小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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第50話 修羅場(意味深)を全力で回避 2

『今日は、わが弟クロヴィスが設立した“クロヴィスランド”が無事────』

 

 紫色のクリスクロスビキニ(+サーベル型銃を腰に)を身にまとったコーネリアが凛々しく気取るも頬を紅潮させながら落成式の演説を行っていた。

 

 クロヴィスの暗殺未遂もあり、誰もがまさか『ブリタニアの魔女』と呼ばれている彼女本人が来るとは思わず、目を疑いながらも照れるその姿に注目していた。

 

 彼女の横にはニコニコとし、照れる姉を『可愛らしい』と思いながらと同じく布地が少なめのバンドゥビキニの上に薄透明なエプロンドレスを身にまとっていたユーフェミアの姿も関係していたかもしれない。

 

 なにせ彼女もコーネリアの姉妹だけあってかなり整っているのだ。 いろいろと。

 

 そしてコーネリアを挟んで反対側には、仏頂面をした赤と黄色が混ざったサーフパンツを着たギルフォードと赤いブーメランのダールトン。

 この二人の肉体美に、独身である貴族の女性たちが注目したのは言うまでもない。

 

 男女双方に注目をひく『美』で本来はそれほど愛国心が高くない者たちでもコーネリアたちがいるステージに大半の者は見入る。

 

 数名の例外を除いて。

 

 「(コーネリアッッ!)」

 

 その一人はもちろん、コードギアスの主人公であるルルーシュ。

 

 彼やナナリーはミレイの気配りでコーネリアたちから生徒会の皆と一緒に少し離れた場所にギリギリ目視できるところまで下がっていた。

 

 可能性は低いとはいえ、皇族同士で彼の正体がバレる可能性があったからだ。

 

「(まさかクロヴィスが撃たれ、黒の騎士団の活動が活性化しているのに白昼堂々と演説を軽装備(水着)で(招待制とはいえ)民衆の前で行うとはな! 思っていたよりかなりの自信家だな、コーネリア!)」

 

 ルルーシュのいつになく真剣な空気と気迫に、シャーリーが近くにいるミレイに話しかける。

 

「ね、ねぇ会長? ルルがなんか、今にでも襲いそうな感じで総督を見ているのだけれど────?」

「────ま、まぁ……あんなにご立派なスタイルを、堂々と見せつけられちゃね~?」

 

 なお余談だがミレイが生徒会の────否、アッシュフォード学園の学生の中でも群を抜いてかなりの良いプロポーション持ちなのだが、その彼女でさえ『総督(コーネリア)に勝てる気がしなかった』とだけここに付け足そう。

 

「そ、それでスザクはどうなの? 一男子として?」

 

「へ?! ボ、僕?! えっと……そう、ですね?」

 

 ミレイが近くにいたスザクに声をかけると彼が気まずそうに濁した答えをする。

 

「そんなにコーネリア様はご立派なのですか、アリスちゃん?」

 

「バインバインのボインボインですよナナリー!」

 

 更にナナリーは近くにいたはずのアリスに話しかけると、代わりにライブラの声が返ってきたことでハテナマークを浮かべる。

 

「あれ、ライブラさん? アリスちゃんは?」

 

「さっきまで居ましたけれど、なんか“急用が出来た”って────あ、()()()()()()()今帰ってきたです!」

 

「スヴェンさんと?」

 

「うん……あれ?」

 

「どうしたんですか?」

 

「何故かアリスがスヴェン先輩の上着を羽織っているです。」

 

「前から言い争うほど、仲が良かったお二人ですし……何かあったのでしょうか?」

 

 そんなことを言っているナナリーにライブラは『ムムム』とし、ルルーシュは悶々とありとあらゆる作戦と戦術のシミュレーションを脳内で行う。

 

「(ここにはカレンがいる────いやダメだ、コーネリアならナイトメアを近くに待機させてもおかしくない! なにせ水着にサーベル銃を身に着けるほどだ! 

 黒の騎士団に連絡を取って外部から攻め込んで────それもだめだ! 『正義』の大義名分が疑われるし、何よりここにはナナリーがいる! 巻き込まれる可能性がある以上ダメだ! 

 ええい、クソ! 事前に情報があれば────そうだ! ここにはスヴェンがいる! 奴にゼロとして連絡を取って金を積めば、陽動ぐらい受け持つはずだ!)」

 

 肝心のスヴェンだが、毒島たちと会って『クロヴィスランドで総督と副総督自ら演説を行う』という情報を聞いてからルルーシュたちを探し、フルパワーの『ザ・スピード』で動いていたアリスに近くの茂みに(無理やり)連れ込まれて焦っている彼女から『名誉外人部隊(イレギュラーズ)が警護任務として来ている!』ことも伝わっていた。

 

 それはつまりマッド大佐(クソハゲ)も来ているということで、『アリス(人造ギアスユーザー)現状(外見)を見れば異常事態(CC細胞の中和)に気付いてしまう』恐れがある。

 

 ゆえにスヴェンは彼女に上着を貸していた。

 

 そこに他意はなく、純粋に『彼女のことがバレる』ということは己の危機(停戦条約違反)に直結するということで今度はスヴェンがマオ(女)(元イレギュラーズ)含む毒島たちもウォーターパークに来ていることをアリスに伝えた。

 

 「なんでやねん。」

 「奇遇だな、俺もそう思っていた。」

 

 普段の(『学生』でも『兵士』としての)アリスからは想像もつかない言葉にスヴェンは即時に同意を口にした。

 

「だけどこれは好都合ね。 上手く連携すれば、この事態を円滑に何事もなく乗り越えられる。」

 

「ああ。 毒島たちの連絡先を教えよう。」

 

 意外なところで二人の意見は一致し、それを互いに口にしたのだが二人ともそんなことに気付く余裕もなかった。

 

 そして色々と重なってしまえば一気にカオス(戦場)へとなりかねないこの場を乗り切る為、二人(+毒島たち)は力を合わせることとなった。

 

「(このままじゃ『ライブラが実はライラ・ラ・ブリタニア』ということがバレてしまう可能性が! 

 いやそれ以前にやっとCC細胞の呪縛から解放される活路がこんな偶然で無くなるなんてナンセンスよ! サンチアやルクレティアなら協力してくれるし非常にありがたいけれどダルクは……こういうのは『戦力外』と思っていいわね。 あの子、素直すぎだし。 

 それに私のことを黙ってくれているけれどあのクソハゲ(マッド)に見られたらマズイ! どうしてナナリーとお揃いのこんな水着にしちゃったのよ私ぃぃぃぃぃ?!

 あーもー! やっぱりこいつ(スヴェン)と居るとロクなことが起きないしイライラするわ!)」

 

 アリスはどうやってこの様々な勢力が集結してしまった『闇鍋一触即発パーティ』を乗り切るか頭をフル回転で動かし、ルルーシュの出していた半端ない殺気がサンチアの『ジ・オド』に引っ掛かったことでハンドサインが送られていたことに気付く。

 

『その男、並々ならぬ殺気。 排除対象か?』

『排除ダメ、絶対! 私の任務対象の友人で最悪潜入がバレるからNO(ノー)!』

 

「アリス、どうしたですか?」

 

「へぁ?! あ、あははははは! は、は、蜂がいたような! ウァハハハハハハ!」

 

 アリスが必死にサンチアにハンドサインしていたのを誤魔化す為に、彼女はライブラを見ながら適当に手を振る。

 だがそれをハンドサインと思っていたサンチアは()()()()()()に行動を起こす。

 

「(毒島たちのコーネリアたちにアリスのチームたちにスザクたちにルルーシュたち……

 ウワァ。 オレ、ココニイタクナイナァ。 癒しを求めたのに何このごった煮カオス闇鍋パーティ? 

 危うし俺の胃ダレカタシケテ。 タダイマ土壇場ライブ中に超ピンチでゴザルヨ。)」

 

 対するスヴェンは思考放棄気味になりながら、せめてもの思い出作りの為に原作では拝められなかったコーネリアやユーフェミアの水着姿を焼き付けようとした。

 

「(ウォッホ♡ 大胆な水着に美女はええ文明よのぉ~♪ ミレイさんもいいけれど────のああああいででででででで?!)」

 

 そこに何故か近くに立っていたカレンがスヴェンの脇腹を思いっきりつまんだ。

 

 「な、なんですかお嬢様? 痛いのですが────?」

 「────アンタ、なんか変なことを考えていたでしょ?」

 

 ギクッ。

 

 「……いえそのようなことは決してございません。 どうしてそう思いになられたのですか?」

 

 「勘。」

 

「(勘?! 勘……だと? 野生の勘か! マジでゴリラかよ?! いや、さすが熱血ヒロイン(カレン)ってか?!)」

 

 皆が抜群のプロポーションを誇るコーネリア(たち)に釘付けられたまま、次第に演説は終わりを告げると各々の者たちが行動に出た。

 

「なななナナリーにライブラさん! あっちの人工波付きのプールに行かない?!(あれだけの人混みならば多少の目くらましにはなる! はず!)」

 

 ツインテールから普段はしないサイドテールにヘアスタイルを変え、未だにスヴェンの上着を羽織るアリスが隠れる場所のない流れるプールから人の多い場所へと誘導を試みる。

 

「波付きですか……」

 

「私とライブラがナナリーのそばにいるから! ね? ね?!」

 

「なんだか面白そうです~!」

 

「では、お言葉に甘えて────」

「(────ホッ、これで何とか────)」

「────じゃあ俺もナナリーの傍にいようかな?」

 

「あ、お兄様!」

 

「(ぬぅわにぃぃぃぃぃぃぃぃ?!)」

 

「こうした所は久しぶりだからね。 いいかな?(心配なんだ。)

 

 アリスがホッとしたのも束の間、思わぬ伏兵(ルルーシュ)が同行しようとしたことに焦る。

 

「(冗談じゃないわよ! ルルーシュ先輩は目立ち過ぎで逆効果!) ええっと……私とライブラがついていますから、ルルーシュ先輩はシャーリー先輩と一緒にいた方がいいのでは?」

 

「??? なんで?」

 

 「(ウワァ……)」

 

 ルルーシュのキョトンとした表情と無数に頭上に浮かべるハテナマークにアリスが思わずシャーリーに同情してしまう。

 

「(そんなことをしていたら、ナナリーが運悪く彼女を知っているブリタニアの者に見つかっていたら何もできない!)」

 

 なおアリスはルルーシュやナナリーがライブラと同じ皇族、しかも『死亡扱いされている』ということは知らなかった。

 

 知っていれば彼女(アリス)(ルルーシュ)もお互いを『妨害ではない』と理解した上で立ち回れていたかも知れないが、今はスヴェンの方を見てみようと思う。

 

 

 

 


 

 

 

「じゃああっち側まで競争ねカレン!」

 

「その勝負、受けて立つわシャーリー!」

 

 ええのぉ~♡。

 

 俺は(とても病弱とは思えない)カレンの泳ぎでシャーリーの対抗心に火がついた二人をプールサイドから見て楽しんでいた。

 

「す、すごいわねカレンって……」

 

「う、うん……本当にあれで病弱なの、スヴェン?」

 

 流れるプールから帰ってきたミレイとニーナが水泳部のシャーリーといい勝負をするカレンから視線を俺に移す。

 

「ええ。 水の中であれば効率的な泳ぎ方次第で、誰もが速くなれる上体への負担も比較的に軽いので病弱であるお嬢様には前から泳ぎを教えています。」

 

 オープニングの初日だし、知り合いは他にいないからこれでいいだろ。

 逆に留美さん(カレンママ)が居たら天然で『そうなのよ~、子供のカレンったら川を見たら服を脱いで“泳ぐ!”って言っていたものねぇ~』とか言いそうだけれど。

 

「ほっほぅ~? それって『()()()()()()』とかかしら?」

 

 な~んか言い方が……

 ま、いっか。

 

「ええ、まぁ……『世話係』も兼ねているので、そうなりますね。」

 

 実際は同い年でいい競争相手が他にいなかっただけなんだけれど。

 

Wow(わお)♡」

 

 「手取り足取り……はわわわわ……」

 

 ???

 なんで二人とも赤くなるの?

 

 ……あ、もしかしていやらしいことを────

 

 パゴン!

 

「────ブッ?!」

 

「「きゃ?!」」

 

 突然俺の横顔を何かが猛烈なスピードであたり、思わず星が散る視界が暗くなりながら必死に気を失わないように意識を気合で引き留める。

 

 な、なんだったんだ? 今のは?

 

 『私の勝ちー!』

 

 『……ハ?! し、しまった?! 勝負中だった!』

 

「ボール?」

 

「えっと、水球用のみたいだけれど……一体どこから?」

 

 イテテテテ。 ジンジンする。

 マジ痛い。

 

「うわ~……スヴェン、ナースステーション行く?」

 

「頬っぺた、赤くなっているよ?」

 

「あ、アハハハハハハ。 そうですね、氷か何かをもらってきます。」

 

 あと荷物の預けた所に寄るか。

 胃薬のほかに持って来て良かったよ。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「フゥ~。」

 

 そう思いながら氷を入手して歩いていると視線を感じる。

 

「???」

 

 そっち方面を見るとさっきコーネリアが演説していたステージの上で見た顔に傷をつけたゴツイ奴と目が合う。

 

 ええっと……確か『アンドレアス・ダールトン』だよな?

 多くの戦災孤児を養子にして鍛えて二期で活躍した『グラストンナイツ』の?

 あとブリタニア人とは思えないほど凄く良い人の?

 

「よぉ、少年!」

 

 え? ナンデ?

 

 貴方は同じく顔に傷跡付けたどこぞの『砂漠のトラ』の親戚か?

 

 あとなんでモーゼスのように自然と人が道を開けてくれる奴が俺の肩に手をポンポンと置くんだ?!

 

 俺、何かしたっけ?

 

「いやぁ~、こうしてみると鍛えているのがわかるな少年よ! それに周囲への視線の察知もかなり鋭いと来た! ……うん! 別の状況下と場所であるのならば良かったが……ああすまんな! 私は『アンドレアス・ダールトン』だ! 一応ブリタニアの将軍だが、気楽にしてくれ!」

 

 知っています……とは言えない。

 

「ええっと、初めまして? 私は────」

「────あと悪いな、少年。 俺個人としては応援してやりたいのだが、これでも命令されている身でな?」

 

 え。 何を?

 このキラキラまぶしいまでの笑顔でナニヲ?

 ナニヲ?

 

 そう思っているとダールトンが耳にかけた通信機に指を添える。

 

「こちらダールトン。 『例の奴』らしき少年を見かけた。」

 

 「なんで?!」

 

 

 

 


 

 別の場所ではコーネリアは耳に付けていた通信機に、独自の部隊である周波数からダールトンの言葉を聞いてゆっくりと立ち上がってサーベル型の銃を再び装着する。

 

「でかしたぞダールトン。 ユフィここにいてくれ。 ギルフォードは私と来い、害虫駆除だ。

 

「えっと? お姉様? それならば相応の者を呼べば良いのでは?」

 

 ユーフェミアがパチクリと瞬きをしてコーネリアがVIP用の休憩所から出ようとするのを見ていると、彼女から自分に渡された『騎士候補』の本に挟まれていた紙が出ていたことに気付く。

 

「(あれ? この似顔絵……折りたたんでいましたよね、私? それにこの跡、まるで誰かが強く握ったような────)────はわぁ?! お姉様、これは違いますぅぅぅぅ!!!」

 

 ユーフェミアも慌ててコーネリアの後を追おうとするが、時すでに遅し。

 

 姿は見えず、彼女はがむしゃらにただ歩き出す。

 

「(どうしましょう! このままでは、お姉様にあの少年に似た者、あるいは本人が危険です!)」

 

「あ、ゆf────ユーフェミア皇女殿下。 どうかなされたのですか?」

 

「枢木スザク准尉! 副総督としてお願いしたいことがあるのです! この者を保護して、私の所に連れてきてください!」

 

 そこに巡回中のスザクと会った彼女はこれ幸いにと似顔絵を彼に見せる。

 

「あれ? これってスヴェン君じゃ────」

 「────知り合いですか?! 今彼の身に危険が迫っているのです!」

 

「き、危険?! どういうことですか────?!」

 

 ────スザクは自分の手を握ってパァッっと笑顔になるユーフェミアに戸惑いながらも、ユーフェミアの憶測ではあるがコーネリアが本気だという気迫だったことからすぐに行動へと移った。




スヴェン、生死を掛けた鬼ごっこスタートです。 (;´ω`)φ..イジイジ

余談ですが本当はもっと長くなっていたのをちょっと前倒しにしました。

でないとストーリーが蛇足になって進まない気がしたので。 (;´・_・`)

あ、水着回はこれだけではないですとだけ言っておきます! (´・ω・。)

その時はキャスティングが更に多くなっていると思います。 (;´∀`)
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