小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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某4風に表現すると、『ペンは止まらなかった』。

というわけで少々早めの投稿です。

お読みいただきありがとうございます、楽しんで頂ければ幸いです。 m(_ _)m


第252話 もう一人の観測者2

 ザ、ザザザザ、ザザザザァァァァ!

 

 ルルーシュの回りの景色がまたも酷いノイズと砂嵐(の様な乱れ)によって変わり、目の前には一つの民家の前に停まった黒い車の中から黒服黒サングラスの男がボーっとしている様子のスヴェンとリュックサックを引きずり出している間、もう一人が家の扉にノックをしていた。

 

『着いたぞ。 ここが、お前が世話をする家だ────』

『────はい? どなたでしょうか?』

 

「あれは……確かカレンの母親のルミ(留美)か?」

 

 家の中から出てきた女性の容姿を見て、ルルーシュはリフレイン事件の解決時に動揺したカレンと生身でKMFを撃墜したスヴェンを思い出す。

 

「と言うことは、ここは日本か……」

 

『先日、連絡をしたハンセン家の使いです────』

『────え────?』

『────こちらが従者見習いの者です────』

『────まぁ?! まだ子供じゃないですか────?!』

『────それは我々の知ったことではない。 連絡した通り、確かに送り届けましたよ?』

 

 それを最後に大人たちは車の中へと戻り、サッサとその場を後にする。

 

「……」

 

 その景色はかつて、シャルルに感情任せで抗議した自分への罰として日本へ追放処分を食らった自分とナナリーをルルーシュは重ねた。

 

『………………えっと……ま、まずは中に入りましょうか?』

『お邪魔しマス。』

 

 スヴェンと留美が家の中に入り自己紹介をしても未だに無表情のスヴェンを『可哀そう』、あるいは『我慢をしている』と思ったのか、留美は優しくスヴェンをハグしながら気休めの言葉をかけ、後からカレンとカレンの兄らしき者たちもスヴェンの事を受け入れるシーンにルルーシュは思わず口端を上げた。

 

「(……なるほど、スヴェンがあれほど必死にさせる秘密がコレか……このように自分を受け入れて支えてくれる人たちが近くに居たから、アイツはアイツなのだろうな。 しかしカレン、“白髪”はないだろうに……)」

 

 しかし、カレンの家族────紅月家がブリタニア人の血が色濃く出ているハーフの『スヴェン』を『日本人のスバル』として受け入れたからと言って、周りの日本人が同じだと限らなかった。

 

 当時の日本は世界が依存しているサクラダイトが一番多く採れることもあってかお世辞にも『外国人にやさしい』とは言えない、鎖国的な考えが主流だった。

 当時の日本政府のプロパガンダ効果もあり、一般的な日本人からすればブリタニアは『図々しい価値観を持つ国』、『欲しいものは力ずくで奪いながら清潔さを装う野蛮人の国』などと言った閉鎖的な先入観が植え付けられていた。

 

 無論立場的に大国同士であるためブリタニアと日本の交流は全く無いわけではなく、お互いの国への留学や出張などもあるので『国内でお互いを(ある程度)認め合っているコミュニティ』は存在する。

 

 だが外国人との交流が頻繁にある大都市(あるいはコミュニティ)から少し離れた辺鄙な町ではそうもいかない。

 

 名前をスヴェンからスバルに変えたとしても、容姿が明らかに日本人ではない彼の噂が広がるにはそう時間はかからなかった。

 

 留美のお使いや紅月家の用事に頼み事で出かけるとスヴェン待っていたのは政治的要人扱いから他人との接触を制限されたルルーシュたちの比ではない『迫害』、『苛め』、『無視』、エトセトラ。

 

 目につきにくい、彼の体は痣や打撲だらけだった。

 学校でも例外は無く、精神がまだ幼いおかげで周りの者たちを基準に育つ子供たちはカレンやナオトたちがいないときの隙を狙ってはスヴェンに陰険な嫌がらせをしていく。

 

『ブリタニア人だから』と言う理由、後ろ盾がシングルマザーの留美、そして教師たちは見ていぬフリをすると言うことから最初は数人だけだったが、次第にそれは他の者たちへの免罪符となり加速した。

 

「……」

 

 精神をすり減らす陰湿なそれ等は見ているだけのルルーシュでも言葉を失くさせ、『俺たち(ルルーシュとナナリー)はまだマシだった』という己の並列思考の一つが考えに彼の心は更に痛んだ。

 

「(当時の俺だったら、報復……自暴自棄か、人間不信になっていたかもな。)」

 

 ルルーシュは『もしナナリーがこんな仕打ちを受けていたら』という考えを脳の奥深くに押し込み、そんな扱いを受けても嫌な顔を表に出さずにただ紅月家の迷惑にならないように鳴きごと一つもなく、平然とした態度をスヴェンは続けた。

 

 平然と、喜怒哀楽の表現が乏しいスヴェンをナオトはある日、知り合いの居る道場へと連れていった。

 

「(なるほど……これでなぜ藤堂が時々スヴェンを気にかける理由に納得がいく。 そしてこの時から彼は毒島冴子とも会っていたのか。 今まで桐原がこのことを隠蔽していたな? 道理でディートハルトの調査が難航していたわけだ。 しかしブス子────いや毒島冴子、今の様子とスザクから聞いていた昔のイメージ。 かなり……………………………………()()()だったな。)」

 

 ルルーシュが思い出すのは先ほどナオトの自慢にどんどんと鋭くなっていった、まるで獲物を補足した肉食獣の目をした毒島(子供)の様子である。

 

「(そんな彼女の攻撃をいなしたスヴェンも見事なものだが……藤堂の三段突き、恐らくスザクでも初見では防ぐのは難しいだろうな。)」

 

 スバルが学校でいじめに遭っている現場にカレンがばったり出くわすと彼女は文字通りにその場でいじめっ子たちを無慈悲に成敗(ボコボコ)した。

 この時のカレンならば、ただの悪ガキ相手にゲンコツや蹴りの一発で済ませるのだが……

 流石に()()ともなると頭に血が上って、正義感の赴くままに行動を取っていた。

 

『大丈夫、昴?』

『ん……でも、なんデ?』

『何でって……だって腹が立ったから。』

『……でも、かレんに迷惑がかかる。』

『うーん……だからお兄ちゃんは……だったらさ、これからは昴も私を守ってみせてよ?』

『……うン。』

『んじゃ、約束だね!』

『ウん、ヤク束。』

 

 昴の手当の終わった幼いカレンと彼が指切りを交わし、そして────

 

 ────ザザザザザザァァァァァァァァァァァァ!

 

 ゴォォォォ……

 

 ウゥゥゥゥゥ~~~~~!

 ボォン! ボォボォォォン!!!

 キュィィィィン!

 

 周り一帯から日は上がっており、炎の轟音が響く中で空襲のサイレンを背景音に強度を保てなくなった建物が朽ちていく景色にルルーシュは呆然と見つめていた。

 

 ルルーシュが空を見上げるとおびただしい数のナイトメア用の輸送機と爆撃機、そして遠くからは耳をつんざくような爆音とランドスピナーの特徴的な音が聞こえてくる。

 

「これは……まさか……」

 

『第二次太平洋戦争』。

 彼の脳に浮かんだ単語はそれだった。

 

 彼自身はブリタニア軍の侵略時を直接見てはいないが、今見ている景色はルルーシュがスザクから聞いた話と一致していた。

 

 それもブリタニアの侵略直前にナナリーを連れ去ろうとした枢木ゲンブを止めようとしたルルーシュは殴られて、第二次太平洋戦争が一番騒がしかった初期段階では気を失ったから無理もない。

 

 ザザザ!

 

 ルルーシュが気付くとどこかの山に避難した様子の紅月家が居た。

 火が回りきる前に脱出した所為か、背負ったリュックと服装も所々は焦げていたが外傷は見当たらない。

 

『お母さん、お兄ちゃん……どうなっちゃうの?』

『大丈夫だ、カレン。 ここまで火は届かないはずだ。』

『お兄ちゃんの言う通りよ、カレン。』

 

 泣くカレンを彼女の兄であるナオトが慰め、留美は出来るだけ不安をより除こうと気丈に振る舞っていた。

 

『………………』

 

 昴は紅月家の様子をただ無言で見てから燃える町に目を移していた。

 

 ザザザザザザ!

 

『お母さん、おなかすいたよ~!』

『ええ、だからナオトも(スバル)も出かけているでしょ? ほら、お水を────』

『────お水はもう飽きた! ジュースが飲みたい────!』

 

 『────きゃああああああ!』

 

 どこか丘の様な場所に、簡易的でこぢんまりとした小屋の中で我儘を言うカレンの言葉を、外からくる女性の叫びが遮ると留美はすぐにカレンの耳をふさいでガラスの貼っていない窓から見えないように身を屈ませては息を潜める。

 

『お母さん?』

『……』

 

 『そっちに行ったぞ!』

 『逃がすな!』

 

 先ほど叫んだ女性を追うような言葉を発する男性たちの声が続く。

 

 『捕まえたぞ────!』

 『────放して────!』

 『────お前には“反政府組織の結成員の疑い”がある────!』

 『────な、何かの間違いです────!』

 『────ならなぜ逃げた────!』

 『────そ、それは────』

 『────詳しくは基地で話を聞く! 来い!』

 『いやぁぁぁぁ! 行きたくない! 誰か助けてぇぇぇぇ!!!』

 

「……」

 

 これ等の会話と留美の様子に、ルルーシュは容易に何が起きているのかが想像はできた。

 

 色々と事情と歴史が異なるコードギアスの世界でも一応、戦争犠牲者の保護強化を成すジュネーヴ諸条約に値するものは存在し、大まかにそれは以下二つである:

『戦地、および海上にある軍隊と難船者の傷者及び病者の状態』。

『捕虜と戦時における文民の保護と人道的扱い』。

 

 しかしこれらは所詮紙の上に書かれた(あるいは印刷された)インクの価値しかなく、結局は戦争に参加している国の軍隊と軍隊が所属している政府によって徹底されるべき自制心に任されている。

 

 幸運にもブリタニア軍の騎士たちはやはりどこまで腐っても『騎士道』を重んじている為、敵国の捕獲した軍人や民間人に対して彼らはある程度の人道的な扱いをしているのが大半である。

 

 しかし実際に占領や現地の駐屯軍として敵国に乗り込む実行部隊である歩兵の多くはほぼ使い捨て扱いをされ、苦い思いや割を食わされている名誉ブリタニア人たち。

 

 そんな彼らが(滅多なことがない限り)反乱しなかった理由が『()()()()()()』でありそれ等はいつの時代────どの世界でも大なり小なりの違いはあれど────必ず起きている。

 

 テレコミュニケーション技術が飛躍した今の世の中で『綺麗な戦争』とは所詮、各国による情報操作と汚い事実の隠蔽による賜物である。

 

 それはコードギアスの世界でも例外ではない

 あるいは価値観がどこか未だに前の時代のままであるにして、更に酷いとも言えるだろう。

 

 他国への侵略が終わり、堅物の騎士や上官たちの目が届かない範囲(あるいはある程度の了解)での略奪、財産の接収、殺人、強姦や凌辱等々の戦後処理中に起きる()()()()が名誉ブリタニア人による大規模な反乱を防いでいた。

 

 何かを欲していれば奪い、気に入れなければ恫喝をし、反抗されれば『反乱分子』として処刑され、()()()()()()()()()()()()

 

 文字通りに、『一時の自由』と『優越感』を味わえる貴重な時間である。

 

 勿論これらは全て条約違反なのだが、敗戦国に異議を唱える威厳も無ければ周辺国たちに大国を罰して得る自国への報復と比べると長期的なメリットは少なく、ほとんどの場合は行動が暗黙されるか発覚した歩兵部隊ごと上官直属の精鋭部隊によって()()()()()()のが慣例となっていた。

 

 あるいはコーネリアのように、そもそも名誉ブリタニア人を全く作戦に組み込まずにブリタニア人のみの戦力で被害を最小限に抑えて事を終わらせるか。

 

 厳しい言い方ではあるが所謂(いわゆる)、『(大衆の)目に付かなければ(認識に気付かなければ)無かった事』というモノである。

 

「……」

 

 それ等を察していたルルーシュは知識として『そういうことは起きる』と分かっていても、こうして見るのは流石に堪えたのか黙り込んだままだった。

 

 ザザザザザ!

 

『母さん?! カレン?! どこにいるんだ二人とも────?!』

『────ナオトさん。』

 

 荒らされた小屋の様子にナオトが焦っているとボロボロの留美に肩を貸したスバルが目に入る。

 

『母さん、どうしたんだよ?! それに、カレンは────?』

『────ブ、ブリタニア軍の人たちが来て……止めようとして、丘から落とされて……』

『まさかカレンは……クソ! 昴は母さんを頼む!』

『分かっタ。』

 

 顔色が悪くなったナオトは小屋から走り出し、スバルは静かに留美の手当てをしていく。

 

『昴……私の事はいいから、ナオトを……カレンをお願い!』

『うん。』

 

 ザザザザザザザザザザザザザザザ!

 

『う……』

 

 またも景色が変わり、スバルは血まみれだった。

 ボロボロの服は無数の様々な大きさの切り傷から流れ出た血によってべったりと引っ付いており、左足は挫いたのか変な方向に曲げたまま引きずっていた。

 

 ゴォォォォ……

 

 うめき声をあげながらライフルだった鉄製の何かを杖代わりに彼は燃える基地だった敷地内を徘徊していた。

 

『ッ。』

 

 ようやく彼が行きつい手動きを止めたのは上辺が火に包まれて焼かれた肉の匂いを発する、簡易なプレハブ。

 

『か、レン!』

 

 ジュ!

 

『う?! ぐ、ううううう!!!』

 

 スバルは血相を変えながら自分の怪我を無視して駆け出し、火のついたプレハブの扉を手で無理やり開くと中には息絶えたと思われる女性たちの遺体が転がっていた。

 

『か────ゲホゲホゲホ!』

 

 彼が口を開けて叫ぼうと息を吸うとすぐに咳をしはじめ、のどの痛みを我慢しながら遺体を退けていく。

 

 ガン!

 

ガフッ?!

 

 天井から落ちてきた瓦礫がスバルの頭と背中を強打し、彼は吐血しながらフラフラとする意の中でもせっせとカレンを探────

 

 ────ザザザザザザザザザザザザザザザ!

 

 砂嵐のノイズがひどくなっていく。

 

 『大丈夫って言ったじゃん、この────!』

 

 ────ザザザ!

 

 次に景色が見えてくるのは燃える基地の近くにあった僻地。

 そこにはボロボロでところどころ焦げた衣類を身に纏いながら、びっくりした様子の兄に渡されたブランケットの様なボロ布を羽織った少女────カレンの顔はところどころ腫れていて、彼女の視線はかつて見たことのない嫌悪感を露わにしながら立ちすくむスバルに憎しみを込めて叫んでいた。

 

 『あんたなんか……約束破りのブリキ野郎なんか────!』

 ────ザザザ────!

 『────いいんだ!』

 

 ノイズが一瞬だけ、怒りのまま叫ぶカレンの言葉を遮った。

 

 彼女の言った言葉にスバルは初めて表情を変えながら、スバルは火傷と傷跡が目立つ両手で頭を抱える。

 

 

 

 彼の顔は今までに見たことのないほどに歪んでおり、途方に暮れてどうしたらいいのか分からなくてただただ苦痛で泣くことを我慢するために唇を噛み締めながら目尻に涙を留める、幼い迷子がする様なモノだった。

 

 

 

『────……ぅア……ぁ、アア────』

 

「────もう……いい……もういいだろう?!」

 

 ルルーシュはここでとうとう耐えかねたのか、上空にそう訴えた。

 

「これを俺に見せて、何が目的だ! こんな! こんな……俺にどうしろと言うのだ?! だから何だと言うのだ?! こんな……こんな(過去)を見せつけて────!」

 

 【────■■じ■■■

 

「……なに?」

 

 流石のルルーシュも自分の問いに答えが返ってくることは意外だったのか、彼は思わず聞き返した。

 

「……空耳か────?」

 【────に、■■■■■■■■ ■■か、■■だけ■■……】

 

 途端に弱く、思わず聞き逃しそうなほどの細声がノイズに交じりながら耳に届くが先ほどより酷い雑音によってかき消されていくと周りの景色も一昔前の受信が悪くなったテレビのように揺れる。

 

 ■■■■■■だ。 ■■■、か■■■■ ■う、■■■■■────】

 

 聞こえてきた声がとうとう途切れると、まるでコンセントが抜かれたテレビのようにルルーシュの視界が暗闇によって遮られる。

 

『ごめんなさい。』

 

 上記が文字通りに脳の中で浮かぶと同時に、ルルーシュは自分の体が暗闇の中を落ちていく感覚の中、今起きたことがグルグルと彼の頭の中を回っていた。

 

 ……

 …

 

「スザクさん、どうかされましたか?」

 

「え?」

 

 エリア11の政庁にて、どこか上の空のままボーっとしていたスザクにナナリーが声をかける。

 

「“どうか”って……ちょっとその……世界の事を考えていた。」

 

「まぁ! 世界に関心を持つなんて……やはりラウンズになられてからスザクさんの視野は広がりましたね?」

 

「は、はははは……こ、これは手厳しいな。」

 

 スザクはこの頃、憂鬱な空気を時々発していたナナリーが少し意地悪なからかいを口にして気を紛らわしていることはこの数日間顔色が悪くなるローマイヤの様子で察せたのでスザクは敢えてそれらに付き合うことにしていた。

 

 そんなスザクは世界中が騒がしく、色々なことが進んでいるかが全く見受けられない静かなトウキョウ租界の様子を室内から見る。

 

「(このタイミングでほぼ全員のラウンズと親衛隊の総動員……シュナイゼル殿下は何を企んでいる? ヴァルトシュタイン卿(ビスマルク)と連絡が取れるタイミングが中々無いことも……)」

 

「そう言えばスザクさんはアッシュフォード学園に復学したのですよね?」

 

「へ? あ、ああ。」

 

「皆さん、元気にしていますか?」

 

「ッ。 うん、僕の見た限りでは……元気だよ?」

 

「お兄様やミレイさんにシャーリーさん、リヴァルにスヴェンさんも?」

 

「ミレイは先生になってから生き生きとしていて、副会長のルルーシュはリヴァルの補佐で毎日忙しくしているよ? スヴェンも口でなんだかんだ言いながら生徒会を手伝っていて、シャーリーは……いつも通り、部活と生徒会の掛け持ちをしているよ。」

 

「そうですか……」

 

「あ、それとクロヴィス殿下がナナリー宛に差し入れを送って来たよ。 美味しそうなモンブランだった。」

 

「う~ん……いくら()()()()()()()()()()()()()からって、こうも毎日差し入れなどがあると腰辺りがプニプニにならないか心配しちゃいます……」

 

「そうだね。 (やっぱり皇帝陛下によって、クロヴィス殿下たちは……)」

 

「もう、スザクさん? そこは気休めの言葉をかけるところですよ?」

 

「え? ……あ。

 

「私は分かっていますから大丈夫ですけれど……そう言う風ですと、()()()()()()拗ねちゃいますよ?」

 

「あ、ああ。 忠告ありがとうナナリー。」

 

 余談だが、スザクはこの時密かに『拗ねたユフィなら可愛いだろうな~』と言う想像に和んでしまいそうになったがライラの事で気を引き締めた。

 

「(ヴァルトシュタイン卿いわく、『ライラは無事』らしいけれど……どうも胸騒ぎがする。)」

 

 

 ……

 …

 

 

 ズズゥン……ドォン! パパパパーン!

 

「ひ?!」

 

 地鳴りや爆発に銃声の音がそこかしこに鳴り響く、()()()()()の地下都市の中ででとある少女が────()()()がビクビクしながら周りを警戒しながら建物の物陰に隠れて周りを見渡す。

 

「(一体……一体ここはどこです?!)」

 

 彼女がここにいる『何故』を説明するのは簡単である。

 

「(『変なおじさんが消えたと思って走ったら急に暗い街の中』ってどういうことです?!)」

 

 ライラはバクバクと早鐘を打つ心臓に息が震え、かつてのブラックリベリオンの記憶が蘇って足がすくみそうになる。

 

 だが逆にブラックリベリオンでアッシュフォード学園が紛争地帯に陥ったからこそ、今彼女は踏ん張りながら行動を起こせるようになっていた。

 

「わ?!」

 

 角を曲がると4、5歳ほどの子供たちの集団と出くわしてビックリしたライラは尻餅をついてしまう。

 

「こ、こど、も?」

 

「「「「………………」」」」

 

 子供たちはライラを睨むかのようにジッと視線を注ぎ、そんな子供たちとライラの目が合う。

 

「「「「「………………?」」」」」

 

 子供たちが不思議そうなものを見るかのように、眉間にしわを寄せながら頭を傾げるとライラも釣られて頭を傾げた。




ラフ時から、かなり絞って展開を進めてみました。

それとどうでもいいことかもしれませんがただいま迷い中です。 (;´ω`)ゞ
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