小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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ちょっとEXTRA的なことを入れてみました。


第294話 『■■の名のもとに力を振るう者よ、罪悪感を抱くことなかれ』 (挿絵)

「「……」」

 

 ダモクレス内部にある制御室は、外部の騒がしさとは対照的に静寂に包まれていた。

 

「♪~。」

 

 理由は単純。

 それは皇帝シャルルが『そこにいる』だけで場に与える圧力によるもの。そして、その場違いな状況で一人の男が鼻歌を口ずさんでいた。

 

「……シュナイゼル────」

「────ッ。 これは失礼しました陛下……では、次に移行します。」

 

 シャルルの言葉を受け、シュナイゼルは鼻歌を止めると珍しく気まずそうな表情を見せるが、すぐに気を引き締める。

 

「うむ、頃合いである。」

 

「では……カノン、皇帝陛下用の護衛を────」

「────無用だ。」

 

「そうですか……では、フレイヤの射出準備にします。」

 

「うむ。」

 

「カノン、目標は大グリンダ騎士団の旗艦である()()()()()()。 第一波後はどうするのか分かっているな?」

 

「……発射時間を縮めるのですね?」

 

「流石だ。」

 

「(ノネット……賢いあなたなら……)」

 

「……」

 

 カノンが拳をギュッと握りしめるその様子を横目で見たシュナイゼルは、一瞬だけ微笑みを深めた。

 

 ……

 …

 

 

「あ、あれ?」

 

「どうした?」

 

 リア・ファルのCICでオペレーター活動をしていたユーフェミア(茶髪に変装中)が戸惑いの声を上げる。

 

「あ、その……敵の艦隊に変な動きがあって……でも、今までも妙な動きをしていたので────」

「────データを送ってくれないか?」

 

「あ……はい!」

 

「……ッ! 艦砲射撃をすべて止めろ、直ちに迎撃態勢に入る!」

 

「「え────?」」

「────は、はい!」

 

 オリビアとサラは指示に驚き中、ユーフェミアは柔軟性を維持しつつ臨機応変(急な展開)に慣れたのかいち早くウィルバーの指示を乗組員たちに出していく。

 

「艦長代理! 敵の巨大建造物から高熱源反応が────!」

「────来たか! 総員、ショックに備えろ! ユキヤ君に狙撃の準備を────!」

「────えっと……彼なら『用事があるから少し離れる』って……」

 

「……………………スゥー………………ハァー……………………大丈夫だ! 多分。 問題ない! 多分。 全リニアキャノンを作動!」

 

 ウィルバーは目を見開き、両手で顔を覆うと、天井を仰いで深呼吸をしてから冷静さを取り戻し、再び指示を下す。

 

 ……

 …

 

 

「(これも避けた?)」

 

 同時刻、初めて実戦で使うとは思えないほどにドロテアは巧みにオールレンジ攻撃を周りで起きている戦いによる敵味方双方の流れ弾などを利用してあらゆる角度から巨大な手からハドロン砲を乱射していた。

 

「また別方向から?!」

 

「(かなり腕の立つパイロットがグリンダ騎士団に集められたと聞いたが、紅蓮タイプに乗っているとは聞いていない。)」

 

 だがマーヤも久しぶりにKMFを操縦するとは思えない操縦で、パロミデスと相対しながら急な回転や加速で攻撃をかわし続ける。

 

「(ジヴォン卿はランスロットタイプ。 ロックハートとシュタイナー卿はアールストレイム卿とヴァインベルグ卿の試作機……ならばマリーベル皇女か?)」

 

「スゥー、ハァー……よし、()()()()()わ。」

 

 マーヤは深呼吸で緊張を解き、KMFのOS設定を素早く変えていくと網膜投影システムに先ほどとは違う、新たなレーダー情報がリアルタイムで表示されていく。

 

 ピピ♪

 

「上……いえ、右!」

 

 バチバチバチバチバチバチ!

 

 蒼天はBRSと操縦桿からの入力を瞬時に反映し、警告音とほぼ同時に姿勢を変えながら輻射波動と撃つ。

 撃ち出された輻射波動はハドロン砲のビームと空中で衝突し、その余波が辺りに飛び散る。

 

「(死角からの攻撃を防いだ?! だがまだだ! 次の手は既に打ってある!)」

 

 ドロテアは既に空中で味方機や航空浮遊艦の影で移動していた巨大な左手の軌道に修正を加え、すぐにそれを使ってマーヤ機に攻撃を仕掛けさせようとする。

 

「そこ!」

 

 ダダダダ!

 

 マーヤはパロミデスの左手を、今度は攻撃する前に蒼天のアサルトライフルで撃つ。

 

 しかし流石はラウンズ専用機と納得するしかなく、パロミデスの巨大な左手は大したダメージを受けずにハドロン砲の向きを少々無理やり変えられただけで、フィンガーハドロン砲から撃ち出されたビーム等は蒼天に当たらないまま、それぞれのビームが別方向へと飛散していく。

 

 ガァン

 

「ウッ?!」

 

 マーヤがオールレンジ攻撃に気を取られた隙にパロミデスは蒼天に急接近し、ガントレットのような物を装備した通常の腕で()()()()()

 

 ガァンガァンガァンガァン

 

「KMFで、肉弾戦?!」

 

『このパロミデスが遠距離特化だけのKMFと思うな!』

 

「それを言うのなら!」

 

 マーヤはドロテアの通信に返事をしつつ、アサルトライフルを手放した左手に別の兵装をサブアームで装備させる。

 

 ドォン

 

 ビィィィィィィ!

 

『なにッ?! 』

 

 機体の装甲越しでもハドロン砲やVARISにも劣らない爆発音と激しい揺れ、そして機体へのダメージを知らせるアラート音にドロテアは目を丸くした。

 

『装甲に停滞させていたブレイズ・ルミナスを────?!』

 「────神様(の機体)を舐めるな、ブリタニアァァァァ!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「“神様”だと?! (まさか狂信者か?! 根絶やしに出来たと思ったのに……もしや新たな教団が誕生したというのか?! なんと面倒な!)」

 

 蒼天の左手にはベニオの紅鬼灯と似たパイルバンカーが握られており、撃ち出されていた杭はパロミデスの腹部装甲にヒビを入れていた。

 

「(まさか本当にブレイズルミナスを物理的に貫通する武装があったとは! 反ブリタニア勢力が流していたデマではなかったのか?!)」

 

「(火薬式の兵装の開発が今でも活躍できるとはさすがは神様(スバル)! 物理的な爆発でブレイズルミナスが順応できる範囲を超えるなど……一体どこまでの『未来』が見えているのかしら!)」

 

 ドゥ!

 

 パイルバンカーによってダメージを受けたパロミデスは蒼天から中距離ほどまで離れると肩部に戻ったフィンガーハドロン砲を撃つ。

 

「そんな見え透いた攻撃、当たるものですか!」

 

『貴様に当てようなどと思っていない!』

 

「負け惜しみを────!」

「(────見向きするそぶりもない! やはりな。 技術は立派だが『戦士』としては半人前だ!)」

 

 ドドドドォン!!!

 

「え?! (今のはフレイヤ────?!)」

『────よそ見する余裕があるとはな!』

 

 ガァン!

 

「うぁ?!」

 

 ビィィィィィィィィ!

 

「チィ! (機体の左腕が!)」

 

 マーヤは背後から大気を震わせる爆発音に気を取られた瞬間、ドロテアのパロミデスが蒼天に接近したことに気が付いて咄嗟にガードするが、上げた左腕が殴られてモニターに表示される損傷具合に舌打ちをする。

 

 ……

 …

 

 

『撃て! 撃ちまくれ!』

 

 ドドドドォン!!!

 

 ダモクレスの下方内部より出現したリニアキャノン等から発射されたフレイヤ弾頭をリア・ファルのリニアキャノンが撃ち落としていき、ネッサローズは撃ち漏らしたフレイヤを単装砲で撃っていく。

 

「将軍! 第二派が来ます!」

 

『分かっておる! シェルパ卿────!』

『────第二派のデータを転送中! でもこっちもかなりギリギリィィィィィィィィィ!!!』

『う~ん、まさか現実でゾンビKMFの相手をするとはねぇ~。』

『ティンク! 和んでないで撃って!』

『いやだなぁ~、さっきからハドロンランチャーにオールレンジボマーも撃っているんだけれど足止めにしかならないんだよ。 トドメは刺せない。 はっきり言って、ダモクレスに取り付いた僕たちの中でオズと皇女殿下(マリーベル)だけが頼みの綱だね。』

『……予想以上に厄介だったのは認めます────』

 『────今それを言うのマリー?!』

『ボヤく暇があるのなら動きなさい、オルドリン・ジヴォン!』

『分かっているわよマリー! でもシュロッター鋼トランスソードも無限に耐えられるものじゃないのよ?!』

『じゃあさっきのもじゃもじゃ蛇(蛇腹状の剣)みたいなやつを使いなよ、オズ!』

『出来るならやっているわソキア! 蛇行剣(だこうけん)はエナジー消費も耐久力の低下もバカにならないの! マリー!』

『もう少しだけ持ちこたえて皆!』

『もうこれ無理ゲーにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ……あ。』

 

 ドドドドォン!!!

 

「将軍、第三派がそっちに向かっている! データ転送が間に合わない!」

 

「シュバルツー将軍、ブレイズルミナスで防御してください! リア・ファルが前に────」

 「────皆何かに掴まって!」

 

 ドォォォォォォォン!!!

 

 ビィィィィ! ビィィィィ! ビィィィィ!

 

 オペレーターのサラが上記を叫んだ次の瞬間、リア・ファルはさっきカタパルトをパージしたときより激しく揺れてアラーム音が艦中から響く。

 

「クッ……今のは────?」

「────フロートシステムに損傷!」

「なに?! 何に────?」

「────敵KMFのハドロン砲です!」

 

「艦長代理、予備推進力で現在の高度が保てません! 堕ちます!」

 

「見れば分かる! シュバルツァー将軍────!」

『────こちらからでも把握している! 回避だ────!』

『────ダメです、間に合いません────!』

『────総員、退艦準備────!』

 『────ぬおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

『焦り』が混じったシュバルツァー将軍とネッサローズのオペレーターの声を叫びが遮り、緑っぽい青色の何かが急スピードでグランベリーから射出され、VARIS特有のハドロンビームがフレイヤを迎撃していく。

 

『誰だ────?!』

『────私だよ将軍────!』

『────その声、エニアグラム卿か────?!』

『────悪いけど全部ノーデータで撃ち落とすのは私でも無理だ! 各艦からの射撃管制システムとKMFのVTDSデータを送れ!』

『しかし、卿が出れば裏切りが────』

『────今はもうそんなことを言ってられる場合じゃないさ。 ったくドロシーの野郎、私を引きずり出すとは……次に会ったら目にものを見せてやる。』

 

「(あちらはもう大丈夫そうだな。 問題は……)」

 

 リア・ファルの中でシュバルツァー将軍とノネットの通信を聞いていたウィルバーがホッとしたのも束の間で、今度は高度と進行速度が下がっていくリア・ファルに意識を戻す。

 

「(落ちるスピードが緩やかなのがせめてもの救いだな……よし。) オリビア君、総員に告げてくれ。 “リア・ファルはこれから不時着を試みる”と。」

 

「はい!」

 

「サラ君、一番近い陸はどこかね?」

 

「式根島と、神根島です!」

 

「式根島には確かブリタニアの基地があったな……よし、出来るだけ神根島の近くに不時着する。」

 

 ……

 …

 

「ふぅ…… (やはりこういった局面でのギャンブルは冷や冷やする。)」

 

 蜃気楼の中にいたルルーシュはノネット機が出てきたことに安堵しつつも、ドルイドシステムを駆使して的確に拡散構造相転移砲と絶対守護領域を使い、C.C.のフロンティアと元イレギュラーズと共にダモクレスへと着実に近づいていく。

 

『良かったな。』

 

「心を読むのはマオだった筈だ。」

 

『……付き合いが長いからな。』

 

「妙な誤解を招く言い方はよせ。 それと行先だが()()()ダモクレスではなくなるだろう。」

 

『ん? どういうことだ?』

 

「まぁ見ていろ。 (俺やマリーベルたちの読みが当たっていれば、そろそろ……)」

 

 ルルーシュは余裕が少なくなってきたドルイドシステムを更に使い、ダモクレス周辺を注意深く監視し始めると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が少しずつ神根島に伸びているところを見る。

 

「(やはりな。) よし、このままあの巨大要塞に向けた進路をずらしていく。」

 

『ずらしていく? 結局目的地はどこなんだ?』

 

「神根島だ。」

 

『ああ。 お前が初恋(ユーフェミア)の裸を見た島か────』

 「────ちょっと待てC.C.。 俺は見ていないしそもそもその話はどこから聞いた────」

『────悠長に話している余裕が今のお前にあるのか?』

 

 「ぬ……ぐっ……」

 

 ルルーシュは主導権をいともたやすくC.C.に奪われたことに歯を食いしばりつつも、目の前の状況に意識を戻した。

 

 

 ……

 …

 

 

 リア・ファル本体から切り離されたカタパルトはスバルとマリアンヌの攻防により穴だらけになったことで陽光が内部を照らし、重力によって徐々に落ちていくスピードが加速していくと、次第に整備士などが置き忘れた工具や様々なKMFの部品や武装などが最初こそ嵐の中にいるかのように飛び散るが、まるで無重力空間になったカタパルト内で浮遊し始める。

 

 「うおおおおおおおおおおおお!!!」

 「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」

 

 スバルとマリアンヌ双方の機体は『損傷が激しい』と見れば分かるが、どちらかというとアロンダイトの方がダメージを負っていた。

 

 ガァン!

 

 アルビオンの投げたMVSをアロンダイトが避けた……とスバルが思えば、投げられたMVSがカタパルト内に浮かんでいた弾倉に当たり、中にあったサクラダイトが引火して爆発し、他のサクラダイトを内蔵している物に引火して二次爆発を起こしアロンダイトを襲った。さきほど投げられたMVSが爆発によってビリヤードボールのように暴れるが、マリアンヌは躊躇なくそれをアルビオンの手元へと戻す。

 

「(これなら、どうだ────!)」

 

 ザン!

 

「────って斬った?! ハドロンサーベル()()を?!」

 

 アロンダイトは腰から筒状の物────ハドロンサーベルを抜くがアルビオンのMVSが筒()()を斬る。

 

 そんな中、スバルの脳内にはふと一つの疑問が浮かんだ。

 

「(アロンダイトはコードギアスの世界観からしてもぶっ壊れ気味な性能の上に他作品装備満載の機体なのにどうして躊躇も何もなくこうもガンガン攻められるんだ?!)」

 

 これは力量や機体の設計に実戦経験の差を引いても説明が付かない。

 と言っても、理由は単純で答えは『マリアンヌ自身』である。

 

 

 さて。 ここで思い出してもらいたいのがマリアンヌの二つ名、『閃光』である。

 

 一見するとそれはマリアンヌの持つ身体能力とも思えるが、それだけではなくノネットが『閃光の再来』と呼ばれることをあまり好んでいない由来にもなっている。

 

「アッハッハッハッハッハ! (MVSはあと三つにエナジー減量から一時間と予測、密室なら最小限の動きで立ち回り方はこちらが有利、三時の方向にKMF用のピッケルがあるけれど大丈夫、例の光の剣も作動前はただの筒────)」

 

『閃光のマリアンヌ』は何も『閃光のように速いこと』を示しているだけでなく、『閃光のような速さで状況を把握しつつ順応してそれを行動として表す』ことから由来している。

 

 事実、平民であったマリアンヌはブリタニア軍に志願してから、例え『生意気な平民』と当時の上層部を固めていた貴族階級やその子弟に見られた所為や嫉妬による『配慮(嫌がらせ)』から、前代未聞の戦況や試作段階の武装のみなどを与えられた状態のまま数々の目を見張るほどの武勲を立てていった。

 

 つまるところルルーシュの機転を利かせた知略はマリアンヌ由来であり、彼女はルルーシュにとっては厄介なだけの『イレギュラー』を己の為に利用できる器量を持っている。

 

「(これだけのダメージを負うことは少々予想範囲外を超えているけれど問題ないわ。それにそろそろシャルルが動き出すからそろそろ『終わり』にしましょうか♪)」

 

 マリアンヌは操縦桿を更に強く握ると、彼女の意思が反映されるかのようにアルビオンは狭い元カタパルトの中でエナジーウィングを使ってアロンダイトに体当たりを食らわせつつ、今までの攻防で脆くなったカタパルトの壁を内側から破る。

 

 

 


 

 

 

 「ぐはぁ?!」

 

 ほ、星が! 星が散ったよギャラクティカ!!!

 

 プシュ。

 

 っと、一人コントはやめてアロンダイトの具合は……結構最悪だな。

 

『カタパルト』といった密室と『切り放されてフリーフォール』という複雑な状況で、何とか虚を突いてイメージトレーニングというか、前世で見た『無重力間での戦い方』をなぞってアルビオンにダメージを与えたのは良いが、それも最初だけですぐさま対応してきた。

 

 それどころか、普通にふわふわ浮いていた部品とか利用しながら戦い始めたぞ。

 

 例えるなら『ア・バ〇ア・クー内の通路でドンパチをしている』感じだ。

 

 それと、今までのやり取りで完全にアルビオンの中がビスマルクじゃないことはもう十分すぎるほどに分かった。

 

 もうほぼ確実に『作中で最強』と語られる『マリアンヌ』だろう。

 

『どうして?』

『どうやって実体化した?』

『何でここにおんねんワレェ?!』

 

 等々の質問は無数にあるが、とりあえず『相手がマリアンヌ』と仮説を立てば、まぁ……認めるしかない。

 

 俺が慢心していたことを。

 

 ニーナに接触してフレイヤフラグを折ったと思ったら、ブリタニアが独自に開発するわ、トウキョウ租界が土台ごと半壊しかけるわ、ブリタニアの特使がシュナイゼルじゃなくてシャルル皇帝本人だったわ、エリア11を平然と返すわ、オデュッセウスとかがクーデターを起こすわ、ダモクレスが完成していて二分化したブリタニアの併合に動くわ……

 

 とかとかとかがあって、せっかくルルーシュ、マリーベル、wZERO部隊とか外伝を含めて『チート、もしくは優秀な人材たち』を引き合わせて任せようとしたのに、やっぱり俺自身が出ないといけなくなるし。

 

 で、出てきてダモクレスに奇襲を仕掛けたらコードギアス作中で『最強格KMF』の一つであるランスロット・アルビオンにマリアンヌが乗っていると。

 

 あ~、もうそうやって考えると気が滅入る。

 

 暗~いカタパルトの中からピカピカした陽光の下に出てきたのに、体は冷えている。

 普通に寒い。

 

 だが、手足は寒くない。

 何も感じられないからな。

 

 視界も焦点が合わないし、霞んできた。

 網膜投影システムで辛うじて『観える』状態だが、それもカメラレンズにひびが入っている。

 

 体を襲ってくる脱力感が半端ない。

 鎮静剤が効き過ぎたのかな?

 

 ランスロット・アルビオンがMVSを出してきた。

 何か……何かしないとこのまま斬られてしまう。

 

 でも、『MVSを防いだ』からなんだ?

 

 きっとその後も何か別の方法で攻めて来るだろう。

 

 対して俺には今、反撃に使える奇策はもう思い浮かべられない。

 

 ジリ貧だ。

 

 ()()()()()()()()

 

 もう……()()()

 

 アルビオンのMVSがスローモーション動画のように迫っている。

 

 ああ。

 

 すまない。

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドォン!

 

 上空から飛来してきた『何か』をアルビオンは避けるためにMVSを手放すと、そのMVSにその『何か』が当たって爆発する。

 

 アロンダイトのカメラレンズが曇るが、すぐにそれを取り払うミストウォッシュ機能が作動し、ひびがさらに目立つ。

 

 何だ?

 

 何が起きた?

 

『シュバールさん!』

 

 この声は────

 

 

 


 

 

 

「シュバールさん! (誘導弾に装填!)」

 

 ガァン、ガコ……ドドドドドォン!

 

 マリアンヌとスバルたちを上から見ていたユキヤは、珍しく焦るような声を出しながらアレクサンダ・ヴァリアントの長距離射撃用新型リニアレールカノンを素早く連続で撃つ。

 

『ユキヤ、よせ!』

 

 ユキヤはスバルの通信を無視して操縦桿に付いているトラックボールとメインモニター、さらにハッキングしてオーバークロックした機体のコンピューターを駆使し、飛来してくるランスロット・アルビオンの予測された軌道に誘導弾を動かす。

 

「外し────うあ?!」

 

 しかし、掠るどころかすべてが外れたことに驚きながら、エナジーウィングの加速によって距離を詰めてきたアルビオンに彼は目を白黒させ、アレクサンダ・ヴァリアントのスラッシュハーケンを撃ち出す。

 

 ザン!

 

「この!」

 

 スラッシュハーケンをMVSで切り払ったランスロット・アルビオンに背筋が冷たくなったユキヤは、今度は手首からウルナエッジを出してそれで突く。

 

 ザン!

 

「え? ぁ────」

 

 だが、アルビオンの返し刃で腕ごと切り落とされ、その腕をアルビオンが掴んで露出したウルナエッジがそのまま自分へと迫る光景にユキヤは固まった。

 

 ザクッ!

 

「………………………………え。」

 

 スバルは、ただ高度を落としていくアロンダイトの中から力の抜けた声を出す。

 

「(これで終わり────)」

 『────テメェェェェ────!!!』

「────なわけないでしょうね!」

 

 すぐさまマリアンヌを、怒りに満ちた叫びを上げるアシュレイに続いてアシュラ隊が襲う。

 

 

 


 

 

「待────」

 

 俺は(スバル)、慌てて通信を開き、制止するような声を出しかけるが、その間に次々と味方機がアルビオンの反撃で動かなくなり、落ちていく光景に声が枯れていく。

 

 最後まで戦っていた残ったアシュレイのレッド・オーガの胴体を、アルビオンに無理やり奪われたヒートソードが貫く。

 

『────この……ゴホッ! 化け物がッ!』

『ありがとう、久しぶりにそう呼ばれたわ。』

 

 上記のくぐもった通信が彼の機体から発されると、オープンチャンネルで女性の───マリアンヌの()()()()とした声が響く。

 

「そんな……なんでだ────」

『────ん────?』

 「────どうしてそんな嬉しそうに、そんなことが言える?!」

 

 通信をオープンチャンネルにした俺は、上記を訴えた。

 

『どうしてって言われても……()()()()()に決まっているじゃない。』

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……………………………………は?」

 

 そして、平然とノータイムで返ってきた言葉に、俺は場違いな息をただ吐き返すしかなかった。

 

『貴方だってそうでしょう?』

 

「…………………………………………」

 

 言葉を失った。

 

 代わりに、モヤモヤとした感情が胸の中で湧き上がってくる。

 

『私との戦いで、生と死の境界線ぎりぎりのダンスでの充足感を貴方()感じていたでしょう────?』

 「────ふざけるな! そんな……そんな! 人の事を……人殺し()の事を、何だと思ってやがる?!」

 

『う~ん……遊び場?』

 

 プッツン。

 

 頭の中で何かが切れたような音がした気がする。

 

 空洞のように冷たくなっていた胸に、グツグツと煮えるような、マグマのようなドロリとした感じが満たされていく。

 

「遊び場? 遊び場?!

 

 考えるよりも先に、口が言葉を並べていく。

 

 「戦いが遊びなものか!」

 

 アロンダイトに不必要なパーツをすべてパージ。

 

 残ったエナジーをすべてエナジーウィングと機体上半身に集中。

 

 後のことはもうどうでもいい。

 

 ()()()()()()()()()

 

 たとえマリアンヌがルルーシュとナナリーの母だとしても、()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()

 

「何かを成す為ならばまだしも、自分の娯楽の為だなんて! お前は、許せない!」

 

 ゴゥ!

 

 ブースターとエナジーウィングによる急加速にGが体を襲うが、()()()()()()()()()()()()

 

 「独善的すぎる! その考え方! その精神! ()()()()()()()()()!」

 

 

【挿絵表示】

 




というわけで『立ち絵』を入れてみました。

今のところこの話だけでなく、66や67話、EXTRA展開などと関連している絵もPIXIVでアップしています。

ちょくちょく良い出来っぽいモノをハーメルンにも取り入れたいと思っていますが……

これからも立ち絵を入れても良いですか?)

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