『サブタイ(笑)』ですか? 猛暑が続くので練乳入りアイスコーヒーを連日きめています。 (゜∀。)ワヒャヒャヒャヒャ
さて、皆さんは『アプソン将軍』と言う人物をご存じだろうか?
アニメでもカラレスの様に一話しか出てこないが、『双貌のオズ』では反旗を翻して本国に向かっていたウィルバー・ミルビルの組織、『タレイランの翼』の迎撃を行おうとしたシーンにも出てきている。
彼自身の詳細は取り敢えず色々と省くが、名誉ある本国の守備隊指揮官から外されたことをいつもは静かにイラついていた彼は浮足立っていた。
「♪~」
それこそ、カリフォルニア基地内の廊下を歩きながら鼻歌を思わず出してしまうほどに。
最初は守備隊指揮官から外されたアプソンは『
だが彼に命じられたのは『エリア11の新総督の護衛艦隊総司令と教育係』だった。
『忠義より己の保身』の考え方に傾向があるアプソン将軍からすれば血の気が引くような名であり、上記だけを見ればマリーベルとエリア24と似ていなくもない状況だった。
だが、その『新総督』と言うのが先のブラックリベリオン時に旧日本政府残党から身柄を確保された目が不自由のナナリー・ヴィ・ブリタニアとなると色々と変わってくる。
彼女は皇族とはいえ、後ろ盾はほぼ世間に無関心な皇帝シャルルと強いて足すのならば『大局的に帝国へ不利なことでなければ黙認する』という事で有名なシュナイゼル。
つまりアプソン将軍は
しかも指揮下には通常の海軍などではなく、ブリタニア帝国でも皇帝やエリア24にシュナイゼルを除けば真新しい浮遊航空艦の艦隊。
つまり(理論上)安全な航海で送り届けた後は新総督の『目が不自由』を利用して傀儡にすれば、実質エリア11の総督になったも同然である。
「将軍。」
そんな愉快なアプソンに声をかけたのは『ブリタニアの魔女』と文武両道で有名なコーネリアの騎士で『帝国の先槍』との異名で有名なギルフォードが話しかける。
「何かね、ギルフォード卿?」
「やはり私やグラストンナイツに、護衛に同行する許可を────」
「────手助け不要。 先のカラレスと君やクロヴィス殿下によって『エリア11周辺の平定は進んでいる』と聞いたが?」
「ですが、エリア11にはゼロが戻ったのです。 必ず仕掛けてきます、そうでなくとも────」
「弱気だな、ギルフォード卿。 ナナリー総督の護衛には新型の浮遊航空艦で構成された艦隊が
「しかし、ゼロは────!」
「────ゼロは死んだ。 今『ゼロ』と語っている者が前回と同じな訳があるか。 出なければ、どうやってナイトオブセブンの昇格を説明する? 何をそんなに恐れている、『帝国の先槍』?」
「……中華連邦の総領事館では、紅蓮弐式が────」
「────何を言うかと思えば、ナイトメアか。 ナイトメアなど陸戦兵器、空を飛べるわけがない。 仮に空を飛ぶにしても、輸送機の積み荷としてだ────」
「────遅れちゃって申し訳な~い~♪」
アプソンとギルフォードがいる場所に気の抜けた声と共に目の下にクマ、そしてセミロングになった髪をギルフォードの様なポニーテールに束ねたロイドがクルクルしながら近づく。
「ロイド伯爵??? 何故────」
「────お久しぶりです、ロイド博士。」
ハテナマークを浮かべるアプソンとは対照的に、ギルフォードは旧友に挨拶するかのような表情を浮かべる。
「いや~、本当はもっと早く来たかったんだけれど皇帝
「────ロイドさん!」
背後から気まずそうに小声でロイドとは違って容姿があまり変わっていない様子のセシルが注意する。
「あれ? 何か、まずいこと言ったっけ?」
「“博士は相変わらず”……と言いたいところですが、その髪型はもしや私のマネでしょうか?」
昔からポニーテールにしたギルフォードは内心、ロイドの髪型を見て少し嬉しかった。
と言うのも(余談だが)過去にギルフォードが誤って髪を短くしてしまったことで判明したのだが、彼の髪が太いせいでそのまま重力に逆らってトゲトゲのヘアスタイルになってしまい、ダールトンからは『ウニ頭』と笑われた黒歴史があった。
「んふふ~、ざ~ん~ね~んでした~ギルギルちゃん────♪」
「────ギ、ギルギルちゃん────?」
「────この頃ねぇ~? あることない事の言いがかりとかラウンズの機体チューニングとかカスタマイズとかシュナイゼル殿下の無茶ぶりとかに振り回されて全然サロンに行けていないだけで面倒だからセシルからヘアバンドを借りてみた! ちなみにセシルも化粧でクマを隠して────」
「────ロイドさん?」
「ゴメンナサイ。」
口だけ笑っているセシルの無言の圧力が籠った声に、ロイドは一気にしゅんとする。
「……コホン! それで、例の物は────?」
「────あ! それならアヴァロンの中に積んであるよ~ん♪」
「助かります。」
ロイドとギルフォードの間で起こる謎のやり取りを────と言うよりロイドを────見てアプソン将軍は内心で呆れていた。
「(まったく、
…………
………
……
…
コツン……コツン……コツン……
アッシュフォード学園の地下にある、機密情報局の拠点に一人でいたルルーシュは静かに苛立たしく自分の前に置いたチェス盤にピースを置いていく。
「(スザクの口癖からして、新しいエリア11の総督がナナリーだという事は予想できる。 これが罠だという可能性があったとしても、スザクがそのような類の口八丁を使うとは思えん……なんの冗談だ?
いや。 “強さこそ絶対の価値と考えている”皇帝の事だ、再びナナリーを政治の道具に────それも『目と足が不自由な少女』という事を利用してブリタニア、そしてナンバーズ双方から同情を引ける対象として送り込むつもりだろう。 スザクがゼロへのアンチテーゼへ仕立て上げられたように。)」
ここまでルルーシュは考え、チェス盤に置いた黒のキングの駒とそれに向き合うかのようなピンクの折り鶴を見る。
「(さて、どうするべきか……『戦う』? それはない。 『放置』? それこそ論外だ。 元々黒の騎士団はナナリーが利用されず、幸せに過ごせる世界を作るために設立した!)」
カァン!
ルルーシュはここで、黒キングのピースを手に取ってそれをピンクの折り鶴の近くに力強く置く。
「(それが、ゼロの存在意義なんだ! なら、取るべき行動は自ずと一つだけ! 『新総督を捕虜にする』と言う大義名分でナナリーを保護するしかない!) それに、彼女が新大陸にいるのならば、エリア11に来るために太平洋を横断するはず……つまり護衛の数と戦力は知れている。 このチャンスを見過ごす手はない!」
ここでルルーシュは、とあることを疑問に思い当たる。
「(……待てよ? そう言えばC.C.が言っていたな、“ナナリーは新大陸にいる
と言うことは恐らく、情報の元はスヴェン側か? だがそうなると、どうして奴は俺にナナリーが総督になることを言ってこない?)」
ルルーシュはここで、チェス盤の端に置いていたルークに目を移す。
「(可能性を考えると大まかに三つ。 ブリタニア内部でも極秘の情報という事でごくわずかな者達にしか伝えられていなく、エリア11に来ているスザクが偶然に知っていたので『スヴェンは分からなかった』。
あるいはそれらしい情報は掴んだものの、確証を得ていないので『まだ言ってこない』。
……それとももしや、『知っていて
ルルーシュは『スヴェンに限ってそんなことはしない』と即時に断言できなかった自分の思考を切り捨てて、いかにどうやってナナリーを乗せた艦隊を
スヴェンを作戦から除外した理由は別に意識的に行ったものではなく、ルルーシュが『戦略家のゼロ』として自動的に予想外の要因を削ぎ落し、『
二日後、ルルーシュは太平洋を横断するであろうナナリーを乗せた艦隊をいち早く発見するため太平洋方面に黒の騎士団の目を向けていた者たちから予想より早く、『カリフォルニアとアラスカの二方面に動きアリ』と言った連絡が来たことに内心焦りながらも急遽作戦を練った。
…………
………
……
…
「黒の騎士団が、いない?」
「ああ。」
次の日、『昨夜トウキョウ租界内の中華連邦の総領事館内で謎の爆発音があった』と言う報告にスザクはジノやアーニャと共に領事館を訪ねると
「昨日の夜に爆発が起きたので、様子を見にきたら建物が崩れていた。 今朝ようやく残骸を取り除いたが、地下の階層に続くトンネルが
「総領事は?」
「……殺されていた。 死ぬ間際に書きのこしたと思われるメッセージから、黒の騎士団に脅されていたことが判明した。 これで、中華連邦はブリタニアに敵意はないと分かっていただけるかな?」
「トンネルの行先は?」
「部下に捜索をさせているが、かなり入り組んだ構造なのでまだ何も。」
「では、政庁の者たちに言い渡して探索を合同で行いましょう。」
「喜んで受け入れましょう、情報は共有する。」
「なぁスザク? どうする? トンネルの中、トリスタンで探す?」
「だめだ。 あんな密閉空間だと────」
「────スザク。」
「アーニャ? (自分から声をかけるなんて、珍しいな……)」
「今日、エリア11の新総督が来る日。」
「ッ?!」
「関係あるかも。」
スザクは目を見開かせ、携帯を取り出してはアッシュフォード学園の機密情報局にメッセージを送る。
ピロン♪
すると『ルルーシュは授業を受けている』という返信と証明するリアルタイムの映像が送り返されたことで、スザクは踵を返してトウキョウ租界の政庁へと向かう。
「あ、おいスザク────?!」
「(────ルルーシュは学園にいる……という事は、今黒の騎士団の指揮を執っているゼロが別人である可能性が……ならば、護送されている新総督を────ナナリーを狙っていてもおかしくはない。 そしてゼロがルルーシュではないとすると、彼女の身に危険が!)」
スザクの脳裏を過ぎったのは、ケガをしたりナナリーに害が及んだとしても『新総督の身に何かあった』程度の認識をする、ナナリーの記憶がないまま過ごすルルーシュ。
あるいはそのショックで記憶が戻り、混乱しながらも絶望して自暴自棄状態になるルルーシュ。
どちらにしても、スザクにとっては耐え難いシナリオだった。
「ジノ、アーニャ。 手伝ってくれるかい?」
「そうこなくっちゃな!」
「……お仕置き。」
……
…
中華連邦の総領事館から移動した黒の騎士団は、インド軍区からニイガタに届けられた物資やKMFを別部隊が受け取ってチバへと集結し『新総督の捕獲作戦』に向けて戦力が総動員されていた。
アプソン将軍や、ほとんどのブリタニアの者たちが認識しているように従来のナイトメアは基本、陸戦兵器である。
トリスタンのような可変型やフロートユニット、エア・サザーランドのように元々空中戦を想定した機体など存在するが生産性に運用性やそれ等の整備は『難アリ』という事で主に空中戦はブリタニアの独壇場である。
とはいえ、
そのやりようとはいたってシンプルであり、『空を飛べないKMFのハーケンを、代わりの翼になる戦闘VTOL機に固定して浮遊航空艦に乗り移って新総督を捕虜にする』と言ったモノ。
『何を馬鹿な?!』と思うかもしれないが、元々ナイトメアの輸送に使われるVTOL機も戦闘VTOL機や戦闘ヘリと同じエンジンを応用しているので推力に問題はないし、ぶら下がったままのナイトメアはアサルトライフルなどの遠距離攻撃方法があればそのまま空中戦も行える。
『自由自在に飛べる』と言うわけではないが。
「エナジーのチェックよ~し! 異常な~し!」
そんなVTOL機の一機を任されたベニオは整備班に任せるだけでなく、自分も出来る確認を鼻歌まじりに行っていた。
「…………………………」
そして近くにいたサヴィトリは難しい顔をしながらベニオと、彼女の近くにあった紅蓮を見る。
「どうしたのサヴィトリ────?」
「────あ、カレンさん。」
「老け────
「……元々こういう顔なんです。 カレンさんは、不安じゃないんですか?」
「ん? ベニオの事? 彼女ならやれると思うわ。」
「でも彼女、実戦経験が無いんですよ?」
「ベニオは勇気も行動力も判断力もある。 優しいところも、アイツに似ているし────」
「────最後、なんて言いました────?」
「────ううん! なんでも! ま、彼女を見ると初めて私がナイトメアに乗った時を思い出すよ。」
「……え?」
「あれ、話さなかったっけ? 私もぶっつけ本番だったの。 だからかな? ちょっと放っておけないの。」
「……あまり感情移入しない方がいいですよ? 新入りですしいつ死ぬかわからないですし、裏切られるかもしれませんし。」
「サヴィトリ……」
カレンは年齢的に似合わない、冷え切ったサヴィトリの表情を見て思わず日本侵略後のスヴェンを連想してしまう。
「(彼女にも、やっぱりアイツみたいに色々とあったのかな? それに……)」
カレンはポケットから、少々古い型の携帯を取り出してメッセージを見るとそこには自分が送った『どこ?』に対して、『別作戦中』と言う短い返しがあった。
「(これって絶対に『暗躍中』の間違いだよね? ゼロも……ルルーシュに聞いても、歯切れが悪かったし。)」
…………
………
……
…
場所は太平洋の上空へと移り、そこにはナナリーを乗せたログレス級浮遊航空艦を旗艦に、円を描くように周りはグリンダ騎士団のグランベリーを元に再設計されて戦闘力が上がったカールレオン級浮遊航空艦が数隻によって守られている光景を、アプソン将軍は自分の端末をレーダーに繋げてホッコリしていた。
「(痛快なモノだ。 ログレス級とカールレオン級の艦の中にはさらに戦闘機と戦闘用のヘリが搭載されている。 ギルフォードが気になるような物などない。) して、ナナリー総督は?」
「いつも通り、庭園エリアに居ます。 ブリッジにくる気配はありません。 それに来たとしても────」
「────うむ。
「一時間前の定期連絡では『異常なし』と来ていましたので、もう間もなく見えてくるはずです。」
「そうか。 (そう言えば、元EUのイタリア産ボルドーがエリア11の着任式用にあったな……フフフフ。)」
……
…
エリア11でゼロ復活と黒の騎士団によると思われる『バベルタワー転倒事件』によりブリタニアの戦力が低下した所為で援軍として、アラスカから発進した別艦隊はアプソン将軍たちのような穏やかな空気などではなかったのは知る由もない。
ピー!
「三時の方向にレーダー、反応アリ! 」
艦隊の要であるログレス級浮遊航空艦の中で、予想外の反応が現れるまでは。
「(三時だと? 方向的にはアラスカ方面だしここはまだブリタニアの勢力圏内、どうせ新型艦のテストフライトか何かだろ。) よし、必要がないかもしれんが形式だけでも所属を問いただせ。」
ピリリ。 ピリリ。 ピリリ。
「応答ありません!」
「(通信機器の不具合か? それとも────) そのまま続け────」
「────識別信号に反応なし! 所属不明機、更に速度を上げて接近────」
「────なに?! 各機に、迎撃態勢を取らせろ! 相手は何だ?! 艦か────?!」
「────違います! サイズが小さすぎます────!」
「────ならばミサイルか! 全砲門開け! 撃ち落とすのだ────!」
「────は、早い! 来ます!」
ログレス級浮遊航空艦のブリッジにいたアプソンは、スクリーン上に何かがきらりと光ったと思えばその『何か』が三時の方向に護衛を務めていたカールレオン級の後方で
「もしやVTOL戦闘機か?! (いや、早すぎる上にこうも空中停止────!)」
ボォン!
「────何事────?!」
「────護衛艦『ブリジット』、“操舵不能”とのことです!」
ブリッジの中から、護衛艦『ブリジット』が機関部からモクモクと煙を上げながら高度が落ちていく様を見て誰もが驚愕の表情を浮かべる。
「えええい、撃ち落とせ────!」
「────ダメです! 未確認機の機動に自動照準器が間に合いません!」
ボォン!
「こ、今度は『マルドゥーク』が────!」
「────砲門をマニュアル操作に変えて撃ち落とせ! (私は……私たちは何と戦っているのだ?!)」
「ヒャッホウォォォォ!!!」
ブリタニアの別艦隊が恐怖を感じていた未確認物体の中で、まるで水を得た魚のように生き生きとしたアンジュは自由自在の機動に感動していた。
彼女が乗っているのは新型の戦闘機……などではなく、
というのも、これは完全にスヴェンが『アンジュだから~』と思いながらネタ趣味全開アンジュに合う機体をウィルバーに依頼した結果だった。
その形状はまるで大型モーターサイクルの後方にブースタージェット、前方に巨大ライフルを取り付けたようなもので、コードギアスの世界にとっては完全に未知のデザインであった。
「よっしゃ! つ・ぎ・は~!♪」
「ヒャッハー!」
先ほど『水を得た魚』と例えたが訂正しよう。
『まるでワタワタと不器用に氷上を移動していたワモンアザラシの群れを奇襲した空腹のホッキョクグマのようだった』、と。
ホッキョクグマは他種のクマと比較すると頭部は小さい上に耳も小さく、肉球以外全身が真っ白な体毛で覆われているので割とかわいいですよ?
『必死過ぎw』トハイワナイヤクソクデス。
フルートが どこかで はげしく かなでられる。