小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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お待たせいたしました、少々長めの次話です。

楽しんで頂ければ幸いです。 m(_ _)m




第192話 『歓迎会』と言う名の爆弾

「お待たせしました~! ただいまより、ナイトオブセブンの歓迎会を始めま~す! 主賓、挨拶を!」

 

「あの、言わないとダメですか?」

 

 生徒会用の放送室の中でマイクを渡されたスザクは困惑しながらも困った顔で周りを見る。

 

 リヴァルは苦笑いをスザクに返し、シャーリーとライラは明らかにワクワクして待っていて、ルルーシュは憐れむ目を向け、スヴェンに至ってはアーサーに足首を噛まれながら笑っていた。

 

 ハイライトが消えた目だけは笑っていなかったが。

 

「…………ダメみたいですね。 スゥゥ……にゃー!

 

 スザクがアーサー()風の声を出すとアッシュフォード学園は一気にどこもかしこも活気に満たされていく。

 

 部活の見世物のバンジージャンプや乗馬体験、屋台や衣装の貸し出しなど。

 

「(これが学園の『普通』なの?)」

 

 そう思い浮かべながらロロは生徒会の一員としてガヤガヤとした学園内のチェックをしていた。

 

 尚『ナイトオブセブンの歓迎会』とミレイは放送室で口にしたが学園の門には『アッシュフォード学園の定期フェス(Ashford Academy’s Annual Festival)』と門の上の看板には書かれていた。

 

「(…………………………なんか趣旨がズレている気がする。)」

 

 ロロはそのまま、ルルーシュに頼まれた通りにスザクをそれとなくマークし尾行をしていた。

 

 ……

 …

 

「面白いなぁ~、これ!」

 

 ピロン♪

 

「記録。」

 

 タンクトップを着たジノが物珍しそうに屋台を見回り、そしてそんな彼を後から追うゴシック風ドレスのアーニャが携帯で周りの写真などを撮りまくっていた。

 

「お前はどこに行っても何しても必ずするな、それ? で、どうする? 特にやらなきゃいけないこととか無さそうだし、『庶民の学校』ってのをもう少し見て見るか?」

 

 ドン!

 

「────うっ?!」

「────うお?! すまん、ちょっとまわりを見過ぎた!」

 

 周りを見ていたジノは思わず誰かとぶつかってしまい、反射的に謝る。

 

「いえいえこちらこそ。」

 

 ジノがぶつかったスヴェンは愛想笑いを浮かべ、人混みの中へと消える。

 

「う~ん、やっぱ前方不注意は駄目だな!」

 

「……」

 

「あれ? どうしたアーニャ? 調子悪いのか?」

 

「何が?」

 

「いつもならここでなんか小言を言うだろ、お前?」

 

「……なら正装を着ればいい。」

 

 アーニャは素っ気ない、いつもの様子に戻ったことでジノはあっけらかんと笑う。

 

「(……()()()で。)」

 

 そんなアーニャは内心でハテナマークを浮かべて頭を傾げながら、スヴェンの消えた方向をもう一度見てからジノ後を追う。

 

 ………

 ……

 …

 

「美少女から────!」

「────アダルティーなお姉様まで────!」

「「「「「────より取り見取りの水泳部カフェにようこそ~!♡」」」」」

 

 「「「「「「Foooooooooooooooooooooooooooo!!!」」」」」」

 

 学園の競争用室内プールではスクール水着にカチューシャ、ガーターニーソ、エプロンにカフスに赤のハイヒールと少し前のクラブでも滅多にお目にかかれないマニアックな属性てんこ盛り衣装を身に付けながら色気満々のポーズを取る水泳部の挨拶に(主に男性たち)が嬉しさにはしゃぐ雄叫びが辺りに響く。

 

 ちなみに『アダルティーなお姉様』とは勿論ヴィレッタの事であり、彼女はローライズ風のボトムビキニにコルセットと一体化したトップ、アームカバーに網タイツと水泳部員たちより更にマニアックで際どい姿だった。

 

「(なんで……どうして……私が……)」

 

 そんなヴィレッタは仮面の様な、引きつった笑みを浮かべながら内心では放心しそうになっていたが、シャーリーは気にせずに周りのように拍手をしていた。

 

 元々ヴィレッタはこの日の為に監視を強化させ、指令室に籠るつもりだったのだが珍しくシャーリーと他の水泳部員たちから『歓迎会の手伝い』を頼まれた。

 

 頼みごととは『出し物の水泳部カフェ開店時に出るだけ』だったが、まさか着慣れた学園指定の水着ではなく上記の『あぶないみずぎ』級の物が用意されていたとは夢にも思っていなかった。

 

『だったら断ればいいじゃん』と話が変わるのだが更衣室の中に服装が他に無かったので仕方なくヴィレッタが着替え終わった瞬間に開店の場へと更衣室の出口からドナドナされたのだった。

 

「やっぱり先生に着てもらって良かった~!」

「ねぇ~?!」

「やっぱり違うよね~!」

「これで一位を目指すわよ!」

 

「「「「おおお!!!」」」」

 

 水泳部は明らかに『してやった』感に満ちており、シャーリーたちは話し合って自分たちの『水泳部カフェ』の人気ぶりに気合を入れる様子を、ヴィレッタは遠い目で見ていた。

 

「(あああ……せめて、この場にスバルさんが居れば────)────ッ?!」

 

 放心一歩手前になっていたヴィレッタはとある気配に思わず視線を移すと、そこにはヘルメットを外したスバル(森乃モード)の顔が────

 

「(────え?!)」

 

 彼女は思わずギョッと目を見開き、目頭を押さえてからもう一度見るとスンとした表情(ポーカーフェイス)のスヴェンが代わりに居た。

 

「(何故、私は彼と見間違えた? ……噂に聞く彼とスバルさんはかけ離れているのにどことなく、今の彼とスバルさんの視線が似ている感じがしないでもない。)」

 

 

 


 

 

 水泳部とヴィレッタのプリケツすぇくすぃー水着姿ゲットだぜぇぇぇぇぇぇ!!!

 

 ムヒョへヒョホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ♡♡♡

 

 あ、シャーリーのルームメイトで同部活のソフィちゃんや?

 ワイの視線に気付いて前かがみの姿勢になりつつ、13位のお胸たちを二の腕に挟んで寄せながら『キュルン☆』も披露するなんて高等テク、素晴らしいモノをお持ち()ね♡

 

 グッジョブ♪

 

 っととと、違った。

 これでヴィレッタが仕向けたように水泳部の出し物に付きっ切りになったのは確認できた。

『決して下心がなかった』という嘘はつかな────

 

「────スヴェン先輩……もしかしてああいうのが好きなんです?」

 

 おっと、やせいのライラが出現。

 

「まぁ、皆がやる気に満ちている姿は良いものですし元気がもらえますから。 あ、でもちょうどいいですね────?」

「────へ────?」

「────ここのエリアの見回りはライブラさんにお任せしますね────?」

「────え────?」

「────私はちょっと野暮用があるので後で戻ってきます────」

「────えええええええ?!」

 

 タブレットを渡してスタコラサッサ~。

 

 「後で屋台おごってくださいですー!」

 

 それならばお安い御用だ。

 これで『ハムスターの様なライラ』も期待できる。

 

 「ライブラさん、私も付き添いますから。」

 

 「マーヤ先輩、ありがとうです~!」

 

 ナイスなフォローやマーヤたん♪

 

 俺は早歩きのままあみだくじの様な動きをし、型落ちしている古い携帯を取り出して操作する。

 えーと、ユキヤのアプリは……あった。

 場所は『本校の屋上』に入力して俺も階段を上がっていき、扉を開ける。

 

「ようやくだな、スヴェン。」

 

「ああ。」

 

 庭園っぽく仕上がっていく様子の屋上に出ると、予想通りにルルーシュがいた。

 

「去年の……()()()()だ?」

 

 う~むむむ、この言い方。 絶対に俺を試しているな。

 

 ま、答えは決まっているんだが。

 

G1ベース(行政特区)以来だ。」

 

 俺の言葉に、ルルーシュののっぺりとした仮面の様な表情が柔らかくなる。

 

「……そうか……ああ、安心しろ。 ヴィレッタ以外の機情にはギアスをかけている。 この会話のデータも他愛のない物に改善されているし、スザクにはロロを付けている。」

 

「そうか。」

 

「さて。 あの時の会話を続けたいところだが……この一年のブランクは思っていたよりも大きい。 まずはそちらの話を聞かせろ。」

 

「そうだな……どこから話を始めようか……」

 

 ハァァァァ……やっとだ。

 やっとルルーシュに話して、楽が出来る目途がつくとは♪

 今日は~♪ いい事~♪ 尽くし~♪

 

 ん~♪ 実に清々しい気分だ~♪ ギターを借りて(俺の知っている)(アニソン)の一つや二つを歌いたい、実に良い気分だ~♪

 

 

 


 

 

 スヴェンが考え込む(フリをする)仕草を、ルルーシュは目で見ながら平行思考を行っていた。

 

「(記憶が戻った時は『黒の騎士団の状況が悪い』と危惧していたがそうでもなかった。 捕らえられたのは主にブラックリベリオンで学園を死守するように命じた者たちと、卜部たちを逃がす為にギルフォードと一騎打ちを申し出た藤堂に千葉と他数名だったが先の騒動で救出は出来た。

 総領事館にいる大宦官にはギアスで支配下に置き、レイラ・マルカルの『人命救助』で一先ず黒の騎士団の仮拠点として機能できている。

 先日ようやくディートハルトと連絡がついたことで次にやるべきことに目途もついているし、何よりラクシャータ、神楽耶だけでなく桐原泰三までもが逃げきれたことは大きい。 正直に言うと……『多々の条件はすこぶる良い』と呼んでも寸分違わないだろう。 ()()()なほどに。 それに────)」

 

 ここまでの思考にルルーシュが要した時間はざっと一秒未満であり、彼は前にいる少年から目を極力離さないようにしていた。

 

「(────今までの出来事から、スヴェンが独自の戦力を保有しているのはほぼ間違いない。 それも、黒の騎士団と同等……あるいはそれ以上の、全盛期の頃とやり合える戦力を……何が目的だ? 俺を利用するのか? いや、それは間違いないだろう。 『母様(マリアンヌ)の死の真相』など、俺が長年追い求めていたことを餌にするぐらいだ────)」

「────まずは……」

 

 スヴェンが口を開けたことで、ルルーシュは相手の口調にトーンや体の仕草を見逃さないように今まで思考に割いていた集中力を全て彼に向けた。

 

「(敵となりえる要素があれば、排除も視野に入れなければ……)」

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「………………………………………………」

 

 あれから1時間ほどが経ち、見事なまでに『ポケー』とした顔のままルルーシュは硬直していた。

 

「ルルーシュ、大丈夫か?」

 

 そんな『宇宙猫顔』のまま固まったルルーシュから反応がない事でスヴェンは少々焦っていた。

 

 スヴェンがしたのは、大まかに一期とR2の空白時間内に起きた一連の流れの話だった。

 

 最初は主に黒の騎士団に関する物ばかりだったが、話の途中でルルーシュの質問で黒の騎士団を中華連邦に避難させたアオモリ事件や、EUにて見殺しにされそうだった部隊の救出&スカウトにユーフェミアとコーネリアの再会などを仄めかす情報でルルーシュはスヴェンが口にしたこと以上の情報を推測し、自己完結していた。

 

 所々スヴェンは省いたつもりなのだが、これだけでもかなり情報過多になるかもしれないのだが、ここで更に追い打ちをかけるかのようにセントラルハレースタジアムで『ライブラ=クロヴィスの妹=皇女』を知ったことで等々『いつもは相手より情報を持っている』という優勢側に立っていたルルーシュは見事に逆の立場となり、子供の頃以来の精神的な衝撃を受けていた。

 

「(やべ、やり過ぎたか?) ルルーシュ、顔色が悪いぞ。 エチケット袋を持ってこようか?」

 

「い、いやその……いい。 だが今までの話で、俺がゼロとわかったきっかけをまだ聞いていないのだが?」

 

「(あ、やべ。 考えていなかった。)」

 

 スヴェンはポーカーフェイスを維持しながら考える。

 

「(えっと……ええええええっと? どうしよう……何か……何かなかったか?)」

 

 スヴェンは背中を預けていた屋上の手すりに肘を付けて、賑やかになったグラウンドを見渡すと丁度二人の女生徒たちが目に入る。

 

「(せや! アレがあるやないか!) 実はその……以前にアーサーがゼロの仮面を被っていただろ?」

 

 ドキィィィィ!!!

 

「(↑ひょ?!)」

 

 スヴェンの言葉にルルーシュの心臓が一際大きく脈を打ち、彼の思考がフリーズし始める。

 

「その時のアーサーをミーヤ(金髪女生徒)さんとヘレン(茶髪女生徒)さんが見た筈なのだが、急にアーサーを追っていたお前の“忘れろ、今見たことは”と命令口調に対して素直に“うん分かった”と言ったことがきっかけだな。*1

 

「(ぬわ?!)」

 

 スヴェンは必死に『コードギアス反逆のルルーシュ』のアニメを元に、それらしいことを口にする都度にルルーシュは体中から冷や汗が噴き出る。

 

「そこからお前が恐らくゼロと思うようになり、後から噂好きである筈のミーヤさんとヘレンさんにあの時の事を問いただしても『覚えていない』の一点張りだったことで何らかの方法でお前が『他人に命令できる』という憶測を付けた。 (おお、なんかスラスラと出るぞ? いいぞいいぞぉぉぉぉ。)」

 

「(↑ヌワン?! ダトゥゥゥ↑↑オォォォホォォォォォォ?!)」

 

 スヴェンはすらすらと『それらしいこと』に軌道が乗ったおかげで愉快な気分になり、腕を組みながら言葉を続けた。

 

「まぁ……お前が学園に居ない時期が丁度ゼロが活動していた時と噛み合っていたのもあったな。 ギアスの事だが────↑ホッ?!」

 

 スヴェンがチラリと横を見ると目からハイライトが消え、生気が全く感じられない上に口から魂の様なものが抜けた『抜け殻』のように立ちすくむルルーシュにスヴェンは素っ頓狂な声をあげてしまう。

 

「(まさか……まさかあの初歩的なミスでバレて……いや……そもそも『バレていなかった』と思いたくて思い込んだ俺の痛恨のミスだ…………言い訳は……いいわけが……イイワケガ……) ふへ……ふへひははははははは────」

「────おおおお落ち着けルルーシュ! 傷は浅いぞ?! 屋上の上から人を見下ろすのだ! 痛快だぞ?!」

 

 今までどの場面でもルルーシュが見せたことも聞いたこともないほどな様子と乾いた笑いにスヴェンは思わず素になりかけながら自分でも意味の分からないことを口走り、無理やり地面に沈んでいたルルーシュの顔を学園のグラウンドに向けた。

 

「見ろよ、ルルーシュ! 人がご────じゃなくて! アリの様だぞ?!」

 

「あ、ああ……そうだな……ははははは。」

 

 ヨボヨボ&ヨロヨロになったルルーシュを、スヴェンは訳の分からないテンションのまま他作品ネタで元気付けようとした。

 

「はははははははははははは。」

 

「(うっわ、なんだかやばい感じがするじゃないですかーヤダー。 このままマリアンヌの事を話しても────)────は?

 

 どことなく空気が抜けていく風船のようにルルーシュから元気が更に無くなっていく様子を見て内心慌てるスヴェンはどうするか迷い、彼から視線を外して学園のグラウンドを見ると()()()()()()の女生徒を見て固まる。

 

「(な。 ちょ。 待って。 待て待て待て待て待て待て待て待て! アレってC.C.?! ナンデ?! いやそれは『原作通り』って言えばそれまでなんだがマジでなんでやねん?!) おい、ルルーシュ! 見ろ!」

 

 スヴェンは無理やりルルーシュの視線先をのほほんと学園内を制服姿で歩くC.C.に向ける

 

「ん? ま、まさか?!

 

「(あ、元気になった────)────↑ほよ?!」

 

 スヴェンもホッとしたのも束の間、今度はグラウンド内をまるで何かを探しているかのようにポテポテと歩く緑色のラッコ姿(タバタッチ)の着ぐるみを目にして本日二度目の素っ頓狂な声をあげる。

 

「(な、なんでばい?! い、いやC.C.がいるから不思議じゃないけれど────ん?)」

 

 スヴェンはそのままタバタッチの着ぐるみが一直線に風船を持ち歩く()()()()()()()()()()()()()()()()()に向かっていたことに気付き、血の気が引いていく。

 

 アッシュフォード学園のイベントで着ぐるみなど別段、珍しくもなんともないのだが────

 

「(なんで、ペロリーナの着ぐるみが?!)」

 

 ────それが他作品(クロスアンジュ)で出てくるペロリーナの着ぐるみならば話は違ってくる。

 

「「スヴェン/ルルーシュ!」」

 

 二人は瞬時にお互いを見て、するべきことをアイコンタクトで悟ったのかいつも冷静(に見える)二人はドタバタしながら屋上を後にする。

 

「「ピザトラックのある校舎裏で合流しよう!」」

 

 しかも息もぴったりであった。

 

 ………

 ……

 …

 

 

「世界一のピザ、やりま~す────!」

「────詳細のパンフレットをくれ。」

 

「(おおお、可愛い。) はい、よろしくね~♪」

 

「こっちもお願いしま~す!」

 

「はいはーい! (おお! この子の胸、会長みたいに窮屈そう♪)」

 

 コック帽子とエプロンをしたリヴァルは鼻の下を伸びさせながら学生服のC.C.にパンフレットを渡し、別の女子に声をかけられてはそちらにフラフラ~とおびき寄せられる移動する。

 

「おい────ぜぇはぁ────お前! 何しに────ゲホッゲホ────来た?! 自分の────オエッホ────立場を分かって────ゴフッ、ゴホッ────いないわけじゃないだろうに?!」

 

 屋上からなけなしのスタミナを使って全力疾走をしたルルーシュは息切れを起こしながらもC.C.を問いただす。

 

「去年食い損ねたからな、世界一のピザ。」

 

「お、おま?! そんなことの為に?!」

 

「まぁな。」

 

「と、とにかくこっちへ来い!」

 

 ルルーシュは近くのポップコーンの包装に使う未使用の袋をC.C.に無理やりかぶせてからグイグイと彼女を引きずる。

 

 ……

 …

 

「あはははは! 変!」

「どういたしましてペロ~!」

「それ、なんていうキャラですか?」

「ボクはペロリーナと言うんだペロ~!」

「ブスカワ!」

「ぺ、ペロ……」

 

 上記のルルーシュたちと同時刻、ペロリーナのきぐるみはそのツギハギにゆるキャラ的な容姿もあってか歩くだけで注目を浴びていた。

 

「あ、風船! 一個良いですか?」

「もちろんだともペロ!」

 

 ポテ、ポテ、ポテ、ポテ、ポテ、ポテ、ポテ!

 

「あ、ヤバいペロ!」

 

 そんなペロリーナは明らかに自分めがけて走ってくるタバタッチ着ぐるみに慌てだす。

 

「じゃあね皆! ボク、ちょっとアイツに捕まっちゃいけないんだペロー!」

 

 タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!

 

「皆、援護するよ!」

「「「「おおお!!!」」」」

 

 ペロリーナが風船を急いで配り終えると走り出し、すっかりペロリーナファンになった学生たちはタバタッチを減速させるために面白半分で壁を作るが────

 

 ポヨ~ン。

 

 ────上記のゆるそうな音とは裏腹に、タバタッチが両腕(手?)を鳥のようにバタつかせながら勢いの付けたジャンプで壁を作る学生たちの上を飛び超える。

 

「飛んだ?!」

「すご?!」

「マジ?!」

 

 ポテ、ポテ、ポテ、ポテ、ポテ、ポテ、ポテ!

 

 学生たちは逃げるペロリーナと、それを追うタバタッチの着ぐるみを着用した中の人達が見せる身体能力に感心しながら見送った。

 

「あ、可愛い。」

 

 そしてまるで合流するかのように、()()()()()()()()()()()()()()()もペロリーナを追いかける姿を見た誰かがそうボソリとこぼしたそうな。

 

 

 ……

 …

 

 

 ペロリーナはそのスリムなフォームを逆手に取り、ワザと人ごみの中に紛れてもこもことしたタバタッチの機動力を封じ込めてからさっさと人気のない校舎裏に息切れしながらも逃げてきた。

 

「ぜはぁ、ぜはぁ、ぜはぁ……こ、ここまでなら大丈夫な筈ペロ────」

「────お前は何をやっている────?」

 

 ビクッ!

 

 「────ペロォォォォ?!」

 

 一息つこうとしたペロリーナは背後から来た声に肩を跳ねさせ、汗をだらだらと掻きながらぎごちなく後ろに立っていたスヴェンへと振り返る。

 

「お前、アンジュだな────」

「────ち、違うペロ────!」

「────嘘をつくな────」

「────ひ、人違いペロ────!」

「────取り敢えず何で学園に来たのか理由を言え……と言うかその前にその着ぐるみを────」

「────わわわ! やめて()()()()ペロ~!」

 

 グググ!

 

 スヴェンはペロリーナの頭部分を掴んで無理やり脱がせようとするが、ペロリーナは足をバタバタさせながら両手でそれを阻止しようとする。

 

「こ、この────」

 

 スポッ。

 

「────ぁ。」

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 ペロリーナの頭部が外れ、中から長髪の()()()()()()を団子にしていた()()()()()()が現れたことでスヴェンは固まる。

 

「あ、あははははは……バレちゃいました。」

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

「スヴェン! スヴェン! ハロースヴェン!」

 

 明らかに気まずい様子のままユーフェミアは目をそらし、スヴェンの持っていたペロリーナの頭部からピンクちゃんが耳(?)をパタパタさせながら出てきたことでようやく彼は口を開けた。

 

 ≪なんでやねん。≫

 

「あ、それって日本語ですよね?」

 

 思わずユーフェミアを前に日本語で話すほどにスヴェンは盛大に焦り出した。

 

「んな────?!」

「────あ! ルルーシュ!」

 

 ポテポテポテポテポテポテポテ!

 

「おわ?! なんだこの生き物たちは────?!」

 

 スポッ!

 

「────ぶは! 追いついたわよユフィ────!」

「────あ、アンジュ────」

 「────“あ、アンジュ”。 じゃ! ないわよ?!」

 

 キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ。

 

 ≪なんでじゃい。≫

 

 その場に紙袋マスクを着用したC.C.を連れてきたルルーシュが来ただけでなく、色違いのタバタッチが到着した途端に頭部を脱ぐとアンジュが居たことにスヴェンはポーカーフェイスのまま痛む胃から意識をそらす為に本日二度目の日本語を口にした。

 

 ポテポテポテポテポテポテポテ!

 スポッ!

 

 「もう! 声が大きいわよ?! バレたらどうすんのよ?!」

 

「…………………………カレンも大概だがな。」

 

「んぐ。」

 

 アンジュとは違う、緑色のタバタッチの下からカレンが顔を表したことで唖然としていたスヴェンは反射的に調子を取り戻した。

 

 キリキリキリキリキリ!

 

「(ヤベェ。 オレ、イグスリノンデナイ。)」

 

 少なくとも、表面上は。

 

 

 


 

 

 後書きEXTRA:

 

 中の人咲世子と同役:よし! なんとかここまで気が付かれずに来れたな!

 中の人アーニャ同役:なぜ、この様な回りくどい……と言うか、これでは密入国者その者ではないですか?!

 中の人咲世子と同役:だってバレたらまずいでしょ?

 中の人アーニャ同役:まぁ……ラウンズが5人も一つのエリアにいるなんてそれこそ────

 中の人咲世子と同役:────いやぁ、それもそうだけれど……私たちがここにいるって誰にも教えていないから。

 中の人アーニャ同役:はぁぁぁぁ?! エニア────むぎゅ?!

 中の人咲世子と同役:シ、シィィィィィ! 声が大きい! 偽名を使いな、モリ-ちゃん!

*1
やっと出せました。 誠にありがとうございます心は永遠の中学二年生さん!




バタバタし始める歓迎会、スタート。 (;´ω`)
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