小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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第58話 まさかのカムバック

「「「「…………………………」」」」

 

 潜水艦の中で誰もが息を潜めていた。

 

『敵戦艦、空域を通過しました。』

 

「「「「ッブハァァァ~……」」」」

 

 そして艦内放送に言葉でダルク、マーヤ、マオーズ(マ男とマオ(女))が止めていた息を出す。

 

「お前たち、そこまで徹底することは無いぞ。 敵が潜水艦をあぶり出す方法は大まかに三つ。

 ソノブイの水中聴音、または反響定位で探知。

 大雑把に爆雷で面の攻撃をし、被弾の音を辿る。

 最後はポートマンと先の二つを混ぜた作戦だ……それを知っての上で黙っている毒島も人が悪いな。」

 

「フフフ! 息をひそめるのが鬼ごっこをする子供そのままだったようで面白いからな♪」

 

「え~~~~?! そりゃないよぶっちゃん!」

 

「「「ブフッ?!」」」

 

 ダルクが何気なく付けたあだ名に数名が飲んでいたコーヒーやジュースを吹き出しそうになり、毒島本人に至っては顔が引きつっていた。

 

「(我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢! 私は面倒見のいい『お姉さん』、『サブリーダー』、『昴の代役』! 年下相手にムキになることは────落ち着け~、お・ち・つ・く・の・だ~♪)」

 

「しかし……少々心配だな。」

 

「ん? 何がだ、サンチア? 確か、お前の隊はサバイバル経験があるのだろう?」

 

「猫美味しかったね!」

 

 ダルクの言葉に何故かマオ(男)が若干引き、ギプスと包帯が服の一部のようなマオ(女)がピンとくる。

 

「あー、ルクレティアね。」

 

「ああ。 アイツの眠りは深いし、何より寝癖がな……」

 

「うん……最悪……」

 

 さっきまで元気いっぱいだったダルクがボディランゲージも表情も『シュン』としたことで、彼女(ルクレティア)の寝癖の酷さを想像させるには十分だった。

 

「……そ、それよりお前の……『じ・おど』、を使って捜索を続けよう。 昴の作り置きの『中和剤』もあるからな。」

 

「こんなことになるのならルクレティアの代わりにダルクを行かせればよかった……」

 

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「捜索隊すら出せない状況……やはりこれ以上、この海域に留まるのは組織全体が危険に晒される。」

 

「ああ。」

 

「いえ、ここは留まってゼロを捜すべきです! 彼あってこその組織!」

 

「確かに……」

 

 別の黒の騎士団の潜水艦では藤堂と同等で参謀を務める主要メンバーとして新しく加わったブリタニア人で元エリア11トウキョウ租界支局報道局の敏腕プロデューサーだったディートハルト・リートがそれぞれの主張と正論を混ぜた方針を言い出す。

 

 藤堂は『組織全体の生存』。

 ディートハルトは『ゼロあってこその黒の騎士団』。

 そして副リーダーである扇は双方にそれなりの裏付けがあったことでどうにかできないか考えた末に『ブリタニアの警戒網ギリギリ外から時間制限付きの捜索隊を出す』という案で一応その場はまとまった。

 

「(なるほど……これが桐原殿の言っていたことか。 この組織(黒の騎士団)、いかにもブリタニアのように一人の者に()()がかかっている。 それをこのブリタニア人(ディートハルト)、それを意識してからか『ゼロ』という『象徴(シンボル)』さえあれば他はどうでも良い様に物を言っている。 私たちや、自分自身でさえも『替えの効く人手』としか見ていない……

 だから昴君は別に動いているのか? だとしたら、()()からだ? ()()からこの状況を予想していた? もしやナオト君のレジスタンス時からずっと、『整備(裏方役)』に徹していたのはこの為か? ……だとしたら末恐ろしいな。)」

 

 格納庫ではラクシャータがボーっとしながらゲフィオンディスターバを見ながら昨日見たフロートシステムとブレイズルミナスを搭載したアヴァロン、そのアヴァロンの後部ハッチから撃たれた赤いエネルギーの散弾。

 

 そしてそのアヴァロンの防御を貫通し、唯一ダメージを与えた最後の一発が彼女の頭をくるくると回っていた。

 

「なぁ、主任がずっと考え込んでいるんだけれど?」

「まぁ……ライバルのフロートシステムをあれだけ白昼堂々と見せられ付けられたからな。」

「無理もないか。」

 

 

 


 

 

 朝日の陽光が空を照らし始め、森の動物たちがその日を生きる為に覚醒し始める。

 

 無論、その中には()も含まれている。

 

 むしろ(マット)だから寝心地は悪くない筈だが()()()お腹が重く感じられる。

 

 いや……その『何故か』は先日から予想していたがボケていたようだ。

 

 目を開けその重みの正体を見ると案の定、寝息だしながら両手両足でガッチリと俺に抱きつき、頭を胸板に乗せたルクレティアがいた。

 

 ちなみにどれだけ『ガッチリ』かというと、プロレスラーの顔が真っ青なほど。

 

 先日、アリスがこれの餌食になって彼女はルクレティアが自然に起きるまで身動きが取れなかったほど強固なものだった。

 とうとうアリスが『お花を摘み(トイレ)に行きたい』という事から俺とアンジュが力ずくでルクレティアの腕を引きはがそうとした騒動でやっと起き始めたほどマルチーズ(ルクレティア)は意外と力が強い。

 

 さて、どうしたものか?

 

「ふぁぁぁぁぁぁ~。」

 

 今の起き方はカレンか。

 多分、日の明かりで起きてしまったな。

 丁度いい。

 

「カレン、助けてくれ。」

 

「んあぁぁぁ~?」

 

 身体を起こした彼女が俺を見るとギョッとする。

 

「ちょ、ちょっと?! 何よそれ?」

 

「見ての通りだ。」

 

「み、み、見ての通りって────?!」

「────いいから引きはがしてくれ。

 

「ん……ええと? これは……一体どういう事かな?」

 

 スザク、お前もか。

 って、お前は簀巻きにされたままだったな。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

 あの後コードギアスで人間離れした二人の(ちなみにスザクを簀巻きにした縄は切る他なかった)おかげでいとも容易くルクレティアは起こされ、島の散策を彼女メインに再開していた。

 

「えっと────」

「────ふぁ~。」

 

「朝から欠伸か、アリス?」

 

「あの────」

「────誰の所為だと思ってんのよ。」

 

「誰のだ?」

 

「いや、昴さん以外の誰でもないでしょうに……」

 

「ほら、少佐もこう言っているじゃない。」

 

 何でじゃいお前ら。

 

「そ、そろそろ降ろしてくれるかな?」

 

 俺が背中に背負っていたカレンがとうとう声に出してそう頼む。

 

「ほら、腰の痛みはだいぶ引いたし────」

「────ダメだ。 痛み止めはあるが根本的な治療にはなっていない。」

 

「だ、だからって『おんぶ』は無いでしょう?!」

 

「じゃあ横抱きにするか?」

 

「よ、横抱き……(カァァァァ。)」

 

 ん?

 カレンの顔が赤く……熱でもあるのか?

 

「……………………………………」

 

 そしてアンジュ、バイザー越しにでもわかる睨みは止めろ。

 お前のおんぶ時の足取りは『えっちらおっちら』していて、見るからに危な(不安定)すぎる。

 

「横抱きなら……その……いい────

 

「────きゃ?!」

 

 次第に小さくなっていくカレンの声がルクレティアがビックリする声を出しながら転びそうになる。

 

「だ、大丈夫?! ってあれ? こいつ……確か────?」

 

 ────アリスがルクレティアの足をもつらせた『ソレ』が茂みの中へと続いたのを見て茂みをかき分けると全身黒ずくめで明らかな中二病全開にしたマントと仮面────

 

 「「「「────ゼロ?!」」」」

 

 …………………………………………NANDE(何で) KOKONI(ここに) ZEROGAGAGAGAGAGA(ゼロがガガガがが)? ←語彙力低下により変換失敗

 

 ……………………うわぁぁぁぁぁぁぁ!

 え?! なんで?! マジに?!

 

 ユーフェミアと一緒の筈じゃ?!

 えええええええ?

 マジか?

 

 明らかに黙り込む俺たち。

 

 これ、絶対に『ゼロの正体』に関して考え込んでいるヤツだよね?

 どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ────

 

「────衰弱しているようだな。 履いている靴の状態から見て恐らく彷徨っていたのだろう。 カレン、済まないが降りてくれ。 彼を代わりに背負ってベースキャンプに連れ戻す────」

「────ぁ。」

 

 そっとカレンを背中から降ろして、ぐったりとしたゼロ(ルルーシュ)を今度は担ぐ。

 

「昴さん、ゼロの仮面────」

「────枢木スザク。 もし彼が俺たちのような物だった場合、責任を取れるのか?」

 

「……………………」

 

「アリスたちは……そうだな、身を隠せ。 ゼロならばお前たちをスカウトしようとするかも知れない。 ()()()()()()()?」

 

「……そうね。」

 

「カレンとスザクも彼女たちの事を内密に頼む。」

 

「え、ええ。」

「……分かった。」

 

 よし。

 俺の『森乃モード』がこんな風に役立つとは思わなかったが好都合だ。

 それにアリスたちが隠れていれば────

 

「────ん……俺は────」

「────気が付いたか、ゼロ。」

 

 流石に衰弱しても担がれれば目を覚ますか。

 というかかなり弱っているな、『(ゼロ一人称)』じゃなくて『(ルルーシュ一人称)』をするぐらい。

 

「お前は……スバル……か?」

 

「喋るな。 ひとまず拠点に戻る。 あそこに食物の用意はできているからな。」

 

「……………………」

 

 お?

 なんか大人しくなったぞ?

 

 

 


 

 

 ルルーシュはここにいない筈のスバルに背負われたまま弱った体を休ませながら思考をフルに回転させるためにウオーミングアップ(記憶の読み返し)をする。

 

 まず、ラクシャータが合流したことで白兜の行動パターンを完全に把握できたことで白兜をパイロットごと仲間()にする為の作戦はほぼ読み通りに行われた。

 

 式根島にいるブリタニアの駐屯部隊を攻撃し、自分の無頼を囮にしてゲフィオンディスターバの設置場所に誘導。

 

 サクラダイトに干渉された白兜は停止し、パイロットをコックピットから出させることに成功。

 

 あとはギアスで従わせることだったがそこで大きく、とてつもない事実が待っていた。

 

 パイロットは自分がナナリーの騎士にさせようと、自分が心から信じていた唯一の友であるスザクだった。

 

 内心動揺するも、どうにかして口で説得を試みている隙を突かれてスザクに捕らえられ、大量のミサイルが雨のように落ちる直前、スザクに交信が入る。

 

『命を賭してでもゼロをその場に拘束しろ』と実質上の『死ね』という命令だった。

 

 更にスザクの命を蔑ろにする行動を論議していくと更なる事実が判明する。

 

『スザクは前日本首相である枢木ゲンブを殺した』という事実が。

 

 確かに、あの日ナナリーがゲンブの者たちに無理やり連れ去られそうな日の出来事は不可解なことが多かったが……それを考えると腑に落ち、あの日の前は自分勝手なスザクの急変化や今の行動原理などが辻褄が合う。

 

 そんな中、更にユフィがその場に出てしまったことにも驚いたが、あの空を飛ぶ戦艦に新兵器が襲ったことで『絶対に使わない』と思っていた彼にギアスを使ってしまっていた。

 

『生きろ』、と。

 

 そして気が付けば、この島に流れ着いていた。

 

「朝食の残りモノだが────」

「────いや、ありがたく頂こう。」

 

 昨日から何も食べておらず、容赦のない湿気と日光に当たられながらも島を彷徨い、高い位置にある木の実を取ろうとして失敗し、今度は落とし穴を掘ろうとして体力を消耗してしまい、朦朧として意識を失った。

 

 そしてどういう訳か、エリア11に置いてきたはずのイレギュラー()が居た。

 

 ちゃっかりこの島に小屋やむしろなどを構えているどころか、『朝食の残り』と言われて渡されたのは土器に入った具沢山のスープ。

 

『何故ここにいる』。

『何故仮面を取って素性を知ろうとしない』。

『何故カレンとスザクとお前がいる?』。

 

 

 それ等の『何故』は茂みの中へと入って渡された具沢山のスープと魚の燻製を次々と頬張るルルーシュはどれだけ考えても答えは出なかった。

 

 だが一つだけ確かなのは、このままブリタニアに捕まれば今までの全てが水の泡と化すことだった。

 素性もバレ、ナナリーの存在が知られれば外交の道具にされてしまうのは明らか。

 

 ならば隙を見て、逃げ出すしかない。

 

 それにここには丁度、囮にできる人材がいる。

 

 

 


 

 

 そう思ったゼロが食べ終わり、他の者たちが居る場所に戻るとまたとないほどの好条件が出てくる。

 

「ゼロ、実はというとあの方向に人工的な照明らしき光を見た。 疲れているところ済まないが、一緒に見に行かないか? 無論、スザクも一緒にだ。」

 

「(良し、いい機会だ。 こいつ(スバル)にギアスを使えばこちらのもの。 あとはどうやってヘルメットを取らせるかだが、ここにはカレンがいる。) 良いだろう。 黒の騎士団ならば私が出る。 ブリタニアならば枢木スザクが出ると言ったところなのだろう?」

 

「話が早くて助かる。」

 

 内心ほくそ笑むルルーシュは隙をみて、カレンに自分たちをひっそりと尾行するように言うと彼女がポカンとした表情を浮かべる。

 

「どうした、その顔は?」

 

「あ、ううん! 分かったわ! (うわぁ。 昴の言う通りになっちゃったよ、コレ。)」

 

 ゼロとカレンが離れている間、出かける準備をする昴にアリスたちが小声で話し終えたのかアンジュと共に離れていく。

 

「よし、では行くか。」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「「「………………………………」」」

 

 森の中を歩くスバル()、ゼロ、スザクの間に会話なく三人はただ足を動かしていたところにゼロが口を開ける。

 

「スバル、なぜこの島にいる?」

 

「(やっぱり来たか。) ここにいるのはネットで情報が出ていたからだ。」

 

「独断でか? 勝手な行動は本来許されんが……まぁ良いだろう。 (それに彼が居なければ最悪、カレンと出会う前にスザクに捕まっていたのかも知れんしな。)」

 

「(タイミングとしては今しかない。) ゼロ。 一つだけ先人として言っていいか?」

 

「ん? なんだ?」

 

「お前は以前言ったな? 『撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ』と────」

「────無論、覚えているとも────」

「────ならこれも覚えていてくれ。」

 

 スバルは立ち止まり、ヘルメットを取って『森乃モード』のまま仮面越しにあるルルーシュの目を見る。

 

「『真実には2種類ある。 一つは道を照らしだすもの、もう一つは心を温めるもの。

 前者は科学、後者は芸術。

 芸術なき科学は、配管屋に手術用の鉗子を持たせるかのごとく使い道がないもの。

 科学なき芸術は、民俗と感情的ペテンの粗野な混乱だ。』 (『byレイモンド・チャンドラー』、だ。)」

 

「ッ。」

 

 その言葉はルルーシュにとってある意味ショックにも似たもので、彼がヘルメットの下にある『森乃モード』の姿と共に胸の奥深くに刺さり、思わず(初対面と思っている)ルルーシュにギアスの発動を忘れさせるほどだった。

 

「……先を行こう────」

「────待て! 今のはどう言う意味だ?」

 

「……あの新しく入って来たディートハルトとお前のやり取りで思い出した戯言だ。 別に聞き流してもいい。」

 

 スバルはヘルメットをかぶり直し、歩き出すと彼は原作で見た、開けた場所に地面が一枚の岩で出来たような場所にたどり着く。

 

「ここ辺りだったと思うのだが。 (さて、開けた場所にタイミング的にはそろそろ────)」

「────枢木スザク! それに……ゼロ?!」

 

 そこにユーフェミアの声と本人自身が向こう側から姿を現したことにスバルは内心ガッツポーズをする。

 

「(よっしゃー!)」

 

「ッ! カレン!」

 

 ゼロが彼女の名を呼ぶとカレンは近くの茂みからユーフェミアを背後から拘束する。

 

「な?! は、放しなさい! 私を誰だと────!」

「────うるさいよ、お飾り姫!」

 

「(わお。 生の『お飾り姫』。)」

 

「んな?! 私は────!」

「────ユフィ?! ゼロ、君は────!」

「────さぁ枢木スザク! 私たちと来てもらおうか! スバル! 枢木スザクを拘束────」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ!

 

「────な、なんだ?」

 

「地震?」

 

 突然足元が赤く輝きだしながら揺れる。

 スバルたちの乗っていた岩盤がゆったりと下がり始めるが途中で支えていた柱は崩れて一気に下の空洞へと落ちていく。

 

「うひゃあぁぁぁ?! ってク、枢木少佐?! それにゼロ?!」

 

 ゼロたちが声の方を見るとロイドとバトレーがすぐに目についた。

 

「(おおおおお。 生ロイドだ。 ヒョロヒョロしてんなぁ~。)」

 

 そうのほほんと考えていたスバルが次に見るのは────

 

「(────シュナイゼル・エル・ブリタニア。 ここでアンタを────)────うぅぅ?!」

 

 シュナイゼルを見たスバルは腰のホルスターからコルトガバメントを出しかけると強烈な頭痛と共に意味不明なビジョンが次々と彼を襲う。

 

「(な、んだ?! こ、れは?!)」

 

 キャッキャと公園で遊ぶ子供たちと彼ら彼女らを微笑ましく見る大人たち。

 廃墟となった公園に散らばる無数の白骨体。

 泣き叫ぶ赤子の鳴き声。

 血塗られた両手。

 千羽の鶴が飾られた病室。

 燃える建物の中。

 笑いながらビルから飛び降りる光景。

 

 などなどなどが次々と、まるで様々な映画のリールからフレームを数枚だけ切り取って無理やり繋げたようなモノらが昴の前を過ぎ通る。

 

「スバル────?!」

「────カレン、あのナイトメアを使う! スバルは援護しろ!」

 

 ゼロは近くにあったガウェインへ走り、カレンはよろよろとするスバルの様子を見てユーフェミアがいることで即発砲をするのでは無く接近して生け捕りにしようとするブリタニアの歩兵部隊を相手にセンサーに効果抜群な閃光を出す小道具を使ってマシンガンを奪い取って威嚇射撃をし始める。

 

 「スバル!」

 

「ッ……もう大丈夫だ!」

 

 スバルはコルトをホルスターに戻し、カレンの近くで気絶していた歩兵部隊からマシンガンを取って彼女と共に応戦する。

 

『よし、二人とも乗れ!』

 

 ゼロの声でカレンはすぐにガウェインの首横に乗り、スバルを援護する。

 

「出口にサザーランドが────!」

「────問題ない! 消えろ!」

 

 ガウェインが出口にたどり着く寸前に両肩が開いて未完成のハドロン砲が放たれ、散弾のように撃ち出されたエネルギーが洞窟の出口付近に砂煙や岩石を飛ばす。

 

「うわぁ?!」

「カレン!」

 

 突然真横から高熱を感じたカレンをスバルは彼女の腰に腕を回してギュッと引き寄せた。

 

「掴まっていろ!」

「う、うん!」

 

「(何だこの機体は?! 未完成品か?! だがまぁいい……もう一つの機能があれば十分条件はクリアしている。)」

 

「ゼロ! 追手が────!」

『────問題ない。』

 

 そうゼロが言うとガウェインの背中に緑色の翼のような物を発現させ、足は陸から離れる。

 

「と、飛んだ?! 私たち飛んでいる?!」

 

 カレンはドキドキしながらキョロキョロと周りを見る。

 

「その様だな。 (ヒィィィ! 怖いぃぃぃぃぃ!)」

 

 スバルはポーカーフェイスを維持しながら内心ビビった。

 

「フハァハッハッハ! 何という収穫だ!」

 

 ゼロは急展開に興奮していた。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「枢木スザク少佐。 第2級軍規違反の容疑で逮捕する!」

 

「え?!」

 

「貴方たち、何を────?!」

「────待ちたまえ君たち。 ユフィに枢木少佐、君たちにも見せよう。 バトレー、ロイドを引きずってでもアヴァロンに連れ戻してくれ。」

 

 シュナイゼルがそう言いながら見たのはガウェインの飛んでいった方向を明らかに運動不足のロイドが慣れていない走り方をする光景だった。

 

 

 

 この数日後、キュウシュウブロックの関門大橋が破壊されると同時に、玄界灘から強襲揚陸艇が多数侵入しフクオカ基地を占拠。

 

『我々は ここに正当なる独立主権国家、“日本”の再興を宣言する!』、とフクオカ基地の通信機能を使って大々的にオープンと軍用チャンネル双方に宣言が行われた。

 

 通信画像には第二次枢木政権の官房長官を務めていた澤崎敦(さわさきあつし)の姿。

 

 そして隣には日本解放戦線の片瀬少将も立っていた。




リアルの仕事が忙しくなってその他諸々で休憩にグランド・セフト・オートV少しプレイしてきます。 (。´・ω・`。)

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