急展開で上手く表現できたか心配ですがお読み、そして楽しんでいただければ幸いです!
突然活発な動きを止めたランスロットの窮地にガウェインが現れたことで、アヴァロンのブリッジにいた技術者たちにどよめきが走る。
「あれは、盗まれたガウェイン?!」
「しかもさっきのハドロン砲?!」
「バカな! まだ調整は終わっていないはず!」
「誰かが完成させた────ハッ?!」
全員が後ろにいるセシルを思わず見てしまう。
「「「「……」」」」
否。
実質彼ら彼女らが視線を移したのは彼女の近くにいるはずのロイド。
「────」
そんな彼は黙り込んだまま、頭を両手で抱えて並みの人間では出せない表情に歪ませながら固まっていた。
そしてセシルといえば、ダラダラと汗をかきながら顔を覆っていた。
「「「「うわぁ……」」」」
『カオス』。
特派は『ロイドが主任』という事実でいつも
「(僕の……僕のハドロン砲が……こんなことをできるのはやはりゲフィオンディスターバの理論をあげながら完成させてその技術の応用でハドロン砲の集結力をアップからあqswでrftぎゅじこllp~)」
ロイドの視界は真っ白になった。
…………
………
……
…
『枢木よ、動けるか?』
空からフロートシステムを展開していたガウェインがランスロットの側に着陸し、オープンチャンネルで堂々と音信のみの通信が出る。
「ぜ、ゼロ?!」
『“動けない”というのならこのエナジーフィラーを受け取って下がれ。 私はこれから敵の司令部を叩く。』
降りたガウェインを操縦していると思われるゼロの言葉は、いつも通りの『上から目線』なものだったが、ガウェインの行動はそれと似合わない行動だった。
まるで目線を合わせるかのように片膝をつき、片手に乗せたエナジーフィラーを差し出すそれはまるで、『戦友』に対する動きだった。
そう思ってしまったスザクは『ああ、ゼロってどこか
「残念だけど、それはないな。 お前より、僕が先に叩かせてもらうよ。」
『そうか。 ならば競争というわけか、受けて立とう。』
『ゼ、ゼロ! お前は! お前たち黒の騎士団は日本を憂いる同志ではないのか?!』
フクオカ基地の司令部にいた澤崎は混乱していた。
やっと『枢木ゲンブの遺児』という
しかもその新たに現れたナイトメアに乗っているのは、ほかでもないゼロのようだった。
『同士? 我ら黒の騎士団は“不当な暴力をふるう者”の敵だと宣言したはずだが?』
「フ、不当?! 私は────!」
「────オオイタに展開中の片瀬少将も攻撃を受けているとの入電!」
「なに?!」
「敵はブリタニア軍か?!」
澤崎が驚き、ツァオ将軍が詳細を通信兵に求める。
「い、いえ! 敵は、黒の騎士団と思われます!」
「なに?! し、しかし奴らは反ブリタニア組織のひとつの筈!」
「(ブリタニアの包囲網をすり抜け、ここまで広い範囲で展開できるというのか奴らは?! これではまるで一国の『軍隊』ではないか!)」
澤崎は聞いていた黒の騎士団の評価と現実がかけ離れていることに焦り、ツァオ将軍はゾッとしながら本国の選択ミスを呪い始めていた。
「……澤崎殿、ここは────」
「────何をしている! 敵はたった二機! 奴らを攻撃しろ!」
ツァオ将軍は内心舌打ちをしながら、この局面でどう動けば体勢をキープしつつ生き残れるかを考え、
…………
………
……
…
ゼロのガウェインがフクオカ基地を襲撃する少し前に、黒の騎士団はキュウシュウブロックの包囲網を担っていたブリタニア海軍と海中騎士団を素通りしていた。
黒の騎士団が皆、『ゼロはどんな手品を使ったんだろう?』や『ここまで見通して根回しができるのか?』と思っているが、そのほとんどは、その疑問が二つともある意味的を射ていたことを思わないだろう。
いつかのカレン等が思っていた疑問を覚えているだろうか?
『ゼロは今まで何らかの手で、ブリタニア軍の一部でさえも口先だけで篭絡している』と。*1
もう察しているかもしれないが、上記での『何らかの手』とは、事前に相手の弱みや背景情報を前もって準備していただけではない。
無論これらにはルルーシュのギアス、『絶対遵守』が大きく関係していた。
軍の部隊長や指揮官クラスともなると、単なる『情報による脅し』では限界がある。
元々この活動は来る『トウキョウ独立』の下準備として進めていた陽動計画の一部だったが、今回の作戦で得られるものが大きかった為一部が転用された。
そこで、レジスタンスの日本人などしか知らない抜け道などを使って、オオイタ付近の各地に黒の騎士団は潜入し、待機していた。
静かに息をひそめ、『合図』を待つ者たちの中の一人であるカレンが、開いていた紅蓮のコックピットハッチの中からスバルの乗っている無頼を見る。
他の者がどこからどう見ても言動はスバル。
これはゼロや藤堂、昔から知り合いである扇や情報を武器としているディートハルトから見ても『スバル』だった。
なのだが────
「(やっぱり、
────カレンは潜水艦内から持っていた違和感で、よく『スバル』を見ているとごく僅かにだが
と言ってもそれらは微々たるもので、ほかにそれに気付ける者がいるとすれば、母親代わりに世話を見ていた
「(……ま。 大方、裏で何かしているんでしょう。 ほんッッッッッとうにアイツは昔から目立つのが嫌いなくせに大胆なことを上手くやるから、責めたくとも結果的オーライになるし……)」
「(ハァァァァァァァァァァァァ。)」
『スバル』は長~いため息を内心出していた。
「(
『スバル』になりきっていたマ
オオイタ基地に活気が急に生まれ、蜂の巣を突いたように忙しくなる。
『総員、合図だ!』
藤堂の通信に、黒の騎士団がそれぞれナイトメアに乗り込む。
カレンたちの目的は、日本解放戦線の生き残りのほとんどが片瀬に付いて来たオオイタ基地を強襲し、事前に中華連邦で旧日本軍から聞かされていた偽の情報を正すこと。
…………
………
……
…
「な、何事だぁぁぁぁ?!」
片瀬は突然の爆発音にそう叫んでいた。 *注*足元でサクラダイトが誘爆された訳ではありません
「基地の外壁の数か所が爆破された模様です! 目下、中華連邦より借りた兵とわれら日本軍の数人ずつ向かわせました!」
実戦経験も練度もお世辞にも『高い』とは呼べない中華連邦の兵士と機体だが、数はそれだけで脅威になる。
一時の時間稼ぎになるだろうと片瀬は思い、少しだけ安心した。
「敵は誰だ?! ブリタニアの特殊部隊か?!」
「そ、それが────!」
『────日本解放戦線の者たち! 私は旧日本軍の藤堂鏡志朗中佐だ! 今は黒の騎士団所属の軍事総責任者に就いている!』
そこにオープンチャンネルで藤堂の声が響き渡ったことで、日本解放戦線のだれもが耳を疑い、動きを止めてしまう。
「(な、なにぃぃぃぃぃぃ?!)」
片瀬は内心で叫んだ。
『何を聞かされこの作戦に参加しているのかは知らんが、果たして君たちが今戦っているのが“真の日本独立”だろうか?! 少なくとも私はそう思えん!』
「藤堂中佐?」
「『厳島の奇跡』……」
「どういうことだ?」
「だが────」
『────投降する者たちは武器を捨てろ! 今ならばまだ間に合う! 我々黒の騎士団は少なくとも、ブリタニアのように捕虜虐殺などはせん!』
管制室にいた日本解放戦線の者たちが困惑する間、片瀬の決して多くない髪の毛が数本ハラハラと抜け落ちて宙を舞う。
「(な、なぜだ藤堂?!
彼が最も得意とするのは組織や部隊の立ち上げで役職に見合った人材を選ぶこと。
『指揮官』にはあまり重視されないものだった。
片瀬は藤堂のような指揮官としての才覚はない。
それは彼自身重々承知している。
だからこそ、それなりの実力や能力を持つが階級の低かった者たちを昇進させたりなどのやりくりと、『藤堂は今作戦に賛同できない状態である』という
「片瀬少将、ご采配を!」
「「「「片瀬少将────!」」」」
「────む、むぅ……」
だがあくまで最高責任者は片瀬である。
特に『古い時代』に頭が囚われ、責任を持ちたくない者たちにとっては。
管制室にいた参謀たちや兵士のほとんどが(さらに髪が抜けていく)片瀬に指示を請う。
「フクオカ基地はどうなっておる?!」
「いまだに音信不通! 返答なしです!」
「(まさか、フクオカが陥落したというのか?!)」
『俺は降伏する!』
『貴様、裏切るのか────?!』
『────俺は中華連邦ではなく、日本に忠誠を誓った! こんなの、ただ中華連邦に利用されるだけじゃないか?!』
“日本”の周波数で次々と藤堂の言葉で勇気づけられた脱走兵が、不満などを声に出し始める。
『────敵前逃亡に軍法会議はいらん! 脱走は反逆罪だ!』
日本解放戦線の部隊長か指揮官らしき通信で脱走兵らしきものたちに銃が向けられ、藤堂の声が響き渡る。
『黒の騎士団、突撃! 投降の意思あるものは武器を捨てて身を隠せ!』
「えええい! 誰か車とヘリ、そして船の用意をしろ! 撤退だ! 遺憾ながらここを放棄し、一時撤退する!」
「て、撤退ってどこ────?」
「────合流地点はクマモト! 中華連邦の兵に弾幕を張らせろ! 澤崎と連絡が取れん以上、フクオカは襲撃されていると見ていい! 護衛にワシの無頼改部隊をつけろ!」
藤堂は黒の騎士団用チャンネルで、今度は別の指示を出す。
『紅月くん、スバルとともに街道へ先回りしてくれ。 予想が当たっているのなら少将ならば撤退を試みるだろう。』
『ぶ、部下を置いてですか?』
『……ただの予想だ。 ここは私たちで十分のはずだ。』
『了解です。』
『……わかった。』
片瀬と困惑しながらも
囮用のヘリと船を同時に出し、本命の車は片瀬や参謀たちを乗せて指揮系統が混沌化するオオイタ基地から、片瀬と昔から彼にだけ忠義を誓った者たちだけでの部隊が夜道を強引に走る。
「(なぜだ?! なぜ黒の騎士団がこうも簡単に?! ……まさか、ブリタニアと手を組んだ? いや、あり得ん。 藤堂がブリタニアとだと? ……ならば────)」
ドドドドドドドドド!
「────ヒィ?!」
後方からくる銃撃に片瀬は素っ頓狂な声を出し、周りの無頼改が数機反転して、撃ってきた黒の騎士団の無頼を迎撃するたために動く。
『気をつけろ────!』
『────問題ない。 お前こそ気をつけろ。』
『スバル』として無頼に乗っていたマオは、街道に乗ったまま敵の無頼改の攻撃を次々と躱しては、クロスカウンター気味にナックルガードで最初に襲ってきた無頼改の肘を殴って廻転刃刀を奪い、それとアサルトライフルを使う。
「(早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ────)」
『────フレー、フレー、マ・オ~────(棒読み)』
「(────うん分かったよCC!)」
「ば、バカな?! 本当にあれは無頼なのか?!」
片瀬はグラスゴーにマイナーな改造されただけの実質グラスゴーであるはずの無頼が、グロースターと同等の性能を持つ無頼改を翻弄する光景を『悪夢』として、現実味のない気持ちで見るしかなかった。
「(やっぱりスバルじゃない。 操縦は上手いけれど、どこか荒々しい。)」
カレンは自分の違和感が『疑惑』から『確信』になりつつあり、無頼改との戦闘に入る。
「(面倒くさい面倒くさい面倒くさい面倒くさい面倒くさい面倒くさい面倒くさい。)」
マオは戦闘をただの作業として『処理』していた。
カァン!
そんなマオとカレンを襲う無頼改の一機の
「こ、今度は何だ?!」
「狙、狙撃?!」
片瀬たちが狙撃に周りを見る間、次々とピンポイントの狙撃が続く。
藤堂の出現、黒の騎士団の襲撃、そして無頼改がリスクの高い行動をとってファクトスフィアを展開しても、敵のナイトメアがセンサー範囲外とだけ判明させて撃たれる。
「こんな、こんな筈では……なぜこんなことに?」
片瀬の髪は真っ白に変わりながらハラハラと抜け落ちていき、彼が世迷言みたいに繰り返す問いに答える者はいなかった。
「(片瀬、あんたがここにいるのは俺のせいだ。)」
青い機体が片足を地面に着かせ、アンジュの機体が使っていた狙撃銃を森の中から撃っていた。
カレンの紅蓮や、影武者の役を担っているマオの無頼に当たらないよう狙いながら。
「(なら、俺がアンタの対処をする。)」
そして撃つごとに巨大な薬莢がライフルから排出され、重い音をしながら地面に落ちていく。
「(カレンとマオがここにいるのは意外だが、こっちは通常のファクトスフィアでとらえられる範囲外にいる。 それにあいつがいつもの『勘』で最悪こっちに近づいてくるとしても『“時間”に意味はない』を使って戦線離脱、作戦通りに黒の騎士団に任せよう。)」
そう昴は思っていたが、カレンの紅蓮は狙撃を警戒するどころか、まるでそれを友軍からの援護射撃のように
「(あれ? ナンデ? え?)」
そのまま昴はハテナマークを飛ばすが、狙撃を続行するといずれ無頼改たちは沈黙化する。
「え。」
そこで紅蓮が何故か左腕で、ちょうど昴がいる場所にサムズアップをし、昴は冷や汗をかいてしまう。
「…………………………………………………………と、とにかく今のうちに離脱だ! 薬莢も集めて、痕跡を処分だ!」
昴は少々焦りながらも現場にいた痕跡を消してから、待機しているディーナ・シーへ帰還していく。
ディーナ・シーも潜水艦だが、黒の騎士団のステルスに勝る一部がある。
もう自重しなくても良い、ランスロットのファクトスフィア真っ青の性能である
「(ハァ~……相変わらずアンタの狙撃はいいもんだね。)」
『どうしたカレン?』
「うんにゃ、何でもないよ。 お疲れ様。 (スバルの影武者さん♪)」
「(……
…………
………
……
…
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ!
澤崎とツァオ将軍を追い込んだガウェインの中にいたCCが急に(一瞬だけ)震えた。
「ん? どうしたCC? もしかして高いところが苦手なのか?」
「ッ。バカ言うな坊や。」
「それともトイ────?」
「────バレルロールするぞ貴様。」
『ゼロ、片瀬少将も捕縛できた。』
「ご苦労、
『いえ、特には。』
「それで
『“可もなく不可もなく”って言ったところだね。』
「そうか、ではポイント3Eのルートに片瀬を連れてこい。」
ルルーシュはCCをからかうことを止めると、上記の通信が入って彼は(シートベルトを着用しながら)さらにワクワクする。
「(これでクーデターが成功すれば、後は雪崩式に黒の騎士団への賛同者が膨れ上がる。今度の作戦で得た日本解放戦線の残党と、そいつらを上手く誘導すれば、寄せ集めとはいえ立派な『義勇軍』としてブリタニア軍本体との防壁ぐらいにはなるだろう。 膠着状態を長引かせれば周辺国……いや、ユーロピア共和国連合や中華連邦が、自然とブリタニアに圧力をかけながら俺たちを取り入れようとするだろう。
それにしても、今度の作戦に新型や謎の集団は出てこなかったな……ブリタニアの包囲網や澤崎の“日本”の
あるいは、この結果こそが奴らの狙っていたものか?
……ディートハルトにもう一度、ナリタでスバルが遭遇した新型機等を探らせるのも一つの手か。 その前に────)────……さて、どうしたものか。」
ルルーシュは携帯を出して、ミレイから送られてきたメッセージを見て思わずため息交じりの言葉を出してしまう。
「どうした坊や? 深いため息なんて、年寄りになってからするものだぞ?」
「いや、少し面白くないものを思い出しただけだ。」
「ほう? 興味が出るな? なんだ?」
「お前には関係のないことだ。」
ルルーシュが見たメッセージは以下の通りであった:
『ねぇルルーシュ? ドレスの採寸は一年生の時と同じで良いかしら?♪ -from
「(ミレイ会長……まさかとは思うが、
ルルーシュは知る由もないが、正に思っていた『アレ』であった。
故国を守るため戦に身を投じた戦士たちの、ここは安らぎの場。
『戦士達にひと時の休息を』という思いで開かれたそこに、カリギュラ達は仮想のコロッセオに引かれるのは職業病かあるいは本能か?
次回予告:
学園祭
熱い視線がまたも『とある者たち』に突き刺さることとなる……
というわけで学園祭です。 (汗汗汗
あと余談ですがマオはナイトメアでもかなり激つよです。
知っている人は知っていますよね? 彼の『悪魔のグラスゴー』を……