小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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……楽しんで頂ければ幸いです! m(;_ _ )m


第205話 あなたが寝てる間に

 巨大改造海氷艦の甲板に、(スバル)含めて黒の騎士団の幹部たちはディートハルトに集められていた。

 

「紹介しよう。 彼女はこれまで私の活動を補佐してきた、し────

「────『S.S. 』です────」

「────S.S.君だ。」

 

 そしてディートハルトの隣には安全ヘルメットにサングラス、マスクにブリタニア風のメイド服────ってやっぱり見間違いとかじゃなくて『篠崎咲世子(Shinozaki Sayoko)』じゃん。

 

 いや、こうして見るとハッキリと分かる────え?

 『一緒に船を改造していただろ』だって?

 

 作業する速度があまりにも早くて目視できなかったんだよ。

 初めてリアルで『残像』って奴を見たぞ。

 

 いや、実質くノ一だから『分身の術』か?

 ニンニン。

 

「よろしくお願いします皆さん。」

 

「お、女だぁ~?」

 

「ちょっと玉城、それはないだろ?」

 

 「そうよねぇ玉城~?」

 

 井上さん、とばっちりでもちょっと怖いでヤンス。

 

「あれ? S.S.さんの声って、どこかで聞いたような……そうでもないような?」

 

 カレン、無理してまで思い出そうとしなくて良いぞ?

 咲世子さんはコードギアスの一期では片手で数えられるほどしか喋っていないし、アッシュフォード家に雇われているから殆んど関わりが無いし。

 

 関わりがあるとすれば、ナナリーの周りによくいた者たちぐらいだ。

 俺やルルーシュみたいに。

 

 あとはナナリーにべっとりとくっ付いていたアリスぐらいか?

 

「おい扇────」

「────ああ、あのファッションセンス────」

「────メイド服。」

 

「「「萌え~♡」」」

 

 扇、吉田、杉山……

 

 お前たちはフレンチじゃなく、ヴィクトリア派だったか。

 

 俺? 俺は────

 

「────S.S.君の希望で今後は本格的に黒の騎士団の諜報部の一員として活動し始めることとなる。 今日は、主に黒の騎士団の幹部たちとの顔合わせのつもりだ。 無論、あとでゼロにも紹介する。」

 

「え? ちょっと待て、一般人……なんだろ?」

 

ブリキ野郎(ディートハルト)……お前もしかして、黒の騎士団でメイド喫茶の諜報部でも開けるつもりか?」

 

 ()城、お前()()にええこと言うやん。

 

「「「それも悪くねぇ……」」」

 

 クッ!

 まさか俺の内心がぁぁぁぁ! よりにもよってこの三人に共鳴するとはぁぁぁぁ!

 

「さて、君たちから何か質問などはあるかね?」

 

 いや、質問って……

 咲世子さんの事だからのらりくらりと躱すに決ま────

 

「────あ、じゃあS.S.さん。 勝負……というかテストをさせてくれないか?」

 

 扇?! お前まさか、『勇者』だったんかい?!

 

 原作であれだけ『ヘタレ疑惑』だったのに……

 

「テストでありますか?」

 

「ああ……こいつと────」

「────って(玉城)かよ?!」

 

 ……………………うわぁ。

 扇お前今、サラッと玉城を黒の騎士団の『最低限ライン』に指名しやがったよ。

 

「承知いたしました。」

 

 咲世子さんも咲世子さんで、平然と受けるし……

 

「で、勝負って何をするんだよ扇?」

 

 扇が吉田たちに合図すると、一昔前のバラエティ番組などに出てくる早押しクイズのピコピコ台────って、どっから出してきたその機材たち?!

 

「勝負は『パターン』!」

 

 ドドン!

 

 南、そのSFX機材はどこから出した?

 

 というかお前もこのノリに乗ったんか。

 

「お花屋さんの娘の名前は『ハナコ』。

 ケーキ屋さんの娘は『ケイコ』。

 では? 

 ()()頭屋さんの娘の名前は、な~んだ?」

 

「「「「ブフゥゥゥゥゥ?!」」」」

「……」

 

 俺含めてオッサンたちが一斉に吹き出してしまい、井上に至っては『うわコイツ最ッッッ低』と訴えるジト目を扇に向けていた。

 

「ッ?!」

 

 ちなみにディートハルトは固まった。

 無理もないが。

 

「う~ん……なんて呼ぶんだろ?」

 

 カレン……お前だけは……お前だけは、今の綺麗なままでいてくれ。

 

 ピコン!

 

 先に動いたのは玉城だった。

 

「おまん────ぅえ゛え゛え゛え゛え゛?!

 

 玉城がギリギリで気付いたのでギリセェェェェェェェェフ!

 

 ピコン!

 

「S.S.さん!」

 

 「アン()!」

 

 「正解!」

 

 ピコピコピコーン!♪

 

「あ、その手があったか。」

 

 

「「「「ホッ。」」」」

 

 玉城が納得をして、俺たち男性組はホッと胸をなでおろす。

 

 ナニコレ。

 

「お・う・ぎ?」

 

 ギュウゥゥゥゥゥゥ!

 

「いででででででででで?!」

 

 そして激おこの井上が扇の耳を引っ張る。

 

「ちょ、ちょっとタンマ扇! 今のはノーカンだ、ノーカン! 現場で求められるのは腕っぷしだぜ?!」

 

「腕っぷし? なら玉城は何か考えがあるのか?」

 

「腕っぷしなら決まっているだろ吉田! 戦士の勝負、腕相撲や!

 

 なんでやねん。

 

 次からお前を『コバ』って呼ぶぞ玉城。

 

「では、御誂(おあつら)え向きのテーブルを持ってきてくれたまえ。」

 

 ああ、この中で唯一今までの一連に戸惑っていたディートハルトまでもがこの流れに飲み込まれていく……

 

「玉城さん────」

 

 俺は焦る気持ちのまま、玉城の肩をがっしり掴む。

 

「────あ? なんだよスバル────?」

「────悪いことは言わない、止めろ。 死ぬぞ。

 

「たかが腕相撲で死ぬ訳ねぇだろうが?! さてはお前……バカだな?」

 

 ……………………あー、うん。

 玉城のこのにやけ顔を見ていると、そもそも何で俺がこいつを助けようとしたか謎で仕方がない。

 

「では! 両者、肘をついて手を組んで~?」

 

「よろしくお願いします。(マスクの下からニッコリ)」

「カモーン、ウーマン()! (ドヤァ)」

 

 玉城、お前の骨は文字通りに拾ってやるからな。

 

「レディ……ゴー!」

 

 「「フン!」」

 

 ボキッ!

 

 ほらな?

 

「あの……玉城君? 腕が変な方向に曲が────?」

 「────うぎゃあああああああ?! 腕ぇぇぇ?! 俺の腕がぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

「うわ?! 玉城の肘が?!」

 

「く、クソォ! 覚えていろよぉテメェ?!」

 

 玉城、そんな泣きっ面で言っても全く説得力がないぞ?

 せいぜい中ボス……いや、中ボス以下の小物が吐く負けセリフだ。

 

 あるいは後から覚醒してラスボス級に化ける敵役。

 

 玉城だからそれはないだろうけれど。

 

「お次は、どなたが勝負なさいますか?」

 

「ぅい゛?! きょ、今日は顔合わせだけのつもりだったのだS.S.君! これ以上犠牲────失礼、けが人を増やす必要はない────」

 

 ────カッ、カッ、カッ、カッ!

 

 狼狽えるディートハルトや俺たちの背後から、力強くステップを踏む藤堂が前に出る。

 

「と、藤堂ちゃん?」

 

 『藤堂ちゃん』って。

 ディートハルト、お前はなんてあだ名をつけているんだ?!

 

「フム────」

 

 ────バッ!

 

 藤堂は自分の胸倉を掴み、上半身の上着やシャツを一気に脱ぐ────って完全に『龍が〇く』のワケ分かんない脱ぎ技やんけぇぇぇぇぇぇ?!

 

「では、ポカポカじゃんけんでお手合わせ願おうか?

 

 なんでじゃい。

 

「承知いたしました。」

 

 しかも即承諾するんかい。

 

「藤堂さん?!」

 

「な、なんで上半身裸?」

 

 なんてことだ! よりにもよってぇぇぇぇ!

 扇が俺の考えていたことをぉぉぉぉぉ!

 

「やっちまえ藤堂さん!」

 

 玉城だけは自分のリベンジの為か、藤堂を応援した。

 ちなみに右腕は井上が付けたギプスが付けられている。

 

 もうなにがなんだか……

 

 なんやねんこれぇぇぇぇぇぇ。

 

「では両者、ハリセンとヘルメットを前に正座で向き合って……初め!」

 

 カァン

 

 だから南、そのコングはどこから────?

 

「────ぽっかぽっかじゃ~んけ~ん────!♪」

 

 言峰〇父がポカポカじゃんけん歌っとる。

 フォル〇ンがポカポカじゃんけん歌っとる。

 レ〇ニードさんがポカポカじゃんけん歌っとる。

 野太い声の〇授がポカポカじゃんけん歌っとる。

 

 大事だから何回か言った。

 

「────じゃ~ん! け~ん! チョキィィィィ!♪」

 

 バシッ!

 

 イケボハルトの宣言とほぼ同時に、玉城がじゃんけんで負けたS.S.の前に置いてあったヘルメットを蹴飛ばす。

 

 「んな────?!」

 「────チェストォォォォォォ!!!!」

 

 そして藤堂が雄叫びを上げながらハリセンをS.S.────もう咲世子さんでいいや────の脳天目を掛けて振るう。

 

「く、こうなったら────!」

 

 ────ハシッ!

 

「「「「な?!」」」」

 

 咲世子さんが真剣(ハリセン?)白刃取りを繰り出して藤堂のハリセンを止める。

 

「ま、まさかこれは! 旧サイタマ県カワグチ市に伝わる、伝説の真剣白刃取り?!」

 

 「もうホンマになんやねんこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

 とうとう口に出して叫んでしまったよ、俺。

 

「ま、負けた……この私が……」

 

 藤堂が涙を静かに流しながらがっくりと項垂れる。

 

「と、藤堂さ~ん?!」

 

 玉城がショックを受けて涙を流す。

 

「頑張ったよ! アンタ頑張ったよ!」

 

 そして扇が少し前のネタ系の慰めの言葉を引っ張り出す。

 

 ……マジでナニコレ?

 

「さぁ、涙を拭きたまえ。 君は、男の子だろう?」

 

 ディートハルト、何故お前がよりにもよってそのノリを知っているのだ。

 

「こ、このぉぉぉぉぉ! 次は私よ!」

 

 そうしてカレンが野球ボールを手に取って────っていつの間にかデッサンデザインが『巨人の〇』に変わっとるがな。

 

「食らいな! お兄ちゃん秘伝の、『見える魔球』!」

 

 「消えへんのかい?!」

 

 なn────う?!

 頭が……

 頭が割れそうだ……

 

 さっきまで一々ツッコみを我慢したからか?!

 

 その反動なのか?!

 

 どうなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

「う、ううぅぅぅぅぅ。」

 

 医務室(仮)と付けた掛札の部屋の中で、スバルは大量の汗を掻きながら横たわるベッドの中で身動ぎながらうめき声をあげる。

 

「その……彼は本当に大丈夫なのラクシャータさん?」

 

 彼の近くに居た黒の騎士団の者たちの輪に居た井上がラクシャータに問う。

 

「まぁね。 ただその……()()()()()()みたいだから、ちゃ~んと手洗いとうがいはしなさいよねぇ?」

 

「う、ううう……やめろ……やめるんだ玉城ぃぃぃぃ……」

 

「あ? こいつ、夢の中でも俺を見るのか? へへ────」

「────死ぬぞぉぉぉぉぉ────」

 「────って、夢の中でも俺は撃墜されているのかよ?!」

 

 黒の騎士団の幹部たちは苦笑いを浮かべたそうな。

 

「(スバルが風邪を引いて寝込むなんて、久々に見たな。)」

 

 扇はほかの皆に合わせて笑いながらいつも物静かながらもピンピンしながら仕事を────

 

「(────あれ? そういえばスバルのヤツ……()()寝ているんだ?)」

 

 今更ながら扇が思い浮かべるのは、ブラックリベリオン前からスバルがしていた数々の裏方役の上に学生としての二重生活。

 

「(カレンでも学園で『病弱』を理由に早退したり、保健室で寝たりしていたと聞くが……スバルの場合、そんな時間なんてない筈だが……)」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 ガチャ。

 

「ハァ~……」

 

「「か、彼の容態はどうなのです/なんだラクシャータさん?!」」

 

 別の日、スバルがいる部屋からラクシャータが出てくると毒島やレイラにアキト達が心配しながら駆け寄ることにラクシャータはため息を出す。

 

「古典的な過労と重い風邪……と、黒の騎士団には伝えておいたわよ? 今度も()()と同じ症状が出ているけれど、アレほど重症じゃないわね。」

 

「「「「「ホッ。」」」」」

 

「“前回”?」

 

「ブラックリベリオン直後のことよ。 話してほしいのなら話すわ。」

 

「あら、ではお願いしますアンジュさん。」

 

「任せなさい!」

 

 ハテナマークを浮かべるレイラに、アンジュが(少々)得意げに答える。

 

「そ、そうか……急にスバル君が倒れたと聞いた時は、その────」

「────まぁ、サエコの姉貴は血相を変えて潜水艦を無理やり出そうとしたもんな────!」

 

 ────ガシッ!

 

グギゴガガガガギギギギ?!」

 

「リョウ……あとで面を貸せ。 手合わせ(折檻)だ。

 

グゴア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛?!

 

 目だけ笑っていない顔をした毒島のアイアンクローにリョウの顔面は鷲掴みにされ、彼は意味不明な息(奇声?)を出す。

 

「その……彼の見舞いをしてもいいでしょうか?」

 

 ラクシャータは思わずソワソワするレイラやイラつきの矛先をリョウに向ける毒島をちゃんと見ると、メタな電球が頭上に光る。

 

「(あああ、なるほどねぇ~。 若いわねぇ~。) ま、いいんじゃない? ただ意識は朦朧としているみたいだから会話は無理だと思うわよ?」

 

 ガチャ。

 

「う……うぅぅぅん……」

 

「すごい熱……」

 

「アキト────」

「────新しい水なら汲んできた。」

 

「「はや?!」」

 

「私が指示したからね────」

「────シン?!」

 

 アヤノがびっくりしながら、アリス・シャイングとジャンに支えられるシン(目に未だ包帯を着用中)が部屋に入ってくる。

 

「おう! 俺もいるぜ!」

 

「あ、アシュレイさん?」

 

「へぇ~、こいつが例の『幽鬼(レヴナント)』とやらか? 思ったより、普通だなオイ? もっとこう……おっかねぇ野郎を想像したぜ。」

 

「(アシュレイは嘘がつけない、正直者だから同行するように言ったが……これが、『幽鬼(レヴナント)』だと? このアシュレイ曰く『普通の少年』が? あれほどまでに、聖ミカエル騎士団や俺を追い詰めた者が?)」

 

 アシュレイは物珍しく寝込むスバルをジロジロと見下ろし、シンはアシュレイを通してようやく容姿と雰囲気が分かった『幽鬼(レヴナント)』を不思議に思った。

 

「う……うぅぅぅん……アポロ~……」

 

「お? 何かボソボソと────」

「────し────」

「────“し” ────?」

「────柴犬ぅ。」

 

 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛────?!」

 

 ベシッ。

 

「────ぐぇ。」

 

 怒りを露わにしたアシュレイをシンは目が見えないにもかかわらず頭を正確に叩いて無理やり黙らせる。

 

「しゃ、シャイング卿────!」

 「────アリスが怖がるから叫ぶな。」

 

「あ、はい。」

 

「「「「(柴犬だ。)」」」」

 

 しゅんとするアシュレイを見て、アキトたちは叱られた柴犬を連想した。

 

「(これほどまでに弱ってまで……やはり、私たちの働きはまだ足りないの言うの?)」

 

「(やはりマーヤだけではストッパー役にはならないか……今度、別のものも学園に送り出すか。)」

 

 レイラ、そして毒島は未だに熱で寝込みながらうなされるスバルを見ていた。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「う、うぅぅぅ……」

 

 スバルは顔にペンギンのぬいぐるみが載せられた所為で、苦しい声を出してうなされていた。

 

「……」

 

 そしてペンギンの持ち主と思われるアリスは苦しむスバルを見ていた。

 

「う~ん……」

 

 「…………………………こんなに弱るまで、能力を使っちゃってさぁ。 自業自得よ……」

 

 アリスが思い浮かべたのはブラックリベリオン時にスバルが所属不明機から逃げるために粉骨砕身した、スバルの必死で勇敢な────

 

 「────って違ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!」

 

 ボスボスボスボスボスボスボスボス!

 

「バカ! このバカ!」

 

 アリスは自分の顔に血が充満するのを感じ、否定の言葉を叫びながらペンギンのぬいぐるみを何度もスバルの苦しそうな顔にぶつける。

 

「人の気も知らないで一人でこんなになるまで無茶しちゃって倒れちゃって────!」

「────もう本当にね────?」

「────うきゃあああああああああ?!」

 

 天井からアホ毛首をひょっこりと出したアンジュの声にアリスは奇声を上げてしまう。

 

「よっと────」

「────なななんななななな────」

「────いやね、こいつがぶっ倒れたって聞いたからからかいに来たのよ。」

 

 アンジュが悪戯っ子のように笑い、ここでアリスは彼女の背中から見え隠れしているペロリーナの縫いぐるみを目にする。

 

「……もしかしてアンジュ先輩も心配────?」

「────は、はぁぁぁぁぁ?! 私が! こいつのぉぉぉぉぉオホホホホホホホホ?! ただ弱っているこいつの顔にぬいぐるみを乗せようと思って機を窺っていただけですけれどぉぉぉ?!」

 

 ここでアンジュは既にペンギンのぬいぐるみが載せられているスバルを見てからアリスに視線を移すと、『わぁぁぁぁ! もうしちゃっているよどうしよう~! \(;≧ω≦)/』と慌てるかのようにアホ毛が動く。

 

「「………………………………………………」」

 

「と、とりあえず他に誰かが来ない間にここから出ましょうか、先輩?」

 

「え、ええそうね後輩。」

 

 ここでアンジュとアリス(似た者同士)はお互いに深く追求せず、その場を立ち去ろうとする。

 

「前に見たときも思ったけれど、ブサイクなぬいぐるみね。」

 

「これはブサカワいいのよ!」

 

「……まぁ舌を出している、バカっぽいところが可愛く見えないこともないけれど。」

 

「でしょう~? (変なの……たまにこの子を見ていると誰かを思い出す。 シルヴィアじゃない……見覚えのない、()()()()()()()が……)」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「“島の状況が彼による結果”と桐原さんに聞いたよ、昴。」

 

 静まり帰った夜に、ようやく容態が良くなったスバルがスゥスゥと寝息を出す部屋にカレンの声が響く。

 

「最初、ゼロが『国を作ろう』なんて言ったときはビックリしたし、てっきりアイツが全部仕切るのかと思ったけれど……アンタは凄いよ、本当に。 アイツ(ルルーシュ)のように、とても同い年とは思えないほどだよ。」

 

 部屋の中で、カレンは未だ眠る昴の手を取ってはギュっギュっと力を入れ、昴の手を覆う厚い化粧を拭う。

 

「こんなになるまで、一人でずっと……」

 

 カレンの視線先には化粧によってさっきまで隠されていた、ボロボロに荒れた手だった。

 

「ねぇ昴、知っている? 黒の騎士団さ、これから本格的に動くらしいんだ。 だからさ、私()()は頑張るよ? 少しでもアンタの負担が少し減るように……」

 

 カレンはただ申し訳ない気持ちいっぱいのまま、昏々と久方ぶりに熟睡する様な昴の手を両手で握る。

 

「(証明さえできれば、きっと……)」




(;´д`)ゞ
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