アンケート期間はナリタ事変あたりまで続ける予定です!
お読み頂きありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです!
夜が訪れた河口湖周辺では、未だかつてない程ガチガチの包囲網を展開したブリタニア軍が敷いていた。
そしてコーネリアはゼロを乗せた報道局のトラックがコンベンションホテルの敷地内へと消えても、ずっと歯がゆい気持ちでいた。
それは自分の力では無事にユーフェミアとライラを救う事が出来ないとか、ゼロを送り込めば多少の時間稼ぎにはなるのと彼と日本解放戦線を一網打尽に出来るという算段からなどではない。
「(なぜ、ゼロはユフィやライラの事を
以前示した通り、ユーフェミアは
ライラほど徹底されていないにしろ、ユーフェミアも世間に名前は知られているが容姿まではまだメディアによって公開されていない。
だというのに、ゼロは確かに自信満々で以下の通りコーネリアに告げていた。
『選べ、コーネリア! クロヴィスを悲しませながら自分も悔やむか! それとも彼に恩を売りながらユーフェミアを含めた人質たちを助けるかを! 前者ならば私を今、その銃で撃て! 後者ならば我々を通らせろ!』
まるで、確信を持ったような言い方だった。
「(だが私にとっては好都合だ。 この際、忌々しい日本解放戦線もろとも始末してやる!) 特派と突入部隊の準備はまだか?」
「もうじき双方、終わると聞いています。」
「姫様、
「────無視するように伝えろギルフォード。」
結局リニアキャノン攻略にコーネリアは得体の知れない
『同じナンバーズを使うのなら、せめて生存率が高い方を選ぶ』。
そして、『同じ借りを作るのなら少なくともある程度の予想ができる
これはダールトンがたまにしてしまいがちな『情からの判断』ではなく、単純に『使える駒は多く手元に持っていた方がいい』という戦略的なものだった。
対してマッド大佐によれば“作戦は100%成功
コーネリアから出撃を許されて喜んでいたロイドを横に、突入準備をするスザクと彼の心配をするセシル。
その間、ホテル内部ではルルーシュがゼロとして日本解放戦線の『値踏み』をしていた。
自分の
ルルーシュはゼロとして、案内された会議室のソファーに座りながら対面していた草壁中佐と口でのやり取りをしていた。
「(『義』、『誠意』、『使命感』か……この男は
そしてルルーシュは話している間、草壁中佐の考え方がまさに一昔前の軍人らしく『柔軟性に欠けているか』を実感させていた。
よってその時点で草壁中佐個人には『不合格』の烙印をルルーシュはすでに押していた。
「(だが、腐っても正規の軍人だ。 この作戦が別の目的を果たすための可能性が三つほどある。 一つ目はブリタニア軍に有効な打撃を与えるための陽動。 二つ目はここを占拠することで何らかの成果を出す。 三つめはわざと目立つような行動をとり、俺のような者を誘い出して接触し、試す。 自らの手札となる人質を
だがルルーシュの思っていたそれ等の可能性に当てはまらないどころか、内外双方に自分達の存在アピールするという強行的な『プロパガンダ』だった。
しかも本作戦は日本解放戦線としての行動ではなく、草壁個人の部隊の独断ときた。
「(なん……だと? これほどの無能者の暴走を許すとは……やはり日本解放戦線は大きすぎたか。 これでは同盟どころか合併されてしまうな。) お前たちは『古い時代』そのものだ。 もう、救えない。」
そうルルーシュが告げると、さっきまで余裕綽々だった草壁や部屋の中の兵士たちの表情が険しいものへと変わっていく。
草壁に至っては怒りに任せて日本刀を抜刀していた。
「(兵士たちが何も疑問を持たないところを見るとおそらく、草壁一人が例外ではないのだろう。 日本解放戦線は『使う』ことはあっても『協力』することはないな。)」
「どういう意味だ、ゼロ! 返答次第によっては────!」
「────貴様らの作戦に『未来』はない。 あまりにも曖昧で結果が不確かな方法の上に将来性がない。
過激な行動で一時の注目は浴びても、一時的なものだ。 ブームのようにな。
最悪、次の月には大衆の記憶から無くなっていてもおかしくはない程度の作戦で命を粗末にしている。」
「き、貴様ぁぁぁぁ! 知った風な口を────!」
コンコン。
『────中佐。 先ほど連絡した人質を連行しました。』
顔を赤くさせる草壁からノックされたドアにルルーシュが意識を一瞬だけ移す。
「(やはり来たか。 昔から夢見がちで平和主義のユフィが多分、名乗り出たのだろうな。 もしくはライラがそれを見かねて“連れていくなら私を連れて行くのですー!”とか……もうこれ以上
カシュン!
「────『死ね』。」
ゼロのマスクの一部がスライドし、ルルーシュの左目が露出する。
赤く、ギアスの印が浮き出る目が。
その一言が『命令』として部屋の中にいた日本解放戦線の草壁と兵士たちの脳に直接叩き込まれる。
すると草壁は刀を己の腹部に切っ先をつけ、兵士たちは銃口を自分のこめかみにつけるか口の中で咥える。
グサッ! ドババ。
パパパパーン!!!
草壁たちは何の戸惑いも声もなく、ただ静かに自分たちの命を絶つ。
乾いた銃声を聞いたのか、勢いよく部屋のドアが開かれて無傷のゼロを見ては銃を構える。
だが予めこれを予想していたルルーシュは既に手にしていた拳銃で兵士に致命傷に至らない傷を負わせる。
「グァ?!」
「落ち着け。 私は何もしていない、話をしていただけだ。 そして中佐たちは見ての通り、己の行動の無意味さを悟って自決された。」
平然と答えるゼロの指摘にやっと部屋の状態を見た兵士は青ざめながら肩の傷を抑えながら外にいる仲間たちに伝えるためか、そのままその場を立ち去る。
「フ. 女性ながら自ら名乗り出るとは大したも────のほぁ?!」
ルルーシュは彼が連行してきたであろうユーフェミア、あるいはライラを想定して言葉を放つもドアの前に立っていた人物が全く予想外だったことに、ゼロとしてあるまじき変な声を出してしまう。
「………………ええっと? 私は女性ではないです。 あと、これはどういう状況なのでしょうか?」
立っていたのは引きつる笑顔を浮かべていたスヴェンだった。
この瞬間、ルルーシュの頭は一気に八つほど浮かんだ提案を彼は即座に止めた。
そのどれもが口封じに類するものだったからだ。
日本解放戦線が思っていた以上に使えない組織と断定した今、『ゼロ』は『象徴』にするつもりだ。
故に『完璧』でなければいけない。
余談ではあるが、『即座』と言っても数秒間ほど彼は固まっていた。
笑顔を浮かべながらも困った様子のスヴェンを前にルルーシュは思考を止めたまま、自分が遅く帰ってくる期間によく咲世子さんと一緒に何かとナナリーの世話をする友人を立たせたままはどうかと思ったのか、部屋の中へと招き入れてから自分がしてしまった失態に気付く。
「(何をしているのだ俺は?! こいつにはもう既にギアスを使っている! いやそれよりもだ、何故ここに? いやここに居るのはわかっていたことだがなぜユフィやライラではないのだ? もしかして、代わりに名乗り出たと言うのか?! しかし────いや違うだろ俺?! 俺は何を考えてこいつを招き入れた?! 誰か俺に説明をしてくれ、判断材料が足りなさすぎるあ゛あああ゛あ゛あああ゛あ゛ああ゛!)」
「……ゥ。」
急に部屋の中を見ていたスヴェンの顔色が悪くなって口を手で覆い、ルルーシュはさらに慌てる。
「お、おい?! 大丈夫か?! (しまった! それよりも、この惨状はいち学生には刺激的すぎるだろ、俺?!)」
ルルーシュが横目で見たのは切腹時に自らの臓器をかき出した草壁の遺体や、自分の頭蓋骨を撃ち抜いた兵士たちの飛び散った脳が引っ付いた壁だった。
そして本人に自覚はなかったが不覚にも、一瞬だけとはいえ『ゼロ』としてではなく素の『ルルーシュ』としての言葉を出してしまった。
スヴェンもそれに気付いた様子はなかったが。
アホなタイミングで胃薬の効果が切れちまった。
俺はさっきからムカムカし始めた胃から、何かが逆流しそうな感覚に口を覆うとゼロが驚くような声を出す。
というか『おい、大丈夫か』って素のルルーシュじゃん。
「す、すみません……ちょっと胃の調子が悪くて。 (ストレスから。)」
「い、いや。 こちらも(死体だらけの部屋に)招き入れて申し訳ない。 しかもよく確認せずに“女性”と判断してしまい────」
「────はは。 “クール”とは言われているけど、流石に“女性”と間違えられたのは初めてだったよ。」
あー、ハズイ。
予定も狂った。
計画通りに事が進んでいたら俺がユーフェミアやライラではなかった時点で驚くまでは想定していたけど、まさか招き入れるとは予想外だ。
本来なら、『見ての通りテロリストどもは自決した。 私の同胞もほかの人質たちの救出に動いている、お前も戻れ』とかでその場から離れて胃薬飲む予定だったのに……
やっぱり日本解放戦線に睨まれたとしても無理やり服用すれば良かったヨホホのホホヨ。
「「…………………………………………………………」」
特に言葉も出ない、気まずい空気が俺と(ソファーに戻った)ゼロの間に続く。
もうナニコレ?
何このお通夜状態?
目的は達成できたし今すぐ逃げたい。
「ん?」
俺が窓の外を見ると地上からものすごいスピードで白い物体が宙を舞いながら緑色の何かを持っていた銃らしきものから打ち出す。
ズズズズゥゥゥゥン。
「チッ。 白カブトか。」
地鳴りのような音とビルがわずかに揺れると生でゼロの『白カブト呼び』が聞こえた。
つまり、ランスロットが突撃に成功したのか……
もうちょっと早く来てくれよスザク~!
あとコーネリアも早く判断してくれよ~?!
「行くぞ。 私の部下も他の人質たちを保護している筈だ。」
ゼロを追うようについていくと一期でよく見た黒の騎士団員制服を着た者たちがブリタニア人たちをゴムボートに誘導していた。
ってゼロもう見当たらないし?!
「ぁ……す────ング。」
そして俺を見て声を上げそうになった帽子とバイザーの下からでも赤髪が目立つ黒の騎士団員にまた口を手で覆いながら視線を送ると、相手も口をつぐんでから天然パーマの男の元へと小走りに近づいて耳打ちをする。
流石に長い間一緒にいるだけあって、こっちの意図を即座に掴んだな。
う~ん、原作とちょっと違って察しが良くなっているのは喜ぶべきか……危険視するべきか。
やがてホテルは崩壊し、インパクトの所為で覚えがいのあるゼロの
「ブリタニア人よ! 恐れることは無い! 捕らわれていた人質は全員、救出した! 貴方の下へとお返ししよう!」
船の上にいたゼロを、あらかじめ用意された照明が一気に彼と彼の背後に立っていた者たちを照らす。
てか扇? 玉城? お前らはなんでポーズを決めてんの?
お前らは悪の手下AとBか? それとも召使AとB?
「人々よ! 我らを恐れ、求めるが良い! 我らの名は黒の騎士団! イレヴンだろうと、ブリタニア人であろうと、『武器を持たない者の味方』である!」
う~ん、迫力満点。
余は満足でござる。
「力ある者よ、我を恐れよ! 力無き者よ、我を求めよ! 世界は、我々黒の騎士団が裁く!」
俺みたいな半端モノはどうしろと?
そんな俺の持つ悩みを答えてくれそうな人はいなかった。
そもそも俺の事情を誰にも話す気はないけど。
ま、これで一応『最悪の結果』を少しでも崩せたのなら良しとするか。
余談だがスヴェンはこの時、ある意味真の『最悪』をまだ知らなかった。
彼が以前、キョウトから物資やパーツを確保する為に送ったランスロットに関するデータ*1を、インド軍区の
「あのプリン伯爵の機体データを、こんな思わぬ形で入手できるとは────待って。」
そして、そのデータの中には
「何、これ?! データは確かなの?! それとも…………………………ウフフフハハハハハ! 面白い! 面白すぎるわぁぁぁぁぁぁ!
そんな愉快な高笑いをする、キセルを持った彼女の近くにいた者たちはまた胃と頭が痛くなったそうな。
だがそれは、また後の話となる。
暑い時期が続いていますが皆さんも頑張りましょう。
『ブリタニア絶対殺す狂犬』を加入させますか? *注意事項*作者はロストストーリーズ未プレイでゲームが完結していないので『高い可能性(ほぼ確定)でキャラ崩壊アリ』とだけ前もってここに書きます
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