「おおお。」
「スゴイ……」
「黒の騎士団が蓬莱島に来てから一年も経っていないというのに……なんだこの発達具合は?」
「黒の騎士団の招待に代理で行けと言い渡された時はどうなるかと思ったが……」
「下手な小国より進んでいるな?」
「このクレープやジュースもふんだんに砂糖や素材が使われているし……」
「本国と比べれば安価だしな。」
「「「「……休まる。」」」」
自分が皇族と皇家のハーフと知ってから翌日、いつものように公園で日向ぼっこをしているといつも以上に人が増えて、近くで歩き食いをしていた者たちの話が聞こえてくる。
身なりからして、おそらくはゼロの超合集国に食いついてきた加盟国の代理や使者だろう。
気持ちは分からないでもないが、チラチラと俺を見る強面のSPをどうにかしてくれると大変嬉しいザマス。
「なぁ兄さん?」
「なんだ、マオ?」
「これ、楽しいか?」
他国の(プチ)偉い人たちと護衛が遠ざかったタイミングで、同じベンチに座っていたマ男がそう聞いてくる。
どうやら先日のマオちゃんとは選手交代のようで、今日は彼が気まぐれに来たらしい。
「人が少ないから休まらないか?」
「……確かに人が少ないね。」
だろうな。
そういや、こいつとこうやって二人きりで話すのは初めてな気がする。
「なぁマオ?」
「何、兄さん?」
「今更なんだが、その……大丈夫か?」
原作でもマ男は常に傍受した人の心の声を頭の中に直接響いてくるから、人知れない山中とかでひっそりとC.C.と共に暮らしていた描写もあった。
さて、ここで注目すべきところは『人の声が常時聞こえてくる』という点。
つまり寝るときも含まれているという事だ。
「ん? ……ああ、そのことならもう一人のマオがいい夢を見せてくれるし、何より普段は穏やかな人たちが周りにいるから案外ゆっくりできているよ?」
あ、そうですか────
────ガバ────
「────誰です────?!」
────フニュン────
────?????
なんだこれ?
俺の背後から誰かが目を覆うと、後頭部に……パンの生地?みたいなこの感覚はもしかしててててててててててててててて?!
落ち着け俺、まだ慌てる時間じゃないというか“誰”と問われてもこんなに元気よく飛びついてくるのは現状、一人しか思い当たらないだろう!
「ライラか?」
内心とは裏腹に平然と言葉を出す口下手さをこうも有り難く感じる日が来るとはな。
「ぶー、やっぱり先輩は全然驚かないです。」
「はっはっは! 兄さんがこれしきのことで驚くわけないじゃないか!」
「いや、ビックリしたぞ。」
「え。」
「やったです! むっふー♪」
別の意味で今の吾輩は心臓がドキドキしていますけど、別にそれを口にする理由はないよね。
首だけ回して後ろをみると案の定、予想通りに胸を張っていたライラが居た。
アッシュフォード学園の制服姿からは想像できなかったけれど、案外着痩せするタイプなんだな。
「……」
「??? なんです?」
「いや、何でもない。」
「です???」
潰れるほどの胸があるのはさておき流石に“私服のブーツ&ニーソにボレロジャケットにボディスーツのミニスカの丈が短すぎて某Nightのアベレージ・ワンのご令嬢以上の絶対領域が強調されてね?”なんて言えない。
太股に着けたガンホルダーもさらに協調する要因になっているが……よく見たら風が下から吹いたり、身を前にかがませ過ぎたら完全にアレだな。
『地下鉄鉄格子に興味津々なモンロー』、またの名を『フレアアップ』。
前世で当時、あの映画のワンシーンが世界をビックリさせた記憶がある。
というか感じがする。
「えっと……」
余談で拳銃は『プチコルトガバメント』とも呼ばれている、コンパクトかつそれなりの威力を持つ.380ACP弾を使うコルトマスタングだ。
別にどうでも良いかも知れないが、着々と前世の火薬式の銃が再現されている。
元々対KMF用ライフルと、KMFを得てからはブレイズルミナス対策に貫通力のある攻撃手段の為に前世で覚えていたなけなしの知識とこの世界で得られる情報に作っていたが今やアマルガムの主要兵装になるとはなぁ~。
俺からすれば『再現』なんだが、ここの皆からすれば『開発』なんだよな。
「スー先輩?」
でもなんだろう?
この姿のライラ、どこかで見たような気がするんだよな~。
それも今世じゃなく前世だから、もしかして似たキャラが他作品に居た……CL〇MP作のモブとか?
あるいはアニメでもゲームでも漫画でも追及されていない、モブの皇族とか?
それよりも人間レーダー、心臓に悪いからこれからはちゃんと仕事しろ。
「マオ、次からこういう事は前もって言ってくれ。」
「え? 無理。」
『無理』って投げやりだなオイ?!
さてはお前、面倒くさがっているなこの野郎。
「だってこれ、全く声が聞こえないんだもの。 兄さんやC.C.と同じで。」
ゑ゛。
「む~! “れでぃ”に向かって『これ』はないと思うのです!」
「“レディ”? ハ、どこが。 せめてC.C.みたいになってから言えよ、おチビちゃん?」
待て待て待て待て待て待て待て待て。
マ男、お前は今なんて言った?
「訂正するです、ヒョロヒョロのもやしマンさん!」
「も、“もやし”だぁ~? ってヒョロヒョロは何だよ?」
「その鬱陶しい前髪に決まっているです!」
“俺やC.C.と同じでライラの声が聞こえない”?
つまりはなんだ?
ライラにもギアスが効かないとでも言いたいのか?
「なぁ、聞いていいかライブラ?」
「はいです?」
公の場所なのでとりあえずアッシュフォード学園で使っていた偽名で呼ぶと間髪入れずに順応してくる。
流石皇族というべきか、なんというか……
やっぱコードギアスの皇族ってモブでも化け物揃いだな!
「ライブラは、その……」
「です?」
ここで『ギアス効かないの?』とかド直球に聞けないことに気が付いた俺でした。
あ、そうだ。
「たまに学園で、周りの人たちが
これはもちろん、原作ボロ雑巾第一号ことロロのギアス、『絶対停止』の事を指している。
『もしライラが俺と同じでギアスの効かない体質なら』という前提だが、おそらくロロのギアスも俺のように通用していないだろう。
まぁ通用していたらしていたで────
「────あ~、アレですねぇ~……本当に困ったですよあれは! 何回か合わせようとして滑る時もあったです! プンプンです!」
キリキリキリキリキリキリ!
Oh……
マーヤに次いでというか彼女以上(かもしれない)超超超超~特殊な体質というか特殊能力を持ったモブ子ならぬモブ皇女を発見してしまったよ。
でもなるほど。 そう考えるとなんとなくなんでギアス嚮団の子たちがよくライラの周りにいるのか分かったような気がするぞ。
アレだ、『珍獣』みたいな感じで『あれ? こいつにギアスが効かねぇ? 何故に?』で始まった好奇心が彼女の前向きな性格とコミュ力でどんどんと慕われていった感じに変化した、というところかな?
しかし『ギアスが効かない』って地味に凄くないか?
これってもし原作で発覚していたら問答無用でクソショタのギアス嚮団に『強制連行』という名の拉致監禁兼実験体にされている案件だよな~。
『人の事は言えない』?
ご尤な指摘だが、俺の場合は恐らく特典が絡んでいるからノーカンだ。
「先輩、少し聞いていいですか?」
ここでちょっとキリッとした、真剣な表情になったライラが横から俺の目をのぞき込みながら小声で話しかけてくる。
おおお、流石はクロヴィスの妹。
貴族というか、皇族の貫禄? オーラ? 的な物を感じる。
クロヴィスが『役者』ならライラは『俳優』になるのか?
「先輩はなんで、そんなに頑張っちゃうのです?」
おぅふ。
「良いことをしているのは承知の上で聞いているです。 でも……大変じゃないです?」
何このズバズバした言葉のチョイスは。
本当にナナリーやアリスと同い年なのかね君?
年齢詐欺とかじゃないよね?
アヤノみたいに。
「それに、アリスちゃんたちから聞いたです、中華連邦に入り込んだ時の事を……それに、相当危なかったことも。」
「……そうだな。 ライブラの言うとおりに大変だったし、危なかった。」
「その……皆、心配しているですよ?」
なるほど、カレン達含めて周りの奴らが最近余所余所しくしているのはそれか。
……参ったな。 ライラに言われて気が付くとは、不覚。
『その時の俺は自分自身のことでいっぱいだった』だなんて贅沢以前に、
「それにその……周りにすごい人ばかりいるですから、皆に頼って任せてもいいじゃないですか?」
「確かに皆、優秀な人たちだ────」
「────でしたら、何も身を粉にしてまで自分自身で────」
「────だが俺は周りの大切な人たちが傷つけられて、他人任せに対処を待てるほど温厚じゃない。」
「へ?」
あれ?
目を点にさせてポカンとしたぞ?
横のマオもなんだか固まっているし……
今の俺、何か変な事を言ったか?
「なんだ?」
「い、いえその……先輩って、なんだかいつも余裕というか……えええっと……『非情』? う~ん……感情に左右されて短慮な行動をするイメージじゃないです?」
ああ、あれか。
『俺が感情的に見えない』、とか。
まぁ確かにポーカーフェイスは徹底しているからな。 ルルーシュや腹黒虚無皇子とかマリーベルとか腹黒虚無皇子とか桐原のじいさんとか腹黒虚無皇子とかその他の『人間観察力』が高い人への対策として。
ここはちゃんと信用できる人が選べるライラには言うか。
「確かに俺は感情による表現があまり得意……というか乏しいことの自覚はある。 だが俺だって人並みに怒ったり、悲しんだり、楽しくなったりするぐらいはあるぞ?」
「へぇ~、兄さんでもそうなんだ。 ねぇ、なんかその鉄仮面に理由でもあるの?」
おっと、てっきりマ男がいたことを忘れていたぜ。
ちゃんと他言無用を頼めば問題ないはず……だし?
よし、ここはそれっぽいことを言うとしよう。
「俺の場合、カレンと出会う前の幼い頃はあまり自由がなかった環境で育ったからだな。」
「「へ?/ん?」」
そこからサラっと、簡潔にシュタットフェルト家へミレイが訪問してきた時と同じ過去の話をライラとマ男にした。
無論、家の名前は出さずにただ『実家』とだけ。
全部が全部、本当のことだけにこれで深入りはしないだろうし察してくれるだろう。
「────とまぁ、そんな生い立ちだったからな。 感情が顔に出にくいだけだ。」
「「……」」
「頼むから他の皆には、言わないでくれるか?」
正直いい思い出はないが……俺が皇族と皇家のハーフならば、もしかするとあそこに手がかりがあるかもしれない。
今度時間が空いて、世界が平和になったら実家の事を調べるのも────
「「……」」
────あっるえぇぇぇぇぇぇ?
マ男が何とも言えない複雑そうな顔のまま固まっているぞ?
ライラに至っては辛そうに泣くことを我慢しているような顔に────
フニュ、ギュウゥゥゥゥゥ。
「────先輩。 ごめんなさいです……」
先ほど俺は、『ライラは着痩せするタイプ』や『パンの生地』と言ったな?
アレは嘘だ。
そんな生易しいものじゃない。
隠れ巨乳だぁぁぁぁぁああああああああああライラさん、ライラさんや困ります!
メッサ困りまっせ!
顔の横に柔らかいおりんごサイズの弾力のある感触がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
おおおおおおおお落ち着け俺。
素数だ、素数を数えろ。
素数は孤独な数字。 吾輩に勇気を────いや勇気は今いらんがな!
ワイが欲しいんは平常心や!
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97, 101, 103, 107, 109, 113, 127, 131, 137, 139, 149, 151, 157, 163, 167, 173, 179, 181, 191, 193, 197, 199, 211, 223, 227, 229, 233, 239, 241, 251, 257, 263, 269, 271, 277, 281, 283, 293, 307, 311, 313, 317, 331, 337, 347, 349, 353, 359, 367, 373, 379, 383, 389, 397, 401, 409, 419, 421, 431, 433, 439, 443, 449, 457, 461, 463, 467, 479, 487, 491, 499, 503, 509, 521, 523, 541, 547, 557, 563, 569, 571, 577, 587, 593, 599, 601, 607, 613, 617, 619, 631, 641, 643, 647, 653, 659, 661, 673, 677, 683, 691, 701, 709, 719, 727, 733, 739, 743, 751, 757, 761, 769, 773, 787, 797, 809, 811, 821, 823, 827, 829, 839, 853, 857, 859, 863, 877, 881, 883, 887, 907, 911, 919, 929, 937, 941, 947, 953, 967, 971, 977, 983, 991, 997────
「ッ……ッ……」
────アカン! アカンアカンアカンアカンアカンアカンアカンアカンアカン!
どうにかしてライラの涙を止めねばならんンンンンンンン!!!!!
「泣かないでくれ。 頼む。」
「でも……でも! です!」
……もう本当にどうしてくれるのかしら皇族の幼シスターズ。
ナナリーとライラ、マジ天使。
こんな俺のために……というか他人のために、涙を人前で流せるなんて普通はできないからな。
「俺のためというのならば、尚更だ。」
「……グスッ……でも────」
「────女性が涙を流すのは嬉しい時だけでいい。」
う~ん……“人の体温は涙に効く~”って原作のナナリーが言っていたけれど、本当だな。 落ち着くし、癒される。
こう……体の芯から緊張感がほぐれていくような気がする。
しかし『癒し』……いや、『労い』か。
……よし、行くか。
…………
………
……
…
「というわけで来た。」
「です!」
場はリア・ファル付近にある一つの工房。
厳密にいうと、蒼天やビルキースなどのKMF(サイズ的にもデザイン的にも色々と違うかもしれないがとりあえずKMF)や換装パックのメンテや兵装の新開発地区。
横には元気な、いつもの姿に戻ったライラ。
え? 『目が腫れていないのか』だって?
フ、俺を誰だと思っている?
シュタットフェルト家の従者見習いやぞ?
常に持ち歩いている備品の一つである冷却シート(粘着剤無し)で腫れた目なんてワンパンよ!
そして目の前にはエリア11に戻る前に機械いじりが得意というかジャンクパーツで即席バイクを作れるマーヤ(ツナギ姿)。
ちなみにマオはここに来る途中でバックレた。
今度こそ100%面倒くさそうな感じで。
「……あの……急にそんなことを申されてもどう返せばいいのか困ってしまいます。」
あと何気にスパナーを胸の前で握りしめながら眉毛をハの字にして困惑するマーヤ姿はどことなくStrikerSのシャリ〇みたいだ。
つまりいつも以上に可愛い。
いつも以上に可愛い。
大事なことなので二回。
後は眼鏡さえあればいいがそれはもう俺の我儘の範疇だろう。
「その────」
「────予備のツナギはいつものところにあるか?」
「え?」
俺がそうこちらに気付いた様子のクロエに問いかけると、マーヤはポカンとする。
「え、ええ。 シュバールさんが置きっぱなしにしているところにまだあると思うけれど……」
「どうしたのです、急に?」
「……勘が鈍らないように、俺も機体の整備をする。」
「そして私も興味アリアリです!」
「……ああ、そうなのですね!」
キラキラキラキラキラキラ~。
うん。
笑顔のライラにつられて笑顔になるマーヤ、二人の周りが何かキラキラ光っているような気がして眩しくてきゃわいいぃぃぃぃ~。
っと、一応言っておくがこの頃は『整備をしたい』とは次いでで、本命は各々のフォローアップというか精神のアフターケアだ。
先日会談後のカレンと、先ほどのライラのおかげだ。
というか気が付かされた。
アマルガムの殆どをほぼ他人任せにしちゃっていること、しかも俺からは労いの言葉とか一切なしでブラック企業も真っ青になるほど一方的な放置。
というわけでまずは長らく放置していたマーヤからということで、聞きまわっていたらどうにも整備の手伝いをしているらしいから工房にちょくちょく顔を出しているのだが『一向にスケジュールが合わないまま、エリア11に戻るのかな?』と思った矢先にこうやってばったり会えたワケ。
まぁ……『目の保養』と言った、ちょっとした下心もあるが誤差だろ。
『無意識に避けていたのでは』?
Ha, Ha, Ha。 いくら俺でもそんなわけないじゃないか、ジョージィ!
ではでは、俺の看病とかで見慣れているはずだから手っ取り早く上着を脱ぎ捨てて、さっさとTシャツの上からツナギを羽織るか────
「────ッ。」
マーヤ、そうやって鼻を両手で抑えたら綺麗な顔がオイルまみれになっちゃうでしょうが。
「え?! シュバールさん?!」
「クロエ? どうし────ちょ、ちょっと?! 貴方、何をしているの?!」
体格のわりに立派な胸部装甲装備のヒルダがマーヤのように鼻を押さえたぞ?
こっちに気が付いたヒルダは……半ギレ?
“経験値”とか口にしないでよね? ちょっと怖いから。
「……やっぱりすごい……」
そして……ささやかなアンナがこっちを見てポケ~と────あ゛。
やべ。
そういやここにいるアンナとマーヤ以外に、俺の体を見せるのは初めてだった!
前の女装踊り子作戦でこれでもかと見せびらかしたし、最近は見慣れている奴らが多かったから感覚がマヒしていた。
あの時と違って今はTシャツなんだけれども。
「ふおぉぉぉぉぉ……先輩、すごい筋肉持ちです!」
「ええ、筋肉マンね。」
マーヤ、君って本当に転生者じゃないでしょうね?
転生者ならやばいし、そうでなくとも毎度毎度こんな際どい言葉がフライングしてきて怖いのですけれど。
「……」
ムフ♡
でもそのウットリ紅潮顔でほだされちゃう俺ってば、チョロい!♪
「う~ん……すごくパツンパツンです……」
「どうしたのライ……ブラちゃん?」
「胸がちょっときついです。」
グサッ!
「ふぐおぁぁぁぁぁ?!」
ライラ、ちょっと四肢ぶかぶかで上半身の一部だけが窮屈そうなツナギのジッパーを外して緩ませるのはもうやめてあげて!
上着を既にはだけさせているクロエとヒルダを見ているアンナは潰れた子犬のような奇声を上げてしまうぐらいにMPはもうすっからかんよ!
「……それで、俺は何から手伝えばいい?」
察しているが、整備に来ている際にはアンナたちへのアフターケアもしている。
あとミルビル夫婦たちとかに依頼の進行具合も聞いているけれど、あっちが積極的に来るから許容範囲内だよね?
「……あ! そうだ!」
アンナにそっと声をかけて話題転換を図っただけなのに何この復活スピードは?!
「シュバールさんの提案したビルキース、すごいわ! 電気系統の配線や回路が焼き切れていない機体を見るのは初めてよ!」
…………………………驚くべきところはそこなの?
でも確かに蒼天でも俺の無茶ぶりには機体の駆動系に不具合を出していたな。
だがビルキースは俺の成果じゃないからな、そこは訂正させよう。
「ベースにしたアレクサンダが元から優秀だったからな。 EUの無理難題、特にコスト削減を取り除いて惜しみなく素材をスペックアップしただけで性能が向上した結果だ。」
つまり何を言いたいかというと『元々アンナのおかげ』をオブラートに包んで“そぉ~い!”とパス。
「確かにそれもあるかもしれないけれど、流石にサクラダイトを繊維状にして人間の筋肉や神経みたいにKMFに適用させるなんてとても考えられなかったわ。 普通、必要な資源と費用などのコスト面を想像しただけで断念してしまうわ。」
だから買い被りだって。
「それはアリスたちのGX01と、ガニメデ・コンプリートで実証済みだった技術を改良して応用しただけだ。 俺の手柄じゃない。」
「でもBRSの技術転換と応用はシュバールさんの提案ですよね? ソフィさんもそう言っていましたし。」
アレは実質『サイ〇ミュ』だったからなぁ……
『俺も使えたら』、という下心もあったわけだし。
その結果、戦〇機モドキが作れたのは嬉しい誤算だったけれどネ!
「それは単純にアイデアを提供しただけだ。」
「マーヤ先輩、スー先輩っていつもあんな感じです?」
「……」
「ハンカチ、使いますですマーヤ先輩?」
「だ、大丈夫よ。 少し彼に……当てられただけだから……でもそうね、神様はいつもこのような感じよ。」
「『かみさま』。」
「そう、神様。」
「…………………………………………なるほど、いつもこんな感じなのですね。」
「ええ、そうよ。」
「じゃあ私たちが頑張らないとダメです! フンス!」
「あら、理解が早いわね。 十分、見所があるわよ。」
「そうですか?」
「フフフフ、あとで色々と教えてあげるわね?」
「はいです!」
オレ、キコエナイ。 ナニモキコエナーイ。
「あら、そこのスパナーのサイズが間違っているわよ。」
顔の横にヒルダが眼鏡を直しながら顔が急接近!
リンスのいい匂いがKMFの潤滑油と混じって何とも言えないカクテル化した匂いのハーモニーが!
作者:…… _(。゚ ཀ 」∠)_
おはぎちゃん:……キリの良いところで今日はここまでだヨ。 ヾ(;・ω・` )ノ