小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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楽しんで頂ければ幸いです!

*注*カオスです。 ご了承くださいますようお願い申し上げます。 (;´ω`)ゞ


第193話 おいでませ、闇鍋の歓迎会へ

 一日を過ごす為にレイラの朝は早い。

 

 殆どの場合、彼女が目を覚ますのは朝日が地平線を上がる前の薄暗い時である。

 

 身体のほぐしと脳の目覚めを兼ねたストレッチ(別名『ラジオ体操(現代日本式)』)をし、適度な汗を掻いた後は蜂蜜と重曹を混ぜたシャンプーを使ったお風呂。 なお風呂を嫌がるエリザでも蜂蜜の癒し効果もあって大人しくしている。

 

 お風呂上りに少々の化粧水を肌に塗り、その日の着替えを身に纏って少々のバターを塗ったパンと紅茶を飲んでから『仕事』に取り掛かる。

 

 アマルガムは『戦力』は充実しているモノの、その他では主に()()()()なのでまずはアマルガムの者の配置具合。

 

 例えばEUからの日系人たちの受け皿となるため人工島が用意されていたことを一例としてあげると、『人権のないEUにいるよりははるかにマシ』という意気込みで人が住めるように開拓をしたおかげでようやく外部から物資を取り寄せずに自給自足できるような目途が立った。

 

 これでようやく食糧難に対して『余裕』が出来たのだが、今度は『作業員』ではなく『管理』等の必要が出てくる。

 とはいえ人権も最低限の教育もない環境で育った者たちがほとんどで、意思疎通の会話もEUの標準(フランス)語だけで共通()語を覚えるところからのスタートライン。

 

 そこは嫌々言いながらもハメルやクラウス、そしてやる気満々のアシュレイにつられてアシュラ隊もEUからの難民の教育と()()()()で何とか対応はできている。

 

 とはいえ人手不足なのは変わらないので、何とかやりくりをしているのがアマルガムの現状であり、求心力のある黒の騎士団の幹部たちとの話し合いもその事等の打開策を兼ねている。

 

「ふぅ……(彼の周りは充実していますね。)」

 

 それ等の話し合いやプランニングを行った後のレイラは当然疲れているのだがそれを表に出さず、逆にwZERO部隊時より生き生きとしながら個室で個人の端末に送られてくる報告書を読みながら優雅にハーブティーを────

 

 ────バン!

 

「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ、ぜぇはぁ……」

 

「あらサエコ、血相を変えながら息切れをするなんて貴方らしくないわね?」

 

 落ち着いた今のレイラからすればいつも余裕満々な毒島が慌てた様子でノックもせずに部屋に入ってくるのは()()()なく、いつもとは立ち位置が逆転した状況に心を躍らせた。

 

「ユ────()()が学園に向かった────」

 「────ブフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?!」

 

 レイラが紅茶を噴出したことで優雅な時間が終わりを告げた。

 

 毒島がここで口にした『客人』とはもちろんユーフェミアのことを示しており、『学園』はそのままアッシュフォード学園である。

 

 そしてその日は『ナイトオブセブンの歓迎会』が開かれている。

 

「い、いえこの程度で取り乱すとは私もまだまだですね。」

 

 カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ。

 

「レイラ、手が震えてカップから紅茶が零れているぞ。」

 

「…………」

 

 レイラはカップとそれを載せた小皿をテーブルに置き、ハンカチで紅茶をふき取りながら(幸か不幸か)ヴァイスボルフ城の経験を生かして『冷静』を装う。

 

「それで、サエコのことですから彼女を追う人を送ったのでしょう?」

 

「う。」

 

 ここで毒島はバツが悪そうな感じにおずおずとしながら、目をそらす。

 

「(あら可愛い。) えっと……人を送ったのですね?」

 

「その……自主的に()()()。」

 

 「ナンニンカ。」

 

 レイラの目以外は笑っていた。

 

「最初は『客人』の友人であるアンジュに連絡を取ろうとしたのだが、もう既に領事館に来ていて────」

「────モウキテイテ────?」

「────で、彼女が“学園に行って連れ帰る”と言ってそれを聞いた紅月君が“じゃあアイツ(ユーフェミア)と同じく着ぐるみを変装に使おう”と────」

 「────ヘンソウ────」

「────そして“取り敢えず人手がいる”と……その……アリスたちも連れていかれた────」

 「────アリスタチモ……」

 

 レイラの遠い目をしながら部屋の窓から領事館の敷地内で新人たちの基礎体力をあげるランニングを行う黒の騎士団員たちを見る。

 

「……」

 

「レイラ?」

 

「今日はいい天気ですね。」

 

「……そうだな。」

 

 遠い目をしたまま外の景色を見るレイラを見て毒島は既視感で同意の言葉を浮かべた。

 

 

 


 

 

 アッシュフォード学園の人気がない校舎裏では珍妙な景色が広がっておるがな。

 

『ペロリーナ』の着ぐるみを着たユーフェミア。

 着ぐるみの下はスポーツウェア。

 

『青いタバタッチ』のアンジュと『緑色タバタッチ』のカレン。

 この二人は何故かタンクトップ……と言うかアニメだと、その下はノーブラの上にパンイチだったはず────

 

「「……………………」」

 

 ────いや、これ以上よく見たらやぶ蛇な様な気がする。

 

 二人からの威嚇的な視線が結構痛い。

 

 そして明らかにサイズが違う赤、黄色、土色とピンク色の『タバタッチーズ』((スヴェン)命名)。

 

 どうしてこうなった。

 

「説明しろ。」

 

『頼む……誰か説明してくれ』と願った俺は着ぐるみをした全員に正座を強いて、必死に天を仰ぐことを我慢しながら短くそう告げるとアンジュとカレンは目をそらし、まるで『どうしよう?』、『どうしようか?』、『お前の所為じゃん!』、『違うもん!』とわかりやすい表情を浮かべながら『タバタッチーズ』はお互いを気まずそうに見る。

 

 ……R2でもカレンはタバタッチに自分の感情を表現する、見事な操作テクニックを披露したがこいつらも中々だな。

 

「えっと────」

「────大方、今日スザクが学園に来たことで歓迎会を開かれるどさくさを狙ってユフィが来たんだろ────?」

「────ギクッ。 そ、そんなことはございませんよ~?」

 

 姉のコーネリアと違って、ユーフェミアって意外とわかりやすいな~。

 これよこれ。 これが『コードギアスの青春』なのだよ♪

 

 ルルーシュの言葉にユーフェミアが反応しながら変な口調になったことで、ルルーシュがため息を出す様子に思わず和んでしまう。

 

 “現実逃避するな”だと? 

 てやんでい。 癒しが欲しいの、お・れ・は。

 

「昔から本当に変わらないんだな、ユフィは────」

「────か、変わりましたよ! ルルーシュが変わり過ぎなんです────!」

「────痴話喧嘩している場合か、お前たち。」

 

 おっとジト目C.C.、ごっつあんです。

 でも“痴話喧嘩”って妙に的を射ているな、ちょっと言い方がきついけど。

 

「まぁ、そこまでにしておけC.C.。 初恋同士でしかも一年ぶりこうやって会ったんだ、少しぐらい────」

 「────ちょっと待て! 何故スヴェンがそれを知っている?!」

 

 あ。

 口にしていたのか俺────

 

「「「「「「……」」」」」」

 

 ────って、なんでカレン達から“またか”的なジト目が来る?

 

 その熱い視線に、拙者の肌がバーニング中で汗が出そう。

 

「だが彼女(C.C.)が言っていることを別にしておいて────」

「────おい!」

 

 ルルーシュが何か言いかけているが無視!

 

「まずは彼女たちのことを────」

『────ル~ル~!』

 

 あ、やべ。

 

 カポッ!

 

「何だいシャーリー?」

 

 シャーリーの声が建物の曲がり角から聞こえてくると着ぐるみの頭部をユーフェミア、カレン、アンジュはかぶりなおし、俺は先ほどの紙袋仮面をC.C.に付けなおすと予想通りにガーター付きニーソスクール水着とホワイトプリム&カフス装着のツインテシャーリーが現れてはルルーシュが対応する。

 

「あのね、良かったら────って何、これ?」

 

 そして数々の着ぐるみたちを見ては不気味がる。

 

 うん、その気持ちはわからないでもないぞシャーリー。

 

「ああ、これは……その……」

 

 チラッ。

 

 って俺をここで見るんかいルルーシュ?!

 

 キリキリキリキリッ。

 

 う、胃が痛みだす……

 いや考えろ!

 

 連想ターイム!

 

『数体の色違いの着ぐるみ』、『ツギハギの中は皇女』、『タバタッチーズの中はアマルガム』、『秘密の組織』、『秘密結社』……ええええええっと────

 

 ピーン♪

 

 ────あ、キタ。

 

 焦る俺の中で浮かんでくる点と点を無理やり繋ぎ、半ばヤケになった先に昔のテレビで見た(ような気がする)ネタを思い起こす。

 

「ああ。 昨年、『ランスロット仮面』の出し物がありましたでしょう? これ等はその一環で新たに登場させようかどうか迷っていた『敵の組織の幹部と怪人たち』ですよ。」

 

「「へ?/は?」」

 

 いや、ちょっと……シャーリーはともかく、ルルーシュまでポカンとすんなや。

 バレちゃうじゃん。

 

 シュババババ!

 

 まるで俺の言葉が合図だったかのようにC.C.を中央にした大きめのタバタッチ二体が左右で腕(手?)を組み、他のタバタッチーズは三人(一人+2匹?)の後ろで様々なポーズを取る。

 

 あ、なんか特撮の悪役っぽい。

 

「フハハハハハ。 ひれ伏せ、人間ども。」

 

 突然のことで最初は気の抜けた声を出したC.C.だったがすぐに腕を組み、ノリノリのセリフを口にする────って今のはまるっきり女版ゼロじゃん。

 いや、『ナイトメア・オブ・ナナリー』の東〇不敗っぽい魔王ゼロか?

 

「……あ。 うん。 そうなんだ。」

 

 シャーリーよ。 思い付きのネタだったのは認めるが、そう棒読みの返しをされるとマイハートに傷が付く。

 

「ルルって、いま時間ある?」

 

「は?」

 

「時間あったら歓迎会、一緒に見て回らない?!」

 

 お?

 シャーリーのアタック!

 

「ああ、すまない。 今この出し物の相談に乗っているところなんだ。」

 

 そしてルルーシュの『鉄壁』! 

 よって無敵────じゃなく無自覚!

 

「あ、そうなんだ……」

 

 うわぁぁぁぁ、あの元気が取り柄のシャーリーがしょげている?!

 効果は抜群だ!

 

「ああ、大丈夫ですよシャーリー。 ()()()()()()()ルルーシュの時間を空けさせます────」

「────は────?」

「────本当?!」

 

 キラキラキラキラキラキラ~。

 

 ふぐおぁあぁぁぁぁぁぁ、180度のシャーリーの眼差しがぁぁぁぁぁぁ。

 

「ええ、ですから安心して水泳部カフェでヴィレッタ先生へのリベンジを頑張ってください。」

 

「うん、わかった! じゃあルル、またあとでね! ♪~」

 

 そう言いながら元気100倍に戻ったシャーリーが鼻歌まじりにスキップしながらその場から遠のく。

 

 はぁぁぁぁ、健気やのぉ~。

 はみ出る横乳とたゆんたゆんと動く胸もええのぉ~。

 

「おい、スヴェン。 今のはどういうつもりだ?」

 

「どうも何も、シャーリーの性格だとあのまま着ぐるみの下が誰なのか不思議がって無理やりにでも引きはがす勢いだった。 これで時間が稼げたと思えば良い。」

 

「だが────」

「────それともシャーリーと見て回るのは嫌か?」

 

「それとこれは違うだろ?」

 

 こいつ、どれだけ鈍感なんだ?

 あれだけ猛烈な『好き好き大好きアピール』されながら気が付かないなんて……

 リヴァルが言っていた朴念仁もあながち間違いじゃなかったな。

 

「と、いう訳でカレンとアンジュたちはペロリーナを。」

 

 ガシッ。

 

『『ラジャ。』』

 

『えええええ?! そんな酷いペロ!』

 

「………………………………なんだその語尾は?」

 

『わかりませんペロ。 この着ぐるみについている音声変換機能(ボイスチェンジャー)を付けたらこうなりましたペロ。』

 

『実はこれ、ラビエ親子の試作品を入れた強化スーツで────』

 

 ────ナニソレ。

 赤い蝶ネクタイを締めて犬だかネズミだか熊だかよく分からない茶色の生き物を元ネタにした『ふもふも』な着ぐるみなのかそれは。

 

「そうか。 だが君がここにいるのは非常に危険なことに変わりはない────」

『────酷いペロ~!』

 

 左右のタバタッチに引きずられていくペロリーナたちに付き添うかのように小柄のタバタッチ達もポテポテと後を歩く。

 

「……………………」

 

 訂正。

 一匹の黄色いタバタッチはこっちをジッと見てからポテポテとカレン達の後を追う。

 

 ………………………………何だったんだ?

 

「ようやく落ち着いたところと丁度C.C.がいることで、本題に入るぞ。 スザクはギアスのことを知っていた、誰が奴にそれを教え────ああ、いや。 まずは母さんの死の事を────」

 

 うん。 ルルーシュも内心では相当テンパっていたんだな。

 

「────どうする?」

 

 ってC.C.?! 寄りにもよってここで俺に振るのか?!

 

 あ、その妖艶な笑みは『してやったり♪』な奴だな?

 

 よろしい。

 

 そのケンカ、言い値で買ったるわ!

 

「まずだがスザクにギアスを教えた奴は……C.C.、確認だがそれはV.V.の仕業で間違いないか?」

 

「V.V.???」

 

「……」

 

 フハハハハハ! どうよこの見事なカウンターは?!

 グゥの音も出まい?!

 

「お前、どこからその名前を知った?」

 

 Oh……

 

 本気の睨みをするC.C.がちょっとだけ怖い。

 

「エデンバイタル教団から得たデータベースにあった。」

 

「エデンバイタル教団……確か、人体実験をしていた機関だな────?」

「────ああ。 ギアスを使った人体実験だ。」

 

「は?」

 

 ルルーシュの激レア『ポカン顔』、ゲット。

 

「エデンバイタル教団のおかげで、かなり『ギアス』とやらの事についても知り得たし、V.V.の事も……そしておそらくだが皇帝シャルルにギアスを与えたのも、マリアンヌ様の暗殺を()()()()奴も互いに関係している筈だ。」

 

 敢えて“殺した”と言わなかったのはC.C.の反応を見るためだったが……反応無しだった。

 

「……その『V.V.』とやらが皇帝にギアスを? いや、そもそもなぜそう言い切れる?」

 

「V.V.の本名が皇帝シャルルの亡くなった筈の兄と同一だったこととギアス、C.C.の事などを考えた上での仮説だ。 G1ベースの時はハッキリ言って更なる調査が必要なほどあやふやだったがエデンバイタル教団で入手したデータがその仮説をより一層、確信へと近付かせた。」

 

 う~ん、『それっぽく』言うのも慣れてきたな。

 俺も成長しているのかな?

 

「V.V.……それが、奴の名前か……」

 

「……」

 

 そして考え込むルルーシュに、(多分)複雑そうな学生服のC.C.。

 

 そう言えばこの際だ、聞いてみよう。

 

「なぁC.C.?」

 

「なんだ?」

 

「何故()()を付けているんだ?」

 

『それ』と称しながら俺が見たのは立派なメカ耳だった。

 

『何でそんなことを』だと?

 アニメを見てからずっっっっっっっっっっと気になっていたからしょうがないじゃん。

 

「これか? 変装だが?」

 

 それのどこが変装やねん。

 オマン、ミス・エックスやオルフェウスたちにケンカ売っとんのか?

 

 ピロリン♪

 

 メッセージが届いた通知音に携帯を出すと着信相手は『マーヤ』と画面に浮かんでいて。

 そしてメッセージを見ると『ヘルプ』とだけ書かれて────え゛。

 

「すまん二人とも、少し急用が出来た。」

 

 そう言いながら俺はちょっとだけ早くなっていくステップをマーヤとライラがいる筈のエリアへと踏んでいく。

 

 さて、ルルーシュが俺を信じるかどうか。

 信じなくとも、心構えがこれで出来るはずだ。

 少なくとも、R2でシャルルとマリアンヌ(の精神体)の二人にCの世界で再会して怒涛の暴露をされて『ウソだー?!』と脱力するほど打撃的なショックを受けずに済む……筈。

 

 マーヤが『ヘルプ』なんて助けを求めるのは珍しいがはてさて、どうなっているのやら。

 

 

 


 

 

 アンデス山から取り寄せられたトマトを載せたトラックの近くでは、立ちながら難しい顔で考える仕草をするルルーシュがC.C.と共にいた。

 

「で、どうするルルーシュ?」

 

 スヴェンが立ち去ってから数分どころか10分ほどが経っても全く動く気配のないルルーシュにしびれを切らしたのか(あるいは面白くなくなったのか)C.C.が声をかける。

 

「積る話はまだ残っているが────」

「────なぁ────?」

「────なんだ?」

 

「奴がさっき言ったこと、お前が教えたわけではないんだな?」

 

「いや、私は何も言っていない。」

 

「奴の言ったことを、お前はどう思う?」

 

「マリアンヌ云々はともかく、少なくとも皇帝にギアスを与えたのはV.V.だ。」

 

「それと……お前とスヴェンの関係は何だ?」

 

「なんだ坊や、嫉妬か────?」

「────質問に答えろピザ女。」

 

「何、『関係』というモノほどでもないさ。 以前、アイツが傷だらけの仮面を外したところを見ただけだ。」

 

「(つまりは、『スバル』と『スヴェン』が同一人物だったことか。) なぜ黙っていた? お前なら、面白がるために俺にそれとなく教えていそうなネタだろ?」

 

「……………………名前だよ。 どういうワケか、奴は私の名前を……()()を知っていた。」

 

「なに?」

 

「ほとんどサイタマの直後だったからビックリしたぞ、私を脅すなんて。」

 

「あいつも……スヴェンもギアス能力者────?」

「────それは無いな。」

 

「何故断言できる?」

 

「分かるのさ。 陽光が皮膚に当たっているような感じだ。」

 

「なんだその漠然とした例えは?」

 

「さぁ?」

 

「“さぁ”って、お前……いや、いい。」

 

 ここでルルーシュは腕を組み、また考え込む。

 

「(どういうことだ? 『ギアス』ではない……だがそうと思えば辻褄が合う。 それに時々、奴の目はまるで()()()()()()()()()()一歩引いたところから見ているような……そうだ。 まるで周りを『景色の一部』の様な……)」

 

 ……

 …

 

 別の場所ではようやく一対一になったミレイとスザクが話していた。

 

「ねぇスザク、やっぱりカレンって中華連邦の総領事館にいると思う?」

 

「その……紅蓮弐式が確認されていますので……」

 

「そっか……ニーナは?」

 

「この間、学会で論文を出していましたよ。」

 

「ああ、スヴェンと一緒に開発していたあれね。 『サクラダイトに頼らない原動力』……ねぇ? スザクはスヴェンのことをどう思う? やっぱり、黒の騎士団?」

 

「……正直、僕にはわからないです。 カレンの事もありましたから『もしかしたら』と言った程度ですね。 ただその……そうだとすれば()()()話が合わないんです。」

 

「ハァ~……難しいな~……ロイド伯爵、何か言っていた?」

 

「ぁ……その、別に何も。」

 

「呆れているんじゃないかしら? 私が留年した所為で、結婚も延期したんだものね────」

「────いや、()()に限ってそれはないね。」

 

「「え?」」

 

 ミレイとスザクは後ろから声をかけられ、ガサガサとする低木に振り返る。

 

「アイツは昔からドタバタすると周りを敢えてよく見えていないふりをして没頭する癖があるんだよ。」

 

 「え────?!」

 「エ、エニア────?!」

 

「────おおおっとストップ! 今の私は隠密行動中なのさ♪ だから名前は勘弁してくれ。」

 

「えっと……なぜここに?」

 

「いや~、“せめて忍び込む前に挨拶を~”って()()()がうるさくてね? 待っていたら昼飯も食っていないからいつの間にか寝落ちしちまって、話声とロイ坊の事が聞こえたから起きたのさ。」

 

「「……『ロイ坊』?」」

 

「あー、ロイドのことさ。 しっかし何時になったら()()()は来るのかね?」

 

「……エニアグラム卿、まさか?!」

 

 ノネットがいることと、彼女が『モリー』と呼ぶ人をハッとしたスザクがとある人物を思い浮かべてギョッとする。

 

「だーかーら! 名前じゃなくて、そうだね……『ノリー』って呼んでくれよ────!」

「────いやいやいやいや! 一つのエリアにラウンズが()()もいるなんて前代未聞ですよ?!」

 

「バレなきゃいいのさ。 バレなきゃね♪ ……ん? 今『五名』って────?」

「────ジノとアーニャも来ているんです。」

 

「へ?」

 

 サァァァァァァァ。

 

 スザクの言葉に、珍しくノネットの顔から血の気が引いていく。

 

アールストレイム卿(アーニャ)のブログに多分、載っていると思いますよ?」

 

 

 スザク、それは『慰め』ではなく『トドメ』です。




練乳入りアイスコーヒーが無ければヤバい日々が続く中、お互い頑張って乗り切りましょう。 (;゚∀゚)=3
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