小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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いつも以上に長くてカオスで視点が変わる話です。

挿絵もかなり出ています。

あと来週(16日の週)に出張が控えておりますので、23日の投稿は難しい状況です。

ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。 m(_ _)m

6/8/2025 7:40:
後半のスーツがマーヤの強化スーツから発生したものだと毒島が言うセリフを追記しました。


第313話 仕事のボーナス() (挿絵)

 スヴェンが『教師』としてアッシュフォード学園のスタッフに加わった日からずっと続く悶々とした気持ちの正体を探っていた。

 

 しかしながら、全く見当もつかない日々が過ぎて他の者に聞く勇気をようやく出せたアンジュは身近にいて、口が堅く、かつ人生経験が豊かそうな知人()()に屋上にある庭園に呼んで相談していた。

 

「それは多分、『嫉妬』という奴ではないか?」

 

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「嫉妬じゃないか?」

 

 「『嫉妬』。」

 

「せ、せめて『ヤキモチ』ってオブラートに言おうよ……」

 

 「『やきもち』。」

 

 唖然としながらアンジュは平然どころかいつもみたいに気を張っていない毒島(無事に帰学中)、複雑な顔をするヴィレッタ(勤務中)、そして先の二人に対して苦笑するアンナ(スニーキング学生生活中)の言葉を復唱した。

 

「アンナのいう『おぶらーと』では回りくど過ぎて、相手によっては意味を失くしかねないからな。」

「教師になってから、ズバッと言った方がいい時がある。 今もその時だ。」

「ええぇぇぇぇ……そうかな? クロエやヒルダは別に困らないって言うけど?」

「それは二人が君の元で長らく働いているからだ。」

「俗にいう、『勝手知ったる』ということだ。」

「う~ん……言われてみれば、そうかも?」

 

 アンナは毒島とヴィレッタの言ったことに心当たりがあるのか、一瞬考えるそぶりを見てから同意する。

 

「(嫉妬? 私が? 誰に────って聞くまでもないよね……え? え? え? ……え。)」

 

 

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 その間、アンジュは全く遠慮なしで自分の感じている感情を言われてより一層意識してしまった。

 

 そしてまるでそれと連鎖するかのように、青い空が雲によって陰りが増えた同時刻────

 

 

 


 

 

「────スヴェン、水臭いぞこの野郎!!」

「急に『スヴェンなら卒業したよ?』ってミレイ会長────じゃなくて先生に言われてどれだけ皆焦ったと思う?」

 

 う~ん。

 

 ご尤もと思うが、(スヴェン)は敢えてこういい返そう。

 

「はっはっは。 ちょっとしたサプライズですよ。」

 

「カレンは知っていたの?」

 

「う、ううん。 私も今朝初めて知った。」

 

「時期的に丁度良かったので。」

 

「「せめて何か言うとかあったじゃん/じゃない?!」」

 

 安定のリヴァルとシャーリーの反応が久しぶりに感じる!

 

「まぁ……ライカの事情()ありましたから。」

 

「スヴェン。」

 

 おお?

 ちょっとご機嫌斜めな雰囲気のルルーシュがいる。

 何か気に障ったことでもしたか、俺?

 

「なんだルルーシュ?」

 

「それだと、お前の実家────ハンセン家に関係しているということに聞こえるが?」

 

 ギクッ。

 

「ええ、まぁ……」

 

 どうしよう。

 確かにこの数日間、色々と動いていたがどうやって説明しよう?

 

 現在、俺は何重にも重ねた生活を送っている。

『学生』、『情報屋』、『ネモ』、『整備士』、『自治領主』、エトセトラと数は多い。

 

 だからまずは簡単な『学生』から変えることにした。

 

 学生の身分だと、一日の一定数時間は拘束されてしまうからな。

 ルルーシュはエルという影武者がいるからいいが、俺の場合はそうもいかない。

『ライカを俺の代わりに』と思って試したが……カレンがギクシャクする上に、一般常識とかが抜けているので色々な意味でアウトだった。

 

 あとライカはリアル女性なのでリアルシュゼットの話題がまた浮かびかねない。

 

 シンデレラの姉役に女装して全力で『高飛車令嬢』を演じた結果、『シュゼット』を探す事務所とか出て来たからな。

 

 で、久しぶりに前のイベントで『シュゼット』として出てきたものの、中等部と高等部の女性陣のおかげで噂は学園内のとどまったが今度は『女装してくれ』とか『彼女のふりをしてくれ』とか『お姉様になって!』とかの頼みが殺到したからな……

 

 というかライカが『シュゼット』としてくれば……

 

「?」

 

 いや、余計にダメだろう。

 

 っと、脱線したな。

 

 まず『教師』のことだが、一見すれば『学生』以上に時間のなさそうな身分だが、ミレイとヴィレッタたちの力添えで条件付きにした。

 

『本業』……と言っていいのかどうか怪しいが、ともかく蓬莱共和政府の自治領主が一番おろそかにできない事案なので、『教師』と言っても専任の教授ではなく授業科目のみを担当する非常勤講師(ひじょうきんこうし)として学園に身を置くことにした。

 

 こうすれば『スヴェン』として社会に不慣れなライカの面倒も見れるし、まだ学生であるカレンたちの近くに居られ、そして機密情報局の設備を使ってレイラ経由で自治領主の勤務も並行で行える。

 

 ……本当に彼女たちには頭が上がらないな────

 

「────おーい、スヴェン?」

 

 おっとリヴァルの声が。

 

 また脱線兼現実逃避をしてしまった。

 

 どうやってハンセン家を説明しようか……

 シャーリーたちだけならともかく、ここにはルルーシュに()()()も────

 

「────ま、大方アレだろう? 面倒見がいいお前の事だから()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、とか。」

 

 はぇ?

 

「ああー、なるほどー。」

「確かに、スヴェンのやりそうなことだよなぁー。」

「……」

 

 ルルーシュが呆れ顔と共に肩を竦めながらスラスラとそれっぽいことを言うとシャーリーとリヴァルが納得する様に頷き、ミレイは何とも言えない顔をしながら目を逸らした。

 

 正直助かったけれど……何でだろう?

 いや、今はその話に乗るしかない!

 

「アッハッハッハ、実はそうなんですよ。 卒業してからすぐに実家へ里帰りを兼ねた訪問をしに行っただけですが……まぁ、色々あって『二度と戻ってくるな』という勢いで追い出されましたよ。」

 

「「「え。」」」

 

「ですので腹いせと言いますか……私生児(しせいじ)として蔑ろにされていたライカを連れ帰り、職に就くために早く卒業してわけですよ。」

 

「うわぁ……スヴェン、お前も苦労しているんだな。」

 

「リヴァルも人気が出て声がかかっているじゃないか、企業とか────」

「────つっても、ほとんどがマイナーなモトクロスに関してだぜ────?」

「────それだけじゃなく、女子生徒からもと聞いていますよ────?」

「────いや……その……」

 

 ふ、俺は知っているんだぞリヴァル。

 

 お前を残念な二枚目から脱するために頑張らせた副産物として、『貴族』に憧れを持つ女性から声がかかっていることをな。

 

 そしてどれだけ言い寄られても、どうにかしてやんわりとアプローチを受けつつも親しい間柄に発展しない絶妙な加減のある人付き合いで『ミレイ一途』を未だに貫いていることには敬意を表するがな。

 

 その反面、ちょっと羨ましい気持ちもあるが。

 

 それにモトクロスがマイナーな理由は主に戦争とかの所為で治安が悪く、山賊とか追いはぎが出没するからだ。

 

 それも時期に無くなるだろうからその選り取り見取りな立ち位置代わってくれ、リヴァル。

 

 「ま、ロイド伯爵から声掛けがあったのは驚いたけれどねぇ~。」

 

「その筋は本当に迷惑をかけました、ミレイさん。」

 

「いいのいいの! ちょっとびっくりしただけよ♪」

 

 ちなみに俺はともかく、シュタットフェルト家がライカの後見人として付くのは怪しいのでロイドに話を持ち掛けたら『じゃあ島の技術顧問主任に!』って問答無用で返された。

 

 アスプルンド家と言えば貴族社会でも『変人だが科学に関しては右に出る者はない』で伝わっているから、『ミルビル夫婦の後になる副主任なら~』と返事をしたら『じゃああの装甲を舐めさせて!』という条件をすぐに突き返してきた。

 

『VPSを舐める』ってどれだけだよ。

 

 その場にいたセシルもドン引きだったぞ。

 

 原作でも十分『変人』だったけれど、もうここまでくると『奇人』と呼ぶほかない。

 

「「「……」」」

 

 ん?

 

 カレンとミレイとルルーシュがなんだか物思いにふけっているような気がする。

 

「えっと……大丈夫なの?」

 

「ん? 何がだ、マーヤ?」

 

「いえ、私の杞憂で終わるのならいいのだけれど……引く手あまたになるのでは?」

 

「そうだな。 ここまでくると、お前は本当に何でもありのように思えるからな。」

 

「ルルーシュには言われたくありませんね────」

「────ふ、褒めるな。」

 

 照れるなよルルーシュ。

 

「しかし『講師』か……『今』だからできた力業だな。」

 

 あ、やっぱりルルーシュもそう思う?

 

 これがブリタニアだったら無理だったが、フレイヤミサイル群とダモクレス事件と日本返還があったからこそ合衆国日本はバタついているから、こういう()()()()()とかに対する目が緩んでいる間に済ませれば何とかなる。

 

 ま、気楽にやるさ。

 

「…………………………」

 

 てかライカ、ここに来てからずっっっっっっっと黙ったままなんだが?

 

「何だ?」

 

「いや、何も。」

 

「そうか。」

 

 スゴイデジャヴ感を感じるのだが、気のせいか?

 

「……」

 

 視線を感じてみると目と目がかち合い、なるほどと納得する。

 

 アーニャに似ているのか、ライカは。

 

「……」

 

「何でしょうかアーニャ?」

 

「……」

 

 先ほど彼女と目が合うと言ったが、アーニャの視線が俺の目ではなくその手前にある『何か』へと向けられていることに気づく。

 

「ああ、眼鏡ですか? 夜遅くまで勉学に────」

「────ダウト。」

 

 秒で見破られた?!

 う~む、流石最年少ラウンズ入りしただけあって、洞察力が高い。

 

「まぁ、()()ありましたからね。 『目の疲れが取れていないのに無茶をした』で納得していただければ。」

 

「そう。」

 

「「………………………………………………」」

 

 いや本当に何なの、アーニャ?

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「先生! ちょっとここ聞いていいですか?!」

「ちょっと! 列の最後尾はあっちでしてよ?!」

「補習はいつやるのですか?!」

 

 『気楽にやるさ』と言った過去の俺を殴りたい。

 

 なにこれ?

 

 なんなのこれ?

 

 俺、確かに『非常勤講師』になったはずだよね?

 

 だと言うのに何で俺への相談や補習とか人が来るんだ?

 

 明らかに予想オーバーなんだが。

 

 何の罰ゲームだよ?!

 

 という訳で高等部の生徒が少なくなる放課後の直前にクラブハウスに来たのだが、中等部にとってこの時間帯はもう部活動が始まる時間。

 

 つまりアリスとライラ達には無関係な話で、彼女たちがクラブハウスに居てもおかしくはないのだ。

 

 ちなみにカレンたちは交代で補習を受けている。

 あとは部活に入っていないライカもここに居たが元気いっぱいなライラに窓際へと連れられ、今では二人とも窓から外の様子を見ているから人がいつもより少ない。

 

 「何故だ……こんな……こんなはずじゃ……」

 

 にも関わらず、思わず愚痴をこぼしてしまうほどに参っていると、ここで自白しよう。

 

「ちょっと、大丈夫?」

 

 そしてクラブハウスの生徒会室内のテーブルに突っ伏していた俺にアリスが声をかけてきたということは、そうとう酷い顔をしているんだな今の俺は。

 

「……」

 

「な、何よ?」

 

「いや、お前が俺の心配をするとは正直、思っていなかった────」

 「────どう言う意味────?」

「────そのままだが?」

 

「はぁぁぁぁぁぁ……」

 

 アリスはジト目から呆れ顔に変わり、テーブルの向かい側からズイッと顔を近づかせる。

 

 お目目、大きいなぁ~。

 

 こうして見ると、手が出やすい動作とかを直せればアリスも成長したらきっとコードギアス世界でも有数の美人になるだろうなぁ~。

 

 話し方と短気な所もアリスの魅力とも思える俺も俺だが。

 

 にしてもこうして前のめりになった今だから見えるが……年齢の割に胸があるな、こいつ(アリス)

 

 そう言えば『ナイトメア・オブ・ナナリー』の設定によると78㎝だったよな。

 リアルだと『そこそこ』に部類するがどこもかしこも発育が良すぎるコードギアスの世界からすると……これ以上はやめておこう。

 

「あんたバカぁ~?」

 

 

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『ア〇カ』が『アリス』から出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 これまで近いハプニングはあったが、こうまでモロにマッチングしたことは────

 

「────あんた今、しょうもないことを考えていない?」

 

「…そんなことはないぞ。」

 

「あ、そ。」

 

 この顔……さてはアリス、俺を疑っているな?

 

 俺のポーカーフェイス、崩れていた?

 そもそもお前もカレンのように勘が鋭くなっていないか?

 

 イメージカラーが同じ『赤』だけに。

 

「ま、いいわ。 それよりも、『自分の現状が意味不明』って考えていない?」

 

「何故わかった。」

 

「勘。」

 

 アリスよ、お前もしかしておニューで『キュピーン』な人種入りを果たしたのか?

 

「スヴェンさ、クラスで爆弾発言をしたよね?」

 

「爆弾宣言?」

 

「ほら、アレよ。 『彼女います~』ってやつ。」

 

 あー、あれね。

 あのまま匂わせて、ゆくゆくはカレン────

 

「────その所為で今までアンタや、アンタとして変装したライカが声をかけた女性全員が『もしかして自分かな?』って勘違いしてなりふり構わず声をかけるようになったのよ?」

 

 「エ。」

 

 それはちょっとというか……かなりマズイ。

 

 俺だけが声をかけた女性たちならいざ知らず、ライカはルルーシュに変装した咲世子さん並みに右から左へと声をかけまくっていたから相当な数に膨れ上がるぞ。

 

「アンタさぁ……たまに考えているようで考えていない行き当たりばったりなソレ(虚勢)、止めた方がいいわよ?」

 

 う。

 ごもっともです……

 

「……そうだな、忠告ありがとうアリス。」

 

 ナデナデナデ。

 

「ちょ、ちょっと! 急に撫でないでよ?! ……もう……

 

 あー、そう考えたら憂鬱な気分になってくる~。

 気圧かな?

 窓の外もなんだか暗くなってきたし。

 

「……通り雨かな?」

 

「は?」

 

 テーブルに突っ伏したまま首を回して外を見ていた俺の視線をアリスが辿ると、灰色の雲が日光を遮って徐々に暗くなっていく外を見る。

 

「よく気が付いたわね。」

 

「雨になると眠くなる。」

 

「体質?」

 

「ああ……気も滅入る。」

 

「ま、それだけじゃないわよ。 髪もぼさぼさになるから私ぐらい長いとセットするのが大変になるわ。」

 

「分かる。 カレンのハネッ毛も元はと言えばしつこくて直しにくい寝癖をヘアスタイルに組み込んだ結果だからな。 その点で言えば、アリスの猫毛っぽい髪は櫛を二、三回ほど優しく通せば自然なウェーブに変えられそうだ。」

 

「……な、なんか複雑。」

 

「そうか? 『雨が好き』って言う奴らよりはマシだと思うが?」

 

 眠くなるし、洗濯物は乾きにくくなるし、いつも以上に寂しい気分になるし。

 

分かる。 気が滅入らずにそう言う人って大抵の場合、根暗か憂鬱か腹黒な人が相場と決まって────」

 「────ふおおおおおお! 雨が降ってきたですー!」

 

「「え。」」

 

 俺とアリスが同時に声のした方向を見ると、目からキラキラした星を出す勢いで実に楽しそう&ご機嫌な表情で雨が降りだす様子を窓越しに見ていたライラがいた。

 

「「うん。」」

 

 そして彼女の隣には無表情のライカ&アーニャがいた。

 

 でもライラの言い方……

 いや、まさかなぁ。

 

 取り敢えず確認はするか。

 

「ライラさん、雨はそれほど感激するほどですか?」

 

「だって雨に濡れた風景ってどこか風情があると思いませんです、スヴェン先輩?!」

 

「「……」」

 

『風情』ってかなり通なことを言うな、ライラは。

『流石は芸術派であるクロヴィスの妹』ってか?

 

「……『雨が好きな人って────』」

「『────根暗や憂鬱か腹黒な人』……」

 

「フンフフーン♪」

「「……」」

「あーめ♪ あーめ♪ 雨雨あーめ、あーめ♪」

「「……あーめ。」」

 

 

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 歌まじりにダンスステップで弾むライラはその対極に位置するしなぁ。

 ライカとアーニャも該当しないし。

 

 あとライラの周りだけがキラキラしているような……気のせいだろうか?

 

 それとも単純にライカとアーニャが棒読みながらも彼女の真似をしているからか?

 

「酸性雨~♪」

「さんせいうー。」

 

「「え。」」

 

「うっなれ、雷♪ ゲッリゲッリラ~雨~♪」

「ゲリラ雨ー。」

 

「「……………………………………」」

 

「ふぇ? 固まってどうしたです二人とも?」

 

 

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「「いや……『物騒な歌詞だな』って。」」

 

「即興曲です!」

 

「「へぇー。」」

 

 バタン!

 

 ドアが勢いよく開かれ、ズカズカと一直線に俺のいるところへとアンジュが歩いてくる。

 

「……」

 

 そして口を開けては閉めるを繰り返し、プルプルと震えながらビシッと指を指してくる。

 

「あ、貴方は明日! 暇?! 暇よね?! 暇ね?!

 

 これ、去年というかアンジュが転入して来たときにもあった様な気がする。

 

 ミレイの誤解が無くなってアンジュが襲われそうになったところを助けた翌日、一人で初めて買い物に出る時に声をかけられていたな。

 

 

……

………

…………

 

『急にシャツを掴んでどうしたアンジュ?』

 

『あ、貴方は明日暇ですか? 暇ですわよね?! 暇でよくって?!』

 

『え────』

『────貴方には私の買い物に付き合える名誉を与えます!』

 

『……“名誉”?』

 

『光栄に思いなさい! 滅多にないでしょう?!』

 

 

 

…………

………

……

 

 

 

「明日か、確かに休日だが────」

「────ちょちょちょちょちょちょっと話があるの! 時間を貸してくれる?!」

 

 挙動不審だけど目が結構本気だな。

 

「時間はどのぐらいだ?」

 

「え?! えっと……一日……いえ、半日でいいわ!」

 

「そうか。 時間は────」

「────時間は後で伝えるわ! そ、それじゃ!」

 

 嵐のように突然来ては去るアンジュはそのまま回れ右をしてクラブハウスを後にする。

 

「……えぇぇぇぇ……」

「アンジュ先輩、どうしたと思うですアリス?」

「嘘だー。」

「アリス?」

 

 目からハイライトを消すその気持ち、俺にもわかるぞ。

 

 トットット。

 

 そんな俺の様子を見ていたアーニャが一直線に近づき────

 

 ゲシッ!

 

「グッ?!」

 

 ────俺の足を無言で蹴っては何事もなかったようにそのまま去っていく。

 

 ……いや、本当にどうしたんだろ?

 

 地味~に鈍痛として痛いんだが。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 次の日、予定を空けてアンジュから来たメッセージで指定された場所に指定された時間より早めに来た俺を()()は待っていた。

 

「い、意外と早かったわね。」

 

 白いうなじを強調する黒のカーディガン。

 すらりと伸びた長い足をよりよく見栄えさせるような大きめのレース飾りをしたフリル付きのワンピース。

 手持ち鞄に、歩くことに支障をあまりきたさないヒール低めのパンプス。

 

 

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 『淑女。』

 

 その言葉でしか表現しようがない程な服装をしたアンジュがそこにいた。

 

「……何か言ったら?」

 

 おっと、ジッと見過ぎていたか。

 

「ああ、すまない。 魅入っていた、やっぱり綺麗だな。」

 

「『やっぱり』って────」

「────いや、普段は『可愛い』のだが今の服装も相まってより洗礼された『綺麗だな』と言う意味だ。」

 

「え。」

 

 ふうー、危ない危ない。

 またも言葉足らずになりそうだった。

 

「あ、ありがとう……」

 

 よし、罵倒されなかったのでオーケー!

 

「それと朝ごはんは大丈夫か?」

 

「……食べてきた。」

 

「そうか。 『話がある』と言っていたな?」

 

「あ、うん……ちょっと今日は付き合ってくれない?」

 

「ああ、いいだろう。」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 場所は遊園地、クロヴィスランドである。

 

「そこだぁぁぁぁぁ! ぶっ飛ばせぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 ドガシャァン!

 

『おおおっと、マシーンヘッズのサラがカウンターを食らったぁぁぁぁぁ! 二周目でクラッシュしたぁぁぁぁー!』

 

 クロヴィスランド内で、成人した者たちでも楽しめる施設に設置された大きな画面とスピーカーからKMFリーグ用のプライウェンが盛大に大破する景色と音がアナウンサーの言葉と共に発される。

 

 一瞬『どこの闘技場だ』と言いたくなったが……『コロッセオ』というか『都会にある大人のオアシス』と勝手に内心で思いながらグッとこらえた。

 

「チッ!」

 

 先ほど『淑女という言葉がアンジュに似合う』と俺は言ったな?

 すまんが、あれは嘘だったようだ。

 

 隣には舌打ちを打ったアンジュが、むしゃくしゃする気持ちからか先ほど大量に買った馬券を素手で力任せに引き千切っていく。

 

「全然ダメじゃない、あの評論家の予想!」

 

 何だろう……

 

 完全にド素人が午後に見た井〇さんの予想をそのまま信じ切って競馬場に来ては手持ち金を全部予想されていた馬券に注ぎ込んだ挙句に予想が見事なまでに全部外れたことに癇癪を起すおっさんがダブって見えるような気がする。*1

 

「アンジュの『話』というのは競馬の事か?」

 

 残念ながら俺はあまり賭け事に投じた経験はあまりない。

 見るのは面白いが、身に覚えが無いからな多分前世でも賭けはしたことが無いと思う。

 

「……ハッ?! いや、違うの! ごめん、セントラルハレースタジアムで興味があったからつい……」

 

『つい』で使う金額じゃなかったが、まぁいいか。

 

「それで話というのは────?」

「────貴方はメリーゴーラウンドって乗ったことある?!」

 

「ないが────」

「────じゃあ乗りましょうよ!」

 

 そこからグイグイとアンジュによって手が引かれ、馬ではなく丁度二人が横並びで乗れるオープン式のカブリオレを模した乗り物に乗る。

 

「子供の頃以来だから懐かしいなぁ~。」

 

「そうなのか?」

 

「だって大きくなったら、なんだか一人で乗るのに抵抗を感じるじゃん。」

 

「アンジュでもそうなるのは意外だな。」

 

「『(アンジュ)でも』ってどう言う意味?」

 

「だってお前、馬術部が顔負けするぐらいの腕前で乗馬が大好きで学園でもかっ飛ばしているじゃないか。」

 

「……い、意外と見ているのね。」

 

 アンジュのおかげで、俺が馬術部の相手をしなくなったからな。

 

 それにしてもアンジュの奴、香水でもつけているのかな?

 花畑の匂いがする……

 

 そこからはまた別の乗り物に乗ったり、アトラクションにも参加した。

 

『しおらしいアンジュ』なんて調子が狂うかと思ったら、逆だった。

 

 俺が何もせずとも、アンジュは年相応かそれ以上に明るく振る舞ったりして一緒に居て苦にならなかった。

 

 

 

 

 

「ああ、楽しかった!」

 

 そうこうしている間に時間を忘れるぐらいになり、太陽が沈みかけるところでクロヴィスランド内でも人気が低めで人気が無い公園エリアまで歩き、アンジュが上記の言葉を発しながら腕を伸ばしていた。

 

「スヴェンはどう?」

 

「一言で表すのなら……そうだな、その通りだ。」

 

「そっかそっか♪」

 

『楽しい。』

 

 複雑な感情や思惑を勘繰る考えなどは浮かばず、ただ単純に『楽しい』。

 

「しかし、アンジュがこんなことをするなんて珍しいな。」

 

「あんた最近、思い詰めるような空気だったからさ?」

 

「え?」

 

「最近は貴族制度とか世間体とかより一層に気にしている感じだし、こういう気分転換いるかなって。」

 

 ああ、そうか。

 アンジュも猫を被っていたから気づいた……のかな?

 

「……」

 

「なに?」

 

「いや、楽しかったよアンジュ。 ありがとう。」

 

「そ、それでさ……『話』の事なんだけど……」

 

「ああ。」

 

 そう言えば結局聞いていなかったな。

 というか忘れていた。

 

 

 


 

 

「そ、それでさ……『話』の事なんだけど……」

 

「ああ。」

 

 アンジュはようやく()()に入ったことで、今までの興奮は一気に『緊張』へと転じた。

 

 彼女はこの頃感じていた『違和感』を嫉妬心────それも『好意から来る嫉妬心』と気づかされてから悩みに悩んだ。

 

 対象は勿論、スヴェンである。

 

 箱入りで高飛車な上、お世辞にも『良い振る舞い』をしてこなかった『アンジュリーゼ』を、スヴェンは何の見返りも期待せずにただサポートしてくれたのがきっかけだった。

 

 初めは彼を警戒していたが共にいる時間と、彼が他人と接する際に起こした行動は全てスヴェンの利になるものとは言い難かった。

 

 人間は現実を生きているおかげか『聖人君子』からは程遠く、大なり小なり常に己個人への損得(自分ファースト)を先に考えてから行動を起こす生き物である。

 

 気付いたとしても、助けられるとしても、その結果への自己納得が少ないと感じれば意識的、あるいは無意識的に見て見ぬふり(脳内処理)をする。

 

 無論、慈悲や奉仕活動を行うものもいるが自分が損するだけでもそれを続けるのはごく少数で主にそれらは何らかへの償いなどが多い。

 

 しかし、スヴェンの言動は完全に『他人の為』であった。

 

 否、そう考えなければ意味不明なものも出てしまうのでそう考えなければ辻褄が合わないのだ。

 

 少なくともアンジュからすればスヴェンは誰にでもよく接し、困っている者がいて自分が助けられる位置にいるならば全力で助け、その後も何があっても気にかけてくれる。

 

 例え助けた者が過去に酷い仕打ちをスヴェン自身にしたとしても。

 

「えっと……その……た……大した、ことじゃ……」

 

 そんな彼を、アンジュは自分が好意を持っていることに気付いたのは彼が『元気になったカレンと一緒に良く居る』という噂が────否、それより前にスヴェンの周りで彼に好意を持っている節がある女性が現れるようになってからだった。

 

 それも、秀才でスヴェンの人助けに役立つ技能を持つ者ばかり。

 

 アンジュが指揮能力があるかどうかは別として、戦術や策略などは物資や人手その他諸々が足りないwZERO部隊をブリタニアとユーロブリタニアを相手にしていた『レイラ・マルカル』がいる。

 

 それでも『知り合って長いから』と思ってもその立ち位置には既にカレンと毒島がいて、二人は類稀な身体能力を持つだけでなくそれをKMFの操縦で一騎当千の力が出せる上、スヴェンのデザインした機体の能力もほぼフルに出せる技量の持ち主。

 

『整備』や『技術者』でもアンナ・クレマンや彼女の助手であるクロエやヒルダ、熱心にミルビル夫婦と共にスヴェンから話を聞くマリエル・ラビエ。

 

 などなどなどなどと、例を挙げ続ければ多くなるのだがその中でもアンジュからすればスヴェンにとって彼のカレンに対する接し方は特別に見えた。

 

 それはまるで、ヒロイン(カレン)英雄(スヴェン)かのようだった。

 

 結果、彼女がたどり着いた考えは────

 

「(────ああああ、もぉぉぉぉぉ! 口籠るな私! 気持ちを伝えて! すっぱりと断られるんでしょう?!)」

 

 アンジュの拍動は興奮していた時よりさらに一際大きくなっていく。

 

「あの……あのね…… (カレンを応援して! 二人が結ばれてハッピーエンドでしょうが?!)」

 

 上がっていく心拍数に釣られ、頭部全体の血管がまるで熱を帯びるかのように熱くなる。

 

「私……私! (ええい! 時間がたつほどに深い傷になる前に! ちゃんとフラれて前を向けるようにするだけでしょうが?!)」

 

 ようやく意を決した頃に、アンジュは顔や耳だけでなく目の周りが熱くなったと同時に声を出した。

 

「私! 貴方が好き! (あれ?)」

 

「……」

 

 「貴方がカレンの事を好きだってわかるし、私なんかサエコ(冴子)やレイラたちに比べて全然なのも分かるけれど、その後でも良いから私を見て! (あっるええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????)」

 

 アンジュは予想していたことと全く違う言葉がスラスラと自分の口から出ていること、そしてスヴェンの顔が固まったことに気が付かないほどに内心に困惑した。

 

 「諦めようとしたけれど好きなの! (ちょっと待って違うでしょうが余計な言葉付け足すな『その後でも良いから私を見て』ってどういうこと────)」

「────……────」

「────身勝手なのは分かるけれど、やっぱり貴方じゃなきゃダメなの────! (あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ストップストップストップストップ! ほら見なさいスヴェンが困っているじゃないそんなつもりはないのにぃぃぃぃ!!!)」

「────……────」

 「────ずっと見てとか我儘は言わないから! たまにでも良いから、私も見てよ! (もう……もう黙れ私……)」

 

 

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「あの……あのね……私……私! 貴方が好き!」

 

 え。

 

 「貴方がカレンの事を好きだってわかるし、私なんかサエコ(冴子)やレイラたちに比べて全然なのも分かるけれど、その後でも良いから私を見て!」

 

 何が起きている?

 

 目の前にはプルプル震えながら涙目のアンジュで、さっきまでの楽しい空気が木っ端みじんにされるほどの気合と言葉が彼女から出ている。

 

 スキ?

 スキー?

 雪も降っていないし、山でもない。

 

 いや、その『スキ』じゃなくて恐らく好意を示す方の『好き』だろ。

 

 誰が?

 アンジュが?

 

 誰に?

 彼女の目の前にいる俺を?

 

 ……スバルスキー?*2

 

 「諦めようとしたけれど好きなの! 身勝手なのは分かるけれど、やっぱり貴方じゃなきゃダメなの! ずっと見てとか我儘は言わないから! たまにでも良いから、私も見てよ!」

 

「………………」

 

 息継ぎもせずにここまで言葉を並べ続けたアンジュは言い終えると荒い呼吸をしながらただ必死に泣くことを我慢しようと気丈に振る舞っている。

 

 恐らく……いや、十中八九本気なんだな。

 

 ここまで好意を露わにされるのは正直びっくりだ。

 

 だが……

 

 俺にそんな────

 

 「────よくぞ言ったアンジュ!」

 

 そんなアンジュに対して俺が口を開けた瞬間頭上から声がした直後に、声の主と思われる女性が近くの木から飛び降りる。

 

「え? サエコ?! ……なに、その服装?」

 

「咲世子殿からの『あいであ』をマーヤの提案した『れおたーど式パイロットスーツ』に組み込んだ潜入スーツだ!」

 

 木の上から降りてきた毒島はアンジュに聞かれると、高らかに返事をしながらどや顔を披露する。

 

 

【挿絵表示】

 

 

『常識』なんていう枠を超える斬新なデザインに合理(?)的な形、ボディラインがはっきりとさせてムンムンなエロスを強調するフォルム。

 

 どこからどう見ても対〇忍スーツです。

 ありがとうございます。

 というか何時から『â〇e(アー〇ュ)』から『Li〇〇TH(リ〇ス)』に?

 

 いや、そもそもコードギアスだから『サ〇ラ〇ズ』であって『â〇e(アー〇ュ)』も俺が冗談というか癒しというか気のまぐれで毒島をリアル冥〇たんみたいな髪型で和んだ挙句、戦〇機モドキとエロい上に実用性があるパイロットスーツの開発をして急にレオタード式試作型強化スーツなんてものが────

 

 ────ガコッ────

 

「────ええ。 イノシシ女にしてはかなり躊躇していたので一時はどうなるかと。」

 

 ゴミ箱の中からマーヤ君がコンニチハをヲヲをヲヲ?!

 

「い、イノシシ女はちょっと言い過ぎと思いますけれど。」

「確かに言い過ぎだよね?!」

「そう?」

 

 今度は近くの茂みからレイラとカレンとマオ(女)が?!

 

「おおおおお! 昼ドラみたいです!」

「いやまぁ……その通りなんだけれど現実に起きないから『ドラマ』なのに……」

 

 何故にライラにアリスもここに……

 

「……」

 

 あと無口なライカもかよ。

 

 わぁぁ! 団体さまのお着きだぁぁぁ! (山〇康〇風ボイス)

 

 というかこんな大勢の人に尾行されていたのか俺たちは?!

 ガードが緩すぎた?!

 

 『大』どころか『ノーガード』……

 

「ちょ?! ちょちょちょちょちょちょちょちょっと待ってサエコ?! ああああああアンタはそれで良いの?!」

 

 ショックから再起動したな、アンジュ。

 

「うん? 神楽耶様はよく言っていたぞ? 『英雄色を好む』とな。」

 

 あー、確かに言っていたな。

 R2でカレンと自分をからかおうとしたC.C.に対して『愛人なんて構わない~』とかなんとか。

 

 …………………………ンンンンンンンンソンンンンンンンンンンンン????

 

 まさかとは思うが……()()()()()()なのか?

 

「ッ?! じゃ、じゃあレイラたちはどうなのよ?!」

 

「えっと……EUでも一夫多妻は認められていますから────」

「────良いの?! じゃ、じゃあカレンは?!」

 

「え?」

 

「カレンは嫌じゃないの?!」

 

「う、う~ん……一人の女性としては嫌だし浮気は論外だけれど、その……私の所為で周りの皆が悲しむのはもっと嫌かな?」

 

 「本当にカレンはそれでいいの?!」

 

「それじゃあ、アンジュは諦める?」

 

 「やだ。」

 

「………………………………」

 

「という訳だスバル。 少なくとも君の事を思う女性が一人だけではないとこれで分かっただろうか?」

 

「………………………………………………………………」

 

「「「「「スバル/スヴェン/シュバールさん/神様?」」」」」

 

 

 ……

 ……

 ……

 

 

 

 いや、心の奥底か脳の端っこでどこかなんとなくは分かってはいたんだけどさ『普通は誰か特定の一人を選ぶ』というかそういう理論観が庶民というか余程の高位貴族とか特殊な条件に位置する立場の人でなければメジャーでなくて二股とかハーレムとかはロマンだけれど同時に悩みの種どころかドロドロの闇鍋に爆発物を混入する様な胃の痛くなる案件だから正直ルルーシュが108人の女性と付き合う地獄を見てから特にどれだけバランスを取るのかが非現実的にきついのか分かっていたけれど実際はカレンだけでなくレイラや毒島やマーヤや皆のことも放置するどころか逃げていましたのでこれは完全に俺が悪いですあんな告白を寄りにもよってアンジュにさせるなんて俺は幸せ者であると同時にダメダメな奴の自覚が膨らんでくると同じくらい『一人以上と付き合える』ことに嬉しい気持ちと幸せが押し寄せてきて死ぬかも誰か助けて────

 

 

 

 


 

 

 

【挿絵表示】

 

 

「「「────っていう感じに混乱している感じよ/ね/ですね、アレは。」」」

 

 怒涛の出来事で思わずその場でうずくまっては大量の汗を拭きだしながら頭を抱えて悶々と考え事をするスヴェンの様子をカレン、アリス、マーヤの三人が周りの者たちに呆れながら、あるいは解説者のように語っていた。

 

「……」

 

「ど、どうしたのライラ?」

 

「アリスちゃん、スヴェン先輩の考えていることがはっきりと分かるです?」

 

 ギクッ。

 

「たたたたたたたたたたたまたまよ! た・ま・た・ま! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

「アンジュ先輩のような笑い方で面白いです!」

 

「ング!」

 

 ライラの他意のない言葉にアンジュは精神的ダメージを負った。

 

「でも、シュバールさんが混乱するのも無理はないかと……」

 

「そうは言うがレイラ、このくらいしないとスバルは他の事に没頭しかねないぞ? それはそれで寂しくないか?」

 

「ええ、まぁ……」

 

「はぁ……そんな話、私にとってはどうでもいいがな────?」

 

 毒島がいた木とは別の木の上から器用に他でもないC.C.が降りてくると一直線に未だに頭を抱えているスヴェンへと歩き、彼は反射的に身構える。

 

「────私を()()()()にしたんだ、責任は取ってもらうぞ!」

 

「「「「「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………え。」」」」」

 

 そしてスヴェンの目を見ながら自分の下腹部を両手で覆ってから口を開けたC.C.の言葉に、その場にいた誰もが目を点にした。

 

「????」

 

無論、『約一名(ライラ)を除いて』だが。

 

 無論、C.C.の『こんな体』とは『死が訪れない身体』と言う意味なのだが彼女の言葉足らずな言動はどこからどう見ても()()にしか見えない。

 

「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 しかし色々と立て続けにそんな考えまで至らなかったスヴェンは変な姿勢のまま、C.C.の言葉と仕草にポーカーフェイスが()()()崩れたそうな。

 

 

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*1
初見でいったい何人が井〇さんネタが分かるんだろう…… (汗

*2
ありがとうございますぬま沼さん! 名前のアイデアを採用しました!




(腹筋)バスターコール、発令。
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