑を行う!』

 

 ────っと、危うく訳の分からない現実逃避にのめり込むところだった。

 

 マスクが無ければ即死だったぜよ。

 

『ゼロよ! 貴様が部下の命を惜しむなら、この私と正々堂々と勝負をせよ!』

 

 そう言いながら、原作より少ないながらも捕まっていた黒の騎士団の幹部たちの映像がこれ見よがしに放送されていく。

 

 ギルフォードの背後には領事館の周りを陣取っているグラストンナイツ────あ゛。

 

 脳内でギロチン台をウキウキしながら持ってくるコーネリスちゃん様とダールトンがガガガが。

 

 ……だが実際問題、どうやってグラストンナイツの被害を下げよう?

 

 原作でゼロことルルーシュはギルフォードと一騎打ちを受ける体を見せるがその実は租界の死刑を逆手に取ってブリタニアの足場を失くすと同時に捕まった黒の騎士団を領事館の領地に強制移動させた。

 

 その一連でブリタニア側に被害が出て、少なくともグラストンナイツに二人ほど犠牲が出る。

 

 一人は傾いた地形で滑りだすG1ベースの下敷きに、グラストンナイツの『バァァァァトォォォォ!』(ギルフォード風の叫び)は潰される。

 そしてもう一人は黒の騎士団たちの援護に出撃したカレンの輻射波動の餌食になって脱出装置が動かないまま『ぽぺ』される。

 

 …………………………どうしよう?

 

「スヴェン先輩?」

 

 ライラがぴょこんと俺の顔を横から覗き込む────あ、そうだ。

 

「ライブラさん?」

 

「はいです?」

 

「この映像の中のブリタニア軍の配置、どう思います?」

 

「です?」

 

 DEATH(デス)

 

 いや、それはもういい。

 

「見栄えが良くなるためにわざと密集しすぎだと思いません?」

 

 後は、領事館にいる()()()()と連絡を取ろう。

 

「う~ん……よくわからないです!」

 

 うん。

 元気いっぱいの満面の笑み、ごっつあんどすえ。

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