小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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……久々に『あの人たち』も登場してカオスです。 (;´∀`)


第237話 少々違う、『過去からの刺客(死角)』

「フイ~……やっぱり肩は凝るな。 歳は取りたくないのぉ。」

 

 合衆国日本の暫定首都である蓬莱島に戻ってきた桐原はそう言いながらSPに囲まれながらしっかりとした足取りで歩く。

 

 「そう口で言いながらも、歳の割にとてもアクティブだがな。」

 

 「まぁまぁ、元気なことは良い事ですよ?」

 

 「そんな桐原殿も、(多分)冴子の前だから見栄を張っているワケですし。」

 

 そんな桐原の近くを歩く毒島の愚痴に近い独り言にレイラはワルシャワの老女たちを思い出してはホッコリし、神楽耶は一応のフォローする様な言を並べた。

 

 原作アニメなどより状況がよく、星刻たちが新興国である合衆国中華の領土に旧中華連邦の大部分を(紅巾党のリーフォンの活躍もあって)殆どは交渉のみで併合していった。

 しかし『東ユーラシア人民共和国』の宣言とブリタニアからの鎮圧部隊を返り討ちにした噂に感化され、ようやく得た自治権を手放すのが惜しくなって『合衆国中華の一部』になるよりは『同盟国となりたい』といった流れが出てきていたことで当初ゼロや星刻が計画していた軍による『威圧』と天子という名の『旗印』を大義名分にした、半強制的な合併が行使されようとした。

 

 ここで桐原からの提案で彼自身が赴き、再び外交交渉による『話し合い』が決行されるのだった。

 

 彼の提案とは『噂程度とはいえ、ブリタニアの部隊を退けたことが広まる前に一度東ユーラシア人民共和国と一度は話すべき』といった物。

 

『ブリタニアの部隊を撃退した』という噂が出ていたものの、ほぼ同じ時期に新興国となった合衆国中華より領土も人口も少ない東ユーラシア人民共和国から使者や大使が来るのが()()()()()なのだが桐原は気にせずに東ユーラシアへと行くことにしていた。

 

『社会勉強になるし気分転換にもなるだろう』と、桐原は遠足に出るような軽い言葉を並べながらいざ東ユーラシアに着けば明らかに歓迎されていない態度にレイラたちは面食らったが。

 

「(最初はどうなるかと思ったが、やはりかつて日本の裏を牛耳っていたご老人だ。)」

 

 合衆国日本の代表として桐原や神楽耶たちだけはどうかと思い、戦闘行為もこのころ減ったので体調も良かった星刻は自分たちを挑発する様な強気な態度────いわゆる取り付く島もないような条件を突き付けてきた東ユーラシアのシャオロン将軍たちを思い出していた。

 

 その条件とは『我々の軍門に加わるという前提なら話を聞いてもいい』という、はなから交渉を破綻させるような言葉。

 

 そして桐原曰く『東ユーラシアに交渉の意思はないが無用な争いを避けるためワザと交渉人を煽るような態度を取っていた』。

 

「しかしお爺様は悔しくないのですか?」

 

「うん? ワシはもう歳じゃが冴子をマジマジと見られたのは面白くないの。 正直不愉快で八つ裂きにして犬にでも食わせてやりたいわい。 ホッホッホッホッホッホッホッホ。

 

 桐原が纏う空気が一気に冷たくなり、彼の顔が影によって隠れるが殺気が出た瞬間とほぼ同時にそれらはパッと消え去った。

 

「コホン。 しかしあの場でワシらが怒ったり、感情的になればワシらの国が不利になる所か相手に抗議する材料を与えてしまう……して、神楽耶や黎殿(星刻)から『国』として見てどうだった?」

 

「私として受けた印象は『歪』でしたね。」

 

「……私も皇の者(神楽耶)と同意見だ。」

 

「うむ、ワシも同じ見解じゃ。 さ~て冴ちゃ────冴子にレイラ、理由は何故だと思う?」

 

「(今このご老人、『ちゃん付け』をしようとした? ……いや、気のせいだろう。)」

 

「うん? 私としては……そうだな、警備や兵士の装備品が従来の者が持つ物やそれより型が落ちる物が混じっていたから、『新しい国』としては統一感があまり見受けられなかったぐらいか?」

 

「(ほぉ。 やはり桐原泰三の孫だけにかなりの観察眼をお持ちだ。)」

 

「それとは別に、もう一つ気になることがあるのですが……ただその、私の思い違いかも知れませんが────」

「────それは何かね、レイラ?」

 

「装備が統一されていないのもですが、その……()()()()()ような印象でした。 まるで勢い任せに独立宣言したものの、トップの方針が末端の者にまで明らかにされていないような……」

 

「……そうじゃな。 神楽耶や黎殿(星刻)も同じ印象を受けたのだろうが、要するにあれは『国』としてはお粗末すぎる。 目的まではまだまだ判断材料は足りぬが恐らく、誰かが合衆国中華の勢いを利用して裏で糸を引いているのだろう。 それに……」

 

「「“それに”?」」

 

 桐原は歯切れの悪いまま、空を見上げる。

 

「いや、なんでもない。 (まずはゼロとスバルの意見を聞くか。)」

 

 この後、『スバルが倒れて租界の病院に運ばれた』というニュースがマーヤ経由でアマルガムの者たちに知らされて慌てるのだった。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

『超巨大砲』。

 

 その言葉は『大砲』が実現されてから軍人や砲弾学者をことごとく誘う単語であり、ロマンである。

 ただし現実化するにあたって致命的なまでのデメリットがあった。

『攻撃の範囲が砲身の直線方向に限定。』

『向きの転換に時間を要する。』

『より巨大になればなるほど運用が限定される。』

 

 などなど。

 

 つまりは『現実』という『重石』でシミュレーションや設計図でしかお目にかかれない、『夢』の一種。

 

 とくにナイトメアがロールアウトされてからは『素早さ』や『小回り』が何よりも大事にされ、今や『浮遊航空艦』などが出回っているご時世に『超巨大砲』など今では重戦車や巨大戦艦(ドレッドノート)のように『前近代的兵器』────時代遅れ(ロートル)のレッテルを貼られ、世界の技術者たちの大勢は早々に見切りをつけては次の研究対象に取り掛かっていた。

 

 だがもし誰かが研究を続けて、もし『電力』だけでなく『火薬』も視野に入れ、もしその誰かが空にある雲が撃ち抜かれるのを見てインスピレーション(閃き)を受け、もし電力による『電磁砲』と火薬の『多連薬室砲』を兼ね合わせた超巨大砲を設計し、もしそのハイブリッド式レールガンの設計が実現可能になったのなら……

 

 無論、これだけでは鈍足で方向転換のできない『超巨大砲』が出来上がり、そもそも砲身先の敵の位置も自力では測定できない。

 

 しかしここで色々な制限を付けられ、ブリタニアの目を盗んで独自の開発をしていたとある国等の産物でそれらは改善できてしまう。

 

 ユーロ・ブリタニアの自走砲のカンタベリーに、EUの超大型陸上戦艦と高高度観測気球である。

 

『超巨大砲』の形は概ねカンタベリーだが砲身は発射初速度を大きくするため多連薬室の補助に電磁砲式の砲身で異質的な初速。

 巨大な砲身を支える脚部の代わりに、ホバー機能を持つ超大型陸上戦艦。

 そして測定器には大気圏内スレスレまでの上空で哨戒移動をしている高高度観測気球。

 

 さて、ここで『砲弾に対する抵抗値は?』と思っているかもしれない。

 何しろ大気の中を移動するのなら、必ず『空気密度による空気抵抗』という壁に当たってしまう。

 

 例えばの話をここで出すと、旧日本海軍の戦艦大和は砲身長20メートルの主砲で約42キロ先の場所に1.5トンの徹甲弾の着弾に成功させている。

 

 これは空気の薄い高度を利用することで成功させている遠距離砲撃であり、肝心なのは()()()()()大気圏内を利用したところである。

 

 ここで『スーパーキャビテーション』と呼ばれている、()()()()()()()()()()であるキャビテーションの応用が出てくる。

 

『大気はガス』、それは間違いないのだが『空気』の物理的性質は『ガス』でありながら『液体』の流動性を持っている。

 所謂『液体は流動性』だが『流動性≠液体』である。

 

 さて脱線しかけたがキャビテーションとは液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象────空洞現象とも呼ばれ、スーパーキャビテーションは意図的にコレを大量発生させて周りの液体を気化させ、移動の際に発生する摩擦による抵抗力を大幅に減少させる()()()()移動方法である。

 

 これにより超巨大砲の()()は今までの『砲撃』から想像できない速度で大気を文字通りに飛来しては露払いの役割を担い、直後に発射された()()()()()が着弾しなくとも入力された地点で衝撃波を発生させて敵を駆逐する。

 

 これによりファクトスフィアやレーダー探知機に引っ掛からず、かつ巨大な破壊力を所持する『超巨大砲(スーパーキャノン)』が誕生したのだった。

 

「(まったく馬鹿馬鹿しいほどの憶測の数の上に建てられた仮説なのだが……現にユフィが世話になっているアマルガムは数々の理論上だっただけの技術を実現化させている。 あのリア・ファルなど、その『馬鹿馬鹿しい』の塊だ。)」

 

 ギアス嚮団の本拠地と思われる場所に近づくに釣れて『東ユーラシア』が所有し、ブリタニアの航空部隊を撃退したと思われる巨大兵器が移動の際に巻き上げる砂塵の影を、コンピューターアシスト付き暗視スコープの画像がほとんど何も区別が付かないほどぼやけるまで拡大したズーム越しに呆れながらそう考えていたコーネリアは、近くで普段はキリっとしているダールトンや仏頂面なオルフェウスが目を子供のようにキラキラさせているのを見る。

 

「(それよりも────)────お前たち、あの巨大兵器を見てから浮かれ過ぎていないか?」

 

「はっはっは、これはその……子供心をくすぐる、一種の『憧れ』ですな。」

 

「『巨大兵器』へのか。 オルフェウスの年頃だとまだ分かるが、お前(ダールトン)が言うとまた自然とギルフォードのジト目が脳裏に浮かんでくるぞ。」

 

「ギルが子供を持つようになれば、彼のその考えも変わりますよ姫様。」

 

「え~? クララはオルフェウスお兄ちゃんより年下だけどよくわかんな~い。 でもキラキラしているオルフェウスお兄ちゃんは可愛いから許せちゃう!♡」

 

「……このままあの巨体が通り過ぎるまで待つのかネリス?」

 

「あ。 元に戻った。」

 

 クララの声にオルフェウスはハッとしてはいつものポーカーフェイスに表情を戻すとクララはしょぼんとする。

 

「私の見たところ、()()は長距離戦に長けていると見ている。 こちらもナイトメアを出撃させて接近すれば何とかなるかも知れんだろうが、今はギアス嚮団の本拠地と思われる場所に潜入して確認することが先決。 むやみに動いて目立てば、我々が潜り込む前に場所を変えかねない。 変えていなくとも、乱戦になって首謀者を見逃す可能性が高い。 行くぞ。」

 

 コーネリアの言葉に4人はそのまま夜の暗闇に溶け込む迷彩柄と暗い色をしたフード付きマントを羽織っているにも関わらず丘などを利用して出来るだけ身を隠したままギアス嚮団の本拠地の入り口周辺に必ずあると思われる、半壊した遺跡近くへと急ぐ。

 

 そのまま辺りを観察して一時間ほどが経つと、人気が無かった遺跡の()()から人が出てきてはタバコに火を点ける。

 

「当たりですな、姫様。」

 

「ネリスはどうする?」

 

「そう言うオズたちはもう乗り込むのか?」

 

「少なくとも、内部の構造を把握したい。」

 

「同感だ。」

 

 

 

 

 

 コーネリアたちが潜入中であるギアス嚮団の地下都市にある一つの研究所内では小声で話す研究員たちがいた。

 

 「バトレー将軍! 逃げましょう!」

 

 「外に出てどうする?!」

 

 その中には狼狽える様子のバトレーもいた。

 

 「夜とはいえ、外はほぼ荒野と砂漠! ナイトメアのファクトスフィアにすぐさま捉えられれば最後、射殺されるだけだ! それに今まで何人が試みて成功した?!」

 

 「ですがジェレミア卿たちの調整が終わり、二人ともが留守にしている今がチャンスです!」

 

 「それに夜以外は()()が目を光らせています! それにこの頃将軍も聞こえるでしょう、地鳴りを! きっと地上で地上戦艦が稼働しているということは、もしかしてブリタニア軍が────!」

 「────それで我々が安全だという保証はどこにもない────!」

 

 ────カァン

 

「「「ッ?!」」」

 

「誰も動く────って、お前はバトレー?!」

 

「そ、そのお声はコーネリア皇女殿下?! よ、良かった……」

 

 天井の通気口にはめられた網が外れると部屋の中に居た全員が見上げ、素早く動いた何者かが着地するとほぼ同時に銃を突き付けてバトレーがいることに驚愕するコーネリアの声に彼は安堵するような声を出す。

 

「あれれれ? お知り合い?」

 

「クララ、シッ。」

 

「バトレー、なぜ貴様がここに居る? まさかお前も、嚮団の────」

「────ち、違います! 我々は攫われたのです! お助けください────!」

「────ハッ! 攫われただと? 人参役者(クロヴィス)の部下だった頃から演技者と思っていたが、まさかギアス────」

「────そ、それよりも皇女殿下、我々は新大陸で宰相閣下(シュナイゼル)の命で遺跡の調査をしていて気付けばここにチームごと()()されてはここの皇帝陛下直属の研究機関の一部として無理やり作業させられているのです!」

 

「……皇帝陛下直属だと?」

 

「皇女殿下が先ほど仰られた“ギアス”だけでなく、世界にある遺跡の調査などや()に関する研究をも────」

「────昔からオカルト好きとは思っていたが、まさか宗教まで守備範囲だったとは流石に意外だったぞバトレー。」

 

「茶化すなダリル(ダールトン)!」

 

「先に冗談を言ったのはそっちだろう? それともようやく狂ったか────?」

「────私は正気で真面目な話をしている! それよりも、早く我々をここから逃がしてください! 我々の仮説が当たっているとなると────」

「────分かった、出来ることはしよう────」

「────ありがとうございま────!」

「────だがまずはここの見取り図と警備体制を教えろ。」

 

「で、ですが────!」

「────我々としては、どちらでもいい。 元々お前と私たちは顔見知り程度だからな。 ああ、陰口も少々あったなそう言えば。」

 

「クッ……お前たち、さっさと地図を描け!」

 

 バトレーはコーネリアのネチネチとした言葉に、コーネリアに対するクロヴィスの陰口に笑ってしまった自分を恨みながら汗を拭きだしながらも近くの研究員たちに指示を出す。

 

「それとバトレー、さっきの話でなぜ『神』が出てくる?」

 

「それがこの研究機関はどうやら比喩表現などではなく『神は実在する』という前提でその神を殺す武器の作成を元に作られた様子で……そ、それよりもコーネリア皇女殿下! 今の外部の世界では異常などが発生しておりませんか?!」

 

「正直『異常』の定義がここ最近、揺らいでいるのでな。 何故だ?」

 

「この世界はもしかすると我々の誰もが思っている以上に複雑な成り立ちと時間が経っているのかも知れないのです!」

 

「?????」

 

 コーネリアは『何を言っているんだこいつ?』と言いたそうな顔を浮かべそうになるのを、表情筋に力を入れて阻止した。

 

「バトレー、お前……何を言っているんだ?」

 

 ダールトンは素直に感情のまま言葉を並べ、オルフェウスも内心で彼に同意した。

 

「ええええい! 相変わらず単純な男だなお前は! 一々説明している時間はない! 取り敢えずここを脱出しないといけないのです、()になって()()が目覚めるる前に!」

 

「『アレ』だと? それにそもそも今は夜明け前だぞ、何を警戒────?」

「『────許可なく見動きするな、声も上げるな。』」

 

 その()に、室内に居た全員は金縛りに合ったかのように硬直した。

 

 カッ、カッ、カッ、カッ。

 

 誰かの足音が響き、静まり返った部屋の中に入って来てコーネリアたちが(内心で)驚愕する。

 

 もし口が利ける状態だったのなら、こう思わず怒鳴り叫んでいただろう。

 

 

『何故お前がここに居る』、と。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「おい、シャーリー。」

 

「……」

 

「シャーリー。」

 

「……」

 

 ポン。

 

 ?!」

 

「うぉ?!」

 

 アッシュフォード学園の水泳部用の更衣室内では部活動が終わって他の者たちが着替え終わっても一人でボーっとしているシャーリーにヴィレッタが何度か声をかけても反応がなく、手を肩に置くとシャーリーは一瞬だけひどく怯えた様子にヴィレッタは戸惑う。

 

「ぁ……ヴィレッタ、先生……」

 

「大丈夫かシャーリー? 酷い顔色だぞ?」

 

「う、ううん! 何でもない……です……」

 

「ここ最近、何かあったのか? ……もしやルルーシュが────?」

「────何でもないです! ルルは何もしていないです! 何も……何も……

 

「そ、そうか。 体調が悪そうだったら部活を休んでも良いんだぞ?」

 

「その、本当に、何でもないですから……」

 

 “何でもない”とそう口にするが、シャーリーはあの夜から全く熟睡できずにいた。

 

 起きている時の彼女は今までナナリーの代わりにロロが居た()()()()は勿論の事、学園が休業中だった頃はナナリーの代わりにクララが違和感なく学園に居座っていたことを不気味がっていた。

 

 何しろシャーリーはしっかりと見て思い出せる。

 ロロやクララがブラックリベリオン時に、自分たちを守ろうとした謎のショートカット少女(マオ(女))を容赦なく襲っては平然と死んでもおかしくない深手を負わせて、生徒会員たちを動けなくしてはナナリーを攫ったところを。*1

 

 そしてシャーリーが『恐怖』として感じていたのはその時の出来事より、『クララをナナリーと思い込んだ』ことや今の『ナナリー=ロロ』という衝撃と何故周りの誰もがこの食い違いを平然と受け入れているのかというショックだった。

 

「(そう言えば今考えれば、生徒だけじゃなくて教師も殆んどが入れ替わっている……もしかして、教師もグル? だったら、ヴィレッタ先生────)」

「────シャーリーさん、どうしたんですか昔のアルバムを見────?」

「────ッ?!」

 

 パタン!

 

 背後からロロに声をかけられてシャーリーはドキリとし、思わずナナリーが様々な写真から消されているアルバムを勢いよく閉じてしまう。

 

「ぁ……えっと、その……ロ、“ロロってずっと車椅子だったんだな~”って思い返していただけ!」

 

「え? うん、そうだけれど……急になんで?」

 

 ロロが一歩近づくとシャーリーは今も飛び上がりたい衝動を我慢し、思わず『バクバクと力強く脈を打つ心臓がロロに聞こえてしまうのでは?』と焦る。

 

「それにしてはその、普通に歩いたり走ったりできているなぁ~って。」

 

「ああ。 手術後もリハビリをしていたし、兄さんも手伝ってくれたから。 ブリタニアの医学が凄いことを再確認したよ。」

 

「そ、そうよね。 凄いわねぇ~……ルルは? 勉強を見てもらっていたんでしょ?」

 

「兄さんならイケブクロに用事があるって、出かけちゃった。 それにミレイ先生は会議で、リヴァルさんもバイクの車検で、ジノさんたちは政庁。 だから、()()()()()()()だよ────」

 

 ────ガタッ!

 

「そっか! 私も実は────!」

 

 ────ガチャ────

「────アーサーをお風呂に入れおわってただいま戻りましたです────!」

「────ライブラちゃん、新しいブティックを見に行きたかったんだよね確か! 今時間あるから行こう────!」

「────です?!」

 

「にゃ?!」

 

 シャーリーはロロの言葉にとうとう我慢できなくなり勢いよく椅子から立ち上がり、それっぽいことを口にしては強引にライラの手を取ってびっくりしたアーサーは床に飛び降り、シャーリーはライラと共にその場からいなくなる。

 

「……」

 

「にゃ~?」

 

 呆気に取られた表情を浮かべるロロはシャーリーの見ていたアルバムに視線を移すと、アーサーはハテナマークが似合うような様子でロロを見る。

 

 ピリリ♪ ピリリ♪

 

 そんなロロの携帯電話が鳴り、彼は着信相手が『Baron Nu(ヌゥ男爵)』と出るのを見ては携帯電話をポケットの中に戻し、部屋を出てはクラブハウスの外に止めてあったバイクにまたがって租界へと繰り出す。

 

 

 

 

 

 

 

『ピリリ♪ ピリリ♪』

 

「ロロ、電話に出ろ! 出てくれ!」

 

 機密情報局の地下アジトにいたヴィレッタはスクリーンに映し出された報告に焦りながらロロが電話に出ることを願っていた。

 

 スクリーンには『どこぞの仮面仮装パーティにでも出かけるような半面仮面と服装をした二人組がルルーシュ・ランペルージの事を聞きこんでいる』といった、租界内に潜伏している機情のエージェントたちからの報告が映し出されていた。

 

 ヴィレッタは繋がらない電話を切り、別の番号に電話をかけた。

 

「……もしもし、私だ。 シャーリーの様子が変で、ロロが後を追うように出た。 ライラ皇女殿下もシャーリーが連れ出していて、彼女も危ないかもしれん。 それと妙な二人組がルルーシュの事を嗅ぎまわっている……ああ、私も咲世子に連絡を取ってすぐに向かうつもりだ。 事が事だけに、出来るだけ機情と私たちだけで治め────」

*1
78~79話より




後書きEXTRA:
スヴェン:・ ・ ・ ・ ・ ・ (死ぬほど暇だ。)
アンジュ:なにその暇そうな顔? いいから休みなさい。
ピリピリピリ♪ ピリピリピリ♪
スヴェン:携帯が鳴っている。
アンジュ:はいはい…………………………ナニコレ。
スヴェン:どうした?
アンジュ:ウハ、ウハハハハハハハハ~。 (目を逸らす
スヴェン:こっちを見ろアンジュ。
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