小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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第260話 警報の鐘

『正面に見えるのがゴトウ租界か。』

『戦略的撤退が既に進んでいる様ですね、ヒュウガs────』

『────義勇軍との通信中は“ウィンド”だよ、J(ジャン)君。』

『し、失礼しましたh────ではなく、ウィンド様!』

『いや、良い。 これから気を付ければいい。』

 

『まるで戦争だな、おい。』

『“まるで”じゃない、れっきとした戦争……いや、一方的な虐殺だ。』

『アキト……』

 

 ゴトウ租界に近づくにつれて半壊した建物と黒い煙によって見えにくくなった地形が目立ち出す光景に、シンたちはそれぞれの感想で緊張感をほぐしていた。

 

『さて諸君、最後の確認だが……今作戦、俺とJ君の指揮下で動いてもらっても良いのだな?』

 

 そして先の『緊張感』には、今回アマルガムの実行部隊が初めてレイラや毒島ではないものが執ることも兼ねていた。

 

『オレはやっぱ、毒島の姉御が────』

『────評価してくれるのはありがたいが、私の戦略は攻撃的でな? “撤退”に適していない。』

『自覚していたんだね。』

 

『ちょ、おま! ユキヤ────!』

『────だから今回は彼らに私とレイラは頼んだ。』

星団(リア・ファル)も、出来る限り戦闘地域外ギリギリまで待機しているのも傭兵団の偽装だ。』

 

『では、そろそろ作戦範囲内に入るぞ。 各機、気を引き締めろ。』

 

 ユキヤのドライな言葉に慌てるリョウの声を毒島とジャンが遮り、更にシンが気の入った声で念を押す。

 

「(大きさからすればトウキョウ租界より一段と小さいが、それはブリタニア人が住むことを想定していないだけで中心の規模はさほど変わりは無い。 強いて言うならば、ゲットーの範囲が広いくらいか……そこに軍用爆撃機の攻撃をしたのか。) “地上は悪夢並み、と見て良い”……か。」

 

 シンが考え込んでいると義勇軍の篠原少佐に教えられた周波数から通信が入ってくる。

 

『こちら五島市の守備隊だ! 接近中のナイトメア部隊、“暗い光の無い夜はどうやって故郷に辿り着く?!”』

 

『“ポラリスの導きの元に帰る”。』

 

『そ、そうか、君たちが篠原少佐の言っていた傭兵団か! 助かった……あれ? 指揮官は女性だったと聞いているが────?』

『────星団(リア・ファル)は目立つ。 それに先の戦闘の者たちが休んでいるからな、我々が派遣された。 君たちの指揮官であるシノハラ少佐もこちらに向かっていると聞いている。 ゴトウ租界の状況は?』

 

『陸と海沿いの退却経路の見張りが、ブリタニア軍からの攻撃を受けている。 今すぐにでもそちらに向かってもらいたい。』

 

『了解した。 そちらの部隊に救難信号を出すように指示しろ、誤射は避けたい。 プレイアデスナイツ、取り掛かるぞ。』

 

『了解だ! テメェら、気合入れろよぉぉぉぉl?!』

 

「「「「「「「「(アシュレイ/アシュレイ隊長、滅茶苦茶ハイテンション。)」」」」」」」」

 

『久々の娑婆の空気だぜぇぇぇぇぇぇ!』

 

『フランツ、どうする?』

『隊長、ずっっっっっとイライラしていたもんなー。』

『島の警備も日がな一日、散歩する様な毎日だったからなぁ~。』

『この間のムスペルハイム作戦でも、消化不良気味だったから……』

 

 『ヒャッハー!』

 

『……大丈夫でしょうか、ヒュウガ様?』

『言葉はアレだが戦力としては申し分ない。』

『確かに。』

 

『兄さん、必要だったら俺が頑張るが?』

『いや。 それには及ばないと思う。 それに、無事に帰る理由が出来たのだろう?』

『ああ。 だからアヤノもケガするなよ。』

『~~~~~!!! な・ん・で! サラッと言えるの?!』

『思っていることを口にしただけだが?』

 

『……』

『どうした、ジャン?』

『いえ、何も。』

 

 ウゥゥゥゥゥゥ! ウゥゥゥゥゥゥ!

 

 耳に来る空襲警報が機体の装甲越しに聞こえるほどの距離にまで近づくと、プレイアデスナイツのKMFはそれぞれVTOL機から飛び降りながら義勇軍の周波数に通信機を合わせる。

 

『────離れて通信機の範囲外に出れば容易にこうやって喋れることは少ない。 各自、今のうちに大事な人に連絡しておけ。』

『“死別の覚悟”というヤツですかい、隊長?』

『いや、単純に言いたいことを今の内に言っておけと言う意味だ。』

 

『こちら篠原少佐だ。 プレイアデスナイツを経由してゴトウ租界の状態は把握してある。 全隊長は俺の指揮下に入り、プレイアデスナイツと一緒に撤退に当たれ。 そうすれば、無事にここから脱出できる確率が高くなる。』

『そこまでですか、少佐?』

『ああ、彼らの腕は確かだ。 現に、私たちの方にもほとんど被害が出ていない。 先行部隊から聞いていなかったか?』

『それはまぁ……確かに……』

『よし。 ではウィンド君、ここからは頼む。』

 

『任されました。 まず守備隊と避難する者たち全員に言いたいことがあります。』

 

『む……なんだね?』

 

『脱出中、まずは生き残ることを優先してください。 相手に見つからないように識別信号を切っても構いませんし、必要とあらば裏道や下水も使う際には連絡を入れれば可能な限り支援します。 ただし車両や機体を破棄せねばならない状況に陥れば燃やしてください。 そうすれば敵の爆撃によって視界を遮っている煙は維持できます。』

 

『煙を維持する?』

 

『その方が、()()()()()()()のままですので。』

 

 本来『視界が悪くなる』と言うのは敵味方に関係なくデメリットしかないことなのだが、味方が敵より土地勘があればその分自由に動き回れる。

 

 某ゲーム風に例えれば『味方はマップ(地形のみ)をいつでも見られるが、敵の表示は常に暗闇』と言ったところだろう。

 

Black(ブラック) sheep(シープ) wall(ウォール)状態じゃねぇか!』ですと?

 

 そこまでのチート力ではないが、撤退する側に有利なのは有利に違いありません。

 

『非戦闘委員たちは予定通り、地下に避難させろ! タイミングを見て義勇軍の元に送り届ける!』

『戦車を引っ張りだせ!』

『ナイトメアに回り込まれるぞ?!』

『少佐の使い方をすれば使い道はある! ナイトメアも無敵じゃないんだ!』

『ブリタニア軍から分捕ったVTOL機を使うぞ!』

『おいバカやめろ! ブリタニア軍の対空砲に落とされる!』

『バカはお前だ! 地面効果翼機みたいに使って避難所に行く足にするんだよ! それに奴さんの対空砲もまだ対人機銃程度の物しかここに届いていない!』

『おい! あの戦車と砲兵隊、前に出過ぎじゃないか?!』

『篠原少佐だ。 彼らはここを脱出しても待ってくれている家族がいなくなったことで、撤退の為に()()()()ゴトウ租界に残ることを志願した者たちだ。』

『だが……そんな……』

進士(しんし)中尉、彼らの犠牲が無駄にならないように私たち……いや、()()()正規の軍人たちが頑張って被害を押さえて出るしかないんだ。 分かるな?』

『ッ……了解しました、少佐。』

 

『……ウィンド兄さん────』

『────この位置情報ではブリタニア軍の斥候と交えている可能性がある────』

『────だが────』

『────それに租界内に敵のナイトメアが少ないことを考えれば、既に敵の本隊と接触している。 シノハラ少佐が言うように、俺たちもやれることをやろう。』

『こんなことって……』

 

『少佐! ゴトウ租界の東から先に船で脱出させた民兵たちがブリタニアの沿岸警備隊に見つかり、救助要請を送って来ています!』

『……彼らに散開して何とか脱出するように伝えてくれ。 現状の戦力では救助には間に合わない……“申し訳ない”と付け足してくれ。』

 

『アヤノ────』

『────うん────!』

『────フ。 ウィンドから義勇軍へ。 今からプレイアデスナイツを二名ほど東に送る。 足場代わりになれるタンカーらしき船の甲板から人を下げてくれ。』

 

『ま、まさかお前たちのナイトメアはフロートを────?!』

『────いや、フロートユニットは生憎と無いから飛べん。』

 

『なんだ────』

『────しかし飛翔する分には問題ない。』

 

『・ ・ ・ は?』

『行け、アキト。 こちらは任せておけ。』

『ありがとう兄さん。』

 

 ……

 …

 

『本当に、この命令で良いのでしょうか?』

 

「……お前も宰相閣下の通達を読むか?」

 

『いえ、結構です。』

 

 爆撃機による攻撃に乗じてゴトウ租界に攻め込む部隊を任されたグラストンナイツの赤茶毛+目つきの悪いデヴィッド*1はいつも以上に機嫌が悪く、言葉も強張ったものだった。

 

「チッ! (父さん(ダールトン)がいればビンタどころか、殴っているなこれは……)」

 

 と言うのも、シュナイゼル直々に下された命は以下の通りである。

 

 1、『確固たる意志を持ち、暴徒たちを()()()()()()せよ。』

 2、『敵対勢力にテロ活動を引率していた日本解放戦線なども混じっているとのことで交戦想定は緩和されている。』

 

 しかもキュウシュウの乱とブラックリベリオン後のゴトウ租界にはブリタニアの市民はゴトウ租界の文官と駐留軍しかいないことは周知の事実となっていた。

 

 つまり早い話が『ゴトウ租界内に残っているのは敵のみだから攻撃し放題』&『見せしめに全員殺せ』である。

 

「(こんなことをしたら、第一行政特区の時みたいじゃないか! あの事件の所為で、父さんは……) 各部隊、武装した敵対勢力に警戒しつつ前進! ただし降伏勧告は続けろ! 武器を捨てた敵は法に乗っ取って罪人として手厚く捕獲しろ!」

 

『良いのですか? 宰相閣下の命は────』

『────その前に我々は帝国の騎士だ。 武装をしていない者たちまで手にかけるなど、オレが許さん。 責任はオレが持つ。』

 

『デヴィッド様、敵の戦車隊を突破した斥候部隊からです。 “ゴトウ租界内に所属不明のKMF多数あり”、とのことです。』

 

「そうか。 斥候たちには無理をせず監視に徹せよと再度伝えておけ。 情報を後方の部隊に送って所属を調査させろ。」

 

『こ、こちら沿岸警備隊! 敵のナイトメアに攻撃を受けています!』

 

「なに?! まさか、フロートユニットか?! (やはり黒の騎士団絡みか?!)」

 

『い、いえ! レーダーに磁場は感知されませんでした!』

『こちら“トリントン”! 退艦します!』

『どこから来た?!』

『あの機体たち、船と海上を足場にして飛んでいるぞ?!』

『こんなの聞いていない! どうすりゃいいんだよ?!』

『こちら海軍のショーレフ艦長だ。 臨機応変に応じろ。』

『冗談じゃない! “今”攻撃されているんだ!』

『今そちらに向かっている。』

『それじゃあ遅すぎるんだ!』

『こんな……こんな筈じゃ……』

『あの傭兵どもだ。 あの傭兵どもの所為だ!』

 

 

 ……

 …

 

 

『ディートハルト、ホッカイドウブロックの状況は?』

 

「概ね問題なく、指示通りにはかどっています。」

 

 リア・ファルがキュウシュウブロックの福江島で立ち上がった義勇軍の支援を続けてブリタニアの注目が北に集中している間、黒の騎士団は北のホッカイドウブロックから静かにディートハルトが用意したいくつかの経路を使って一部の人員たちを潜入させていた。

 

 元々は『灯台下暗し』ということから福江島の協力者たちに物資を送り、接触すると共にトウキョウ租界を落とす挟撃の一部として以前からゼロはディートハルトの諜報部を使って策を練っていた。

 

「ただ何分、福江島には優秀な人材を送り込んでいたので不安は残りますが。」

 

『しかし結果的にシンクー達に借りを作らない方針で計画は進められている。 それに少々我々の見積もりが甘かった事も痛感した。 恐らく、今回の暴走は遅かれ早かれ起きていただろう。』

 

 策は順調に進んではいたが同時に『蟻の甘きに付くが如し』のことわざもあるように、キュウシュウの乱という前例がありブラックリベリオン後のカラレスが総督時に改編したシビアな監視体制になっていたも関わらず、ナナリーが総督に就く前からどこか活気がある福江島には生き残った協力者たちだけでなくブラックリベリオンで優越感を味わった経験のあるならず者たちも群がり、結果的に今回の騒動へと繋がってしまった。

 

「それにしては同感ですが、それだけでしょうかゼロ?」

 

『どういうことだ?』

 

()()()()間際に、この様な……ゼロ、私にはこの暴走が人工的に勃発したとしか思えません。」

 

『君のその意見には同意する。 恐らくはブリタニア宰相の牽制だろう。』

 

「それを踏まえての潜入はリスクが────」

『────リスクは承知の上だ。 それとも君は、現状のまま真っ向からブリタニアに勝負を挑み、勝てるとでも思うか? ()()()出来るだろう、それは間違いない。 だがその勝利の果てには消耗によって疲弊しすぎた黒の騎士団と連合の国々と、人口に物資が豊富で余力を新大陸に残したブリタニアだ。』

 

「……」

 

『不服かね?』

 

「ですが────」

『────我々が目指すべきは“短期決戦かつ明確な打撃の上に築いた勝利”でなければならない。 分かりやすい言い方では精神と共に物理的な()()()()()が必要なのだ。 事は国家レベルであり、演出の余裕がある時勢ではない。 君なら理解できるはずだ。』

 

「……わかりました。」

 

 ピッ。

 

 通信がゼロ側から切れるとスクリーンが暗くなるとディートハルトは近くの冷蔵庫からガラスを取り出し、ウィスキーを氷の上から注いでは再びソファに座る。

 

「…………………………」

 

 カラン。

 

 ただ静かに何かを考えこむディートハルトの手が掴むガラスから、溶けた氷がガラスに当たる音が響いた。

 

「(ゼロ、一体何があった? “短期決戦かつ明確な打撃の上に築いた勝利”? “演出の余裕”? ならばハッタリと口八丁による枢木スザクの奪還、地形を文字通りに敵と共に崩したナリタ連山、使えない組織を利用したヨコスカ港区、ブラックリベリオンにバベルタワーなどで見せた租界の構造崩しにシンクーのクーデターに便乗した動き……貴方自身の御業だったそれ等は一体何だったと言うのです?)」

 

 ディートハルトはウィスキーを口に含みながら味わってはグラスを飲み干し、自室の窓から広がる蓬莱島の様子を見下ろす。

 

「……例の会談で、ハッキリすべきか。」

 

 彼はそう言いつつ机に目を移すとそこに置いてあったのは以前見たスバルの写真とファイル……

 

 そしてアンジュの写真が付いたファイルだった。

 

「(もし、彼女の素性を奴が把握してワザと手元に置いているということならば……)」

 

 ……

 …

 

 

「……んぅ~、ととぉ~? ……あイタ?!」

 

 仮眠を取っていたオルドリンはもぞもぞと個室のベッドから立ち上がり、寝ぼけながらトトの名前を呼んで返事がない&部屋が見知ったモノではない&体のあちこちが筋肉痛で傷むことにようやく思考が覚醒する。

 

「イタタタタタ…… (そっか、私消息不明になったお兄ちゃんを探しにエリア24から飛び出して来たんだった。)」

 

 痛みを堪えながら私服に着替え終わり身だしなみを整えたオルドリンはそのまま個室を出て、グランベリーより少々殺風景な(実用性に重点を置いた)通路を歩いて既に甘い匂いが漂よってくる食堂へと足を運ばせた。

 

「────スバル、クリームが出来たよ────」

「────イチゴは────?」

「────あと二分ぐらいかな────?」

「────よし、ならケーキも今オーブンから出して────」

 

 オルドリンが食堂に着くとキッチンからてきぱきと献立の用意を息の合うカレンとスバルの二人を、呆然として立ち尽くしていたユーフェミア(さっちん変装中)と毒島(若干汗を掻きながら日本道着を着用中)を見ているとオルドリンの気配にユーフェミアたちが振り向く。

 

「あ。 えっと、グリンダ騎士団の方……ですよね?」

 

「え? ええ、まぁ……」

 

「今は『ピースマークのドロシー』だがな。」

 

「あ、はい。 そうですね……なんでしょうか、これ?」

 

「ん? これは道着と言ってな────?」

「────うんそれじゃなくてあの二人のまるで隙が出来ないようにお互いを補いながらキッチンのほとんどを使いつつ占拠しているアレの事だけれど?」

 

「そ、そうか。」

 

「あ、は、は、は、は、は、は……」

 

「なんだかまるで長年連れ添った……のような。」

 

「「「……」」」

 

 モヤッ。

 

「「(何/なんでしょう、今のは?)」」

 

「(う~む……意識していないところを見ると、これは……)」

 

 ユーフェミアとオルドリンは何とも言えない感情に困惑し、毒島は逆に興味深い物を見たような顔をした。

 

「ど、ドロシーさんもいつ割って入って手伝えばいいか分からなくないと思わない?!」

「他にないかやることがあるか探しても良いわよね?!」

「そ、そうよね────?!」

「────あ! もしかして先輩たち、ケーキ作っているです?」

 

 何やら気まずい静けさに変なテンションになりながら同意者を求めたユーフェミアたちを他所に、食堂に入って来るなりカレンとスバルが何を作っているのか察したライラの声にカレンが向くと何を思ったのか、カレンはニヤリとした笑みを浮かべる。

 

「うん、そうだよ~? これぐらいてきぱきと役割分担しておかないと時間がかかっちゃうからねぇ~?」

 

「じゃあライラも手伝うでーす!」

 

「「「え?」」」

 

「土台のケーキはオーブンからもう出していいです────?」

「────ああ、それと冷やしていたクリームも────」

「────では冷蔵庫から出してからケーキを団扇でパタパタするです!」

 

 ライラが何の躊躇もなく割り込みながら手慣れた様子でなんの違和感なく溶け込んでいく様子にオルドリンたちだけでなくカレンまでもが宇宙猫唖然とした。

 

「よく覚えていたなライラ。」

 

「先輩に教えてもらったからです!」

 

「だとしても僅か数か月だけだった割にはかなり良い線だ。」

 

「先輩の教え方が上手だったからです!」

 

「将来は有望だな、ライラは。 (世話係として。)」

 

 「「「「え。」」」」

 

 スバルの言葉にカレン達は固まり────

 

 ドキィン

 

「エ、エッヘンです! (なんです、今の?)」

 

 ────そしてライラは胸を張った。

 

「…… (よし、手の先にまで感覚が戻ってきたな。 後は立ち上がる時の痛みさえ引いてくれれば、何かあった時の為に動ける。)」

 

 余談ではあるが、スバルは慣れた作業を半ばセミオートで体を動かしながら自分の体の具合を文字通り感じ取って居た所為で自分の言ったことにあまり気を向けていなかった。

 

「…………………………………………………………」

 

『余談その二』と呼ぶべきなのか、ライラと共に食堂に来ていたアリスは静かにスンとしつつジト目の表情で拳を作ったりしていたスバルを見ていたそうな。

 

「……ぐ、軍歌だ! こういう時こそ軍歌で統一感を出すのだ!」

 

「「「「え。」」」」

 

 何故かグルグル狂気の目をした毒島の突拍子もない力説(?)に、彼女の周りは更に唖然とした。

*1
原作R2でルルーシュがギアスをかけたスナイパーKMF担当者




後書きの余談:
いつの間にかハーメルンの次話投稿時の仕様がガラリと変わっていて『あれ?こんな感じだったっけ?もしやエイプリルフール?』と宇宙猫の如き戸惑う作者のエイプリルフールじゃないエイプリルフール日の投稿でした。
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