小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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短めですが何とか投稿できました。

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この話は主にアンジュリーゼ視点です。

お読み頂きありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです。


第07話 少女の壊れた日常

 時間は少々遡る。

 

 それは、一人の少女が信じていた周りに裏切られる後まで。

 

 


 

 ___________

 

 アンジュリーゼ 視点

 ___________

 

『いつもの日常』の筈だった。

 

 何時ものように朝起きて。

 使用人たちが学園の制服を持ってきて、着替えを彼女たちにさせる。

 学校でミスルギ家の長女としての振る舞いを胸にしながら一日を過ごして、昼は部活動。

 

 それが繰り返され、やっとデビュタント日が決まった。

 

 何時ものように朝起きて。

 使用人たちがドレスを持ってきて、私がその中から一着選ぶと使用人たちに着替えをさせる。

 朝食を取り、来るべき客人たちに家族全員で家の用意。

 その流れのまま、上位の家の者たちが来て、私のお披露目が────

 

「────ぁ。」

 

 夢から覚めると、見覚えのない天井に一瞬戸惑う。

 

「(そうだ、私は………………) アンヌ? サリィ?」

 

 

 未だにダルイ身体を起き上がらせ、彼女は思わず侍女たちの名前を呼ぶ。

 

『おはようございますアンジュリーゼ様、よく眠れましたか?』

『今日は、どのドレスを着用されますか?』

 

 声がしたと思われる方向をアンジュリーゼが見ると、見慣れない寮の一室が目の前に広がっていた。

 

 そんな中、侍女も使用人の気配も周りになく彼女は一人ポツンと居た。

 

「…………………………………………」

 

 その事実にやっと(理解)が追いついた彼女はただ、ベッドの上で毛布をかぶって膝を抱えた。

 

「(一時的よ。 そう、お父様も言っていた。 これは一時的な処置よ。)」

 

 アンジュリーゼは一瞬、お披露目会で宣言されたことを思い出しそうになる。

 

「(違う! 私は、栄えあるブリタニア帝国の……由緒正しきルーガ(rüga)ミスルギ(Maiserugi)家の長女、アンジュリーゼ! 決して! 断じて! 混ざりモノ(混血)などではない!)」

 

 彼女の脳裏に次に浮かぶのは、お披露目会で宣言されたことを()()()周りの豹変ぶりだった。

 

 今までは気軽に挨拶していた同期たちや同じラクロス部の部員たちはアンジュリーゼを無視するようになった者たちは、まだマシな方だった。

 

 婚約者候補などの類は勿論、ルーガ(rüga)ミスルギ(Maiserugi)家と縁を切る、または知らぬ存ぜぬと申し出る家が後を絶たなかった。

 

 そして家でも学園でも変化は起きていた。

 

 危害を加える者。

 ねちねちとした嫌がらせを実行する者。

 見て見ぬふりをして知らんふりをする教師たちや使用人。

 これらを始めに、静観どころかアンジュリーゼが『いつ壊れるか』、『いつ暴走するか』、『いつ自害するのか』を賭ける者たちなども出始めた(自分でいっぱいっぱいだった彼女は知る余地もないが)。

 

 それらはまるで、『人が急に変わった』としか言いようが無かった。

 

 ちなみに当初、『いつ自害するのか』が賭けの対象として追加されたのは彼女の家族のことが暴露されて一年後に起きた、とある事件がきっかけとなる。

 アンジュリーゼの母が発狂し、レターナイフで自らの夫であるアンジュリーゼの父を襲い、最後は自分の首を斬り、亡くなった事件だった。

 

 ミスルギ家の屋敷やアンジュリーゼの母の部屋に部外者が侵入した痕跡がないことや、母の様子が事件の当日から既におかしかったことから警察が出した結論は『過激なストレスにより精神に異常をきたし、錯乱状態に陥った』とのこと。

 

 無論、アンジュリーゼの父は調査を続けることを申し出たが、使用人やソフィア(アンジュ母)とその日に会った数少ない者たちなどの証言が出た為、再調査が行われることは無かった。

 

 アンジュリーゼ本人が次に気が付いたころには、既にエリア11(日本)でも旧新宿近くの新シンジュク行きのチャーター便に乗っていた状態。

 

 急いで書いたらしき、父から渡された手紙を握りながら。

 

 手紙に書かれたことは今後の簡潔な説明と、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()などのことだった。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「やぁ、アンジュリーゼ。 久しぶりだね?」

 

 彼女を待ち構えていたのは実に久しぶりに笑顔をするルーベン・K・アッシュフォードだった。

 だが相手が“久しぶり”と言っている割にはアンジュリーゼ自身、目の前の男はパッと思い浮かばなかった。

 

「えっと……お久しぶりです? ルーベン様────?」

「────そう堅苦しくならずともいい。 今の私は、ただのしがない理事長だ。 それに、君と最後に会ったのは君が生まれて一年も経っていない頃。 覚えていないのは当然だ、意地悪をして悪かったね? さっそくだが────」

 

 ────アンジュリーゼは夢を見ているような調子のまま、ルーベンの話を聞き流すままアッシュフォード学園に連れてこられ、またも気が付けば寮室のベッドの上にいた。

 

 窓の外は既に日の光が無くなりかけ、オレンジ色へと変わっていたこととお腹から来る音にアンジュリーゼはハッとする。

 

「………………」

 

 クゥゥゥ。

 

「……まだ、何も食べていない……」

 

 淑女にあるまじき事態ではあるが、彼女にそんなことを気にする余裕も気力もなかった。

 

 ボーっとし、空腹のまま彼女は周りを見渡すとぼさぼさのまま、長い髪の毛が流れる。

 

「使用人を……呼ぶベルは?」

 

 彼女は空腹もあってか、意識が朦朧としながらもそのまま部屋を出ては使用人を……

 否、()()()()()()()()()()()()()

 

「(誰か……誰かいないのかしら────?)」

 

 ────ドサッ!

 

 彼女の足は整備されたコンクリートの床から庭らしき場所へと出てはもつれてしまい、草の上へと仰向けに倒れた後は微動だにしなかった。

 

「(眠たい……ベッドに…………………………………………戻って……朝起きて…………………………………………起こしてもらって…………………………………………)」

 

 顔に草がチクチクと刺さりながらも瞼を襲ってくる誘惑に彼女は身を委ね、ただ眼を閉じた。

 

『ッ。 お嬢様! 誰かがこちらで倒れております!』

 

 それが耳へと最後に届き、アンジュリーゼは意識を手放した。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「ハッ?!」

 

 悪夢を見ていたアンジュリーゼがバッと目を開けると、またも知らない天井を見上げたことで、悪夢が現実と身に沁み始めていた。

 

「あ。 気が付かれましたか?」

 

 横から聞いたことのない少女の声がし、アンジュリーゼが横を見ると大きな車椅子が目に入る。

 

「……シルヴィア?」

 

 アンジュリーゼが見ると大きな電動車椅子に乗った少女を見て、思わず妹の名を呼ぶ。

 

「いいえ、私はナナリーと言います。」

 

「(あ……違う。 シルヴィアじゃない。 別人? ナナリーって、誰?)」

 

 ゆるふわウェーブの髪をした少女は目を閉じたままアンジュリーゼにニッコリとした笑みを向ける。

 

「起きたようだな。 苦労を掛ける、ナナリー。」

 

「いえ、お兄様たちの頼みですもの。 なんてことありませんわ。」

 

 アンジュリーゼが次に見たのは黒髪と紫色の瞳を持った少年の姿だった。

 

 その時、彼女の視界に入ってきたのは自分の腕に繋がっていた点滴。

 

 そして────

 

「────すまないな、二人とも。」

 

 パタン。

 

 近くの椅子に腰を掛けた銀髪の少年が持っていた本を閉じながらニッコリとした笑顔を向ける。

 

「ヒッ────! (────ま、混ざりモノ!)」

 

 アンジュリーゼは思わず息を飲むと、どれだけ喉が渇いていたのか嫌でも意識してしまい、言葉は続けられず、部屋の中に黒髪の少年が入室する。

 

「なんだ、やはりスヴェンの知り合いだったのか?」

 

「だからそう言っただろ、ルルーシュ?」

 

「でもビックリしました。 咲世子さんと一緒に校内を散歩していたら、人が倒れているのですもの。」

 

「ありがとう、ナナリー。」

 

「スヴェンさんには、お兄様ともどもお世話になっていますから。」

 

「どちらかと言うと、私がルルーシュの世話になっているのだけれどね?」

 

 アンジュリーゼが固まっている間、スヴェンはルルーシュとナナリーとのやり取りを続けた。

 

「スヴェン、お前は苦労する相でも持っているのか?」

 

「ルルーシュほどじゃないさ。」

 

「そうお前は言うがな? 確か主は病弱で休みがちで、容態の変化次第で急遽学校を早退しないといけない時もあるんだろ?」

 

「後たまにですがお兄様が出かけている間、私の話し相手などになってくれたりしますよね?」

 

「……すまない、ナナリー。」

 

「いえ、私は別にお兄様を責めているわけではないのです。」

 

「要するに、私が“苦労人”と言いたいんだな、ナナリーは?」

 

「あら、スヴェンさんもようやく自覚をお持ちになって?」

 

「ハハ、かもね?」

 

「(何よ、これ。)」

 

 アンジュリーゼの中では怒りが湧き出ていた。

 

『なんで混ざりモノであるスヴェンがニコニコと笑いながら兄妹と思われる友人二人と楽しそうに笑っている』、と。

 

『自分は理不尽なことでこんなにも不幸だというのに』、と。




出来る間にストックを作ってきます。 (汗

というわけでアニメを見てリサーチしてきます。 (開き直り
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