全て活力剤と励みとしてありがたくいただいております!
楽しんでいただければ幸いです!
「いや~アッハッハッハ! ごめんよ
「僕のクラブもぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
ブリタニア軍の浮遊航空艦、『アヴァロン』の中でロイドの悲痛に満ちた叫びが格納庫で
彼のランスロットが
なお満面の笑顔のセシルが『人情を教えて差し上げましょうか?』で今度は『アヴァロン』の動力源に支障が出来ていたと聞いた彼は頭を抱えながら発狂しそうな勢いで『ブレイズルミナスを遠距離武器が貫通ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ?!』と顔をゆがませながら頭を抱えて叫んだそうな。
セシルと急遽修理のために着陸したアヴァロンに収納されたランスロット・クラブから降りたノネットはちゃっかりロイドの顔芸(?)を写真に収めたとか。
そしてやっと動力源の修理が終わったとロイドが思えばノネットの『あ、実は』で今度はスバルの『試作型蒼天』と対峙し、エナジー切れ寸前で戦線離脱をするしかなかったランスロット・クラブが今までのランスロット以上にボロボロの状態で帰ってきたことにロイドはまたも発狂しそうだった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛?!?!?!」
「そ、それじゃ! 私はちょいと他の野暮用も出来たからあとはセシルよろしく!」
「エニアグラム卿?!」
「ぁぁぁぁあああああああぁぁぁああああああぁぁ……」
今度は脱力しそうなロイドからノネットはすぐに離れ、あの後に移動して別の島に着陸したアヴァロンから出ては洞窟のような穴の近くにある岩場で、ロイドを待っている様子のシュナイゼルと彼らの側近がいるところまで歩く。
「おや? エニアグラム卿、ロイドは?」
「中で
涼しげな笑みを浮かべるシュナイゼルの前でノネットは片膝をついて頭を下げる。
確かにラウンズは皇帝直属であるが、シュナイゼルは帝国第二皇子であると共に帝国宰相。 実際にブリタニアを動かしている男だった。
「それはまた……手酷くやられたようだね?」
「相手も同等のダメージかそれ以上を与えられました。 ですが次はございません。」
ノネットはチラッと横目で見ると洞窟内部の様子を伺う。
壁に彫られた紋章や天井を支える柱はどこか『神殿』を思わせるような作りの遺跡らしく、本来なら照明や記録媒体が置かれてもおかしくはないのだがその場には似つかわしくないモノがノネットの注意をさらに引き付けた。
「(デカいな……新型のナイトメアか?)」
彼女が見たのは従来のナイトメアより1.5倍ほどの大きさである黒ずくめのナイトメアがあまたのケーブルに接続されて電子機器に繋がっていた状態だった。
「貴方ってやっぱり周りの
シュナイゼルの近くにいた中性的で整った顔立ちをした美男子────カノン・マルディーニが女性語でノネットに喋りかける。
「相変わらずの武術ぶりね……社交の方はどうかしら?」
特別翻訳:相変わらずの脳筋ぶり……だから行き遅れるのよ、旦那は見つかったの?
「(昔は全然違ったのに……やっぱり慣れねぇ~。)」
ちなみに彼とノネットは昔馴染みであり、まるで女子力に無頓着なノネットの分も補うかのようにカノンは美容に気を遣って化粧も(嫌がる)ノネットなどに勧める光景は珍しくもない。
「これでも騎士なんだ、職業病と思ってくれ。 そっちこそ毎日美容品をチェックしているのか?」
特別翻訳:それが騎士なんだほっとけ。 そっちこそ相変わらず淑女みたいなことを欠かしていないのだろう?
「あら、私のこれもあなたの言う“職業病”よ? ああ、あなたの場合は “趣味”の言い間違いかしら??」
特別翻訳: これは趣味の範囲よ。 でもアンタの場合は度を越えている。
「おほほほほほ。」
「ハッハッハッハ。」
特別翻訳(双方):ぐぬぬぬぬぬ!
「やはりエニアグラム卿も気になりますか?」
二人の
「“気にならない”と言えば嘘になります、シュナイゼル殿下。」
「あれは『ガウェイン』と言う新型のナイトメアフレームだ。 まだ開発中なのだが『とある機能』を頼りに私が無理を言って取り寄せた。 そして最終調整をロイドにさせるために持ってきたのはいいのだが……」
そこでシュナイゼルの近くにいた元クロヴィス付きのガマガエルおじさんバトレー将軍がイラつきを露にしながら口を開ける。
「だというのになんなのだあの技術者は?! 我が君が遠路はるばる来ているというのに“先に自分の子を診るぅぅぅぅ!”などとほざきおって!」
バトレーはクロヴィス暗殺未遂の責任を問われ、本国で処罰を受けそうになったがシュナイゼルによって復権し、彼の指揮下で働いていた。
「良いんだ、バトレー。 ロイドのアレは今に始まったことではないからね。」
「(アレで済ませるのはどうかと思うのだけれど……口にしても意味が無いわね。)」
カノンは内心でため息をしながらユーフェミアの捜索チームからの吉報を待つ。
『(もし
…………
………
……
…
「よし。 思ったより土器がちゃんと出来ているな。」
俺は先日の内に作っておいた土器に水を入れて漏れや粘土が崩れないか見てから満足そうに言ってポカンとするスザクとカレンへ振り返る。
「「どうやって作った/のよ?!」」
「??? どうって、簡単だぞ?」
所謂あれだ。 縄文式土器だ。
1、 粘土の形を整える
2、 焚き火で乾かしながら表面を焼いていく
3、 炭を中に入れて燻る灰の中に埋める
4、 上手に焼けました~♪
それだけ。 マジで。
一人だったら無理だがこっちは四人、交替すればかなり効率よく動ける。
「ね、言ったでしょルクレティア?」
なんだそのジト目かつドヤ顔は
器用なことをするな、お前は。
「……アリスちゃんの言っていた意味がちゃんと分かったような気がします。」
あと
食器は流石に無理だが、皿や丼ぐらいは簡単だぞ?
『耐久性に難アリ』が多いけどさ?
特に
余談であるがスヴェンは生き残るため、一時は『無人島に逃げて一人でコードギアスをやり過ごす』ことを視野に入れて様々なものに手を出していた。
結局、ナオトにずるずると反ブリタニアレジスタンスへ堂々と引きずりこまれてその計画は断念しつつあったが。
「(あの時が懐かしいなぁ~。 んでナオトさんに手先が器用なことを知られてそのまま整備などさせられたけれど……)」
そう思いながらチクチクとする胸を可能な限り無視し、皿の上に焼いたキノコや魚の身に果物をジャム状にしたものを和えて丼にはカニと魚と先日獲って煮込んだ海藻と(海水を蒸発した)塩の味付けスープを皆に分けていく。
とてもサバイバルの状況下とは思えない御馳走の前に、スザクとカレンが喉をゴクリと鳴らす。
気持ちはとても分かるとも。
ライダースーツにヘルメットをしたアンジュが土器を受け取り、皆がいる輪から少し離れた茂みに行き、俺もヘルメットを取って(森乃モード仮面越しにだが)新鮮な空気を吸い込む。
「ふぅ……」
「ッ。」
俺とアンジュリーゼの様子を見ていたスザクが気まずく視線を外す。
まぁ……俺の
あの天然で言った『これってどういうことかな?』の後、アリスとのアドリブで以下のような流れに出来た:
• アリスとルクレティアは見ての通りブリタニアの徴兵部隊で、先の戦いで恐らく『死亡』か『反逆罪』で記録を抹消されている。 願望は『静かに暮らすこと』で軍に戻る気はない(これはあながち嘘では無い)
• 俺は確かに毒島と昔藤堂の道場で出会った『噂の昴』で、俺とアンジュリーゼは黒の騎士団の裏方役を
『理由? それは────?』
『────こう言うことだ。』
そう言いながら勢いよくヘルメットを取り、対
俺、前に言ったよね確か?
『特殊メイクだ*1』って?
まぁ……取り敢えずスザクが動揺している間に畳みかける!
『見ての通り、日本侵略後にブリタニアの駐屯兵たちの面白半分の冗談でこうなった。
スザクは頷く。
『それに緊急時だから』と言葉を足すが、流石にこれで俺やアンジュの周りを嗅ぎまわることはしない筈だ。
あとこの休戦状態も維持してくれるだろう。
ん? 『日本侵略をスザクに使ったのは卑怯』、だと?
知るか! 生身で機関銃付きカメラを通路の天井からけり落とすような
それに大怪我でもさせたらルルーシュに俺が雑巾に使われるか狩られてから抹殺されるわ!
あとはと言えば、何故かこっそりと一人になった俺についてきたカレンが目をウルウルさせたまま『手を俺の顔に近付かせては離れる』という行動を繰り返したことか?
だからこれって本当の傷跡じゃなくて『特殊メイクだ』って言ったよね、俺?
それを思い出させるために『特殊(メイク)だと言ったのをもう忘れたのかお前?』と言ったらハッとして思い出したのか、今度は俯いた彼女から
超痛かった。
あと“なんでやねん” と“腰を痛めたのなら何でフルパワーパンチをする?” と言いたかった。
そのあとのカレンはやっぱり出したパンチの反動が腰に響いたのか、『グォォォ……』って唸りながら腰を押さえて四つん這いになるし。
……………………………………よし、やるか。
その夜、焚き火の番を交代して
「(『日本侵略後』、か。)」
彼が思い浮かぶのは昼間、拷問や拷問にも似た仕打ちをブリタニア軍にされた昴のことだった。
勿論、彼がカレンに言ったようにあれは
「(僕は……俺は────ん?)」
そのとき、付近に声がしてくると思った彼は頭上から来るそれ等に集中する。
声の持ち主は今日の昼、散々『裏切り者』と呼ばれた紅月カレンだとすぐに分かった。
「ちょ、ちょっと?! やめなさいよ!」
「俺は止まらない。」
そしてもう一人はつい先ほど思い浮かべていた、カレンに『昴』と呼ばれた男性だった。
「こ、この! こっちが動けないからって────!」
「────暴れるな。」
そこで昼間、スザクは自分に披露した本気で怒鳴っているカレンの声色がまた聞こえてきたことから嫌な予感がするのだが、『まさか』と疑いながらも更に神経を集中するとカレンと昴、そしてもう一人が彼女のそばにいることを直感的に感じる。
「(ま、まさか────?)」
「────押さえろ────」
「────ちょ、ちょっとやめてよ────ぐぁ?!」
『ドシ』っと、体が地面の
「よし、そのままだ────」
「────放して────!」
「────始めるぞ────」
「────あ、ちょっと待っ────あッ♡」
このやり取りでバッチリとスザクの目は覚め、瞼を『バチッ!』と開けると目の前には顔を赤くさせて同じように目が覚めたらしい様子のアリスがいた。
「や、止め────くっ?!」
「声を出すな。」
「む、無理────ん?!♡」
「フム。 ここか────?」
「────ぅぅんんんん────?!♡」
「────それともここか────」
「────はぁん────?!♡」
「「────何をしている/のよ?!」」
会話の声やトーンから想像していた状況で同時に顔が赤くなって叫ぶスザクとアリスが勢い良く立つ勢いで座り上がり、その光景を見て一気に気が抜けていく。
「「……………………ごめん、本当に何をしている/のかしら?」」
二人が見たのはライダースーツのアンジュ(ヘルメットの代わりにミイラ女のように包帯を目以外にグルグル巻き)がうつ伏せに転がされたカレンの腕を押さえ、昴がカレンの背中に乗りながら彼女の腰を指先で押している場面。
「“何をしている”って……見ての通りマッサージだが?」
余談だがカレンの顔は糸目になりながら
『昴の位置からは彼女の様子は見えなかった』、のが救い(?)だった。
「ま、マッサージ────?」
「────ああ、うん。 そうみたい、ね? てっきり……その────」
「──── “てっきり”、なんだアリス?」
「な、なんでもないわ! ね、ね?! 少佐?!」
「お、俺に振るのか?!」
「合わせなさいよ天然!」
「いや、リヴァルもそう言っていたけれど俺って……天然なの?」
「どちらにせよ、なぜお前たち
「「────気のせいだ/よ!」」
「
「「「────え。」」」
「あ、いえ。 何でもないわ。」
ルクレティアの言葉に昴、スザク、アリスが彼女を見て彼女は『オホホ』笑いをしながら濁す。
追記となるが、復活したカレンは昴が身体の上から退くとまたも彼の鳩尾に昼間より威力が増加したキッツイパンチを入れて調子が戻ったことに満足したとか。
アンジュの(無言の)気遣いが昴にとってトドメになりそうだったとか。
そんな静かに悶える昴と彼を無言で慰めるアンジュを横に、カレンがアリスたち三人に開き直る。
大きな青筋をこめかみに上げながらの笑顔を。
「ところでぇ~? 聞いた?」
「「ううん! 全然────!」」
「────聞いたって何を?」
「「少佐のバカ!」」
「え?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! 忘れなさい! 忘れろ! 今すぐに忘れさせる!」
ガシッ。
「どうぞ、
「あ、アリス?!」
ガシッ。
「ごめんなさい少佐。 貴方の犠牲、忘れません。」
「ルクレティアく────ゴハァァァァ?!」
腕を左右がっちり少女に掴まれたスザクの顔をカレンがフルパワーで殴り、気を失った彼をす巻きにする。
合掌。
以前に髪の長い『嚮主』と呼ばれた子供がごろごろしていた場所……と違うような、似たところに聳え立つ建物の中でチューブなどにつながった動かぬ人型のなにかが乗っている台の上へと場は移る。
「…………………………コォー。 19目が、死んだか。」
まるでストローを勢いよく通した、不思議な息の吸い方をした『ソレ』から言葉が発される。
声はまるでデジタル化された、あるいは長らく使っていない声帯が久しぶりに喋るたどたどしいものだった。
「コヒュー……『アレ』の調整を早めろ。」
近くにいた何かが『ソレ』の言葉を了承するように頷き、ずるずると部屋から出ていく。