楽しんで頂ければ幸いです!
ガァン!
「くっ!」
空中を駆るランスロット・グレイルの中にいたオルドリンは大粒の汗を流しながら、次々と自分を襲ってくる数々のヴィンセント・ウォードからの銃弾や砲弾を躱し、躱しきれない攻撃は改良を重ねたソードハーケンで防ぎながら落としていく。
「(なんて攻撃の数! それに加え、相手側には────!)」
────ビィー!
上空からハドロンスピアー独自のビームにコックピット内のアラーム音が鳴り響く。
「ここでハドロンスピアー?! (躱すのは無理、受け止めるのは無理に近い。 だけど『無理に近い』だけで『無理』ではない!)」
ドゥ!
オルドリンはグレイルの腕部内部にセットされたブレイズルミナス発生装置を二つとも使用し、ルミナスコーンを展開してハドロンスピアーをやり過ごして突貫してきたトリスタンの槍型メーザーバイブレーションソードの攻撃を自機のMVSで受け流してカウンターを入れる。
ガァン!
「うぁ?!」
だが攻撃を受け流すと同時にカウンターを入れようとした為、ガラ空きになったグレイルの脇に受け流された勢いを付けた蹴撃をトリスタンに入れられて、オルドリンはその衝撃に体と頭を揺さぶられて目を白黒させる。
「しま────?!」
オルドリンはトリスタンの次の攻撃に備えるが追撃が来ず、代わりにモルドレッドが打ち出していたシュタルクハドロンが迫ってくるのを目にして焦っているとグレイルが瞬く間に光に包まれていく。
ビィィィィィィィ!
耳をつんざく音に『
バシュ!
「むがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
シミュレーション用コックピットのハッチが開くとフラストレーションに声を荒げながら頭をガシガシとするオルドリンが姿を現す。
「なに?! なんなのアレ?! 理不尽すぎるわよぉぉぉぉぉぉ!」
「お疲れ様です、お嬢様。」
「でもオズズズズズズズズズ~……が、私たちの中で一番長く持ったほうなのサ♪」
「でもオズと同感だね。 あれは一方的過ぎるよ。」
そんな荒れるオルドリンの横に近づいたトトがスポーツドリンクとタオルを渡すのを見て同じスポーツドリンクを飲んでいたソキアとティンクはあっけらかんとしながら、落ち込むオルドリンに慰めの言葉を投げかける。
「大勢のヴィンセント・ウォードはまだいいわ、母艦の警護も兼ねているもの。 でもその上にラウンズ機ってどれだけハードル高いのよ?!」
オルドリンが先ほど経験したシミュレーションは中華連邦で起きた『幽鬼の単機突貫』に対する仮想訓練だったものをマリーベルが入手し、ソキアがデータ等にハッキングをかけて元々の『対幽鬼』とは別に『幽鬼の代理』の設定を加えたモノだった。
つまりさっきのオルドリンは
ちなみにこれはあくまで正式に得られた情報やデータの元に造られた仮想訓練なので信憑性や正確さに欠けるモノの、疑似的な
国力も軍事力も他国と比較しても現状で群を抜いているブリタニアには本来、無用の長物なのだが……
マリーベルは
余談でマリーベル本人はクマが目立つほど長時間、シミュレーター内に一週間ほど籠もってようやく仮想訓練の
「それよりも、レオンは?」
「今日は東方面に行っているにゃー。」
「ソキア、それを言うのなら“今日
「ああ、マリーカが配置されたEUの……それよりマリーは?」
「「例の『東ユーラシア人民共和国』に関して会議中。」」
「……トト、出来るだけ甘~いものを作ってくれる?」
「では窯でじっくり焼いたラムレーズン入りのチーズケーキは如何でしょうお嬢様?」
「はいはいはいはい! ソキアは食べたいです!」
「ご心配なく、ソキアさんやティンクさんたちの分も焼いていますよ?」
「やったぜベイベー!」
「う~ん、日々トト君のレパートリーが増えているのは気の所為かな?」
「ウフフフフ♪」
ティンクの問いにトトはただ笑うのだった。
……
…
エリア24より南西、地中海の向こう側にある東ユーラシア人民共和国から地域的に近いジルクスタン王国の首都グラルバードでブリタニアや他の国からきたレポーターたちは少々長めの濃い緑髪をポニーテールにまとめた男────ジルクスタン王国親衛隊隊長の『シェスタール・フォーグナー』にインタビューを求めていた。
「東ユーラシア人民共和国? ああ、先日騒ぎを起こした、ここから東にある
「ではやはり、ジルクスタン王国は東ユーラシア人民共和国の建国をお認めになられていないと?」
「我々は小国とはいえ一国にすぎません。 その問いは我々ではなく世界にして欲しいものですね。」
「ではジルクスタン王国に、『東ユーラシア人民共和国』と称する地域からの特使が来たという噂については?」
「噂はしょせん噂という事です。 少なくとも、私は知りませんな。 では、私はこれで────」
各国から来たレポーターたちはシェスタールに更なる質問をせがむが彼は手を挙げてそのまま
「ふぅー……いつの時代でも、記者という生き物は騒ぎが好きだな。」
「一時とはいえ、インタビューを受けてよろしかったのですかシェスタール様?」
「インタビューではなく、あれも外交の一環だ。 姫様にも了承は得ている。 して、
「は。 抜かりなく、特使と共に。 関わった作業員たちは?」
「外から流れてきた難民だ、
「ナム・ジャラ・ラタック。」
「それと、
「は。」
「(またか……しかし何故姫様たちはああもヤツを信頼しているのだ?)」
……
…
「“東ユーラシア人民共和国”? ……ああ、だからここ最近地上が騒がしいんだね。」
地下都市らしき場所にいたV.V.はローブの者から来たと思われる報告に納得するような表情を浮かべる。
「嚮主、周辺の哨戒は如何なさいます?」
「う~ん……多分、いらないんじゃない? どうせこれも甥絡みだろうし逆に増やせば目立つ。 でもそうだね……内部の警備体制を上げて。 そろそろ
「“来る”?」
「こっちの話。 それとバトレーたちに頼んでいた
「は、はぁ……“順調”と報告は上がっています。」
「“順調”? “完成間近”じゃなくて?」
「何やら、
「そっか。 う~ん……このままだと時間がないな、
「は?」
「ん? ジェレミアたちの方は完成間近なんでしょ? “だったらいいかなぁ~”って……あ。 その前に、どんな行動をしているの? ちょっと興味がある。」
「いや、私たちも詳しい事は……」
「あ、そ。」
……
…
「ば、バトレー将軍……これ以上は……」
「わ、分かっておる!」
同時刻、地下都市にある一角の研究所内では研究員の一人が冷や汗を流しながら同じく冷や汗を流すバトレーを見る。
「しかし考えてもみろ! 我々が突然ここに連れてこられたことを考えれば、用済みと我々が見做されれば……それに……」
バトレーが見上げるのは異様な模様が掘られた扉の様な物に繋げられた様々な機器と、それらの機器とケーブルやチューブが繋がっている椅子にヘルメットの様な物をかぶり静かに座っていたライ(仮)だった。
「(もし、この遺跡が神根島やネヴァダの物と同じと仮説を立てれば……この世界は我々人類が思っている以上に……)」
『ジルクスタン王国』。 首都を含めて片手で数えられる程度しかない大都市と、全土の9割がむき出しの荒野や砂漠で形成された、人口は小さな領土と比較してもかなり少ない中東アジアの小国。
今でこそ世間からの評価は上記の通りだが、数百年前に過酷な環境によって強靭な戦士に育った者たちを用いて周辺国を圧倒的な武力で次々と平定していき、全盛期の領土は現在基準でも『大国』と呼べるほど広大だった。
『新しい利潤を得ると同時に自国の民の不満の矛先を外へと向けつつ国土を広げていく。』
国の在り方としては現在のブリタニア帝国を酷似────否、
しかし決定的な違いは新たな地を平定した後、つまりは『政治理念』にあった。
かつてのジルクスタン王国は良くも悪くも『武』で全てを解決していき、自国の者たちを非課税対象にする一方、他国の民────いわゆる『二級市民』から様々な税を多く取り立てた。
だが次第に大掛かりな事業を出来なくなっていき、『軍事的勝利』は未だ続いているが『国』としては緩やかに衰退して領土は徐々に縮小していき、一時は権力や派閥争いで国は荒れて『戦士』たちの大半は俗に言う野党、山賊、海賊などに成り下がっていった。
ようやく内政が落ち着いた頃には、領土は初めて『王国』として建国した当時のサイズにまで知小さくなっていた。
だが領土が小さくなっただけで、『武力』は大国であるブリタニアを退けるほど未だ脅威である上、乱世の世では貴重な『資源』となる。
ここにジルクスタン王国が『
……………………そういや
あの頃が懐かしいなぁ。
あれからまだ一年も経っていないのに、何十年も前の出来事に感じる。
「何をしているの?」
「です?」
『
「はっはっは。 先の『東ユーラシア人民共和国』がありましたよね? あそこの地域はあまり馴染みがないので調べていただけですよ。」
「「フゥ~ン。」」
チン♪
クラブハウスのキッチンからタイマーが鳴る音に興味を向けた様子のアーニャが離れ、こんがりと焼かれたピザをライラがオーブンから取り出す。
ライラたちが視界と部屋から出てから机に突っ伏した。
めっさ
いや、もうね……どういうワケかライラだけじゃなくてアーニャもあの写真を見せつけてきた夜以来、こうやって俺の周りにいることが多くなったのよ。
あの日、動揺しつつもポーカーフェイスを全力で維持しながら本心からの『いえ違います』を答えたのになぜだ?!
意味わからん誰かはよ俺に
ルルーシュはルルーシュで『しめしめ、厄介な案件を押し付けられてラッキー☆』っぽい態度を取っているし。
「……」
それに何故かこのところ、アンジュの刺さるような目が拙者に向けられてるでござる。
「にゃ!」
そこだ!
ガシッ!
アーサーの声で反射的に俺は
「フハハハハハ、当たらんよ。」
テシテシテシテシテシテシテシテシテシテシッ!
いででででで!
キックをお見舞いしてきただと?!
なんて器用な真似を!
ヒョイ。
「アーサー、メ! です!」
ゴロゴロゴロゴロゴロ。
いつの間にか戻ってきたライラに抱かれたアーサーはすぐに態度を変え、喉を鳴らしながら彼女の顔に頭をこすりつけて甘える。
『なるほど、“猫をかぶる”とは、こういうことか。』 Byスヴェン
しかしこの『東ユーラシア人民共和国』、アホじゃね?
シンのクーデターとEUに攻め込まれてから時間があまり経っていないのにユーロ・ブリタニアの東の一部と、中華連邦の暴動が最近あったばかりの旧中華連邦の独立宣言なんて周りから物理と外交的にボコられるのは目に見えている。
自然資源は豊かだけれど、それを扱いきれるインフラは……ないよな、多分。
合衆国中華や日本と交渉をして超合衆国の一部になる?
それでも他国から侵略されて国が無くなれば同盟とかなんて白紙に戻るどころかデメリットしかない。
ブリタニアやユーロ・ブリタニアからの侵略を防ぐ当てがあるのか?
だとしたらやはりジルクスタン王国の傭兵を大勢雇った?
あるいは別の何かが?
それも、ジルクスタン王国のように侵略を恐れない
そう言えばアニメだと今の時期、確か原作アニメでシャーリーが亡くなったことで、ギアスの根絶兼ロロ雑巾の使い捨ての為、ルルーシュはギアス嚮団に対する態度を『捕獲』から『殲滅』に変えた辺りだったよな?
という事は、そろそろゼロが旧中華連邦領土内にある筈のギアス嚮団の位置特定をするところでこの意味わからん東ユーラシア人民共和国の建国宣言がされたと?
こんなタイミングがあるか?
いや、そうそう無いだろう。
だが
……わからん。
原作を参考にするのはやめたと言ったが、気になる。
気にしてもここらのR2時期が一期とは違って結構時空というか時間がはっきりしていないから気にしても意味はあまり無い……のだが、気になる物は気になる。
ガタッ。
「行かれるのですか?」
俺が立ち上がると気配を消していつの間にか横にいたマーヤの声が来る。
「そう……ですね。」
幸か不幸か、このところアーニャとかに驚かされ過ぎる連続でマイハートがドキドキしてもポーカーフェイスがメキメキと鍛え上げられたせいで動揺が顔に出ることは無くなった。
というわけでライラもいるので『優男』の仮面を着用中。
ヴー、ヴー。
ポケットの中からマナーモードのまま鳴る携帯を取り出すと意味の分からないメッセージが来ていた。
『東ユーラシア人民共和国の鎮圧の為ブリタニアから送られた浮遊航空艦部隊が全滅。』
……………………………………いや本当に意味が分からんのだが。
ブリタニアの浮遊航空艦、確かに近距離だと脆いけれど遠距離だとブレイズルミナスのバリアとかで固いよね?
太平洋の時はアンジュのビルキースの不意打ちというかザ・〇ールド並みの疑似スカ〇フィッシュ的な超高機動戦もあって、シールドの展開より早く動いて撃墜していたし、黒の騎士団は物理的に甲板の上に乗って死角から狙い撃ちしたし。
それに現状、浮遊航空艦を落とすにはさっきの様な変則的な戦い方か正攻法で浮遊航空艦か艦のサポートを付けたフロート付きナイトメアぐらいの筈。
浮遊航空艦を落とせる地対空砲とかミサイルなんて、前世のボマークやパトリオットやアスターや03式なら……………………………………
いや、普通に感知されて展開されたブレイズルミナスで防げられてナイトメアに迎撃される想像しか出てこない。
いや、コストを抑える為に量産型の浮遊航空艦は全方位バリアを持っていないから感知されないまま息を潜んで囲って一機ずつボコるとかならワンチャン?
ヴー、ヴー。
そしてまたも新たなメッセージ。
『地下に来い。』
はいルルーシュからのご指名来ましたー。
………………………………………………うわぁ、行きたくねぇ~なぁ~。
…………
………
……
…
東ユーラシア人民共和国建国宣言がされて数時間。
未だ独立の色がチラホラと見え隠れするユーロ・ブリタニアの一部と、他より自然資源が豊かな旧中華連邦の領土が結託したのはブリタニア帝国からすれば面白いわけがなく、対処の動きは早かった。
まずはユーロ・ブリタニアの地上部隊が国境(仮)沿いに配置し注意をそらし、肝心の鎮圧部隊はブリタニア帝国がほぼ独占出来ている空路で陸内深くにある大都市に侵入して降下。
作戦に要する時間の予想はたった4時間の短期決戦による電撃作戦。
『しかし東ユーラシア人民共和国ねぇ~……』
『大層な名前だなぁ~。』
『それに作戦の予想時間も短いし、俺らの出番はないだろうな。』
浮遊航空艦部隊を護衛している複座式戦闘機内のパイロットたちが内線で雑談を躱していた。
天候は晴れで、陽光を背中に部隊は東ユーラシア人民共和国の国境をいとも簡単に超えて進行中だった。
『それに侵入経路上、抵抗も予想されていないんだろう?』
『どうしてそう思う?』
『戦闘機グループの配置と出撃の交代時間だよ。 この陣形、エナジーと弾薬の節約を一番に考えている。』
『流石年長者! 歳は伊達じゃない!』
『茶化すな! いくら簡単そうでも予想は予想なんだ!』
『そんなことを言われても、相手はまともな航空戦力の無かったユーロ・ブリタニアと旧中華連邦じゃないっすか。 何に緊張────あれ?』
『どうした?』
『いや……何かキラッとしたような────』
若手のパイロットが言葉を言い終える前に音もなく遠方から飛来した
超高速で飛んできた実弾はログレス級の先頭から背後の機関部にまで通過し、その実弾によってブイをえぐられた乗組員たちは体に起きた不調に意識が付いて来れず、まるでその大きなトンネルが出来たときに生じた衝撃が時間差で発生したように、次第に船体は
ドォン!
着弾からここまで約0.3秒の出来事であった。
『今何が起きた────?!』
『────総員散開────!』
『────攻撃?! 攻撃か────?!』
『────レーダーには何も映っていないぞ────!』
『────索敵広げろ! 遠距離からの────!』
一瞬でブリタニアの部隊は混乱に陥り、さっきまで静寂だった出撃中の戦闘機同士の通信は慌ただしくなる。
が────
ドゥ!
────まるで追い打ちをかけるように生じる衝撃波が後から襲い掛かり、残っていた浮遊航空艦や戦闘機に襲い掛かる。
『うわぁ────?!』
『────翼が────!』
『────落ちる────!』
『────乱気流が────!』
『────高度を保てない────!』
『────メーデー! メーデー────!』
『────こちらカールレオン級のネストルの艦長だ! 第二弾が来るぞ────!』
『────第二弾ってど────?!』
レーダーの索敵範囲を最大にまで上げたカールレオン級の艦長の通信に更なる困惑が広がる前にログレス級を撃ち抜いた
…………
………
……
…
「────っと、これが秘密裏で入手できたブリタニアの第一先遣隊のデータだ。」
ナニアレ今の映像というか出来事こっわ。
説明しよう! ……『どこぞの星っぽく』な。
肉まん食いたいのは関係ない。
『送られてきたメッセージ通りに機密情報局のアジトに着いたら何故か巨大スクリーンの前に座って待っていたルルーシュに先ほどのホラー映画真っ青のリアル映像を見せつけられたのであーる!』
意味が分からんがな。
それとゲン〇ウポーズ、しっくりとくるのはやはりゼロだからか?
「さて……お前はこの件に関してどう思う?」
どうしてこうなった。
RTA気味のR2で描写されていない空白期間…… (;´ω`)ゞ