相変わらずの展開ですが、楽しんで頂ければ幸いです! (;゚∀゚)
「スゥー……ハァー……よ、よし! (きょ、今日こそ!) 」
コン、コン。
学園のクラブハウスでは明らかに緊張した様子のシャーリーが髪の毛と身だしなみをチェックしてからの深呼吸をして、何か決意をしたかのような表情浮かべる。
ガチャ。
「……何ですか、シャーリーさん?」
「ロロ、大丈夫? ずっと
「────僕
「そ、そう? これ、差し入れ────」
「────ありがとうございます────」
「────じゃあ────!」
「────病気がうつるとダメなので────」
パタン。
「────あ………………………………ハァァァァァァ~。 (今日
入室することも断られてドアがピシャリと閉められるとシャーリーはガックリと項垂れ、トボトボとした足取りで歩く。
「…………………………」
そんな叱られた子鹿シャーリーの後ろ姿をロロはひっそりと開けたドアの中から見送っていると、うなされてナナリーの名前を呼んだルルーシュを思い出す。
「う……うぅぅぅ……ハッ?!」
「兄さん?!」
ルルーシュは体中が汗でベトベトして苦しい、最悪な気分のまま起き上がると額についていた濡れたタオルがずるりと落ちる。
「(ここは、学園……クラブハウスか?)」
「気が付いたんだね、兄さん?」
「ん……ロロか。 俺は、いつの間に学園に────?」
「────えっと……
「(ヴィレッタが? 『黙認』どころか『協力』をするとはな……スヴェンは一体何をした?) そうか……なぁロロ? 俺、何か口にしていなかったか?」
「…何も言っていないよ? うめき声はしていたけれど、言葉になるようなものは。」
「(やはり
「────それと、あれから三日目だけれどアッチは大丈夫?」
「(三日だと?! それほどまでに、俺はショックで体調を……) そうか、その間に看病をしてくれたんだな?」
ルルーシュはざっくりとロロの疲れた様子、化粧でぎりぎり隠しているクマなどで推測する
「……もしかして、ずっとそばに居てくれたのか? 礼を言う、ありがとうロロ。 流石は俺の弟だ。」
「う、うん……」
「(三日か。 この間のロス、黒の騎士団方面はディートハルトからの報告で聞くとして問題は……)」
「じゃ、じゃあ僕はこれで。」
ロロは何も言わずに考えに耽り始めるルルーシュを後にする。
「(あの時、兄さんは確かに僕ではなく……
ガチャ。
「う~ん……ここはどうするべきだと思いますです、マーヤ先輩?」
「そうねぇ……場所自体に、観光として見て回れる物とかがあるから現場近くの宿泊でなくてもいいじゃないかしら? そうすれば予算も抑えられると思うわ。」
「おおお! 流石先輩です!」
「いえいえ、ライブラが事前にリサーチしてくれたから助かっているわ。」
ナデナデナデナデナデナデナデナデ。
「ムフフのフ~です~♪」
ロロがドアをくぐるとマーヤ、そしてヘルプとしてライラがアッシュフォードの修学旅行プランニングを仲良くしている光景を目の当たりにしてしまう。
「(この二人も、血は繋がっていないのに……)」
「あら?」
「あ、ロロちゃんです! ルルーシュ先輩、大丈夫です~?」
「え? あ、うん。 さっき目を覚ましたよ……あれ? スヴェンさんは?」
「ああ、彼なら“シュタットフェルト家の用事がある”と言って早退したわ。」
「……そう。 シャーリーさんは?」
「ミレイ先輩と一緒にプールへ行ったです。 何か“威力を確かめる~”とか言ってたです。」
「…………………………………………“威力”?」
「「(あ、なんだかネコみたい/です。)」」
ロロがポカンとしてハテナーマークをあげ、そんな彼の顔をマーヤとライラには『猫耳似合うな』と内心で思ったそうな。
「(う~む、何かいい方法はないか?)」
水泳部の部活動やルルーシュのクラスの担任を担当していたヴィレッタは時々上の空になるようになっていた。
というのも、『スバル=スヴェン』と知ってからで────
「────ヴィレッタ先生~♪」
「ん? シャーリー! 今までどこに────」
バシャ!
「────ぶわっぷ!?」
自分を呼ぶシャーリーの声にヴィレッタが振り返ると水鉄砲から放たれた水が顔に直撃する。
「うん、距離は十分ね♪」
「……生徒会長。 それは何だ?」
「何って、修学旅行用の水鉄砲だけれど?」
「…………何故、私の顔めがけて撃つ必要がある?」
「う~ん、先生が痛がるようなら別のモデルに────」
「────よろしい! 戦争だ!」
ブシャアァァ!
「「うきゃああああああ?!」」
どこかプッツンとキレたヴィレッタは近くのプールに備え付けられたホースから水を出して面白がるシャーリーとミレイに反撃する。
「先生! それは卑怯────!」
「────フハハハハハ! 火力とはこういうものを呼ぶのだ────!」
「────まだよ先生! まだまだ高出力モデルはあるんだからぁぁぁぁぁ────!」
「────何だその火炎放射器みたいな物────おわぁぁぁぁぁ?!」
「「「(先生とシャーリー、滅茶苦茶生き生きとしている。)」」」
水泳部は静かにヒートアップしていく水鉄砲戦争を見てひっそりと見守ったそうな。
……
…
「ハァー……」
カレンは黒の騎士団の潜水艦内で長~いため息を出しながら、帰還してからラクシャータに渡された新たに変わった紅蓮に関する説明書に目を通していた。
『説明書』と言っても、当初の予定では紅蓮に搭載する飛翔滑走翼と新たな右腕だけだった元々の物に手書きで変更点や改善具合が書かれたものだが。
「やっぱりカレンさんはすごいよね、サヴィトリ!」
「…………………………うん。」
「こう、バビューンって光線が出てブリタニアをバシバシと! 凄くリーチの長~いハエ叩き……じゃなくて、刀みたいだったね?!」*1
「…………………………うん。」
近くでは未だに興奮が冷めないベニオに、宇宙猫生返事っぽい相槌を返すサヴィトリの二人をカレンは横目で苦笑いを浮かべてしまう。
「(いやまぁ……そうなっちゃうよね?)」
ゼロの救出後、カレンの紅蓮可翔式・強襲型はすぐさま黒の騎士団にとって話題の中心となった。
当たり前だがカレンの操縦技術を考慮しても『単機でブリタニアのフロートユニットを搭載した新型数機の撃墜とラウンズを追い払う』と言う結果は『本来の作戦で手持ちの戦力の大部分を削ぎ落されて新総督の確保に失敗した』より注目の的となるのは仕方がない。
『失敗』より『成功』や『功績』を見たいのが『人間』であり、その上アラスカ艦隊に別動隊が大打撃を与えたことも大きかった。
とはいえ、原作でナナリーが乗っていたログレス級に操舵不能となったカールレオン級を撃ち落とすはずだったモルドレッドが逆にアラスカ艦隊方面にシュタルクハドロンを撃っていた所為で、多少の犠牲は出てしまったが。
「(テンションが変────
カレンはもう一度説明書に目を落としながら、この数日間の間に紅蓮可翔式・強襲型をベースにした空中戦用のシミュレーターに乗って体調を崩したり、顔色を青くした者たちを思い出す。
「(あれから『ハードル高すぎ』とか『乗る前提が絶対に人間じゃない』とかの声が出て結局デチューンしたけれど……空中戦に適性を出せたのは藤堂さんたちと四聖剣たち……あ、あと幹部の何人か。)」
尚、上記の『乗る前提が絶対に人間じゃない』に対してカレンはムカッとしたそうな。
「(本当に失礼しちゃう! そんな言い方、まるで私やスバルが人間離れしているみたいじゃない! ちょっと慣れれば誰だって出来ることだし! 私だって、あの
『無茶言うな』、と内心で上記の様な愚痴をするぷんすこカレンにツッコミを入れる者はいなく、彼女はそのまま説明書に書かれた変更点などを読む。
まずは原作のType-02/F1A、『紅蓮可翔式』についてだが全高 4.5メートル、全備重量約8.50トンと紅蓮にフロートユニットである飛翔滑走翼と新たな輻射波動機の徹甲砲撃右腕部が足されている。
武装は強化されて遠距離型と拡散型の切り替えが可能となった輻射波動砲以外に、飛翔滑走翼に内蔵されている小型の浮遊式ゲフィオンディスターバーに追尾式ミサイルと、本来は紅蓮がそのまま空を飛ぶ+強化されたというモノである。
対する紅蓮可翔式・強襲型は全高約6.5メートルに全備重量役11トンと一回り大きくかつ重くなっている。
とはいえ、『原作の紅蓮可翔式より遅いのか?』と聞かれれば答えは
単基だけで紅蓮を動かせるものに加え、飛翔滑走翼本体に新たな足に内蔵された計三つのエナジー源が全て連結している。
このおかげで輻射波動の出力は飛躍的に向上し、収束率も上がったことで実質『
ただし、本来は何発かごとに装填しなくてはならない熱交換器が一発ごとにしなくてはならなくなったデメリットはあるが文字通り『レーザー化』しているので余程の事がない限り、相手は沈黙しているだろう。
更に空中戦を可能にしただけでなく、紅蓮タイプの悩みの種であるトップヘビーな悩みもしっかりとした
*注*『このしっかりとした下半身、実は半ばレーザー化した輻射波動の反動を押さえる為じゃね?』という正論をラクシャータは只今受け付けておりませんのであしからず。
更に以前からカレンや黒の騎士団の乗り手が回りへの被害を押さえるために使用するパイルバンカーも改造されて今では炸薬がカートリッジ式になったおかげで連発も可能となり、いざとなれば打ち出すことも可能となった。
近距離以外の撃ち出しの精度は低いが。
更に飛行形態にも変形して同時代のKMFと比べて設置数及び分散率において突出している機動戦用のスラスターの応用で長距離移動(あるいは高速移動手段)としての行動も出来る。
これは紅蓮と似たデザインの白炎を乗り回したオズ、グリンダ騎士団の連結機能、ウィルバーの可変技術などをラクシャータがアマルガムと同行した際に得たアイデアをもとに実現された。
余談だが、グリンダ騎士団のブラッドフォードなどのKMFは加速時などから生じるGの対策にヒッグスコントロールシステムを使っているので、それを知らないラクシャータはうっかり(?)とスバルの蒼天とEUから『新型サンプル』として解析されていた撃震のデータを流用した。
尚更に余談だがアマルガムと一緒に人工島に戻ってきて黒の騎士団からの依頼などをほとんどすっぽかしていたことに焦ったラクシャータによって強引に巻き込まれたアンナたちEU組の技術者たちは完全に被害者である。
例えアンナたちが目をキラキラさせながら『
「(そういや通信の向こう側にいるスバルも呆けていたわね。 “感動の嵐、なんと言う
カレンはチューチューとパック入りオレンジジュースを飲み干しながら『スバルは今頃どうしているんだろう?』と思ったそうな。
……
…
「ふぅー……」
エリア11の新総督として就任したナナリーの補佐、ローマイヤは無事にエリア11に来て早々頭を痛めていた。
まずはナナリー自身、ブリタニア皇族としての自覚が薄い所為か
「(以前からその様なふるまいがあれば度々注意していましたが、治りそうにないですね。 そんなことをすれば『ナナリーがナンバーズを認めている』と吹聴されれば、補佐である私の立場が危うくなりかねない……これは長年旧日本残党の元に居た所為にするかしら? ダメね、そうすれば『総督』としての能力を疑われる……いえ、これは私が
二つ目はかつてエリア11の総督時だったクロヴィスの人となりが、話に聞いていたモノより違っていたことへのショック。
『ナンバーズは労働力、ブリタニア人はそれらを管理する側』と言った、ブリタニア内ではごく一般的なナンバーズへの偏見がクロヴィスから薄れていたどころか、よりにもよってエリア11の内政や経済にイレヴンの文化を『ブリタニアのモノで上書きする』のではなく逆に『取り込む』様な事をしていた。
「(軍港に入って慣れない匂いに『テイショクヤ』や『音を出して食べる物』などと訳の分からないことが堂々として眩暈が……それに噂には聞いていたけれど、ナナリー総督と同じように足が不自由になっている所為か、まるで気迫が感じられなかった。 それにコーネリア皇女殿下がいないギルフォード卿も、
イライライライライライライライライラ。
イラつきのボルテージが上がっていくにつれ、ローマイヤは政庁にある自室に戻る速度を上げた。
「(それにナナリー総督と同い年であるライラ皇女殿下よ! なんなのです、アレは?! 『“庶民の色に染まりあがっていた”とカリーヌ皇女殿下がずっと嘆いていた』と
ナナリーの母マリアンヌが庶民の出自であることは有名で、特にそんなマリアンヌを毛嫌いしていたライラの母ガブリエッラがあの手この手で嫌がらせをルルーシュとナナリーにしていたのは有名なうわさ話である。
だが
余談でこの場に居合わせていたクロヴィスはどう反応すれば良いのか器用な変顔を浮かべながら、後日『自分の車椅子にもスピードが上がる機能を~』と政庁の技術部に相談したそうな。
イライライライライライライライライラ。
「(しかもギルフォード卿は止めるどころか見ないフリをして! 極めつけは枢木卿よ! 名誉ブリタニア人とはいえ、あれがラウンズでしかもナナリー総督の知り合いとなると、エリア11の運営に
────ガチャ。
「ッ?!」
ローマイヤは自室のドアを開けてくぐると急な寒気が身体を襲うと共に『
「口を開ければ殺す。 質問に答える以外の声を出したら殺す。 指示された以外の行動を取れば殺す。 分かったのならゆっくりと
……パタン。
ローマイヤは横から来る、強烈なまでの殺気の元で明らかに音声変換機能で変声された声の指示に従う。
「アリシア・ローマイヤ、26歳。 実家の住所は新大陸の────」
ローマイヤはただスラスラと自分の事を言い出す声に集中しようとするが、周到に調べをしなければいけない個人情報や人間関係に学生時代で他の者たちと行った『ナンバーズ狩り』の数と日付も出てきて冷や汗が止まらなくなった。
時間にすれば僅か数分だが、体感で言えば数時間にも及ぶ中でローマイヤの思考は固まっていく。
好きな食べ物や使用している香水のブランドや頻度に休暇の過ごし方などの細かいところまで他人がスラスラと、
「さて。 これらは大概のブリタニア人ならば良しとする思想や行動と、
コツ、コツ、コツ。
「ッ。」
横から足音がしてようやく声の主であると思われる、のっぺりとした白いフルフェイスヘルメットに真っ白な服装と手には旧日本で『カタナ』と呼ばれる剣と、『
当然だが各エリアの政庁の警備は(KMF対策はさておき)は『クロヴィス暗殺未遂』、『オレンジ事件』、『ブラックリベリオン』、『コーネリア行方不明事件』などが起きた所為で見直しがされて更に守りは厳重となった。
それこそ、『時間帯に予想されていない動きなどがあれば即座に警備室へ連絡がつく』などと一般には公開されていない対策など。
それ等をローマイヤの目の前にいる者は目立つ格好でしかも単身ですり抜けただけでなく、エリア11に着て間もないローマイヤの自室を探り当てていた。
「しかしナナリー総督は違う。」
仮面とスーツに声を替えている所為で表情はおろか、目の前にいる者が男性か女性かローマイヤには分からなかったが、人生で初めて『誰かを射殺せるような視線』というモノがぴったりと合う眼光が自分に向けられていた事は本能で察せた。
「ミス・ローマイヤ。 貴方はナナリー総督の何だ?」
ローマイヤはカラカラに干上がった様な口と喉から、辛うじて声を出す。
「………………………………補佐、です。」
「果たしてそれだけですかな?」
ピクッ。
ローマイヤは良く分からない侵入者の問いに思わずどう答えればいいのか迷った。
「ミス・ローマイヤ、君は『補佐』であると同時にお目付け役もブリタニア帝国から兼ねられているだろう?」
「(どうやって────?!)」
ハラハラハラハラ。
ローマイヤが内心で焦っていると、目の前を数本の前髪が宙を舞ったことに驚きの声を出してしまう。
「ヒッ────?!」
「────シー……首よりはマシだろう? さて、そんな君がナナリー総督の体が不自由なことをいいことに、あるいは他人思いであることを利用して、彼女の意に反する
「……」
「分かったのなら目を閉じろ。」
ローマイヤは言われたとおりにすると、前方の人物が言葉を続けた。
「私を探そうとしても無駄だ、全てが筒抜けである。 我々は闇、
「…………………………………………………………?」
前方からかけられる声が終わると同時にローマイヤは空気の雰囲気が変わったことを不思議に思い、数分経っても何もなかったことで恐る恐る目を開けると彼女は
……
…
コツ、コツ、コツ。
「兄上ぇ……」
「ん?」
場所はエリア11から、宙に浮かぶ神殿の様な場所へと変わるとシャルルがV.V.に声をかける。
「シャルル? 珍しいね、君が僕に声をかけるなんて。」
「兄上は、何故プルートーンをエリア11に動かしたのです?」
「は?」
シャルルの問いに、V.V.は見た目相応の子供の様な呆けた表情を浮かべて次第に眉間にしわを寄せ始める。
「それ、僕は知らないねぇ……どうしてそう思うの?」
「噂がありまして。」
「う~ん……プルートーンをここ最近、僕はエリア11に動かしていないよ?」
「フム……そうですか。」
「世間に興味が出るなんて珍しいね、シャルル?」
「噂が少々気になっただけです、兄上。」
…………
………
……
…
後にエリア11の新総督となったブリタニア皇位継承第87位ナナリー・ヴィ・ブリタニアの就任挨拶時の、『行政特区日本を再建したい』と言う、完全にナナリーのアドリブによってローマイヤ含めて数人の意識が飛んだり、奇声を上げたりしたそうな。
……………………(;´ω`)ゞ