……と思いたいですが、流石に15分はアウトですよね。 (汗
少々不満に感じるかも知れないが、時間を戻したいと思う。
具体的な時間帯はスヴェンの平穏がカレンによって乱される前であり、場所も日本国内ではなく蓬莱島。
カリカリカリカリカリカリカリ。
『蓬莱共和政府』の領主、スバルと彼の補佐兼領主代理を務めているレイラたちが紙にペンを走らせている音が部屋の中で響く。
「(合衆国日本の暫定首都から自治領へと変えるなんて、元の蓬莱島に戻すと軽く思っていたが……一応自治権を所有するから『国』として動けるようにしないといけなくなるなんて思わなかった。 しかも日本人が帰るから人口がごっそりと減るから職の割合も見直さないといけないし移住のドタバタで治安の低下も────なんでこんなに忙しいんだ?! R2も終わって、スローライフになる筈がどうしてこうなった?!)」
スバルは内心で愚痴をしつつも手を止めずにかじった知識を振り絞って処理を続けた。
「……ウフフフフ。」
「ん? どうしたレイラ?」
「ああ、ただこうしているとヴァイスボルフ城を思い出しまして……覚えていますか、初めて城に来た当初の頃を?」
「ああ、覚えている。 アノウ中佐に雇われた傭兵ということから最初の頃は距離を置かれていたな。」
「ええ。 ですが皆が思っていた『金の亡者』で『横暴』で『野蛮』な傭兵像からかけ離れていた上に、歳も近かったので数日間後には交代するかのように皆さん、貴方の様子を見に来ていました。」
「まるで動物園のライオンの気分だったぞ。」
「その時、人見知りだったアンナが小型ドローンを使って撮った写真を思い出して────」
「────写真だと?」
レイラは携帯を取り出して画面を見せると、そこには私服にアレンジした様子のEU兵士用の軍服を着た、長髪のスヴェンが映っていた。
「(うお?! 懐かしい……ブラックリベリオン後、間に合うようにドタバタしていてまだ俺が散髪をする前の姿じゃないか! しかもこれ……戦術〇モドキのラフをデザインしていた時のだ。 なるほど……あのカブトムシっぽいドローンの遠隔操作で俺を見るだけでなく、写真も撮っていたのかアンナたちは。)」
「貴方の顔が珍しく崩れているところがその……いつも発している、『落ち着いた年上の男性』から年相応の青年に感じられたのでアンナから送ってもらいました。」
「(最初はクソデカいゴッキーが現れたのかと思って身構えていただけなんだが……まぁ、言う必要はないだろう。) 確かに、あの時はゆったりとした時間が過ぎていたな……」
「……やはり、今の時間は窮屈でしょうか?」
「いや? 身体を動かさない分だけマシだと思っている。」
「(否定はしないのですね……ならば……)」
レイラは携帯を弄ってから再びポケットに戻してから一時間後、とうとう限界が来たのかスバルはペンを机に置いてから席を立ちつつ、近くに置いてあった刀を手に取る。
「どうされたのですか、シュバールさん?」
「少し、外に出る。」
「アッシュフォード学園に行かれるのでしたら、ディーナ・シーはいつでも動かせるように手配済みですよ?」
「(なんで?! なんでドンピシャで俺のしたかったことを?! 純粋に怖いんだが?)」
「シンさんたちにも会いに行かれるのでしょうか? そうでしたら連絡しておきますけど?」
「(成長したレイラこっっっっっわ!!!) ……ああ、少し顔を出すとしよう。 ありがとう、レイラ。」
「フフフ、ここは任せてリフレッシュしてください♪」
「(ええ笑顔やわ~♡。)」
「それと最近、サエコが渡したカタナを持ち歩くようになったのは何か理由があるのですか?」
「(う~ん……『義理から』なんて言えないからなぁ~。) 特に理由はない。 強いて言うならば、
「安心感…… (自分の身の安全を危惧している? ……やはり表面上は平和になったとはいえ、まだまだ不安要素が残っているのは確か。 元宰相のシュナイゼルに、ルキアーノ・ブラッドリーと彼のグラウサム・ヴァルキリエ、超合集国に加盟しなかった数々の国……それにその超合集国内も無視できませんね。 『ブリタニア』という共通の仮想敵が脅威でなくなった今、組織内でのマウントの取り合いが始まるのは明らか……)」
レイラはそう思いながら、部屋出ていくスバルの背中を見送ってから天井を仰いだ。
「『外交は敵味方でなくただ利益による関係である』と昔読みましたが、実感する日が来るとは…… (やはり、マリーベルさんの提案が良い保険になるかも知れませんね。)」
トウキョウ租界……いや、敢えて言おう!
東京よ! 私は帰ってきたぞぉぉぉぉ!
「おおおおおお! これがあのアッシュフォード学園の制服!」
モジモジ。
「足の露出はどうかと思うけれど……」
説明しよう!
『アッシュフォード学園に行くと聞いた者たちが付いて来て学園の制服に着替えて一緒に機密情報局用の隠し通路で図書館の外に出ていた』。
なんでかって?
いや、俺も分からんがな。
強いて言うのなら、俺と一緒に学園に潜り込むとか……かな。
「あら、EUの軍服も割と足の露出が高かったと記憶していますが?」
「あれは、その……違うというか……軍服でしたから……」
で、ここにはマリーベルもいる。
しかも、アッシュフォード学園の制服姿で。
……いや本当になんで?
「ミレイさんに頼んでくれてありがとうございます、マリーベルさん!」
「いえいえ、ミレイさんとは個人的な繋がりがありますので♪」
パチン♪
で、このタイミングでウィンクを俺に送るって、どれだけ勘が鋭いの君?
ベニオはマリーベルがブリタニアの皇女だと知っていないのかな?
ちょっとアホの子っぽいし、もしかしてニュースとかあまり見ない派?
相方のサビ子も遠慮せずに来ればよかったのに。
……ただの勘だが、『作業に胸は邪魔』とか『男の視線がウザいから』とか言い訳するだろうがサビ子は隠れ巨乳な気がする。
『願望w』?
何とでも言え。
「??? 何か、おかしなところでもあるのかシュバールさん? もしかしてオレ、着こなせていないのか?」
「いや、よく似合っていると思っただけだ。」
「そうか。」
流石はコードギアス主人公枠だな。
お世辞とかじゃなくて本当に似合っている。
「・ ・ ・ ・ ・」
おおお。
制服姿のアヤノだ。
……なんだか息を止めているみたいだが、大丈夫か?
「アヤノは可愛いな。」
アキト君や、クールに見えて天然なのは変わらないな。
「~~~~~~~!!!」
見ろ、無言で明らかに頬を赤らませていくアヤノを。
「……そろそろの筈ですが────」
「────うわ?! 皆ここにいる?!」
マリーベルが腕時計を見てそう言うとちょうど角を曲がってきた誰かが驚く声を出す。
って、アリスか。
「ふぉぉぉぉぉぉ、時間通りです!」
そんなアリスの隣には目をキラキラさせるライラ。
元気でよろしい。
「あら、読み通りですね♪」
「うわぁ、怖いわ~。 やっぱりマリーベルって怖いわ~。」
俺も同感だ、アリス。
「ていうかその子、大丈夫? 制服、間違えていない? どう見ても高等部でしょ?」
アリスが横目で見たのは中等部の制服を着た、どんどんと顔色が悪くなっていくアヤノ。
高等部だと思うのは仕方がない。 どこからどう見ても発育具合が────
「────さっきから息を止め────」
「────ブハァァァ!!!」
バツン! ペシン!
アヤノが息を止めることを止めた瞬間、派手な音と共に胸を押さえつけていた制服のボタンが飛んで固まったアリスとベニオの顔に当たる。
「「…………………………」」
マジか。
漫画とかでしか見なかった現象だぞ。
「ハァ、ハァ、ハァ……も、もう無理。」
やはりアヤノにアッシュフォード学園の制服、特に中等部のものは窮屈過ぎたか。
サイズ的に香凛以上、カレン未満ぐらいだからなぁ……
ちょうど一二三オペレーターズの双葉さんレベルぐらいかな?
あれもアレで三人の中で一番低身長なのに一番大きいし。
「「…………………………」」
「特注でも、苦しすぎる……制服、どうしよう。」
「ちょっと待って。 アンタって17,8歳ぐらいでしょうが。 何で中等部の制服なのよ?」
なんだかアリスの背後に例の『ゴゴゴゴゴゴゴ』が見えるゾ。
「だ、だって私15だもん。」
「は?」
「あ、この間誕生日が過ぎたから今は16か。」
「は?」
アリスがアンナを見て、スンと表情の消えたジト目のアンナが頷く。
「おおお! バインバインのボインボインですー!」
そう言うライラも人の事は言えないネ。
「「…………………………裏切り者ぉぉぉぉぉぉ!!!!」」
「へ?! な、なになになになになになに?!」
「ウフフフフフフフフフフフフフフフ♪」
何だろう。
アリスとアンナの声がハーモニーしてアヤノがアタフタしてライラが目をキラキラさせてマリーベルがぶっちゃん風の意味深い『フフフ』を出しているこの現状はカオスの筈なのにホッコリする。
「……そう言えばカレンはどうした?」
「カレン先輩の代わりにライラが来たです!」
なんで?
「……なんで?」
「ああ、来たのか。」
おっと、ずっと黙っていた俺の影武者ライが登場。
「これを渡しておく。」
「なんだこれは。」
そう言いながら、俺の予備の制服とカラーコンタクトで
ちなみにこのノート、新品な筈なのにページ的に半分くらい既に使われている。
「??? 君のアッシュフォード学園での生活に関する情報を元に行動しただけだが?」
いやいやいやいや、それがどうして各部活のお助けマンのオーケーとかに繋がるんだよ。
いや、落ち着け。
ライは多分、悪意とか無しで天然でしたんだろう。
ロスカラでもピコピコハンマーをKMFの武装をおもちゃに変えた物だと本気で思っていたし。
……………………いや、別作品でゴル〇ィオン〇ンマーなんてものもあるし間違ってはいないのかな?
しかしこのスケジュール、絶妙なバランスでたとえ全ての部活から呼び出されてもすべてに対応できるようになって────ちょっと待った。
「ライ。」
「なんだ?」
「カレンはどうした?」
「多分、
「だからライラが代わりに来たです!」
「……ちょっと待て。 ライ、お前……『従者見習い』の方はどうした?」
プイッ。
こっち見んかいオラ。
「……『良い学生』と『従者見習い』の内、一つを優先した。」
「それがなぜ、『良い学生』の方になった?」
「だってカレン先輩、凄く元気になったからです!」
「シャーリーも顔負けなぐらい、活発だ。」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……
「あ。 先輩、顔を覆ったです。」
「多分これ、猛烈に後悔しているんじゃない?」
「アリスさんはよく彼の内心をご存じですね?」
「ままままままぐれよまぐれ! アハハハハハハ!!!」
カレン、お前……やり過ぎじゃい……
よし、気を取り直そう。
「あ、戻ってきたです。」
「彼女は今、どこにいる?」
「「「高等部の校舎裏。」」」
テンプレ過ぎる。
…………
………
……
…
「────ええっと……ごめんなさい、ちょっと突然過ぎて。 貴方とは初対面ですし、『どうして私?』って感じで────」
「────前から綺麗だったけれど、最近は憑物でも落ちたかのように元気になったから……じゃ、ダメかな?」
校舎裏に近づくとカレンと男子生徒の会話が聞こえて来たのでスニーキングミッション中の俺である。
「はぁ……」
分かるぞカレン、そのため息する気持ち。
この男の目的、俺が居ないからってだけで告白したわけじゃないからな。
「言っておきますけれど、別に私と付き合うからってシュタットフェルト家の恩恵にあやかれるわけじゃないですよ?」
「ッ。 い、いや家は関係な────」
「────それでもごめんなさい。 貴方が見ているのは、本当の私じゃないですから……」
そう言うカレンは目を相手から逸らし、ギュッと自分の腕を掴む。
「それに、私には……」
カレン、お前……やっぱり────
「────もう、話はないですよね? では────」
「────ま、待ってくれ────!」
ガシッ!
「────ヒッ?!」
振り返って背を向けたカレンが歩きだすと相手は後ろから肩を掴むと、カレンの喉からひどく怯えたような声と顔が────
バキッ!
「────ぐぇ?!」
「す、スバ────スヴェン?!」
いっっっっってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
気が付いたら思わず物陰から出てきて相手を殴った手が痛い!
だが止まれるか。
「ちょ、ちょっとスヴェン────?」
「────いいから。」
俺の口下手ぁ……
いや、どっちにしろこの場から離れないと。
歩いて数分後、俺は高等部の保健室で晴れてきた自分の手をアイスパックで冷やしていた。
「痛そう……」
「ぶっちゃけ痛いぞ。」
って、そうじゃねぇだろうが俺!
カレンがシュンとしちゃうだろ?!
何か、何か話題を見つけなくては!
「……懐かしいね。」
ん?
「カレン?」
「子供の頃、拳が先に出ちゃって自分で起こした喧嘩にスバルが巻き込まれた時を思い出しただけ。」
「ああ、そう言えばそんな時もあったな。 だがそれよりもさっきのはなんだ?」
「ギクッ。」
カレン、話題を逸らそうと思っていたようだがサッカリン並みに甘いぞ。
「いや、だってその────」
「────まさか未だにラブレターを受けているのか?」
「う。」
図星か。
猫かぶりはもうしなくてもいいからと思って初日からフルスロットルした結果、カレンの人気が格段に上がったからな……
処理が大変だったから、『次からは断る手紙を送り返すだけにしろ』って言ったのに……
「なんで呼び出しに応じた?」
「学園に帰って来てから、他の皆と遊んでいるといつの間にか男子が混ざっている時があって、断りにくくて……」
「何で『俺』を呼ばなかった?」
「……忙しかったと、思って……」
なるほど。
カレン並みに考えてはいたのか。
やっぱりライに全部任せるわけにはいかないか。
しかしそうなると────
「────ねぇスヴェン? 恋人にならない?」
はい?
「「…………………………………………」」
俺は思わず固まり、静かな時間だけが過ぎていく。
時間にして多分、数秒ぐらいだろうが体感としては数分ぐらいに感じる。
俺のポーカーフェイス、大丈夫だろうか?
『銀河を見る猫』になっていないか?
「あ?! 違うから! 違うからね?! ほほほほほほほら! 私たち前はずっと一緒いたじゃん?! 『だからもうこの際
『もうこの際』って……
「だからこれはあれよあれ! 公式カップルの偽装ってやつよ!」
いやでもカレン……俺はライの所為で部活の────
「────私がスヴェンに告白してスヴェンがそれをオーケーした形にすれば私もしつこい男子からの告白を断れるしスバルも部活の手助けを断れる
カレン、天才か。
「なるほど……その手があったか。」
「ッ! い、良いでしょう?!」
「だが良いのか、カレン?」
「へ?」
「周りを騙すとなると、更に一緒に行動することになるが────」
「────全然問題ナッシングのオッケー。」
「そうか。」
この提案を受け取ったら確かにハードなスケジュールを断る理由にはなるし、カレンの助けにもなるメリットがある。
偽装だしな。
デメリットは……学園の男たちからのヘイトをさらに俺が買うぐらいか?
……別に大きなデメリットは見当たらない。
「なら、するか。」
「へ。」
「その公式カップルの偽装ってやつを。」
「たらいまぁ~……」
「おかえりなさいませ、カレンお嬢様……大丈夫ですか?」
時間はスバルが提案を受けた後であり、カレンはおぼつかない足取りと『心ここにあらず』と言った様子でシュタットフェルト家の屋敷に戻っていた。
「らいじょうぶ、れす……つかれたからねる~。」
玄関へ出迎えに来た執事の横をそのまま素通りしては自室へと入ってはベッドの上に文字通りに倒れ、顔を枕に埋めた。
「…………………………………………………………………………………………………………………………(『ねぇスヴェン? 恋人にならない?』ってどういうことなの私ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!)」
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ!!!
「(そりゃそんなこと言ったらスバルもびっくりしちゃうわよね?!)」
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ!!!
「(もっと言い方って物があるじゃない?! もっとこう……あれよ! あれ! あれあれあれあれ! うあぁぁぁぁぁぁぁ! 恥ずかしいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!)」
カレンはバタつかせていた足を止め、寝返りをしてはボーっとしたまま天井を見上げる。
「フリだけれど……『私』なんかで良いのかな?」
…………
………
……
…
暫定首都を本国の東京へと黒の騎士団及び一緒に逃げてきた日本人を移住……否、帰還させる企画の書類を一人の男────ディートハルトが苦々しい表情を浮かべながら見ていた。
『日本人を帰還させ、首都を東京へと移す』と言葉にすればスラスラと簡単にでるが実際問題およそ100万人プラス黒の騎士団をつい最近までブリタニアの植民地化が進んでいた土地に移動させるのは本来、年単位で復興工事やインフラの立ち直しなども並列して行う大掛かりなモノである。
しかしゼロから渡された書類には約一年を想定したものだった。
「ゼロ、いくらなんでもこのペースは早急すぎるのでは?」
「黒の騎士団、及び
「それだけではありません。 この企画には、見間違いでなければブリタニアからの協力も────」
「────『英雄皇女』のマリーベルは一人の皇族が持っていい戦力を軽く凌駕する艦隊を所有している。 それに艦はどれも足が速いもので、彼女は我々に借りがある。 物資や人の輸送だけなどの簡単な運びならば数隻を数か月間借りるだけで事足りる。」
「……」
「つい最近まで敵対していた者たちと肩を並べるのがそこまでいやか、ディートハルト? 」
「一つ良いですか、ゼロ?」
「なんだね?」
「例の、マリーベル皇女と契約を結んでいた傭兵団の生き残りですが……僅かばかりとはいえかなり優秀と聞いています。 野放しにするのですか?」
「……あの者たちは『アク』が強すぎる。 この島に残した方が良いだろう。」
「そうですか。 それでは早速、この企画を担当の者たちにも伝えてきます。」
「……不服か?」
立ち上がり、退室するところのディートハルトの背中にゼロが上記の言葉を投げかけるとディートハルトは一瞬動きを止めて振り返る。
「ブリタニアの内戦により帝国は弱体化、更には今まで政に出てこなかった皇族が代理として皇帝の座に居座っています。 このまま待てばいずれ回復しますが?」
「ならば超合集国の基盤も整えてからだ。 今でこそ黒の騎士団と合衆国日本と中華を中心に動かせているが皇帝のおかげで結束力はガタガタだ。 それより戦を再開する大義名分が────」
「────大義名分ならどうとでもできます。 ゼロの命令さえあれば────」
「────くどいぞ、ディートハルト。 今の我々に戦争、ましてや侵略をする余裕などない。」
「……失礼しました。」
「それと遅くなったが、例のプロパガンダ映像は流石と言いようしかない。 よくやった、ディートハルト。」
「では、私はこれで。」
ようやくゼロの執務室から出たディートハルトは廊下を、胸奥でくすぶっていたイラつきを表情に出さないまま歩きながら考えを走らせていた。
「(ゼロ、貴方は本当に前と同じゼロですか?)」
彼が思い浮かべるのは去年の出来事であった。
クロヴィスを撃ったのは自分だと大衆にまで宣言し、枢木スザクのリンチショーを自分のアピールへと違和感なく変えたゼロの『特ダネ』。
河口湖ホテルジャック事件時、ゼロの話術により『コーネリア』という難問を突破し、人質の救助及び黒の騎士団を設立するという『演説』。
そして行政特区での、分かりやすい『悪』をしたて上げる為に作りだした『ブリタニアによる一方的な虐殺』。
「(彼の数々の所業は決して他人を思いやるものでは無かった。 まるでボードゲーム上の駒を人に例えて動かし、利用できるものは骨の髄まで利用し、使えなくなった者たちは道具のように有効活用し使い捨てる。 あの時は素晴らしかった。
初めて会った時など私の出身やお膳立てなどを一切気にせず、『ただ知りたいのは役に立つ存在か否か』と冷たい声で語りかけて来たときは直感した。 『一人が組織を作り、国家を打倒し、いずれ世界に君臨できる新しい時代を見られるのでは』と。)」
ディートハルトは足を止め、近くの窓の外を見る。
「(それが今では他人の事を考慮し、『情を利用する』のではなくあまつさえ『共感』するとは……やはり例のスバル────いや、ネモの影響だからか? 火が吹くような忙しさだとしてもあの変わり様はなんだ?
気が晴れた気分にでもなったのか、ディートハルトは微笑を浮かべた。
「(それよりもジルクスタン王国だ。 最近の王国は戦争がないにもかかわらず、動きが活発に────)」
後にこの選択が彼の運命を確実なものとするのだが……それは、あと少し先の話である。
カオス(駄文)でごめんなさい……
後書きEXTRA:
アヤノ:う~……
アキト:服の事なら気にするな。
アヤノ:ごめんね、アキト……せっかく学生気分に戻れたのに……
アキト:やっぱりアヤノは可愛いな。
アリス:私は一体何チャンネルの昼ドラを見ているのかしら?
マリーベル:仲が良いですね♪
ライラ:仲良しなのです!