小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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投稿する際に票を見たら凄いことになっていましたので驚きと感動のミックスで一気に眠気が吹っ飛びました。

では長めの次話です! 楽しんでいただければ幸いです!


第28話 犬猿の仲

 G1ベースの中でブリタニアの士官たちはいつもより険しい顔をした総督のコーネリアに、現状の把握している情報や侵入経路を話していた。

 

 武闘派であるコーネリアらしくない、『人質()()作戦』を。

 

「ホテルに繋がる橋はメインを残して全て落とされ、孤立した要塞となっています。 上空、及び水中からの接近はいずれも失敗していますので救出作戦を展開する為に、コンベンションセンターホテルの真下まで伸びている資材搬入用トンネルをナイトメアが使えばホテルを水没させる事ができます。 その混乱に乗じ、救助隊と特殊部隊を同時に送ります。」

 

 ギリッ!

 

「(クソ! テロリストどもが!)」

 

 コーネリアは腹が煮えくり返るような思いをしていた。

 

「ももも目下! サザーランドを既に送り込んでいます!」

 

 その圧力は思わず喋っていた士官に冷や汗を流させ、『自分が何か粗相をしたのではないか?』と錯覚させるほどだった。

 

 これは原作でもそれとなく描写されていたが今まで一学生として育っていた世間知らずで実の妹であるユーフェミアに、社会勉強をさせようとコンベンションホールにお忍びで会議に参加させたのはほかでもないコーネリア本人だった。

 

 だが原作と違ってもう一つ、彼女を必要以上に焦らせる要因があった。

 

 それはついさっきユーフェミアが逃げ遅れたことを映像中継で知った直後に、皇族のみが使用できる直通電話の内容だった。

 

 電話の相手は(コーネリアにとって)役者を演じ切ることが数少ない特技である弟のクロヴィス。彼が今まで聞いたこともない慌てた様子でコーネリアに懇願した内容。

 

 それは────

 

「(よりにもよってユフィだけなく、ライラまでもがあそこにいるとは!)」

 

 ────『ライラを救ってくれ』だった。

 

 さらに追記となるが、コーネリアは皇族の中でもライラの存在を知っている数少ない人物の一人だ。

 

 コーネリアはその昔、皇族とは思えない腕っぷし(と本人の希望)でマリアンヌの警護長を務めていた時期もあった。

 そしてマリアンヌを一目でも見たいと思っていたクロヴィスは何かと理由を作っては母親と一緒にマリアンヌのいる宮殿に出入りしていたところからクロヴィスとコーネリアは犬猿の仲となった。

 

 彼女とクロヴィス双方にとって忌々しい記憶だが、お互いが昔に自分たちの妹の自慢話をしては互いにムキになり、()()まで発展したのは一度や二度だけではなく当時のSPたちも頭を悩ませていたとか。

 

 近くの者にコーネリアが練習用の刃を潰した剣を持ってこさせてはクロヴィスをボコボコにする。

 花壇など近くにあればクロヴィスは筆とキャンバスを持ってこさせて芸術で競い合い、ジッと地味な作業ができなかったコーネリアは近くの者に練習用の刃を潰した剣を持ってこさせてはボコボコにする。

 

 などなど。

 

 とまぁ、クロヴィスからすれば幼少の頃にライバル視していたルルーシュ以上に苦手な相手であろうコーネリアに直接連絡を取ったことも彼女にとっては驚きであったが、彼のナルシスト気味な口調が微塵も無かったことがどれだけクロヴィスが弱気になっていたのかを伝えていた。

 

「(幸い、ユフィはお忍びだったから名簿に名は出ていない。 ニンジン役者(クロヴィス)の妹であるライラも、学生を装っているから観光客として来ている…………)」

 

 ビィィィィ!

 

「お、送り込んだサザーランドが全滅したと入電!」

 

「「「「何?!」」」」

 

「敵は改造したリニアカノンを砲台化させたグラスゴーを設置している模様です!」

 

「(チィ! やはりそう一筋縄では行かないか!) 長丁場になる! 包囲網を固め、ほかの地区の警戒レベルも上げろ! これが別作戦の陽動の可能性も捨てるな!」

 

「「「「イエス、ユアハイネス!」」」」

 

 ピリリリ! ピリリリ!

 

 通信機から電子音がすると近くの者がそれを取る。

 

「…………総督閣下、参加申請が届きました。」

 

「どこからだ?」

 

宰相閣下(シュナイゼル)直属の特派です。」

 

「(またか? ナンバーズを乗せた、第七世代とあの偏屈な貴族か……しつこいな。 兄上(シュナイゼル)の直属でなければ……)」

 

「それと……その……」

 

「なんだ、早く言わぬか?!」

 

 急に士官が気まずい、歯切れの悪い様子になるのを見たコーネリア腹心の部下であるダールトンが怒鳴る。

 

「そ、それが……特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)と名乗る部隊からも申請が……」

 

「なんだと?」

 

特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)』。 以前にアリスが所属していることは記載したが、ここで更に補足をすると機密情報の塊である彼らは特派よりさらに特殊な立ち位置にある。

 

 表向きは『バトレー将軍直属の少数精鋭部隊』だった筈だが、クロヴィスの暗殺未遂の責任を問われてそのバトレーがブリタニア本国に呼び戻されたことで、正式に本国からの命で『独立部隊』と籍が変わっていたのだ。

 

「……特派に、特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)か。 気に食わんな。 『そんなに参加したいのなら待機せよ』とだけ返せ!」

 

「イエスユアハイネス!」

 

「姫様……」

 

「わかっている、ギルフォード。」

 

 ダールトン、そしてコーネリアの親衛隊隊長と騎士であるギルフォードもコーネリアから特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)のことは()()()()()聞いていたし、何度か紛争が絶えない激戦区でも遭遇したことがある。

 

 一見すると特派の新型(ランスロット)に乗るのがナンバーズ(スザク)である件まで見ると、特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)も同じと言える。

 

 だがその先から圧倒的な違いがあり、コーネリアと(特に)ダールトンは特派より更に特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)がいろいろな意味で嫌いだった。

 

 理由は────

 

「────ダールトン。」

 

「ハ。」

 

 コーネリアの声にダールトンが彼女の言葉を察してその場を後にするとさっきおどおどしていた士官が近くの者に小声で問いを投げた。

 

 「おい、特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)ってなんだ?」

 「何やらすごい部隊らしい。 遂行した全ての作戦が成功率100%だとか。」

「な?! 本当か?!」

 「ああ。 けど噂に聞くと部隊員全員が()()()で、今までの隊員の中には『戦死』は誰一人として居ないかわりに────」

 

 「────貴様ら私語を慎め! 作戦中だぞ!」

 

「「い、イエスマイロード!」」

 

 明らかに堪忍袋の緒が切れたギルフォードの注意に士官たちがビビりながらも職務に戻る。

 

 

 

 場は移り、ダールトンが足を運んだのは明らかにG1ベースの外にある森の中だった。

 

「これはこれは、アンドレアス・ダールトンではありませんか。 久方ぶりですな?」

 

 ダールトンをまるで迎え出るように立っていたのは両目とスキンヘッドの所為でよく見える側頭骨を某漫画(アニメ)のように機械化した中年ブリタニア軍人の男性だった。

 

「遠路はるばる、よくこの極東の島に来たなマッド()()。」

 

「今は『大佐』です、アンドレアス・ダールトン。 先のエリア5鎮圧作戦での功績を認められ、昇格いたしました。」

 

「……前回見た時より、ナイトメアフレームの輸送コンテナが少ないような気がするが?」

 

「所詮は()()()ですからね。 心配には及びません、()()の手配はもうすでにしております故。 それにこの場にいない()()()()は別の任務を遂行中ですので。」

 

「……そうか。 邪魔したな。」

 

「いえいえ。 私の部隊に声をかければ、いつでもご期待に応えてみますとも。」

 

 ダールトンは何も言わずにその場を去る。

 

「(『もう一人は別の任務』、か。 つまり、一昨年に(コーネリア)様たちと一緒に見てから八人使()()()()()と言うのか、あの腐れ外道が。)」

 

 そのがっちりした身体と体中に残る傷跡の見た目に反して戦災孤児の世話を見ているダールトンにとって、特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)は特に吐き気と憎悪が湧き出るような部隊だった。

 

 先ほど、G1ベースにて話し合っていた士官の噂は事実に基づいていたもので、『訳アリ』とは特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)の隊員全てが『とある適性を持った占領区難民の()()』。

 

 今まで亡くなった隊員は正式には『戦死』ではなく、『反逆罪』で処刑(粛清)されている。

 

 ダールトンが上記で“八人使い潰した”とは文字通りの言葉だった。

 そしてマッド大佐の“消耗品の補充の手配”もそのままの意味である。

 

「ん~。 相変わらず嫌われているね、マッド(狂った)()()♪」

 

 ギリリリ!

 

「その声と口調……シュナイゼルの『犬』か?」

 

 そんなマッド大佐のこめかみに血管を浮き上がらせる、軽~い口調のロイドをマッド大佐は振り返りもせずに憎しみを込めた言葉を口から出す。

 

「ワンワン♪ そうは言うけどねぇ~? いくら()()()()でもボクたち特派は貴方の部隊と違って丁重に一つ一つを作り上げてはメンテを怠ってはいないし、パーツを明らかに使い捨てにするようなことはしない。 長い目線で見ると、コスパがいくらなんでも悪すぎだよ♪」

 

「吠えていろ! 貴様の従来の技術強化(ランスロット)より、私の革命的技術(サクラダイト合成繊維)の方が優れていることを帝国中に────いや、私を嘲笑った世界に認めさせてやる!」

 

「コスパも燃費も悪い貴方のやり方じゃ、到底無理だと思うけどねぇ~?」

 

 それを最後にロイドは鼻歌をしながら離れていくが、途端にマッドの顔には不敵な笑みが浮かぶ。

 

「それに、貴様のランスロットは()()()とやらに負けていたと聞いたが?」

 

 固まったロイドが歩みを思わず止めてしまい、鼻歌もぴたりと止まる。

 

「……おかしいねぇ~? あのデータはシュナイゼル殿下にしか送っていない筈なんだけど……」

 

「貴様自慢の玩具(ランスロット)も所詮、その程度という事だ。 それに()()()()()()()()()()()()()()()()()と言っておこう。 だからこれでも私は君に感謝しているのだよ、()()()()()()()?」

 

 

 ロイドが珍しく笑みをするのをやめるとピリピリした空気を発するまま、彼は歩みを再開する。

 

「なぁに、あれ? ねぇ、ルクレティアなんか知っている?」

 

「あの二人、旧知なのよダルク。」

 

 このやり取りをコンテナの陰から見ていたショートカットで褐色の少女────ダルクはおっとりしてそうな、サイド三つ編みにした白に近い銀髪の少女であるルクレティアに問いを掛け、意外な返事にダルクが眉毛をハの字にさせる。

 

「そう~? 全然見えそうにないけど?」

 

「『旧知』と言っても、『ライバル視』の類だ。」

 

 そこにダルクやルクレティアよりは年長者で、それほどルルーシュたちと歳が離れていなさそうなツリ目で黒髪ロングの少女が裏から出てくる。

 

「あ。 サンチアお帰り~! で、どうだった?」

 

「周りはマスコミと正規軍だらけだ。 近くの町に出たくとも出られん、金は返すぞ。」

 

「ちぇ! 『このエリアのお菓子は美味しいらしいよ』ってアリスから聞いていたのになぁ~。」

 

「アリス、まだ自分がエリア11のどこにいるのか言えないんですかサンチア?」

 

「中佐────ああ、違った。 『大佐』は未だに“極秘任務に就いている”とだけ言っている。 ()()()()()()()()()()()とも言っていたが。」

 

「でもさぁ~? ()()ハゲのいう事だよ? 二人はハゲを信用できると思うの?」

 

「「「……………………………………………………………………………………………………」」」

 

 ダルクの言ったことで三人が黙り込んだことに、ダルク本人が場の空気を変えようとする。

 

「で、でもさ! なんか面白そうじゃん! あの特派のランスロットの相手をしたサザーランド! あれってきっとギアスユーザーだよね?! 今まで見たことも聞いたこともない動きだったもん!」

 

「未だに『可能性は高い』だけだ、ダルク。 間違えるな。」

 

「そこで私たちの出番です。 相手も能力を使わざるを得ない状況を作って確信に出来れば、きっとアリスも呼び戻されるでしょう。」

 

「はぁ~、アリスは良いなぁ~。 もしハゲの言うことが本当だったら、『比較的に命の危険はない』ところにいるんだから。」

 

 ダルクたちは知る余地もないが、アリスは今彼女たちが居るコンベンションホールに立て籠もっている草壁中佐率いる部隊によって人質になっていた。

 

 

 


 

 

 怖い。

 

 俺ことスヴェンは、ドキドキとさっきから心拍音が耳朶にうるさく届く中、身体の震えを必死に我慢しながら横を見る。

 

 隣にはミレイはガタガタと震えるニーナの手を握りながら背を擦って安心させようと気丈に振る舞い、シャーリーはブリタニア帝国では珍しい『祈り』をするかのように胸の前で手と手を絡ませてギュッと瞼を閉じていた。

 

 反対側にはムスッとするライブラに、そんな彼女を見て冷や汗を掻くアリス。

 

 そしてさらに距離を置いて眼鏡と髪型を少し変えて帽子をかぶったユーフェミアと、彼女の護衛の女性らしき姿があった。

 

 俺がここにいる理由の本命である彼女が覚えている原作通り、ここにいたことで少しだけホッとする。

 

 これでユーフェミアがいなかったら本気で泣いているぞ、俺。

 

 難しい顔をしているのは、先ほど日本解放戦線に連れていかれた男性に関係しているのか?

 

 なら安心しろユーフェミア、尋問とか指とか耳とか鼻を切り落とされたわけじゃないから。

 

 原作通りならそいつは今頃ホテルから突き落とされて、地面に落とされた熟し過ぎたトマトのように即死の筈だ。

 

 グゥ~。

 

 そこに場違いな音が聞こえてくる。

 

 誰だ? こんな時にお腹を鳴らしているのは?

 

 「お、抑えてくださいライブラさん!」

 「む、むぅぅぅぅ……やっぱり無理ですよアリス~。」

 

 よりにもよってライブラかよ。

 てかそれでムスッとしていたのかよ。

 

 スッと俺はポケットの中に手を突っ込んでは同じ動作で『カロリーのメイド』を取り出してアリスに渡す。

 

 彼女が『なんでこんなの持ち歩いているのよ?』というジト目を俺は無視する。

 

 答える気のない俺の意図を読んだのか、アリスはそれをライブラに渡すと顔をパァ~っと明るくさせて彼女はモグモグとそれを頬張る。

 

 俺は視線を日本解放戦線の奴らに移すが、どうやら俺たちの『監視』と言うよりは『威圧』の意味の方が高いな。

 

 ここまでブリタニア軍が来ないと思っているからか、人質たちが躍起になるのを防ぐためか……

 多分、両方なんだろうな。

 

 外はもう真っ暗だ、もうゼロがここに来ていてもおかしくない筈。

 コーネリア、白い悪魔(ランスロット)の突入を早く決断してくれ。

 

 そんなことを考えているうちに震えているニーナの口が小さく開くと同時に、俺が口開けて彼女の言葉を隠すような音量で喋りながら両手を挙げる。

 

 「イレ────」

≪────すみません、曹長殿。 草壁中佐に会わせてもらえませんでしょうか?≫

 

 日本解放戦線の兵士たちはギョッと銃を構えながら俺を見て、周りのミレイたちを含んだブリタニア人は全員はてなマークを浮かべて俺を見る。

 

 それもそうだろう。

 俺が今、口にしたのは()()()()()()だ。

 

≪き、貴様! 何故ブリタニア人が日本語を喋る?!≫

 

 良し、予想通りに俺を撃たなかったな。

 任務開始(ミッションスタート)だ。

 

≪自分は父の旧知である藤堂中佐に頼まれ、この会議に観光客として潜入していた旧日本秘密情報部の河野(こうの)の息子です。≫

 

≪な?!≫

≪藤堂中佐?!≫

≪旧日本秘密情報部だと?!≫

≪どういうことだ?!≫

 

 よーしよしよし。

 驚け驚けテメェら。

 頼むから驚き続けて俺を撃つなよ?

 頼むよ?

 

≪一応隠密行動中でしたが、そちらの独断で藤堂中佐に頼まれた潜入任務も水の泡と化したので。 ですので、せめて草壁中佐に藤堂中佐のお考えを伝えたいのですが……≫

 

≪……どうする?≫

≪どうするも何も……≫

≪怪しい。≫

 

 うん、俺もそう思う。

 だから俺もダメ押しをするさ。

 

≪皆さんが本土防衛戦にて草壁中佐に命を拾ってもらい、ここにいる皆が決死の覚悟で草壁中佐に従っていることも藤堂中佐から聞いていますが……≫

 

 この一言で日本解放戦線の皆がハッとする。

 

 図星だろう?

 普通に考えて、こんなバカげた作戦を言い出した草壁についていく奴はそうそういないだろうからな~。

 

 ここら辺の設定資料と昔みたその説、思い出して良かったぁ~!

 

≪………………分かった、案内しよう。 ただし、手を頭に付けたままだ。 妙な動きをすれば即射殺する。 ゆっくりと立て。≫

 

≪ありがとうございます。 (ニコッ)≫

 

 言う通りにすると、俺は不安気に見上げていた生徒会の皆に笑顔を向けてほかの不安そうに俺を見る人たちを見渡す。

 

「ッ!」

 

 そしてひっそりと護衛の女性が俺から視線を外した隙に()()()()変装しているユーフェミアにウィンクをしてから日本解放戦線の人たちに従い、おとなしく連行された。




というわけでイレギュラーズがエリア11に呼ばれてしまいました。 (汗

『ブリタニア絶対殺す狂犬』を加入させますか? *注意事項*作者はロストストーリーズ未プレイでゲームが完結していないので『高い可能性(ほぼ確定)でキャラ崩壊アリ』とだけ前もってここに書きます

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