小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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勢いで描いた少々長めの次話です!
お読みいただきありがとうございます、楽しん頂ければ幸いです!


第204話 天然

 ……良し、ヨコスカ港区に着いた。

 

 誰も周りにいないよな?

 

 右に人影なーし。、左も同じくー。

 

 ……あああああ!

 ビッッッッッッックリした!

 

 いや、だって信じられるか?

 

 ルルーシュの熱が引いたと聞いた日、今度は学園の講堂でナナリーの『行政特区の再建』と『黒の騎士団への協力願い』が出されていつの間にかルルーシュが居なくなって生徒会の皆は大慌てでそんな俺は元シンジュクゲットーだった新宿再開発第5地区に行って『原作のようにカレンが来てルルーシュに“慰めろ”からのビンタが見られるかな~?』と思っていたら誰も来なくて『どういうこっちゃ?』と思いながら腰かけていたらルルーシュが来て焦って今朝作った弁当を分けて丁度ルルーシュの好きなエビ天とチョコ入りのコーヒーを譲ってどうやって元気づけたらいいか迷っていたらどんどんと質問をしてきたルルーシュにそれっぽいことを言って機会を見て即座に逃げてきた。

 

 え?

『なんでルルーシュの好きなモノを知っている』って?

 If的なキャラインタビューが乗せられていた雑誌で読んだからだ。

 ルルーシュの好きなモノはエビやプリンのプルプルしたものと、チョコ。

 嫌いなモノは納豆や山芋のネバネバするもの。

 完。

 

 ……いや、終わったらだめだろうが。

 

 多分あの後カレンがルルーシュのところに現れるだろうな。

 で、ルルーシュの『慰めろ』に対して照れからビンタと『最後までゼロとしての責任を持て!』からのギャン泣きをするだろうから、タオルとかを用意しておこう。

 

 と、その前に変装、変装、森乃モード仮面とライダースーツの変装。

 

 ……

 …

 

「あ、スバル。」

 

 偽装された黒の騎士団の潜水艦のタンカーに入って目を泣き腫らすであろうカレンの為にひんやりしたタオルなどを用意していると背後から名を扇に呼ばれる。

 

「扇さん?」

 

「スバルはその、ゼロから何も聞いていないか?」

 

「特に何も────」

 

 ガチャ。

 

「────カレン?!

 

 ドアが開くと案の定、原作で見た様なピンクのドレスに青いパーカーをしたカレンが泣いた所為でぐずぐずになった顔をしていて、扇はビックリする。

 

「ぁ。」

 

 そして俺を見ては肩をビクリと跳ねさせては顔を背ける。

 

 まぁ、無理もないわな。 想いを寄せている相手がダウンしている所為で『なんでも命令して次の事を考えよう!』から急に『なら女性として((ルルーシュ)を)慰めろ』なんて言われたらショック受けるだろうな~。

 

「ご、ごめ────!」

 

 ガシっ。

 

「────え。」

 

 で、何故か申し訳なさそうに俺をもう一度見てからトンズラしようとしたカレンの手を無理やり掴んでは(またも)無理やり近くのベンチに横たわらせて冷やしたタオルでカレンの目を覆う。

 

「何も聞かない。 だから今は休め、カレン。」

 

 聞いても答えないだろうし。

 

「………………ぅ。」

 

 って、何故かカレンが余計に泣いているんですけど。

 

 うわぁ、ルルーシュ……どれだけだよ。

 いや、単純にアニメとかで描写されていないだけで表側では気丈に振る舞うカレンの根は繊細で優しくて他人思いの子なんだ。

 きっとそれだけショックが大きかったんだろう。

 

「「「「「……」」」」」

 

 何故かギャラリーが増えとる。

 

 食堂のドア越しから視線が────

 

「────皆、集まっている様だな。」

 

「「「「「ふお?!」」」」」

 

 そして背後に現れたゼロにより扇、吉田、南、玉城、杉山たちがビックリする声を上げる。

 

「相変わらず人の驚くことをするのですね、ゼロさま!」

 

「……」

 

 そしてそんなゼロの後ろに(原作で)自称勝利の女神である神楽耶と未だに何を考えているのかわからない藤堂の姿があった。

 

「ぁ……この声、ゼロ────むぎゅ。」

 

 今のぐずぐずな顔を見せたらダメでしょうが。

 というわけで取り敢えず立ち上がろうとしたカレンを俺は手をタオルに乗せて抑え込む。

 

「いいから休んでいろ、カレン。」

 

「…………………………うん。」

 

 ん?

 一瞬、ゼロの視線を感じたが……気の所為か?

 

「ゼロ、これからどうする?」

 

「決まっているだろ扇! ブリタニアをぶっ潰す算段が付いたんだろ、ゼロ?」

 

「他の主な者たちを呼んできてくれないか?」

 

「既に卜部たちへ声はかけてある。」

 

「流石だな、藤堂。」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「まず、我々黒の騎士団は行政特区日本に参加するとナナリー総督に返事を返す。」

 

「「「「「行政特区日本に参加する?!」」」」」

 

「ああ。」

 

 よっしゃ。 案の定、ゼロの“行政特区日本に参加する”宣言キタ。

 

「「「「「…………………………」」」」」

 

 まるでゼロがした突然の宣言で時間が止まったかのように、黒の騎士団の主な幹部たちは固まる。

 

「ゼロ、それは一体どういうことだ?」

 

「扇────」

「────あ、オレ分かった! 行政特区に参加するふりをするんだろ? そして隙を付いてブリタニアをぶっ飛ば────!」

「────玉城、これは()()()()()()ためだ。」

 

「“戦わずに済む”?」

 

 ゼロの言葉に扇にさっきまで表情を変えていなかった藤堂の日本組たちの間にどよめきが走る。

 無理もない、ゼロの言い方はまるで────

 

「────ゼロ、それは“ブリタニアを内側から変える”と言う意味か?」

 

「それだとまるで、枢木の様だねぇ。」

 

「では聞くが、千葉に朝比奈。 歴史上、外敵の侵略や攻撃で()()()滅びた国家の例はあるか?」

 

「???」

「それは……」

 

「ゼロ、その話し方だと考えがあるようだな?」

 

「ああ。 我々の目的の為に()()()()ブリタニアを利用すると共に、打撃を与える方法をな。」

 

 あ。 これ絶対仮面の下でルルーシュがスゲェ悪いことを考えあげた顔をしているのが想像できる。

 

「まず私を……『ゼロ』を利用する。 その為にこちらの服装と仮面を出来るだけ多く、そしてサイズのバリエーションを扇たちに頼みたい。」

 

 ゼロはラフなスケッチがされた、『ゼロの仮面と服装』を扇に渡す。

 

「これは?」

 

「我々黒の騎士団と我々に賛同する日本人たちを、()()()逃がす為だ。」

 

「は?!」

「海外に?!」

 

「ゼロ、我々は日本独立の為に今日まで戦ってきた。 今更逃げるなど────」

「では聞こう、千葉。 このまま戦って、エリア11を合衆国日本にするとしよう。 国内のブリタニア人はもちろんの事、ブラックリベリオンで見たように暴徒化した者たちなども出るだろう。 そんな状態のまま、ブリタニア帝国や中華連邦の陰謀を防げると思うか?」

 

「「「「「……」」」」」

 

 扇たちはここで、ブラックリベリオンに便乗して思うがままに暴力を振るった名誉ブリタニア人やナンバーズの悲惨な跡の光景を思い浮かべて黙り込む。

 

 う~む、このどんよりした空気は苦手だ。

 というわけで助け舟を出そう。

 

「次の行先の宛てはあるのか、ゼロ?」

 

「ああ。 以前から交渉していた、中華連邦だ。 そこでスバルに頼みたいことがある。」

 

 え。

 

「君は一足先に中華連邦へ向かってくれ。 そこでディートハルトの部下、S().()S().() ()と共にこれから行う作戦の準備をしてきてくれ。」

 

 ……『S.S. 』って誰?

 

 ワイ、そんな奴は知らんけど?

 

「わか────けほ、けほ。」

 

 あ、咳止めが切れた。

 

 

 


 

 

「ナナリー……本気かい?」

 

 トウキョウ租界の政庁では行政特区の宣言後、膨れ上がった事務作業を手伝っていたクロヴィスがそうナナリーに問いかける。

 

「クロヴィスお兄様────」

「────せっかくこうして、生きて出会えただけでも奇跡的だというのに……何故、ブリタニアの中でも敵を作ってしまう様な宣言を? これだと……彼女の……」

 

『まるでユーフェミアの二の舞』、という続きの言葉が聞こえるかのような錯覚がナナリーとクロヴィスの間に聞こえ、二人の間に言葉が無くなる。

 

 と思えば、ナナリーが口を開けた。

 

「……現在のブリタニア帝国は、各エリアの生産能力が昨年からあまり芳しくないと聞いています。 行政特区の参加者が少なくとも『行政特区の前例があった』ともなれば、他のエリアで実現すれば……」

 

「なるほど、各エリアのナンバーズに『やる気を出させる』という事か。 ナナリーが一人で考えたのか? それとも、ローマイヤの入れ知恵か?」

 

「いえ。 これはクロヴィスお兄様が旧日本の文化を取り入れてから、生産力が向上した実例の延長線です。」

 

「フ、私だって伊達に総督をしていたわけではないからな。」

 

 余談だが、『旧日本の文化が好きそうなライラが喜びそうだったから無理やり旧日本の文化を推し始めた』とは口が裂けても言えないクロヴィスだった。

 

 ……

 …

 

「マリー、ただいま。」

 

「おかえりなさい、オズ。」

 

「??? マリー、どうしたのそれ?」

 

 エリア11からユーロ・ブリタニア、そしてEUの先にあるエリア24で遠征から帰ってきたオルドリンは政庁の総督室に入るとハテナマークを上げながら思わず脳内で浮かべた疑問を口にした。

 

 疑問とは、マリーベルが()()を付けていることだった。

 

「ああ、これの事? 似合わないかしら? 一応トトがしている物を参考に────」

「────いや、その……似合う、似合わない以前に……もしかして目、悪くしちゃった? 事務作業、手伝うわよ?」

 

「ありがとうオズ。 でも総督でなければ、目を通してはいけない案件もあるから……それにランスロット・グレイルと()()()()()の事もあることですし、無理をしているのはオズの方でしょう? ソキアから、居眠りする貴方の可愛い寝顔が送られてきたわよ?」

 

「(ソ~キ~アアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!)」

 

 マリーベルが暴露した情報によりオルドリンは顔を覆って身悶え、彼女は静かに恥ずかしさと怒りを覚えた。

 

「……可愛かったわよ?」

 

「それを言うのは二度目よマリー……私だってこの頃、グリンダ騎士団の所為でマリーが目を付けられているのを知っているわ。」

 

「『大』グリンダ騎士団ね、オズ。 確かに“一総督、一皇族が持つには過大な力”という噂は耳にしているわ。 だからこそ、オズには()()()()()()()()()()を任しているの。」

 

「そしてソキアにはエリア24の()()()の調整に内偵のあぶり出しと、私が公に行動している間にティンクが水面下で動く。 そしてレオンはいざとなればマリーカの元にかけ付けられるようにと色々根回しをしているのを知っているわ。」

 

「ええ、よくわかっているじゃないオズ。 それでも……」

 

 マリーベルの愛想笑いに、小さな影が表情に出る。

 

「(“それでもシュナイゼル殿下には筒抜けと思いなさい”、と。 “そして手を出してこないのはそこまでの脅威と感じさせていないから”、ね。)」

 

 オルドリンは腕を組み、マドリード租界の政庁の天井を見上げる。

 

「(EUや他の小国の統制が乱れたことで軍人が略奪行為等盗賊まがいの事を止める方が、同じ国家の内部に潜む脅威よりいくらかやりやすいわね……) あ。」

 

「何、オズ?」

 

「そう言えばマリーの妹である、ナナリー皇女殿下がエリア11の総督になったと聞いたけれど────」

「────ああ、そう言えばそうね。 ()()()わ。」

 

 マリーベルがいつもの愛想笑いとは違う、ニコニコとする悪戯っ子の様な笑みにオルドリンは目をパチクリとする。

 

「……()()?」

 

「う~ん、誰でしょうね? ()()()()()()()()とか?」

 

「ちょっと待って! そこまで()()()()()というの?!」

 

「それでね? ナナリーとは()()()会っていたらしいの。」

 

 Wha(はぇ)?」

 

 オルドリンの目は点になり、彼女の表情は立派な宇宙猫と化していた。

 

 マリーベルがここで口にした『幽霊』とは無論、セントラルハレースタジアムで現れた『幽鬼』────つまりスヴェンの事であり、エリア24での『マドリードの星』やミス・エックス(ユーリア)の件からマリーベルは毒島やレイラとの密談を続けていた。

 

 とはいえマリーベルたちが危惧しているように、シュナイゼルや他の有力貴族などの目が付いている以上()()()()()()()()()()だけを、暗号化した手紙を伝書鳩でやり取りをしていた。

 

 ちなみにこの『必要最低限』は()()()()()()()()()()()()()()()()()()K()M()F()なども含まれている。

 

「(エリア24で上手く元テロリストたちを傘下に置き、水面下での私兵化に成功はしている。 質はともかく、志は素直なおかげでハードウェア(KMFや兵装)さえあればそれなりの戦力として数えられる……ここはフェルナンドやマリルローザが上手く働いてくれたわ。 あとは航空浮遊艦隊の天空騎士団に重装騎士団の両翼を整えることが出来れば、ユーロ・ブリタニアのヴェランス大公に決断を下させるだけの要因が整う。 そうすれば、ファルネーゼ卿の聖ラファエル騎士団にヴィヨン卿の聖ガブリエル騎士団が加えられれば────)」

 

 マリーベルは未だに宇宙猫状態となっているオルドリンから目を離し、東側の窓の外に広がる景色を見る。

 

「(────残る課題は中華連邦のみ……そこは恐らく、黒の騎士団次第ね。)」

 

 ……

 …

 

 カタカタカタカタカタカタカタ……

 

「……ハァ。」

 

 そしてエリア11とは正反対に位置する新大陸の、とある研究所内ではパソコンの画面を見ながらブラインドタッチでキーボード入力をしていたニーナがため息を出しながら眼鏡を外し、ジンジンとする目頭を指で押さえると首や肩の凝りを気にする仕草をする。

 

「あ、そうだ。」

 

 ふと何かを思い出すかのような独り言を出し、彼女はキッチンで手拭いを水で濡らして畳んでから電子レンジに数秒間入れては取り出してから横になり、ホカホカの手ぬぐいを目の上に乗せる。

 

 すると次第に手ぬぐいの温度に眼球と瞼がほぐれていく感覚と同時に、緊張していた首周りの筋肉も和らいでゆく。

 

「フゥ~……(こうしていると、学園を思い出すな~……元気にしているかな?)」

 

 ニーナが思い浮かべるのはアッシュフォード学園で、原子力発電の論文などをスヴェンと共にしながら徐々に生徒会とのやり取りに馴染んでいた頃だった。

 

「……………………会いたい。

 

 ニーナは自室の中で一人、横になりながら胸に思っていたことを口にして目に載せていたタオルをずらし、自分の家族の写真立てを開けて裏側にあった学園の生徒会員が乗っている写真を見る。

 

 ……

 …

 

「あの……私までここにいていいんでしょうか?」

 

 トウキョウ租界の政庁内にある要人用休憩所で、立派なお餅やへそなどの上半身が露出した際どいカクテルドレス姿のセシルが気まずそうにロイドに話しかける。

 

「ん? だって君、ゼロを見たがっていたじゃない?」

 

「で、ですが……その……」

 

 セシルが畏まったまま、周りの者たちを見る。

 

 自分の上司であるロイド、総督補佐のローマイヤ、ラウンズのジノとアーニャとスザク。

 そして総督であるナナリー。

 

 ちなみにこの様な豪華メンバーたちは全員、会議などに見合った正装を身に着けていた。

 

「あ、ドレスなら似合っていますよセシルさん。」

 

「も、もう! スザク君はまたそうやってからかう!」

 

「え────?」

「────あ、繋がるよん♪」

 

 ザザザ。

 

 休憩所のテレビスクリーンにノイズが走り、ゼロが写る。

 

『ほぉ、これはこれは……ナイトオブラウンズが三人も? それに御多忙であるはずの総督まで……中々の面々が集まりましたな?』

 

「いいえ、これは私の協力願いを受け入れたせめてもの敬意です。」

 

「あ、少しいいかな────?」

 「────ちょっとロイドさん────?!」

「────君は前のゼロと同じなの?」

 

『ゼロの真贋は“中身”ではなく、行動によって測られるものだ。』

 

「アハ♪ 哲学なんて予想以上のロマンチストだね?」

 

「ゼロ、黒の騎士団の返事は? やはり参加のままか?」

 

『ああ。 こちらからは100万人を動員しよう。』

 

「ひゃ、100万?!」

「アッハー!♪ セシル君も良い顔するねぇ~?」

 

『ただし、条件に私を見逃してほしい。 そうだな……“追放”などが的確だろう。』

 

「な?!」

「わお! それだとアンタは黒の騎士団を見捨てるってか?!」

「思っていたよりつまんない話。」

「だから内密なわけだねぇ。」

 

 ローマイヤはギョッとし、ジノは面白そうに声を上げ、アーニャは興味が失せ、ロイドはジノとは違うニヤニヤとした笑みを浮かべた。

 

「……ローマイヤさん。 追放ならば、エリア特法12条の第8項で執行可能ですよね?」

 

「え、ええ……確かにそれを適用すれば総督の権限内です……」

 

「ナナリー総督、いいのですか?」

 

「スザクさん────」

「────今のは『枢木スザク』としての問いではなく、『ラウンズ』としてのモノです。」

 

「……過去に行政特区の前例があるため、荒事を回避できるのなら法的解釈も使います。」

 

「わかりました。」

 

「ありがとうございます、ゼロ。」

 

『いいえ。 こちらこそ手を差し伸べるだけでなく寛大な処置に、感謝を。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

『こちらシズオカゲットー、行政特区日本予定地です! 間もなく始まる式典に立ち会おうと既に大勢のイレヴンが集まっています! “100万人を超えている”との為、身元確認などは式典後となりますが同時にイレヴンにとってどれだけゼロの言葉が重いことを感じさせます!』

 

 新たな行政特区になる予定のシズオカゲットーの式典の上空を飛んでいた報道局のヘリの中にいるニュースキャスターはプロパガンダを言いながらも純粋に感心を口にしていた。

 

『日本人の皆さん行政特区日本へようこそ。 たくさん集まってくださり、私は今とても嬉しいです。』

 

 時間になり、ナナリーの挨拶から始まり今度はローマイヤがスクリーンに映し出される。

 

『それでは式典に入る前に、私たちがゼロとかわした確認事項をお伝えます。』

 

 ここでローマイヤは延々と『曲赦として参加者の中にいる犯罪者は執行猶予扱い』などを口にしながら、ようやく本命である『ゼロだけ国外追放』を内心ほくそ笑みながら自信満々に宣言する。

 

 何故ならば『ゼロだけ国外追放』は実質上、『ゼロだけをブリタニアは見逃す』と言っていることに等しい。

 

 そしてこれが原因で暴動などが起きれば、ブリタニア側には『暴徒鎮圧』という大義名分が出来る。

 

 ジノのトリスタンやアーニャのモルドレッドにブリタニア正規軍と重傷ながらも『ゼロが現れるかもしれない』という事から出撃したギルフォードにグラストンナイツが加われば『暴徒鎮圧』と記入するより『不穏分子の除去』となるが。

 

 ザザザ!

 

『ありがとう、ブリタニアの諸君! 寛大なる処置、痛み入る!』

 

 どこか暴動を期待していたローマイヤが追放処分を言い渡すと、巨大スクリーンがゼロによってジャックされる。

 

『さて、ここで私からブリタニアの諸君に問題を問おう。 “民族”とは何か?』

 

「また言葉遊びか! 全員、警戒を怠るな!」

 

 今の様な状況に、既視感を感じたギルフォードは上記の通信をグラストンナイツに飛ばす。

 

 ここで原作ではスザクが馬鹿にされているように聞こえたゼロに対して答えていた。

 

 だが────

 

『私にとって、民族とは“志”だと思います。』

 

 ────スザクではなく、ナナリーがゼロに答えた。

 

『よくぞ言った!』

 

 ブシュウゥゥゥゥゥ!

 

 一気に行政特区中のグラウンド中に煙幕が撒かれて日本人たちの姿を覆い、風に乗って煙幕が晴れると日本人たち全員がゼロの仮面と服装を身に着けていた。

 

『ゼ、ゼロが! たいへんなことになりました! 確かにゼロですが、これは! ()()()()が現れました!』

 

 新たな行政特区になる予定のシズオカゲットーの式典の上空を飛んでいた報道局のヘリは狼狽えていた。

 

「まさか、こんなことが────!」

『────さぁ、全てのゼロたちよ! ナナリー総督のご命令に従い、速やかに国外追放処分を受け入れよ!』

 

 ローマイヤはスクリーンに映ったゼロを睨み、拳銃を出す。

 

「待て、ミス・ローマイヤ! ゼロは何もしていない!」

 

 そんなローマイヤの腕を、スザクが掴んで無理やり銃を降ろさせる。

 

()()()()()()()だと?! ふざけるな! 今のエリア11から100万人の労働力を逃がせばどれだけの打撃を受けると思っている?! 移動手段がない今、仮面を無理やりにでも剥がして────!」

『────こ、こちら港湾管理室! た、大変です!』

 

 ローマイヤとスザクのインカムに、焦るような通信が入る。

 

「どうした?! 今度は何があった?!」

 

『そ、それが……中華連邦が申請していた海氷船が式典場に向かっています!』

 

「なん……だと?」

 

「(この作戦は、俺がまだ明白な罪を犯していない人に発砲を許さないと分かった上でなければできない……ルルーシュ、本当にゼロとして活動を再開したのか。 流石だよ、君はいつも一枚上手だ……それに────)」

 

 スザクは煙幕が上がってことでSPたちに囲まれたナナリーを見る。

 

「(────彼女をエリア11に残したのも多分、狙いの一つなんだろうな。 だからルルーシュ、俺はエリア11に残った者たちをナナリーと共に守るよ。)」

 

 

 


 

 

 (スバル)は今、コードギアスの世界でも特製の断熱ポリマーと超ベルチェフィルムで氷の形を維持している海水船(と氷で人が乗れる面積を多くした半分氷、半分船)に乗っている。

 

 ()()ゼロの仮面と服装を着て。

 

「ゴホッ、ゴホッ。」

 

 あの後、ルルーシュ(ゼロ)に言われたように中華連邦に行ってムスッとしたディートハルトにS.S.とやらを紹介されて急遽この海氷船の改造をした。

 

『改造』と言っても、ラクシャータの渡した指示通りに特殊な氷で元々の船の乗員数を大幅に向上させるための足場や仮の居住区などを急ピッチで仕上げてそのままシズオカゲットーに発進したが。

 

「似合っているぞ、スバル。」

 

 そして隣には何故か本家ゼロがががががががが。

 

「クク。」

 

 こ、この……今笑いを押し殺しただろ、ルルーシュゥゥゥゥゥ?!

 

 どんどんとゼロのコスプレをした人が乗ってきて────

 

 ぐあん

 

 ────うおっとととと。

 立ち眩みか?

 

「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ!」

 

 あ、やべ。

 咳止めの効果が切れたっぽい。

 

 「ん? おい、どうした?」

 

 気が緩んだら、なんだか、ちょっと視界がグルグル────

 

 「スバル?! ちょっと?!」

 

 ────一人の赤いゼロの仮面と服装をした者が近づいて……ってカレン?

 

 おおお、三人おる。

 

 スゲェ~。

 

 あ。

 

 分かった、コレ────

 

 ────バタン。

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