小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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大変長らくお待たせいたしました、リハビリ気味の次話投稿です。 |ΦωΦ)チラリ (・ω・`)@キュ~?


第246話 『ムスペルハイム攻略作戦』2

 キィィィン。

 

 ボンヤリとした意識の中、(スバル)を待ち受けていたのは『鳴り続ける鈴に似た耳鳴り』、『目を開けているのに一面真っ暗闇』という矛盾、触覚がマヒした妙な……例えるのなら、『アポロンの馬車』で経験した降下中に似た無重力感に似ている。

 

 一旦、思考の活性化を図るとしよう。

 

 確か俺は東ユーラシアの巨大兵器である『スルト』にクラスター爆弾、マク〇スミサイルパーティー(あるいは某ゼンマイ好きな西のドクター風だとミサイルのシャワー)、そして輻射波動を連続で打ち込んだ筈だ。

 

 まぁ、いわゆる『容赦&加減無しのトリプルアタック』。

『ガンガンいけ』とも。

 

 直撃だったかどうかも確認せず、砂塵やらが巻き起こったせいかモニターの一面にところどころノイズが走るままギアス嚮団があると思われる方向に横切ろうとして蒼天・ムラクモ式の推進力が集中している土台(ドダイ)────ゲフンゲフン、バックブースターシステム(BBS)の出力を上げたところまでは明確に覚えている。

 

 問題はこの後を、俺が()()()()()()ことか。

 待てよ?

 それってつまり、俺は今ナイトメアの中にいるという事だよな?

 という事は機体の電源が落ちているだけか。

 

 操縦桿のボタンを左手でポチッとな。

 

 カチ。 カチカチカチ。 ギュン、ギュン、ギュン、ガチン!

 

 予想通りだが反応が無いので、並行して手動の点火装置のクランクを右手で充電してスイッチを押すと一気にコックピット内の計器等に電源が戻ると再起動し、息を吹き返す。

 

「ッ?! おわぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 網膜投影システムのおかげで文字通りに眼前まで急接近して来ている地面と二桁にまで落ちていた高度計が描写され、焦った俺は本能的に機体に取り付けられた全ての噴射機を使って落ちていく軌道を無理やり捻じ曲げて機体の下半身だけ形態を変えて足とランドスピナーで地面を蹴るかのように走る。

 

「ぐ、ぎぎききき?!」

 

 Gが体中の全体に圧し掛かり、肺から空気が押し出されて血の気が頭部から去っていく副作用として視界がブラックアウトする。

 

 だがそれに対応するかのように蒼天に搭載されたBRSが反応し、『パイロット(人間)』としての五感が希薄になっていく代わりに各センサーからの情報が脳へとダイレクトに入ってくる。

 

 敢えて言語化するとなると五感の内でも視覚が某360度パネルの()()すべてを一度に見渡せるようになり、聴覚も『音を拾う』のではなく『肌で感じる』ようになった。

 

 代わりに他の五感がほぼ無くなったが、情報源が『メカのセンサー』なんだから無理もないだろう。

 

 そんな、まるで蒼天が俺自身の体の延長線上であるかのような感覚に浸りながら、俺はふと思い出してしまった。

 

 以前、俺は“自分がナイトメア~とかは言わない”と言ったような気がするが……一部だけナイトメアの感覚だからセーフと思いたい。

 

 取り敢えずバカな現実逃避は止めて先ほど使った蒼天の輻射波動機構のカートリッジを装填しながら思考に入ってくるデータを整理していくとしよう。

 

 するとどうだろうか?

 

『スルト』は健在。

 

 それどころかどういうワケか蒼天の横から巨大クローを武装した形がゴツゴツとしたヴィンセントががががガガガ?!

 何時からコードギアスに某ダブルゼロからのG〇盾針があるようになった?!

 

 とにかく回避だ回避!

 フットペダルを全力で踏む!

 このエンジン音にドリフト時に車体の響き、やっぱ車はR3────って完全に違うジャンルでしたごめんなさい。

 ふ、人間の五感がほぼシャットアウトしていて良かったぜ。

 

 いや、先ほどから諸君等の訴える“お前が『ジャンルが違う』って言うなw”とかは御尤もな正論だがいざ敵対するとなると『心の準備』というか『覚悟』というモノがですね必要に────待てよ?

 

 コードギアスでも巨大クローはあったような気がする。

 

 主に『ジヴォン』が名字に付いた野郎が白いカブトムシっぽく紅蓮壱式をリメイクした辺りとかとかとかとか。

 

 あと気のせいか、さっきのゴツイヴィンセントに続いてさらに何機かのヴィンセントが追加と更にどういうワケかアリスたちのガニメデ・コンプリートに疑似した色違いのガニメデたちが『スルト』周辺に展開して交戦している。

 

 ……………………共食いとかし初めないでよね?

 歪な形をした赤い槍とか出さないよね?

 紫色の村正・武蔵タイプがいるしさ?

 絶対だよ?

 

 あ。

 

 そう言えば『シュタットフェルト家』って、元々はEUに変わる前のヨーロッパ(ドイツ)出身だったって聞いたことがあるな。

 

 それに今ので思い出したくもなかったがカレンの紅蓮って赤いし、色々とヤバくね? この状況?

 

『何を悠長に現実逃避しているんだ』って?

 

 その通りだよ。 命がけの鬼ごっこに現実逃避中だよ、悪いかおいコラ。

 

 単純に五感が『人間』から『ナイトメア由来』になったからか、『恐怖』が『焦り』に変わっているだけだ。

 

 あとは脳が今までの経験や記憶を活かしてか戦術処理&操縦?を自動(オート)でしてくれているからかちょっと余裕があるだけだ。

 

 アレだアレ。

 

 ヴァイスボルフ城の防衛線時に、内心の俺の声に対して体が自発的に『うるさい』やら『黙れ』とか『知るか』とか独りでにセルフツッコミ*1を披露していた時に似ている────

 

「────相変わらずうるさいな。」

 

 ↑↑↑ひょ?!

 

 い、いいいいいいいいいい今なんと仰いましたかなそこのチミィ?

 

「……………………」

 

 いや、気のせいだろう。

 あ~、ビビったビビった~。

 ワッハッハーのハッハッハー。

 

「……付き合いきれん。」

 

 気の所為じゃなかったよコンチクショウめがッ!!!

 

 俺が『俺』に内心で虚しい独り言を続けていると、どういう理屈か知らないが以前の時よりも巧みな操縦で周りから来る攻撃等を躱していく。

 

 それだけ操縦できるのなら、避け気味のクロスカウンターとか他の機体への援護射撃とかできないのかよ?

 

「……」

 

 いやそこでダンマリとかしないでよ?

 以前のツッコミよりはマシかと最初は思ったが、流石に無視というかシカトを決め込まれたら意外と傷付く。

 

()()()は撃ちたくない。」

 

 “無駄弾”って。

 

 どこからどう見ても優勢じゃん。

 

「……来たか。」

 

 何そのフラグを全力で立てるような決めセリフは?

 

 そんなことを考えている間に猛スピードでこの混乱状態の戦況を見事なまでに潜り抜けてくる機体が蒼天の視界(カメラ)に移る────

 

 ガキィン

 

 ────と思いきや、急に切りかかってくるMVSを蒼天が廻転刃刀で受け流すがフロートシステムの勢いが付いた相手の攻撃に思わず蒼天が押し返されて更なる追撃が『蹴り』の形で襲ってくると、余儀なく地上で踏ん張るような形になってしまう。

 

 この猪突猛進な戦闘スタイルって、もしかしてももしかしてもしかするのか?

 

『やはり君か。』

 

 中性的な声が近接通信経由で聞こえてきて、俺の中になった『大体の予想』が『9割の確信』に変わった。

 

「つくづくお前とは間の悪い時にしか会わないな。」

 

 嫌な汗が先ほどの激しい操縦の所為もあってか内外的に体中から噴き出してきた。

 

 キリキリキリキリキリキリ。

 

 あと久しく感じていない胃痛も感じてきた。

 

『ボクが受けている命令は以前のままだ。』

 

 はい今の会話でライが黒いランスロット────略して『黒ラン』────の騎乗者であること確定~。

 

「そうか。」

 

『ああ。』

 

 なんで淡々とした会話が成立しているの?

 

 キリキリキリキリキリキリ。

 

 吐きたいのに吐けないのは地味につらいでござ────ふおぉぉぉぉぉぉぉぉ?!

 

 急にサブアームをも使ったフルバーストのアサルトライフルやバズーカなどで奇襲染みた攻撃を、機体が逆走しながら黒ランにする。

 

 無論、動きはフロートシステムも機体のそこかしこにある噴射機に足だけ出してランドスピナーを使った立体起動のもの。

 

『アポロンの馬車』用の訓練でグルグルと360度回り続ける椅子に乗った感じだ。

 

 あの時もヘロヘロになったグロッギー状態のアヤノは虹色オロローンを披露したな。

 主にひどい状態のアヤノを見て慌てたリョウのシャツに────あかん。

 

 現実逃避、もうムリ。

 

 目が。 目がマワル。

 

 あ、あそこにあるのは金色の先行型ヴィンセント?

 ロロ雑巾かな?

 

 それと目の錯覚かな?

『亡国のアキト』のラスボスであるシンが使ったヴェルキンゲトリクスがシンとアキトのアレクサンダ・アラクネと戦っている幻覚がちらっと見えた様な気がする。

 

 ……疲れているんだろう。

 うんきっとそうだ────

 

 「“フード付き”だと鈍いな。」

 

 ボシュ!

 

 ────って、なにバックブースターシステム(BBS)を三度笠キャバリアー風にキャストオフしているの?!

 

 “一体何人にネタが分かるんだろう”とかは別にしてあーあ、黒ランに特攻したよ。

 

 アンナたち技術部の泣く姿が容易に想像できちゃう。

 

「フッ!」

 

 うお?!

 

 『俺』が息を吸って留めこむと更に動きが加速した?!

 

 イタ?! イタタタタタタタタ!!!

 

 体が強化スーツを破る様な勢いでハチ切れそうな上に目が霞むし地味に痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

 

 これ絶対に人間が生身だとミンチ化するGだよね?!

 

ドォン!

 

 しかも『スルト』がまだ近くで活動している所為で爆風による響きというか揺れがひどくなるし。

 

 『後悔』があっても『止まる気』はサラサラ無いが。

 

 人が涙を流していい時などあっていい筈がないからな。

 

 

 

 


 

 

 

『今作戦の捕獲優先対象であるV.V.の現在位置は逆探知で特定できた! アマルガムの部隊が地上部隊の注意を逸らしている間、一挙に目的を達成し作戦地域外へと離脱せよ!』

 

 地上で『スルト』とそれの守りに付いていた東ユーラシアのナイトメアや航空部隊に黒ランや敵対するガニメデたちをまるでスバルたちアマルガムに任せたかのようにルルーシュはアッシュフォード学園の部屋を模したコンテナ内で振る舞った。

 

『体のいい利用』? 

 確かにそうとも言うかも知れないが、ゼロも若干の罪悪感を覚えていたのかワザと『一挙』という言葉を使った。

 

『全軍、α7地点を中枢に包囲網を敷いて研究員は捕獲! データはサーバーごと切り離して輸送の準備を! 実験体とおぼしき者達には決して生身のまま接しようとするな! 発見次第、ナイトメアを使って封印せよ!』

 

 元々この作戦は蓬莱島でのブリーフィングで宣言されたように、黒の騎士団とアマルガムの合同で行われるはずだったが最後の最後で一部の修正を加えられて決行された。

 

 最初はルルーシュがこの提案を聞いた時、一部正論であることもあってか悩んでいたが渋る彼に修正を発案した者は“今までの事が事だけにこれからの事を考えると黒の騎士団にも箔を付ける必要がある”と“これ見よがしに配置されたスルト以外に未知数の何かが絶対にあり、まずはアマルガムをぶつけてその正体を見極めるべき”との言葉が決定打となった。

 

 そしてその予感は的中していた。

 

 スバルたちが『スルト』に攻撃を加えた際に、広範囲かつ()()()を持ったゲフィオンディスターバーが先行隊を襲った。

 

 これまでもゲフィオンディスターバーを使ってきたからこそ、万が一の為に黒の騎士団側も対策を機体に組み込んでいたが流石に資源の振り分けもあってか精鋭部隊中でも幹部レベルの機体にしかまだ対策が組み込まれていない。

 

 その反面、数も少なく元々機体の一つ一つが試作品扱いの様なアマルガム()()全ての機体には搭載されていたおかげで敵のゲフィオンディスターバーの影響を受けなかった。

 

 よってもし当初の作戦通りにアマルガムと共に零番隊がスルトを攻撃していればこの初撃でかなりの被害が出ていたかも知れなかったことに、渋々直前の修正を受け入れたゼロは少々の罪悪感から作戦を出来るだけ早く終わらせられるように采配をしていた。

 

 余談だがスバルの蒼天はその試作機体の中でもかなり最後の最後まで手が加えられた所為で対策の組み込みなどが遅れ、ゲフィオンディスターバーの効果を受けて一時のシャットダウンをしてしまったとここで追記する。

 

 皮肉にも、先端技術を注ぎ込みし過ぎた所為で初歩的な装備がおろそかになってしまっていた。

 

 果たして『対ゲフィオンディスターバーの処置』を初歩呼ばわりしていいのかは現在のところ微妙だが、今は『初歩』と定義しておくとする。

 

『ゼロ、カレンがまだ地上に!』

 

「む。 ベニオはどうした?」

 

 零番隊の副隊長である木下(きのした)からの通信にルルーシュはゼロとして疑問の声を返しながら、コンテナの隣で待機していた蜃気楼に乗り込む。

 

『えっと、作戦通りに我々零番隊と共に突入しました。』

 

「ならば問題ない、許容範囲内だ。 木下はそのまま副隊長として指揮を執れ。」

 

『了解しました。』

 

 ……

 …

 

「すごい……地面の下に町がある。」

 

 ベニオはナイトメアの中からギアス嚮団がある地下都市の景色に、先ほどまでアマルガムを騙すような行動に感じていた『モヤ付き(戸惑い)』が『感動』によって上書きされていた。

 

『これがとても人体実験の施設だと思えないな。』

『こんなところ、写真を撮って後でアップ────』

『────私語は慎め。 地上に展開しているナイトメアが敵の全てだという保証はない。 まずは地上部隊が動きやすい様に敵勢力の制圧しつつ実験体の封印を行う。 各機はグループでの行動を開始!』

 

『『『了解!』』』

 

 ベニオを含めた黒の騎士団の暁たちはそれぞれ二、三機ずつの班に分かれては予期せぬ騒動で様子を見に建物から出てきた研究員たちを取り囲んで一つの場所へと集め出す。

 

「(本当にこんな人たちが人体実験なんてするのかなぁ?)」

 

 ベニオがそう言うのも仕方がないほど襲ってきたナイトメアたち、地上からくる振動、そして不安定になる電力の供給の所為でチカチカとオンオフを繰り返す明かりに動揺し逃げ惑う白衣を羽織った研究者たちは『普通の一般人』の装いだった。

 

 本来はここで零番隊は激怒したゼロによる無差別の虐殺を命じ、その様子はベニオに少なからず()()()を────かつての『行政特区』でブリタニアによる虐殺を連想させていた。

 

「(この作戦って、『正義』の為に必要なことなんだよね?)」

 

 だが少々出来事の流れが違ったことで今の彼女は『違和感』程度の気持ちを浮かばせていた。

 

『お、おい! コックピットハッチを開くな!』

『け、けど子供たちが! 俺の子とそんなに歳が離れ────うゲッ?!

『おいどうした?! なにg────ぐわ?!』

『何だ?! ま、待て! 味方だぞ、撃つのはやめろ!』

『か、体が言うことを聞かない?!』

『研究員たちの様子が変だ! 急に走るのを止めてこっちに走って来るぞ────おわぁ?!』

『こいつら正気か?! な、生身でナイトメアに走って来るぞ!』

『ブリタニアに、玉砕なんて考える奴らがいるのか?!』

『怯むな! 無力化を────!』

 

「────え?!」

 

 そんなベニオの考えを遮るかのように、次々と焦り出す零番隊の者達による不可解な通信が入ってくる。

 

「な、何が?! 何が起きているの?!」

 

 ベニオは紅鬼灯・弐式の飛翔滑走翼を使い、思わず上空へと上がってはファクトスフィアを展開させて性能の上がったカメラで周りを見渡すと各地で起きている異常事態を目にする。

 

 あるナイトメアは操られているかのようにきごちない動きのまま味方を襲い、一部の暁は泣き叫ぶまま機体を登ろうとする研究員たちに戸惑い、そんな研究員たちや味方機を傷つけずに止めるためコックピットハッチを開けては首や体が曲げられて散っていく黒の騎士団員たちがいた。

 

 キュィィィィィィン!

 

「ハッ?!」

 

 バキィン!

 

 横から来るランドスピナーにベニオが振り返ると器用に建物を使った立体起動でベニオの居るところまで上がってきた黒いサザーランドたちがランスを使って飛翔滑走翼のX字型の翼が折ってしまう。

 

「うっ?! (やられた! 力場が安定しない!)」

 

 紅鬼灯が地面に落ちたところで第二、第三の追撃が黒いサザーランドたちによって放たれるがベニオは流れるように機体を操ってその攻撃を回避する。

 

「この黒いサザーランドたち、明らかに今までの敵と違う────うわ?!」

 

 ベニオはすぐに反撃の為、輻射波動を向けると第一波のサザーランドたちが通りざまに打ち出したスラッシュハーケンが紅鬼灯の足に絡まっており機体は転倒し、減速せずに遠ざかる彼らに釣られて紅鬼灯は地面を引きずられていく。

 

「この人たち、戦い慣れている!」

 

 ベニオがそう感じ取るのも、相手がプルートーンであることを踏まえれば何ら不思議は無い。

 

 未だに『騎士道』や『パターン化された戦闘行動』などの、理想論に基づいた『綺麗な戦い方』が通じるコードギアスの世界で、プルートーンはそれ等を根底から否定する様な戦い方────黒の騎士団の様な『近代的な戦い方』をずっとしてきた。

 

 特にV.V.がギアス嚮団の嚮主と成り、プルートーンの実質的なトップになってからは『戦術が通常の道理とは違う』戦い方を強いられてきた。

 

『少々やるようだな、あの機体。』

『嚮主様も自ら出撃なさった、黒の騎士団の主力は引き受けるそうだ。』

『ならばその間に雑魚を掃除する。』

『『『了。』』』

 

 

 ……

 …

 

「今の内です、逃げましょう将軍!」

 

「ならん!」

 

 文字通りカオスに陥りつつあるギアス嚮団の一角ではクロヴィスの元で『コードR』に携わり、ナリタ連山から逃げて、シュナイゼルの下で世界中の遺跡の研究、そして今では超現象で転移されてきた場所でさらなる研究を強いられていたバトレー将軍と研究員たちはいた。

 

「体の自由が効く今こそがチャンスなのだ!」

 

「無茶ですよ将軍! コーネリア皇女殿下たちの解放なんて────!」

「────そう思うのならお前たちだけでも黒の騎士団に保護してもらえ! 私は一人になってでも殿下を救う!」

 

 バトレーはそう言い放ち、周りからくる爆音や人の叫びなどの阿鼻叫喚をものともせず走り出した。

 

「(ここで信頼できるのはコーネリア皇女殿下しかおらん! どうにか彼女に、この世界のことを! ()()を伝えなければ!)」

 

 

 ……

 …

 

 

「ジークフリート?!」

 

 バトレーが勇敢にも地下都市を駆け抜けている間、木下たちとは別ルートで『ケジメ』をギアス嚮団と付けにルルーシュと共に来たC.C.はピンク色の暁・直参仕様の中で建物内から自分を襲ってくるトゲの生えたオレンジ見覚えのあるオレンジ色のナイトギガフォートレスに声を上げていた。

 

『ああ、やっぱりその機体は君が乗っていたんだ。 昔から君は何かとピンク色が好きだった様子だし、変わらなくて安心したよ。』

 

「その声、V.V.か! まさか観察者気取りの貴様自らが出てくるとはな!」

 

 C.C.を庇うかのように前に出て絶対守護領域を展開した蜃気楼の中にいたルルーシュは驚きの声を挑発の口調で誤魔化す。

 

『こうして会うのは初めてになるのかな、ルルーシュ? 初めまして、そしてさようなら。』

 

「そうか、なら天誅はなるべく痛くしてやるとしよう!」

*1
123話より




ハッピーバースデー、腹黒虚無宰相閣下。 (`・ω・´)ゞ
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