小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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お読みいただきありがとうございます、なんとかキリの良い200話達成に間に合わせられました!

楽しんで頂ければ幸いです! m(_ _)m




第195話 クルルギスザク

「……」

 

 場が静寂に包まれ、気まずくなったスヴェンが『着替え』を理由に腰かけていたベンチから立ち上がってその場から立ち去ってもモニカは無言で固まったままだった。

 

「「「………………」」」

 

 スヴェンが言った言葉に何か思うところがあるのかモ二カと偶然にもその近くに来て思わず聞き耳を隠れたまま立てていたノネット、スザク、そしてミレイたちに深く突き刺さってはそれぞれの者たちに様々な思いをさせていた。

 

『分かり合う優しさを最初から捨てずにいれば必要のない戦いがあるかもしれない』。

『強さとは理不尽な暴力を受けたときの為にある』。

『強さだけを追及すれば乱暴者になる』。

 

 社会の在り方と大衆としての『普通』がより優れた者重視(弱肉強食)であり簡単にその表れとして『武』に重みを置いているブリタニアが掲げる思想とあまりにも違い、斬新な考え方────否、『異端』である。

 

「(う~ん、流石は少年だねぇ。)」

 

 ノネットはブラックリベリオン時に興奮していたニーナを言の葉(優しさ)のみで大惨事を防いだ時を思い出しながら感心していた。

 

「(相手がモニカと知っての事なら()()()()だよ。)」

 

 彼女は横目でモニカのように固まり、なにか考え事をするスザクとミレイを見る。

 

 コードギアスの世界では、周りの都合に翻弄されがちである『貴族』や『立場にある者』は自分の意思が反映されることが少ない所為で諦観がちになり、『より()()()傷の少ない選択』を選ぶ傾向にある。

 

『無難な考え方』とも呼べるが、基本的に『自己への負担』を基準にしているので選択の善し悪しは別の話である。

 

「(“分かり合うことで必要のない戦いがあるかもしれない”、か。)」

 

 スザクがそう思いながら脳内に浮かべたのは独断で動いていたユーロ・ブリタニア軍の鎮圧や、EU戦線で『人殺し』と呼ばれた場面だった。

 

「(“強さだけを追及すれば乱暴者になる”か~……)」

 

 ミレイはアンニュイな気持ちに浸り、その場で耳をへにゃっとしながら大人しくしていたアーサー()を撫でた。

 

「(さ~て、ジノとアーニャに見つかる前にモニカを迎えに────)」

 

 チャリ。

 

「(────うん?)」

 

 丁度身体を乗り出していたところで金属音が横からしたことでノネットは動きを止めてみると、スザクが『騎士の証』を手にして見ていた。

 

「(『騎士の証』? ……もしかして、ユフィに騎士選任をされた時のものをずっと持っていたというのかい?)」

 

 皇帝直属のラウンズに加入する時、本来は『皇帝への忠誠』を示す為に過去に仕えた主や部署から承ったモノなどは破棄や処分されるはずであり、皇族の騎士から昇進した者でも例外ではない……のだが、シュナイゼルの計らいでラウンズになることに乗り気ではなかったスザクに対して小さな例外が『騎士の証』である。

 

『彼の心と在り方の支えとなっていた亡き主の形見』とほぼゴリ押し気味に周りの貴族を説得させ、抗議を上げた軍部の者たちにはシャルルが『良い』という一言で黙らせた。

 

「にゃ?!」

 

「ア、アーサー?! ま、待て!」

 

 スザクの持っていた『騎士の証』にアーサーは目をキラキラとさせてそれを奪い取っては走り去り、そんなアーサーを追う為に隠れていた茂みから飛び出る。

 

 ……

 …

 

「あれぇ~? 迷ったかな~?」

 

 別のガランとした、明らかに人気がいない場所では頭をガシガシと掻きながら周りを見渡すジノとそんな彼を呆れたジト目で見るアーニャが居た。

 

「やっぱりトリ(頭)。」

 

「ん? 」

 

「無視?」

 

「そりゃ虫はいるだろうよ*1────ってなんだこれ?」

 

「……」

 

 ジノは更にジト目になるアーニャを横に、折りたたまれて待機状態だったMR-1を乗せたトラックに置かれたフォルダーを拾い上げる。

 

「『巨大ピザ計画』? えええっとなになに~? “ステップ2、トマトのコンテナはKMFによる輸送”……ルートまで書いてあるな。」

 

「チェックリストもスザク宛にある。」

 

「ルートの入力はスザクがしているみたいだな……って、これスザク宛じゃん!」

 

「…………………………………………」

 

「主役のスザクがする奴か! 面白そうだな! けど時間なのにいないのは何でだ?」

 

「ナイトメア、動くよ?」

 

「こいつ、動くのか?!」

 

 余談でここだけ何故か何時ものおちゃらけたトーンではなく某種で聞く真剣な声になったジノは次の瞬間、悪戯っ子の様な目をする。

 

「やっぱ面白いな、庶民のする物は!」

 

 ジノは待機していたMR-1に乗り込むと、アーニャはポチポチと携帯に入力をしていく。

 

 ……

 …

 

「(フゥ~……)」

 

 ランスロット仮面ショーで盛り上げ役を上手い事ライラに引き継がせて騒ぐ観客のどさくさに紛れて強化スーツとしての機能を使って逃げおおせたペロリーナことユーフェミアは内心でため息を出しながら学園内をトボトボとした足取りで歩く。

 

「(スザク、全然見つからないな~。)」

 

 チャリ。

 

「(ん?)」

 

 ユーフェミアは足元からした音に気が付くとスリスリと額をこすりつけてくるアーサーとアーサーの横に落ちていた『騎士の証』を見てギョッとする。

 

「あ、アーサー?! 何でここにペロ?!」

 

「にゃ~?」

 

 アーサーはコテンと首を傾げながらペロリーナ(の中に居るユーフェミア)を見上げ、ユーフェミアはペロリーナに内蔵された音声変換機能(ボイスチェンジャー)を通して驚く声を上げてしまう。

 

「(それに、これは……)」

 

 彼女は好意的に寄り添うアーサーを抱きかかえると同時に、『騎士の証』を拾い上げて明らかに丁寧な手入れがされているそれをジッと見る。

 

「(……スザク────)」

 

 ────キュイィィィィィィィィ!

 

「???」

 

 背後から展開するランドスピナー特有の耳鳴りに近い音がしてユーフェミアは振り返ると巨大なコンテナを頭上に掲げたMR-1が真っ直ぐ自分に向かってきているところを目撃する。

 

 「にゃ?!」

 

 アーサーはびっくりした。

 

 「バイバペロ?!」

 

 ユーフェミアはペロリーナの語尾付きで驚きを示す意味不明な言葉を口にして思わずアーサーと手にした『騎士の証』を抱きかかえたまま強化スーツの機能をフルに使って逃げ出す。

 

 ……

 …

 

「(う~む……やっぱりモニカたんの『見た目清楚なのに服装がエロい』という設定、ここでも活きているのな~。)」

 

 ランスロット仮面の衣装から着替える為スヴェンは本校内を歩きながらどこからか(恐らく無断で)拝借したピッチピチで超ミニスカ一回りサイズが小さすぎる学生服を着ていたモニカ(サイドテールスタイル)を思い浮かべる。

 

「(パンツが見えそうで見えないところも……そう言えばモニカのパイスー、『パン2〇見え』属性だったな────)────↑はぴゃ?!

 

 スヴェンは何気なく窓から学園のグラウンドを見ると巨大ピザ用にレンタルされたMR-1がアンデス産のトマトが詰め込まれたコンテナを振りながら()()()()()を追う景色に素っ頓狂な声をよく見る為に窓ガラスに近づくと額がガラスに当たってしまう。

 

 ……

 …

 

「ん────?」

「────おい、聞いているのかピザ女?! お前たちもここから絶対に動くなよ────?!」

「────ルルーシュ、()()もお前の指示なのか?」

 

「は────ほあああああああああああ?!?」

 

 アッシュフォード学園本校の庭園っぽくなってきている屋上に、のらりくらりと喋るC.C.を連れ出して既にいたカレンたちにビックリしながらも、どうにかしてスヴェンに借りを作る算段付きで彼女たちやユーフェミアを逃がそうか計画を練っていたところに、C.C.の指摘に学園のグラウンドの上をMR-1に追われるペロリーナを見たルルーシュは素っ頓狂な声を出しながら急いで屋上を去る。

 

「うわぁ?! あのお飾り姫ぇぇぇ!」

 

 カポッ。

 

 ポテポテポテポテポテポテポテ!

 

「私たちもいくわよ!」

 

「「「「え。」」」」

 

 カポッ。

 

 ズルズルズルズルズルズルズル!

 

 ペロリーナの状況を見て思わず過去に付けられたユーフェミアのあだ名を口にしながらタバタッチの頭部をかぶり直し、これを見たマーヤは(無理やり)頭部をかぶり直されたタバタッチーズを引きずっていく。

 

「……」

 

「ん? なんだアンテナ(アホ毛)女?」

 

アンテナじゃないわよ?! というかアンタは行かないの?」

 

「生憎“ここから動くな”と言われたものでな?」

 

「(うわぁ……こいつの性格、面倒くさそう。)」

 

 アンテナ(アホ毛)女のアンジュは静かに着ぐるみを着直しながらそう思い、『今か今か』と期待を持っていたC.C.を後にする。

 

「……………………………………は?! ここに居たら、出来たてホヤホヤのピザが食べられないではないか?!」

 

 ようやくここでC.C.はルルーシュの企みに気付いて彼女も屋上を後にする。

 

 ……

 …

 

「(きゃあああああああああ?! いやぁぁぁぁぁぁぁ?! 何で私を追うの~?!)」

 

「あはははははは! 庶民のすること、面白れぇ!」

 

 ジノはMR-1の中で愉快な気持ちになりながら、ナイトメア相手に逃げきれそうになっていた着ぐるみを見て更に面白がった。

 

 絵面的に子犬を無邪気に追いかける子供であり、てっきりこれも巨大ピザの一環と勝手に思い込んでいた。

 

『さあ! パレードルートに出たようです! 校舎をぐるりと回ってから、こちらにやってきますよ~?!』

 

 何も知らないリヴァルは時間より少し遅めに出現したMR-1にホッとしながら前もって準備されたセリフがマイクを通ってスピーカーから出る。

 

 バン!

 

 MR-1に最も近い本校からルルーシュが慌ててタックル気味にドアを乱暴に開けて全力疾走する。

 

「グッ! (なんてことだ! このままではせっかくシャーリーから遠ざけたユフィが大衆に────!)」

 

 ビュン!

 

「────おわ?!」

 

 校舎裏から猛ダッシュで走っていたスザクによって巻き起こる風にルルーシュは体勢が崩れそうになり、どうにか悲鳴を上げる身体に鞭を打って踏ん張る。

 

「す、スザク?! (マズイマズイマズイマズイマズイマズイ────!)」

 

 ビュビュン!

 

「────のぉ?!

 

 今度は後から来たランスロット仮面と緑色のタバタッチの追い風で転びそうになる。

 

「い、今のはスヴェンたちか……(確かに、今考えると、走るなんて、俺のジャンルじゃ────!)」

 

 ビュビュビュビュビュン!

 

「────ごわ?!

 

 ドッ!

 

 走る速度を落とさずに息が絶え絶えになりながらも考えを整えていたルルーシュを今度はかなり走りにくい筈の某Xアンジュ監察官(ブーツやタイツスカート)衣装を着たままのマーヤと彼女の後を追う小柄なタバタッチーズにとうとう足をもつれさせ深く息をして空気を要求する肺に供給しながらガクガクする膝に手を置いて上半身を支える。

 

「ブハァ! ゲッホゲホゲホゴホ! ゼェーハー、ゼェーハー、ゼェーハー────」

 

 タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ!

 

 「────とっつげき~────!」

 「────です~!」

 

 先ほどのマーヤのように走りにくいはずの丈の長いカントリードレスを着たミレイは持っていた馬上用の鞭をサーベル代わりに振りかざしながら掛け声を出し、どういう訳かシャーリーの様に水泳部カフェ衣装(ポニテエプロンカフスパンプススクール水着)を着たライラと共にルルーシュの横を通っていく。

 

 「クッ!」

 

 悔しさからか、あるいは別の何かにルルーシュは表情を歪ませて近くの建物に入る。

 

『来たぁぁぁぁ! ナイトオブセブン、枢木スザクがアンデス産のトマトとともにお出ましだー! さあ、来てくれ! 僕らは君を待っていたぁぁぁぁぁ!』

 

 リヴァルはハイテンションのまま、前回の失敗を踏まえて既にピザの生地が用意されたステージ上から近づいてくるMR-1の中に居る筈のスザクの返しを待つ。

 

 だが段取りに無かった着ぐるみを追うように走っていてMR-1からは返しが無かった。

 

「……あり?」

 

 『中の人、違いま~す!』

 

 「えええええええええええええ?!」

 

 逆に中から(リヴァルや学生たちにとって)聞き覚えのないジノの声が出てくるとリヴァルは驚愕する。

 

「きゃペロ?!」

 

 ペロリーナは足をもつらせた拍子にアーサーと『騎士の証』が両手から飛びでて、キラキラと光るそれをアーサーは器用に宙を舞いながら口に咥えて地面に着地して走り去る。

 

 ボテ!

 

「ベロ?!」

 

 バランスを崩したペロリーナは転び、ユーフェミアは淑女(?)にあるまじき声を出す。

 

『北の見回り班! ルーフトップガーデンを見ろ!』

 

「???」

 

 突然インカムからルルーシュの声に従い、委員会の一人が上を見上げる。

 

「副会長────?」

『────【システムパターン、ブルー!】』

 

「了解、システムパターンブルーを作動。」

 

 プシュウゥゥゥゥゥ!!!

 

 ルルーシュの姿を黙視した委員会は命令(ギアス)に従い、持っていた端末に入力したコマンドを実行させると学園の芝生中に仕込まれたスプリンクラー設備から水の代わりに防爆ジェルからインスピレーションを取った科学部の新作で、人体に無害であり消火の効果を持つ煙が一気に放出される。

 

「きゃあ?!」

「わぁぁぁ?!」

「なんだなんだなんだなんだ?!」

 

「おっと! こういうサプライズだったのか! アッハハハハハハハ!」

 

 学生たちは慌てふためき、ジノは足元や道上が見えなくなったMR-1を止めて豪快に笑う。

 

「な、なんだこれは?! 一体────」

 

 ボヨン!

 

「「────どぅわ?!」」

 

 近くにまで来たヴィレッタが混乱するその場に(セクシーな水着衣装のまま)駆け付けて半ば条件反射的にルルーシュ(トラブルメーカー)を探すと煙の中で着ぐるみにぶつかる。

 

「ッ。 す、すまない。 大丈夫か?」

 

「あ、いえこちらこそ────うわ?!」

 

 カポッ。

 

 ヴィレッタとぶつかったカレンは反射的に謝りながら自分の状況を思い出したのか、慌ててズレたタバタッチの頭部をかぶり直す。

 

「(あれ? この女の人……以前、どこかで見たような気が……)」

 

 カレンは感じたデジャヴにハテナマークを浮かべながらペロリーナをタバタッチーズと共に探した。

 

 ……

 …

 

 

「(ど、どこだ?!)」

 

 煙が黙々とするグラウンドをスヴェンは慌てながらペロリーナを探すがヘルメットと煙の所為で視界が悪くなっていたことにイラつきながらランスロット仮面のヘルメットを脱ぐ。

 

 ピロン♪

 

「(ん────?)」

「────記録、ありがとう。」

 

「どういたしまし……まし……て?」

 

 スヴェンが振り返ると周りがバタバタと騒ぐ中で唯一平常運転の様子だったアーニャを見て固まる。

 

 「(アーニャだ。 リアルアーニャんだ。)」

 

「……?」

 

 「(ちっさ。 手足ほっそ。 色白。 ピンクの髪の毛フワフワしてそう。)」

 

「……なに?」

 

「(おっと、『優男』で()()()だったな。) ああ、いえ。 少し驚いただけです。 ここの学生の親族でしょうか? 迷子ですか?」

 

 「大丈夫。」

 

 スヴェンに『迷子』と呼ばれたことが不愉快だったのか、アーニャは若干『ムッ』としながら答える。

 

「さようですか。 では、自分はちょっとこの場の収束に出ますのでこれにて。」

 

 スヴェンは内心冷や汗をしながらもにっこりとしてから煙の中へと消える。

 

「…………………………………………ぁ。 (聞くの、忘れた。)」

 

 何かに気付いたかのようにアーニャはハッとして騒ぐ周りを無視しながら携帯を弄る。

 

 ………

 ……

 …

 

「フゥー……」

 

「アッハッハッハ! 流石スザクだね!」

 

「いえ、エニアグ……ノリーさんこそ、そちらの方を助けていただきありがとうございます。」

 

 消火剤の煙の広場から離れた、人気のないところでアーサーを抱きかかえていたスザクはペロリーナに肩を貸していたノネットを見る。

 

 あの時、煙が噴出される直前ペロリーナとアーサーを両方抱きかかえようとしたスザクを見てノネットはペロリーナを支えてあの場から離れたスザクのあとを追っていた。

 

「………………」

 

「あの……どうかしましたか? 怪我でもされました?」

 

 自分を見て無言で固まった様子のペロリーナにスザクは優しく声をかける。

 

「あ。」

 

 アーサーはスザクの腕からするりと抜け出し、『騎士の証』を咥えたままペロリーナの足に身体を擦る。

 

「よっぽど猫に懐かれやすいんだね、その着ぐるみ。」

 

 ノネットに言われて足元を見たペロリーナはアーサーを抱きかかえ、咥えていた『騎士の証』を手に取る。

 

「これ、君の物ですかペロ?」

 

「ッ。」

 

 ペロリーナの喋り方と仕草にスザクはユーフェミアを連想してしまい、目を見開きキリキリと痛み出す胸の上に手を置きそうになる。

 

「……うん。 あり、がとう。」

 

 スザクは証をペロリーナから大事そうに受け取り、それを見る。

 

「……そうなんだ。 これは僕が……()が……」

 

「……」

 

「大切な……とても大事と()()人から貰った、大切なモノなんだ……」

 

 ポン。

 

 泣きそうな表情になったスザクを慰める為か、ペロリーナは手を彼の頭の上に乗せる。

 

「……大丈夫ペロ。 貴方が大事に思うその想いはきっと伝わっているペロ。」

 

「にゃ~。」

 

 ペロリーナはアーサーの鳴き声に視線を移すと、アーサーがジッと見ているノネットにびくりとする。

 

「あペロ。」

 

「うん? 何ビクビクしてんだい? 今の私は半ば密入国したノリーだよ? それに今目の前にいるのはただの男子学生と、ブサ可愛い着ぐるみと、拾われた猫さ────」

「「────え/えペロ────?」」

「────あーあー、モリーを見つけないと大変だー。 この周りに彼女が居ないか心配だー。 探さないとー。 (棒読み)」

 

 そのままノネットは場を後にすると空気を読んだのかアーサーは近くの茂みへ入り、スザクとペロリーナだけが残され────

 

 コロコロコロコロコロコロ。

 

「────クルルギスザク!」

 

「え?」

 

「クルルギスザク! クルルギスザク! クルルギスザク!」

 

 アーサーと入れ替わるかのように、ピンク色の球体(ピンクちゃん)がペロリーナの足元に転がり、耳らしきものをパタパタさせながらスザクの名を連呼する。

 

「何、これ?」

 

「……これは、()の物ですペロ────」

「────え────?」

「────その騎士の証が貴方の大切な人の大事なモノのように、この子が呼ぶ名前も()にとって……とてもとても大事で、未だに自分で自分を嫌いになって欲しくない、大切な人の名前ペロ────」

「────そ、それは……」

 

 ここでようやくペロリーナの中にいる人をスザクが察したのか彼は目を見開き、顔が驚愕のものへと変わりペロリーナは頭部に手をかける。

*1
アキト:まだまだだな。




(´•̥ ω •̥` )ブワッ
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