小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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お読みいただきありがとうございます、まだまだカオスな展開速度です!
楽しんで頂ければ幸いです! m(_ _)m

早速朝のアイスコーヒーを……(υ´Д`)アツー


第201話 刻まれるすれ違いのビート

『ここまでか!』

 

 ボシュ!

 

 藤堂達の連携による防衛陣は紅蓮がログレス級の甲板から吹き飛ばされたことをきっかけに出来た隙をギルフォードたちのヴィンセントとジノのトリスタンによって突かれ、一対一になっても最後までジノとギルフォード二人を相手に粘っていた藤堂の月下も自動脱出機能が作動する。

 

『皆! 中佐────!』

 

 ────ガシッ!

 

『もうおしまい────』

『────くそ! 放せこのデカ物!』

 

 ギルフォードが注意を藤堂に向けたことでアサルトライフルを使い、援護していた千葉の月下の頭部をモルドレッドが鷲掴みにするどころかそのまま握りつぶす。

 

『バイバイ。』

 

『クソ!』

 

 ボシュッ!

 

 とうとう千葉も戦線を離脱してしまう。

 

 紅蓮が吹き飛ばされてからここまで要した時間、僅か10秒未満であった。

 藤堂達の月下もヴィンセントなどと同じ第七世代KMFに部類されるが、それほどまでにフロートユニットの有無は圧倒的であり、それでもなお唯一ブリタニア側が警戒していたのが多種多様な紅蓮の輻射波動だった。

 

『ヴァインベルグ卿、我が隊は落ちていった者たちを追います。』

 

『ああ、新総督は私たちに────』

 『────アレ取ってきてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

 

 ギルフォードとジノ通信に突然、横から割り込んでとても同一人物とは思えない、気迫に満ちたロイドの叫びにギルフォードやグラストンナイツ、ジノとアーニャは思わず耳に付けたインカムを取り外してしまう。

 

「ッ……(姫様以上の肺活量!)」

 

「おあ?! なななななななんだ今の?!」

 

「……キィーンって耳鳴りがする。」

 

『ロ、ロイドさ────』

 『────取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取って取ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

 

 アヴァロンの中から、ロイドは今すぐにでも飛び出したい衝動のまま顔の頬や血走って大きく見開いた目、そして体全体をべったりとブリッジ内にあるスクリーンに引っ付けながら荒い息を出していた。

 

 欲しいィィィィィィィィィィ!!! 欲しいよぉぉぉぉぉぉぉ! 欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい()()()()()()()()()()()()!!!!」

 

 シンジュク事変以来の『発狂』具合にアヴァロンに乗っていた『特派時代』からの乗員はため息を出し、『キャメロット』として活動し始めてから入部した者たちは面食らっていた。

 

「(あの紅蓮が見せた『空中連結システム』……ラクシャータさんだけなく、もしやウィルバー先輩たちも黒の騎士団に協力を?!)」

 

 ストッパー役であるはずのセシルだけは新たな紅蓮の容姿に、伝手で『妻と共に行方が不明』と聞いたウィルバーとサリアの事を連想して驚いていた。

 

 ……

 …

 

 

 原作ではここで今まで整備不良でスペアパーツなどでやりくりしていた紅蓮弐式甲壱型腕(こういちがたわん)装備はブリタニアのフロートユニットを独自にした『飛翔滑走翼』の開発を進めていたラクシャータによって新たな背部装備の飛翔滑走翼や内蔵されたミサイルに新たな右腕を付けて強化されたType-02/F1A、『紅蓮可翔式(かしょうしき)』へと進化していた。

 

 だが今作のラクシャータは原作と違う刺激や体験、出会いなどをしていた。

 

 「アッハッハッハ!!! ぶっつけ本番だったけれど、オート(自動)化した空中換装は成功の様ねぇ!」

 

「ら、ラクシャ-タさ────ウィエ゛?!

 

 サヴィトリが特徴的な高笑いに振りかえると思わず変な声を出しながら後ずさりをしてしまう。

 

 そこにはロイドのように過労によって変わった容姿をしたラクシャータがいた。

 

 何時も怠そうにしていた目はテンションの所為かギラギラと血走っており、フワフワしていそうな髪もぼさぼさに半ばアフロ化していて彼女の露出狂っぽいみだらな服装は更に乱れていたり、着崩れなどしていた。

 

「えっと……ラクシャータさん……ですよね?」

 

「ええそうよ!」

 

「……」

 

「まぁ今日で徹夜七日目だからね! 他の子たちは流石に五日目でダウンしたけれど私はまだまだよ! オホホホホホホホホホホホホホホホホホ!!!」

 

 ひとしきりに笑ってからラクシャータはモクモクと煙を出すキセルに口を付けて、煙を口の中に含む。

 

「…………………………ふはぁ~……『これは何』って? あれよあれよ、気分が良く成る奴よ。」

 

「……誰に喋っているんですかラクシャータさん? (と言うか“他の子たち”ってEUの人たちのこと?)」

 

 ……

 …

 

 上記とほぼ同時刻で人工島の技術部にあてがわれていた建物内はまるで嵐が過ぎ去ったかのような、阿鼻叫喚の景色が広がっていた。

 

 用途がわからない部品や解体(あるいは壊された)機材がそこらじゅうに散らばっており、端では半壊していた村正の外装が外されて内部がむき出しになっていた。

 

 そしてよく見るとその近くに『ランドリー(洗濯物)』とマジックで書かれた籠に脱ぎ捨てたと思うしかない衣類や肌着が特盛のご飯のようにこんもりとたまっていた。

 

 床には肌着や衣類の主と思われるボロボロのまま作業中に気を失った様子のアンナ、クロエ、ヒルダ、そしてどういうワケか部屋を片付ける元気が残っているネーハ(三角巾着用)がいた。

 

「あら?」

 

「ぁ……ぅ……」

 

 そんなネーハに、おずおずと前回に見た時より更に健康的な体つきになっていたエデンバイタル教団から救出された子供たちが数人上手く声を出せずに真似をしていた。

 

 ……

 …

 

「御覧なさい! あれが私の飛翔滑走翼よ! オズたちから聞いた話で紅蓮タイプのトップヘビーなデザインを改善したしっかりとした下半身! 中途半端野郎(ウィルバー)の可変式フレームにオズたち(グリンダ騎士団)の連結システム! そして本体にだけでなく、アッパーとアンダーパーツにそれぞれ搭載した動力で出力不足は若干改善したわ!」

 

「……さすがラクシャータさんですね。」

 

「ンフ♡ 私、天才だから♡ ……と言いたいところだけど、このデザインはあの子の依頼を元にしたヤツなんだけれど。」

 

「『あの子』?」

 

私の子(紅蓮)に手を出したやつよ。」

 

 「「「「「え゛。」」」」」

 

 ラクシャータの何ともない一言に、黒の騎士団は固まってはそれぞれが別々の事を思い浮かべた。

 

 追記するが、何人かはラクシャータの性格を理解しているので先ほどの言葉がKMFの紅蓮の事だと分かっているのだが……

 

 

「……」

 

『紅月くん! 千葉がやられた! このままではラウンズ数人にゼロが一人で逃げなくてはならなくなる!』

 

 カレンは茫然として、新たに変わった部分などを簡単に表示した注意事項に目を通していたが藤堂からの通信によってハッとしてから機体を上昇────

 

 ゴゥ!

 

「────かッ?!」

 

 カレンは思わず体中に圧し掛かるGにびっくりしながら体が要求するまま息を吐きだすと目の前がチカチカと火花が飛び散り、パイロットスーツは過激な移動の中で体形と首の維持の為に膨れ上がる。

 

『来るぞ!』

『早い?!』

『まるで、ナイトオブスリー(トリスタン)の────?!』

『────お前たち、撃て!』

 

「グッ! クッ……食らいなぁブリタニアァァァ!」

 

 先ほどの機動で紅蓮が一気に近づいたことに戸惑うヴィンセントたちの反撃を見て、視界がシパシパなりながらもカレンはそのまま輻射波動のスイッチを入れる。

 

 ボゥ!

 

「え?! ちょ?! 待っ────きゃああああああああ?!」

 

 今までのように零距離のバリアーで攻撃を防ぐつもりだったカレンは予想以上の出力で撃ち出される輻射波動に機体が急に後ろへ動くことに叫び、収束して撃ち出されたレーザービーム輻射波動は、そのままグラストンナイツのヴィンセントに直撃しては横に移動して他の機体を掠ると異常なまでのオーバーヒートなどに次々とKMFのOSが自動で脱出機能を作動させていく。

 

「な、なんだと?! 直撃しなくても……掠っただけで一撃────?!」

 

 ────ビィィィィ!

 

「お、オートだと?! む、無念!」

 

 ギルフォードは驚愕しながら試作のシールド(ブレイズルミナス)で防ごうとするがそれでもOSが『危険』と判断したのかギルフォードのコックピットブロックが飛び出ていく。

 

「うお、スッゲェ! まるでハドロンブラスターだな?!」

 

「……あっそ。」

 

 ジノの言葉にアーニャがムスッとし、モルドレッドのハドロンブラスターが展開されていくのを唖然としていたスザクが見てはハッとする。

 

「ッ! アーニャ────!」

「────落ちなさい。」

 

 ドゥ!

 

「来る! グ、ああああああああ!!!」

 

 モルドレッドの大型シュタルクハドロンによる砲撃の光を見たカレンは、先ほどの機動を見せて更に接近する。

 

「おっと────!」

「────ジノ────!」

「────スザク、お前は新総督の方に向かえ!」

 

 トリスタンは人型から戦闘機に形態を変えて追撃を行う。

 

「こちら枢木スザク! アプソン将軍、応答を願います!」

 

『アプソン将軍は警備隊の指揮を執りにブリッジに居ません! 航空艦内に、賊が侵入しましたが、なんとか追い払うことが出来ました! ですが、高度が上がりません!』

 

「(ナナリー、無事でいてくれ!)」

 

 スザクはそう願いながら、さっきの紅蓮が出した攻撃でエンジンにダメージを受けて徐々に高度を落としていくログレス級の内部にランスロットを移動させる。

 

「セシルさん! 総督の位置は?!」

 

『メインブリッジの後方にある庭園、でも今までの戦いで艦は墜落中でアプソン将軍などの主な者たちとも連絡が取れない! このままだと────』

「────必ず助けます! コアルミナスコーンを使います!」

 

 ……

 …

 

 

 ルルーシュは外で戦闘音が鳴り続ける中、ログレス級の通路を早歩きで移動する。

 

「(警備や救護班の者たちも退艦準備に手がいっぱいなようだな────)」

 

 ────ガチャン。

 

「ッ。」

 

 焦る気持ちのままルルーシュは()()()意識を残しているブリタニアの者と出会わず、そのまま庭園エリアへと続くドアを開けると、彼はゼロの仮面の下で息を素早く呑みこむ。

 

「(ナナ、リー……)」

 

 ルルーシュは実におおよそ一年ぶりに見る妹の姿に腰が抜けそうになってしまい、無理やり前進することでそれを誤魔化す。

 

「(この足幅、どこかで────)」

「────お初にお目にかかります、私はゼロと言います。 新総督のナナリー皇女殿下ですね? お迎えに上がりました。」

 

 ナナリーは目が不自由と知りながらも、ルルーシュはゼロと言う『象徴』とイメージを保つ為にオーバーなアクションを取る。

 

「“お迎え”────?」

「ナナリー総督、皇帝は『強さこそ存在するための絶対の価値』と考えている男です。 貴方のこの任命も、貴方自身を利用しているだけにすぎません。」

 

「『目も足も不自由な私なら、ブリタニアと旧日本人の同情を引ける』と言うのですね?」

 

(さすがはナナリーだ!) そうです。」

 

「そうかも知れません────」

「────でしょう? 私はそんな貴方に、手を差し伸べているだけにすぎま────」

「────ですが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()です。」

 

 「(なん……だと?)」

 

 まるで頭を物理的に揺さぶられたかのような衝撃にルルーシュは思わず後ずさり、自分の靴が後ろへ動いたことで擦れる音が耳に届くとハッとする。

 

「(ナナリー……な、何を────いや落ち着け。 落ち着くんだ俺よ! 真意を……彼女の真意かどうか聞きだすのだ!) 君自身の、意思、ですか?」

 

「ハイ。 私は私なりに託されたものを実行し、()()()が来るまでの準備をするつもりです────」

「(────『託されたもの』? 『その時』? どういうことだ────?

 ダメだ、もうタイムリミットが……ならば正体を明かすか────?

 ダメだ、そんなことをすればナナリーの事だ、傷ついてしまう! それとも強引に連れて────?

 いや駄目だ! そんなことをすればスザクの二の舞に────!

 それ以前にそもそもそんなやり方はアイツ(皇帝)と同じ────?

 違う! 断じて、断じて違う────!)」

「────()()大丈夫です。 ですからゼロ、どうか────」

 

 ────ボガァン!

 

「うお?!」

「きゃ?!」

 

 庭園エリアの壁が崩れ、ランスロットが中へと入ってくる。

 

「(やはりゼロ! ナナリーは?! ……無事か、良かった────)」

「(────ランスロット?! スザクか! 何故だ?! 何故貴様はいつも肝心なところで、俺の邪魔をする?!)」

 

 ……

 …

 

「「「「ゼロ?!」」」」

 

 アヴァロンの中では簀巻き状態のまま大きなたんこぶを額に作って気を失ったロイド以外でランスロットからの中継を見ていた者たちが一斉に驚く

 

 ……

 …

 

 

『この船は墜落寸前ですので、脱出と要人の保護を優先します────!』

「────スザクさん────?!」

「────ま、待て────!」

『────ゼロ、(君がルルーシュでなくとも)お前も早く脱出しろ!』

 

「チィ! (よりにもよって、俺を皇帝に売った奴がナナリーををヲをヲをヲをヲ!!!)」

 

 ランスロットはナナリーを車椅子ごと運び出すと、一瞬だけ外部との気圧の差によって生じた風に吹き飛ばされたゼロは走り去る。

 

 ドォン

 

「うおああああ?!」

 

 ログレス級が高度を維持できず、海上に衝突するとルルーシュは船の揺れによって頭を強く強打し、星が飛び散っていく。

 

「(ダメだ、意識をしっかり持て! ここで気を失ったら────)────な?!」

 

 ルルーシュの視界が戻ると今度は庭園エリアから浸水し始めた海水が背後から彼を無理やり押し出す。

 

「のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────がぼごぼがば?! (ま、マズい! 神根島を教訓にマスクを防水仕様にすることを忘れ────!)」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

『先日、エリア11の新総督であるナナリー・ヴィ・ブリタニアを護送していた浮遊航空艦隊が卑怯な黒の騎士団の奇襲に合い、我がブリタニアのナイトオブラウンズにより救出されてから三日目ですが依然として大打撃を受けた黒の騎士団の残党狩りは未だ────』

 

 ────ピ♪

 

「ハァ……」

 

 (スヴェン)はテレビの電源を消してため息を出す。

 

 だって……ねぇ?

 

 結局こうなったのよ、パ〇ラッシュ。

 

 え? 『ナナリーはどうした』って?

 

 見ての通り、原作のようにエリア11の総督になっていますが?

 

 あの時、ユーフェミアたちと引き合わせて今までずっとチャージしていた分の『“時間”に意味はない』を全部使ってまで行政特区日本の真相(殺されたユーフェミアがクローンで『ゼロが皇族殺し』と言う汚名を着せるためのパフォーマンスだった)等を話した上で、ナナリーを連れ出す気満々な感じに『黒の騎士団に攫われたことにしようze☆』ってところで今度はユーフェミアが何かナナリーに耳打ちをしては彼女に『まぁ!』なんて言わせて……

 

 何を話していたか内容を聞きたかったけれど『女性同士の秘密です♪』で……まぁ、ぶっちゃけるとナナリーたちにやんわりと断られた。

 

 “スヴェンさんの申し出はとても嬉しいのですが、出来ればお兄様の助けになってください”と、ナナリーは笑顔で。

 

 ああいうナナリーは梃子でも動かないのはユーフェミアとかコーネリアとかルルーシュとかを今まで見てきたから頭では理解していた。 

 こう考えるとブリタニアの皇族って頑固者が多いな?

 

 『一緒に来ないのならせめてもっと詳しい話を~』と話しかけようとしたら急に眩暈と体の調子が悪くなって、アリスとユーフェミアが何かに気付いたのか、さっさと話を切り上げてログレス級の艦から『リバースタ〇パイ〇イ』で脱出していた。

 

 ちなみにアリスとユーフェミアは脱出する寸前まで左右から嬉しくも困るナナリーを『ギュゥ~』と抱きしめていた。

『ナナリー成分補給』だとか。

 

 その気持ち、わからないでもないがそんなことをしたらナナリー(の骨)に負担がかかるじゃん。

 

 ああ、余談だが俺もあの後他の奴らのようにログレス級から他の乗員に紛れてパラシュート降下したけれどギリギリディーナ・シーに届かなくて海水に入ったよ?

 

 超寒かったぜよ。

 

 「ナナリー、凄いです……」

 

 俺がぼんやりと思い出していると、隣からライラがボソリと声を出す。

 

 まぁ、ナナリーが凄いのは今に始まったことじゃないけどな。

 

 遅くなったが俺が今いるのは学園のクラブハウスだ。

 恐らくログレス級から海に放り出されて溺れそうだったところをカレンが助けたが、モヤシなルルーシュは風邪で寝込んだから代わりに生徒会の手伝いを俺がして────

 

「────ケホ、ケホ。」

 

「あれ? スヴェン先輩も風邪です?」

 

 思わず咳を出した俺の顔を、心配そうにライラが覗きこ────って、近いよ?!

 

 ばっちりとした大きな碧眼の御目目ががががががががが

 

 あ、ふんわりとしたリンスの匂い。

 

 「ハァ。」

 

 おっとここでシャーリーがトーンの低い息を吐きだしたぁぁぁぁぁぁ!

 ル〇アだぁぁぁぁぁぁ!

 

「ルル、大丈夫かな……」

 

「う~ん、ロロが付きっきりでそばに居るから大丈夫なんじゃね?」

 

「でももう三日目だよ?!」

 

「まぁまぁシャーリーさん。 この際ですから聞いても良いですか────?」

「────へ────?」

「────この前の歓迎会でルルーシュと回りましたよね────?」

「────へ────?」

「────後片付けと後夜祭の間に────」

「「────ほほぉ────?」」

「────しかも水泳部カフェの衣装のままだったのでルルーシュの上着を────」

「「────ほほほほぉぉぉぉ────?」」

「────へ?! あ、ちょっと待って! ああああああああれは違うの!」

 

 良し、リヴァルとミレイも釣れてシャーリーも慌てだしたぞ。

 

 計算通り。

 

「………………」

 

 で。 いつもならここで悪戯っ子な顔をして便乗したり、『大人の階段です~!』とか騒ぎ出すはずのライラが何故かクスリと笑って────いや……これは────

 

「────ライブラさん?」

 

「……ぁ。 はいです?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「え~? スヴェン先輩、もしかして気にしているです~?」

 

「ええ、していますよ?」

 

「へ。」

 

 そりゃあ、あれだけどこか寂しそうな表情をすれば気にするさ。

 

「ぁ……えと……ウェヒヘヘヘヘヘ♪」

 

 う~ん、両サイドのポニテ縦ロールを両手に取ってパタパタし始めながら笑い出したぞ?

 

 健気だなぁ~。

 

 「ねぇシャーリー、どう思う?」

 「どう思うって、何が?」

 「……リヴァルは?」

 「う~ん……割とモテるけれど浮いた話が怖いくらい未だに一つも上がっていないからなぁ……でも『シュゼット』の事もあるし。」

 

 おいリヴァル、それは嬉しいがコードギアス(と言うかルルーシュ)に関わっているから下手に交際が出来ないだけだ。

 

 最悪、原作のヴィレッタのように人質に取られるかもしれない。

 

 「ああ! そういえばヴィレッタ先生もこの頃、体育でソワソワしているわね!」

 

 「会長? 何かありました? ロイド伯爵から連絡とか?」

 「うん? ううん、何もないわ。 何も、ね……」

 

 どういう話だっちゃ?

 

 

 

 


 

 

 「う、うぅぅぅ……」

 

 同時刻のクラブハウス内にある部屋の一つで、ルルーシュは自室のベッドの上でうなされていた。

 救出後からも海水に濡れたゼロの衣装のまま彼は個室に籠もり、元々体が丈夫ではない彼は軽い風邪で終わる筈だったものを拗らせて熱を出していた。

 

「……兄さん、替えのタオルを持ってくるね?」

 

 そんな弱ったルルーシュを見たロロは自分の不甲斐なさに悩みながら看護をしていた。

 

 「ま、待ってくれ……一人に……行かないでくれ……」

 

「ッ! に、兄さん!」

 

 ガラン!

 

 ロロは手探りで何かを求めるようなルルーシュの動作と言葉に焦って、持っていたボウルを落としてルルーシュの手を握る。

 

「僕はここに────!」

 「────ナナ、リー……」

 

「ッ?!」




ルルーシュゥゥゥゥ……(;´д`)



後書きの余談:

紅蓮は無事(?)にトリスタンとモルドレッドを被弾させてロイドを(悪い意味での)発狂させました。 (ゝ∀・*)
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